【専門学校】奨学金の平均、月いくら借りるのがベスト?

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専門学校に進むには、奨学金は月にいくら借りればよいのでしょうか? 学費の相場や、保護者が借りる国の教育ローンも含め、キャリアコンサルタント(国家資格)がお答えします。

筆者は、専門学校関連の業務も経験しています。

フジテレビ ニュース出演時

運営 受験ネット(代表 加藤)
東日本で高校への講師派遣、通信・個別指導事業を展開。代表加藤は、早大卒、予備校講師を経て国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20022587登録証)。高校内講演に年80回。代表プロフィール詳細※ページ内にAmazon等のプロモーションリンクを含む場合があります。


【大学文系】奨学金の平均は月いくら?学費も分かりやすく

【大学理系】奨学金の平均は月いくら?学費も分かりやすく

専門学校 高3秋の支払いは72万9000円!

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専門学校の学費の平均額は、下の通りです。最初の支払いは、早いと高3の秋(合格から1~3週間以内に銀行振り込み)。授業料と施設設備費等の後期分は後払いでもよい専門学校が多く、その場合、高3秋に平均72万9000円の準備が必要です!

入学金授業料設備施設費等初年度学費合計
私立大学文系22万5000円81万5000円14万8000円118万8000円
私立大学理系25万1000円113万6000円17万9000円156万6000円
専門学校18万3000円69万5000円39万9000円127万6000円
国立大28万2000円53万5000円学校による81万7000円
100円単位を切り捨て

※(私立大)文科省2021年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査。私立理系に医歯薬系(初年度学費合計489万円)は含みません。私立短大は、入学金23万7000円、授業料72万3000円、施設設備16万6000円、合計で平均112万7000円。
※(専門学校)2021年度東京都専修学校各種学校協会調査統計部調べ ※(国立大)2022年度文科省令による標準額

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初年度納入金や進学後の支払額(平均)は、授業料の分納制度がある専門学校の場合、以下のようになります。

入学金授業料設備施設費等合計月あたりの額
高校(3年生の秋~冬)18万3000円34万7000円(前期分)19万9000円(前期分)72万9000円
専門学校(1年夏、2年以降は春夏の2回)34万7000円(半期分)19万9000円(半期分)54万7000円9万1000円
※100円単位を切り捨て
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子が高3の段階で初回の学費支払いがあるためか、親が学費、子が生活費という分担がやや多いようです(統計)。ただし、この奨学金は学費に充てるという考え方もあり、逆のパターンもあります。

保護者が学費を負担する場合、貯金+国の教育ローン(子ども1人あたり総額350万円が上限、一部条件で450万円)で賄うことが多いです。通常、高3秋頃と、進学後の夏頃(後期の支払い用)に、借り入れを行います。(高3秋に、初年度分はまとめて借りても構いません)

国の教育ローンは「今後1年間で使用する額」しか申し込めないため、以降は、2年生の春、(3年制以上の場合は)3年生の春、4年生の春に、その学年分を借りるご家庭が大半です。

卒業まで待ってもらえる子どもの奨学金と異なり、返済はすぐに始まります。しかし、すぐに返済を始めてしまうと、ローンでローンを返すような状況になりやすく、多くのご家庭は「子の在学中は利息のみ返還」という選択肢も選ぶことができます。この場合、高3の秋(借り始め)から、子が卒業するまで、月の返済額は数千円程度です。

なお、子が自宅外通学の場合、多くの家庭で、親だけで学費を負担するのが難しく、子も何割か負担することが多いです

東京大学での研究による

子が自宅外の場合 生活費・家賃+学費の半分を子が負担の場合、奨学金は月9万9000円!

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自宅外から通う学生の生活費と家賃の合計額は、月に12万5000円が相場です(ライフルホームズ)。

月ごとの学費月ごとの生活費・家賃月の合計費用
専門学校9万1000円△12万5000円△22万6000円
※実際には前期分は高3の秋以降に支払い済みですが、複雑になるため、学費相当額を計上しました。/100円単位を切り捨て

専門学校は、授業や宿題の負担が大きいため、アルバイトは、夏休み等も加味しても、月平均5万円前後の収入が限界だと言えます。そのため、次のように、設計できます。

保護者負担アルバイト奨学金合計
大学文系4万6000円5万10万9000円20万5000円
※100円単位を切り捨て
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親が高3の秋の支払いを全額負担し、以降学費の半部を負担するとすると、アルバイトをしたとしても、奨学金は10万9000円程度借りなければならないと、計算できます。

なお、学生支援機構の奨学金は1万円単位のため、月約10万円の借り入れとなります。

子が自宅から通う場合 生活費+学費の半分を子が負担の場合、奨学金は月6万3000円程度

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自宅外から通う学生の生活費は、月に5万8000円が相場です(ライフルホームズ)。

専門学校は、授業や宿題の負担が大きいため、アルバイトは、夏休み等も加味しても、月平均5万円前後の収入が限界だと言えます。そのため、次のように、設計できます。(学費は、親が半分負担するとします)

月ごとの学費月ごとの生活費・家賃月の合計費用
専門学校△9万1000円△5万8000円△15万9000円
※実際には前期分は高3の秋以降に支払い済みですが、複雑になるため、学費相当額を計上しました。/100円単位を切り捨て
保護者負担アルバイト奨学金合計
専門学校4万6000円5万6万3000円15万9000円
※100円単位を切り捨て
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学生の半分は自宅住まい(ベネッセ)、また学生の半分は奨学金を借りていない(生命保険文化センター)というデータがあり、自宅生は保護者負担とアルバイトで乗り切るケースも多いと想像されます。しかし、兄弟や家計の状況もあり、平均的には上のように月6万円程度の奨学金利用は想定されます。

専門学校生の奨学金の平均は、7万2000円前後(推定)

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専門学校生の奨学金の平均額は、どのくらいになるのでしょうか?

はい。学生全体の奨学金の月額の平均は、6万8000円前後と推定されます。

計算法 奨学金の借入総額は平均324.3万円と分かっています(画像労働者福祉中央協議会)。学ぶ年数は、専門学校の1年制から、大学院まで進学する合計9年まで様々です。大まかな人数比、大学文系7:大学理系3:専門3をベースに、学ぶ年数が長い理系分を、学ぶ年数が短い専門学校分が相殺できますので、平均して4年と割り切ると、6万8000円程度と計算されます。

ただし、自宅生と自宅外生で、かなりの金額差があると推定できます。

  • 自宅から通う専門学校生が必要とする奨学金額 月6万3000円前後
  • 自宅外から通う専門学校生が必要とする奨学金額 月10万9000円程度

上記の平均額は、8万6000円。自宅生、自宅外生の割合は、おおむね1:1ですので、予想される平均額(6万8000円)に対し、年あたりの学費は割高な分を加味すると、つじつまは合います。

奨学金の返済額の調べ方は?

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奨学金でいちばんよく使われ、いちばん借りやすいのは、日本学生支援機構の第2種奨学金です(有利子、要返済)。

なお、このほか、学力基準(成績が良いほど有利)と家計基準(家計がある程度厳しいこと)をダブルで満たす場合、第1種奨学金(無利子=返済必要)があります。私立の専門学校の場合、2~6万円の範囲で、金額を選べます。また、2種と併用可能です。

また、家計が非常に厳しい(住民税非課税、またはそれに準ずる)場合、文科省の修学支援制度(学費減免+返済不要の給付型奨学金)があります。奨学金部分は、日本学生支援機構の扱いです。

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例えば、ひとり暮らしの場合、奨学金は月に10万2000円前後必要と思われます(学費の3割と、生活費・家賃を、子が負担するとする)。もし2年制の学校で、月10万円借りるとすると、月約1万3700円を35歳頃まで返済することになります(奨学金シミュレーターが便利)。

学生支援機構の奨学金は、高3の1学期に、高校経由で予約ができます。保護者の負担+アルバイト+第2種奨学金(有利子、要返済)で、学費、生活費(人によっては家賃)を全て負担できる額を申し込みます。

同時に、第1種奨学金(無利子、要返済)、給付型奨学金(返済不要、学費減免制度とセットで利用可)や、専門学校や自治体主催の奨学金、特待生などを申し込んでおき、借りられたら、第2種を減額するプロセスが普通です。

なお、保護者は、国の教育ローンの利用が一般的です。高3の秋(専門学校合格から1~3週後が目安)には、学費の支払いがありますので、平均して92万9000円の準備が必要です(国の教育ローンシミュレーターが便利)。

実は、就職率が重要!

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奨学金を月に10万円、2年間借りると、月約1万3700円を35歳頃まで返済することになります。少な目の額に見えますが、就職できるかが非常に重要。万一就職できないと、「奨学金」のイメージよりは厳しい取り立てが待っています。

専門学校は、国家資格(美容師、栄養士、介護福祉士、自動車整備士)を取得できる分野であれば、大卒より生涯年収は低くなる傾向があるものの、就職率自体は良好です。また、IT分野など、国家資格よりも、ポートフォリオ(実際に作ったプログラム等)が重視される分野もあります。

問題なのは、就職できても、想像以上にきつく続かなかった、また想像以上に給与が低く続けるモチベーションがわかないというケースです。就職率、平均的な初任給額、就職後の1日の流れ、中途退職率は、ぜひ調べておく必要があります。

また、芸能、ミュージシャン、声優、動物飼育、ゲームデザインなど、人気の割に就職口が少ない分野は、就職自体ができず、奨学金の返済に初めからつまずいてしまうこともあります。受験前に、詳しく調べることが必要です。

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