専門学校生の学費相場と奨学金・教育ローンの借り方

   

専門学校の学費の相場、平均額は? この記事では、専門学校の学費の相場や、奨学金、教育ローンを使用した支払い方を、専門家が分かりやすく説明いたします。

筆者:元予備校講師、大学受験部部長。現在、年に80以上の高等学校の講話に出講。

関連記事

広告

【動画】人気ユーチューバーからの受験生応援メッセージ

専門学校の学費の平均額

入学金 授業料 設備施設費等 合計
私立大学理系 25万6000円 107万2000円 19万1000円 150万1000円
私立大学文系 23万5000円 75万9000円 15万7000円 115万1000円
専門学校 16万9000円 70万0000円 37万3000円 124万2000円
国立大 28万2000円 53万6000円 学校による 81万8000円

専門学校の学費の平均額は、上の通りです。入学金が16万9000円、授業料が70万円、施設設備費が37万3000円、合計で124万2000円となります。 おおまかに費用を計算するために、以下のように覚えておくと便利です。

  • 入学金  15万円
  • 授業料  70万円
  • 施設設備費  40万円

なお、初年度の学費が平均額の124万2000円より、10万円以上高くなるのは以下の分野です。

  • 医療系(看護、歯科衛生、歯科技工を除く) 138万4000円〜171万6000円
  • 栄養、調理   140万5000円
  • 製菓  165万2000円
  • 理容、美容  135万9000円
  • 音楽、演劇、映画、放送  139万8000円
  • 動物   134万9000円

※文科省 2016年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査 ※私立大学理系に、医歯薬系は含みません。 ※2016年度東京都専修学校各種学校協会調査統計部調べ(合算は合計と一致しません) ※文科省令による標準額(国立大)

広告


受験ネットから進呈

専門学校生 合格時に必要な費用と国の教育ローン

専門学校では、専門学校1年生次の学費が約125万円(入学金15万円、授業料70万円、施設設備費40万)かかりますが、支払い時期は入学直前でなく合格時となります。推薦AO入試を使用した場合、高3の秋頃の銀行振込となります。 ただし、多くの専門学校では、後期授業料の後納制度があります。そのため、授業料の半分を除いた、90万円(15+35+20万円)が実際に準備すべき金額となります。

支払うタイミングは、受験生が高校に在学中ですので、奨学金は利用できません。そのため、この初年度納入金と呼ばれる金額の一部である90万円は、保護者が支払うこととなります。保護者は、貯金があればそれを使用しますが、近年は国の教育ローンを使用するのが一般的です。 国の教育ローン(日本政策金融公庫)

金利 年率1.76%(2018年6月現在)
条件例 子1人=年収790万円(所得590万円)以下
借入 いつでも450万円まで借りられる
返済 翌月から最大15年で返す(子の在学中は利息のみでも良い)

国の教育ローンは、各県にある窓口で相談、申し込み業務を行っているほか、電話相談やインターネット申し込みも行なっています。相談、手続き、審査、振り込みに最低20日間かかります。返済額の確認は、国の教育ローンのウェブサイトにあるシミュレーターが便利です。以下は、シミュレーションの一例です(記事執筆時)。

  • 90万円を5年プランで借りた保護者 → 翌月から月1万6000円を5年間で返済
  • 90万円を10年プランで借りた保護者 → 翌月から月8300円を10年間で返済

※国の教育ローンのほか、祖父母に借りるというケースもときどき聞きます。

専門学校生 進学後に必要な費用と奨学金

私立大学理系に進学した場合、入学金を除いた1年間の学費は約110万円(授業料  70万円、施設設備費 40万)です。1ヶ月あたり約9万円と考えると、計画がしやすくなります。 結論から言うと、5万円を奨学金から、4万円をアルバイトから支払うのがおすすめです。奨学金を借りすぎると返済が苦しくなり、アルバイトをしすぎると学業が苦しくなります。

※奨学金を借りる学の全国平均は、月額6~7万円程度となっています。

専門学校生が利用できる奨学金は、海外ではもらえるものがメインですが、日本あとから利子をつけて返すものがメインです。ほとんどの大学生は、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金を借りています。

日本学生支援機構(旧日本育英会) 第2種奨学金(有利子)

金利 年率3.0%を上限として変動(固定0.27%、見直し方式0.01%。2018年3月)。在学中無利息。
条件① 大学、短期大学、専修学校、大学院等の学生
条件② 家計基準(3~4人世帯の給与所得者なら年収1000~1100万円前後まで)+成績が平均以上等
貸与額 月2万〜12万円(1万円刻み)
手続き 高校で5月(秋にもう1度ある場合も)に申し込み、10月に決定。
入金と返済 入学後に借りられる。卒業後に返す。返済期限は、自動設定(延長しても20年)

※第1種は無利子(最高額は、4.5万~6.4万円の範囲内で自動設定) 日本学生支援機構のウェブサイトにあるシミュレーターが便利です。以下は、シミュレーションの一例です(記事執筆時)。

  • 月額5万円を2年間借りた専門学校生 → 月約8480円を33歳頃まで返済
  • 月額5万円を3年間借りた専門学校生 → 月約1万1758円を35歳頃まで返済

※専門学校の約半数は2年制ですが、1、3、4年制もあります

専門学校生 アルバイトは月に4万円程度がおすすめ

専門学校生が、自分で学費を支払うとすれば、月に約9万円。5万円程度分を奨学金、残り4万円程度分をアルバイトで支払うのがおすすめです。 専門学校生の場合は国家資格の取得が前提となるため、研究、実習やレポートなどで忙しく、アルバイトの上限は、月額4万円程度です。看護、医療系、管理栄養など、習熟すべき知識が多い分野は、さらに少なくして、長期休暇に稼ぐという手もあります。

※アルバイトで稼ぐ額の全国平均は、月5万円程度。

もらえる奨学金の例 ①(国)住民税非課税・生活保護など。2~4万円/月。各高校数名。 ②(各大学)立教大・東京学芸大・東洋大・神奈川大・玉川大・横浜商大・明光教育研究所・トビタテ!留学JAPAN官民協働海外留学支援制度など
その他の奨学金(例) ①看護師、介護福祉士、保育士。指定施設で働くと返済免除。 ②市区町村(無利子のものも) ③新聞奨学生(かなりハード) 上記の奨学金のなかには、採用数が少ないもののあります。通常は学生支援機構の奨学金を高校在学中に予約しておき、上記の奨学金に当選した場合、日本学生支援機機能の奨学金を減額したり、取りやめたりするケースが多くなります。

専門学校生の生活費

専門学校生の学費は月に直すと約9万円。学生本人が、奨学金(5万円)とアルバイト(4万円)で十分に支払える金額でした。一方、学費以外にかかる生活費はどのような相場になるのでしょうか?

自宅生の生活費 月額4万円(〜6万円)
自宅外生の家賃含めた生活費 月額12万円(〜18万円)

上の金額(4万円、12万円)は、比較的質素な生活の専門学校生の生活費です。交友関係が活発な場合は、かっこ内に示した、1.5倍程度の額を見込みます。

自宅外生の家賃や生活費の明細は以下の通りです。

  • 家賃 4万円/光熱費1万円/食費3万円/娯楽費1万円/勉学・雑費1万円 /スマホ・通信1万円/その他1万円

学費を本人が払うパターンなら、生活費を保護者が負担すると、バランスが良いでしょう。

※自宅外生で保護者の負担が多すぎて厳しい場合、家賃分を保護者が負担し、生活費分を仕送りとするなどの方法もあります。

専門学校生 進学後に必要な臨時出費

専門学校の場合、看護医療系を除き、合格率は高いため、入学前にかかる受験料はあまり考慮しなくて良いでしょう。ただし、一人暮らしの場合、入学前にかかる費用もあります。

  • 一人暮らしの場合、借家契約16万円、引越7万円、家電8万円がかかります(平均額)。

専門学校生の入学後の主な臨時出費(平均)は以下の通りです。留学、資格スクール、海外旅行、帰省費用を除いても約46万円かかりますので、1年あたり約23万円の備えが必要です(2年制の場合)。学生本人が負担する場合、奨学金かアルバイトを毎月1万円程度増やすか、長期休暇のアルバイトの稼ぎを当てるとカバーできます。

  • 衣装(入学式のスーツ)3万円/免許25万円/資格スクール17万円/海外旅行14万円 /留学30万円/就活6万円/合宿・旅行5万円/帰省交通費2万円/その他7万円

このほか専門学校では、分野によって消耗品の費用がかなりかかります。例えば、美容分野では高額なハサミや使い捨ての頭髪模型が必要です。ファッション分野も比較的費用がかかります。

就活リスクは低いものの、待遇面の不安が大きい専門卒

日本学生支援機構によると、奨学金の滞納者は約16万人います(2016年11月、3か月以上の延滞者)。

専門卒の場合は、声優、漫画家、ミュージシャン、ファッションなど芸能・芸術系の分野を除き、就職率は高めのため、就職浪人やアルバイトの身分で奨学金を返済するというリスクは低めです。しかし、わずか1〜4年間でほぼ全員に付与される国家資格を前提としているため、給与水準そのものは低い傾向があります(看護を除く)。

給与水準が低いという声は、福祉業界からよく上がりますが、保育・幼児教育、美容業界からもよく聞きます。最近は、自動車整備業界から、窮状を訴える声が上がりました(2018年春)。また、動物分野の主要な就職先である、トリマーの業界は、初任給が15万円程度と言われ(ちば愛犬動物フラワー学園による)、12万円からという求人を見かけたこともあります(山梨県の例)。

このように、専門卒の場合、大学文系(とくに中堅〜低位校)に比べ、就職に失敗するリスクは減るものの、給与水準は低めと言えます。そのため、一人暮らしや結婚生活を始めた場合に、奨学金の返済リスクを抱える可能性が大きいと言えます。だからといって、大学文系では最低でも日東駒専クラス以上でないと学歴のメリットは感じづらく、基礎学力やさまざまな応用力に不安がある場合は、専門学校の方が得策と言える場合もあります。

本人の学力やさまざまな応用力を考え、最も適切と思える進路選択をし、長く継続できる仕事に進むことが、奨学金完済の大きなポイントとなります。

関連記事

 

 


広告


プレゼント

 - 教育問題