新学生・新社会人の部屋探し よくあるトラブルと7つのポイント

春からひとり暮らしを始める人を中心に、部屋(アパート)探しのシーズンがやってきました。この記事では新大学生、新専門生、新社会人のために、初めてのアパート探しで起こりがちなトラブルと、部屋(アパート)探しのポイントをお伝えします。

新学生・新社会人の部屋探し よくあるトラブル

2月から3月は、部屋探しのシーズンです。

不動産会社にとって、部屋(アパート)を探す人の中で、学生や新社会人は、実は最もだましやすい相手です。大きな買い物に慣れていないため、ものの言い方を工夫すれば、簡単にごまかすことができてしまいます。もちろん良い不動産屋も多数ありますが、そうでない不動産屋も多いのが実情です。

部屋探しのトラブル1「6畳と書いてあるけど、実は5畳くらいですよ」

新大学(専門)生、新社会人に限らず、部屋探しをする上で部屋の中を見せてもらうこと(内観=ないかん)は、絶対に必要なポイントです。

しかし、前の入居者がまだ住んでいる場合は、内観が不可能です。見学によって、アパートの近所の様子や、建物の外観は分かりますが、部屋の中の様子、特に広さは分かりません。東京、大阪など都市圏では、地方では考えられないほど狭い部屋(まるで物置きのような部屋)も多くあります。

内観ができない場合、パンフレットや案内書に記載されている広さがカギになります。しかし、6畳、7畳など「畳(じょう)」で表示してある場合、そもそも畳1枚分とされる広さは、地方によって異なり、関西では大きめ、中京では普通、関東では小さめの傾向があります。

さらに、不動産屋さんのスタッフは、「6畳と書いてあるけど、実は5畳くらいですよ」というような、一見正直なコメントをする場合がありますが、入居してみると4畳半にしか見えなかった、というトラブルもあります。特に地方から東京へ来た人は、大きめの畳を想像しているため、ダメージが大きくなります。もちろん、正直な不動産屋もいますが、なかには口がうまい不動産屋もいるということです。

部屋探しのポイント 

① 必ず内観をする。

② 部屋の広さを「畳(じょう)」で示された場合、畳の大きさの地域差を知っておく。

畳の広さの目安 … 団地間(五六間)>江戸間(五八間)>中京間(三六間)>六一間【中国地方】>京間・本間【関西】

③ 入居有力な部屋は、平米(平方メートル)を調べるようにする。京間・本間【関西】で6畳なら、10.94平米。出発前に、実家の自分の部屋や居間の平米を測っておくとイメージしやすい。

部屋探しのトラブル2「この部屋は人気があるので、……」

新学生や新社会人が不動産屋で部屋探しをする際、必ず出てくる営業トークは、「この部屋は人気があるので、急がないと他の不動産屋に来ている客に、押さえられてしまいますよ」です。多くのアパートは複数の不動産屋と契約しているため、決して嘘ではないのですが、部屋探しをする人を焦らせてしまいます。

お客が部屋の見学に行っている間は、その不動産屋では他の客には紹介をストップすることが大半です。しかし、よほどの場合でなければ、他の不動産屋の紹介を一時止めることは、不動産業界の慣習上できないようです。

もし「この部屋は人気があるので、急がないと他で押さえられてしまいますよ」というトークがあった場合、どのようにしたら良いのでしょうか?  答えは、その部屋を取られてしまっても仕方ないと、割り切ってかかることです。現在は、アパートの供給過剰と少子化が同時に進んでいますので、良い物件は他にもあるはずです。

部屋探しの最大のポイントは、現地を見学し内観し、その後ひと晩じっくり考えて、答えを出すことです。営業トークに惑わされ、内観をパスしたり、内観後すぐに決めてしまうのが失敗の最大要因です。

特に地方から東京や大阪などへ出て、宿泊して部屋探しをする場合は、焦って、後悔する結果につながる場合もあります。東京でも大阪でも、ホテル不足が進む反面、少し郊外に出れば競争が激しく、安く泊まれるホテルも増えています。安いホテルを選び、1泊か2泊長めに滞在することが、部屋選びで失敗しないコツです。

部屋探しのポイント

良い物件は多くある。内観を行い、ひと晩検討することの方を優先し、先約が入ったら、いさぎよくあきらめる。

東京、名古屋、大阪、仙台、福岡など、都市圏に1泊で部屋探しに来る人は、騙されやすい。安い宿に2泊か3泊がおすすめ。

例えば、オークホステルキャビンは、カプセルホテルですが女性専用フロアもあり安心できます。東京駅から1駅の八丁堀駅から徒歩(東京駅までの長距離切符なら、追加運賃なし)。現在の料金は「楽天トラベル」のリンクから確認できます。

2階建てのカプセルタイプが苦手な場合、個室タイプもあります。女性専用フロアあり。新大阪駅から15分の、大阪のど真ん中、難波駅直結。現在の料金は「楽天トラベル」のリンクから確認できます。

部屋探しのトラブル3 なぜか3番目に見た部屋(アパート)がよく見えてしまう

多くの不動産屋では、新大学(専門)生や新社会人に限らず、部屋探しをしているお客に、アパートの部屋を3つ見せる傾向があります。

表向きは「よく比較してもらい、後悔をしないようにとの配慮」ですが、実は見せ方に工夫があります。決まって、不人気物件、普通の物件、少し高いけれど良い物件の順に見せる不動産屋が多いのです。すると、1つ目、2つ目で少しがっかりした心理になるため、3つ目では少々家賃が高くても決まりやすいという傾向があります。

もし1万円高い物件に決めてしまうと、4年間で48万円高くなります。もし不動産屋さんが3つのアパートを紹介するという場合、3つ目は慎重に検討する必要があります。

部屋探しのポイント

3つ目に見学するアパート(部屋)は、おすすめ物件が多いが、家賃が高くなることも多い。慎重に判断しよう。

部屋探しのトラブル4 アパート入居後、ゴキブリが出た!

実家暮らしでは、ゴキブリ退治は、家族の誰かがやってくれました。しかし、新大学(専門)生、新社会人として一人暮らしを始める場合、たいていは単身となります。

実家は広さがあるため、ゴキブリが出て取り逃がしても、どこかへいなくなったと安心することができます。一方、アパートの部屋は狭く、もしゴキブリを取り逃がした場合、100%の確率で必ず近くにいるという心理が働きます。そのため、ゴキブリが苦手な人は、ゴキブリが出にくい物件を選び、習性を知り、強力な殺虫剤を用意しておく必要があります。

まず、ゴキブリができにくいのは、鉄筋コンクリートのマンションタイプの物件です。昆虫の立場に立てばわかりますが、木の周りと、コンクリートブロックの周りのどちらに住みたいですか、ということになります。ゴキブリは、コンクリートよりも木を好みます。適度な湿気をため込みやすい、穴が空き通り道ができやすいということもありますが、生き物として自然物を好む本能もあるでしょう。

マンションタイプは、家賃が高くなりますが、ゴキブリ嫌いの人には、金額に代えがたいメリットになりますし、大地震や火災に強いというメリットもあります。マンションが厳しい場合、少しでも木材の使用が少ない物件を、不動産屋に相談してみてください。

階は高い方がよく、1階や半地下はぜひ避けたい部屋です。また、飲食店やコンビニが入った建物は避けます。

部屋探しのポイント

ゴキブリを避けるなら、鉄筋コンクリートがベスト。なるべく高い階を希望し、飲食店のない物件を選ぶ。

なお、殺虫剤は据え置き型なら「コンバット」、出てしまった場合には「ゴキジェット プロ」が最もおすすめできます。コックローチ等、一般的な殺虫剤ではゴキブリは退治できないため、必ず専用のものを買います。

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部屋探しのトラブル5 シェアハウスで同居人と合わなかった

出典:東京23区駅から5~10分以内のシェアハウス【サークルクラブ】

近年、新学生や新社会人に、シェアハウスの人気が上がってきています。

寝室はプライベートが重視され、共有のリビング(=写真)、ランドリー、キッチンがあるタイプが人気です。テレビ、ベッド、家具などを備えている物件が多く、在学中に住み、その後のことは就職が決まったら考える新学生にもおすすめです。

完全な一人暮らしでは寂しいという人や、料理はあまりしないので共有にして家賃を抑えたいという人に人気があります。メリットは、話し相手や相談相手がおり、女子の場合、防犯上も安心できるという点です。

デメリットは、同居人と合わないというパターンです。夕方など、入居者が居る時間帯に見学させてもらい、同居人の様子を見たり、聞いたりすることが必要です。また、多くの人数と接するのは苦手という場合、5部屋程度のシェアハウスを狙います。

なお、入室審査が行われている物件も多くあります。その場合、非常識な人が住んでいるというケースは、少なくなります。

部屋探しのポイント

シェアハウスは、夕方から夜に見学し、同居人の様子を見る。初心者は、部屋数が少ない物件もおすすめ。

各地の不動産屋のほか、以下のサイトで、物件検索から探すことができます。

東京23区駅から5~10分以内のシェアハウス【サークルクラブ】

部屋探しのトラブル6 契約時に、想像よりずっと高い費用がかかった

初めて部屋を探す新大学(専門)生、新社会人が驚くのは、想像よりも費用がかかることです。家賃のほかに、次のような費用がかかります。

部屋探しのポイント

  • 関東の入居費用:初月家賃+敷金(~2ヶ月)+礼金(1ヶ月)+仲介手数料(1ヶ月)
  • 関西の入居費用:初月家賃+保証金(5ヶ月~)+仲介手数料(1ヶ月)

例えば、家賃5万円のアパートを借りた場合、関東では、敷金・礼金・仲介手数料として、約20万円が余計にかかります。関西では、約24万円以上が余計にかかります。

退去時には、敷金または保証金から、修理・清掃費用が引かれます。関西では、保証金から修理・清掃費用に加え、礼金に当たる金額が引かれます。

ただし、近年は、敷金・礼金等が割安になったり、0円で良いという物件もあります。敷金・礼金が0円ということは、あまり人気がない物件という場合もあり、必ずしも即おすすめとはなりませんが、なかには魅力的な物件も存在します。各地の不動産屋で探すことができますが、東京方面なら以下のサイトもおすすめです。

東京6万円以下専門店【部屋まる。】

部屋探しのトラブル7 「駅まで5分」と書いてあるのに、10分近く!

新大学(専門)生、新社会人が部屋を借りる際のトラブルとして、駅まで5分と書いてあったのに、10分近くかかかった、などのトラブルがあります。多くの物件で、駅からの所要時間は短めに書かれていますので、注意します。

このようなトラブルが起きる原因は、下の2つのパターンしかありません。

  • 時間がない、入居中などの理由で、アパートやその周辺を見学せずに決めてしまった。
  • 不動産屋のクルマで数カ所を見学し、実際に周辺を歩くことがなかった。

部屋探しのポイント

逆に次のパターンなら、駅までの所要時間の誤算を含め、あらゆるトラブルはまず起きません。

  1. 不動産屋で部屋の候補を数軒選ぶ。
  2. 不動産屋のクルマで、数軒を回り、不動産屋へ戻る。
  3. 「急がないと取られてしまうかも」と言われても、ひと晩考えますと宣言し、その足で第1希望の建物の周辺を再見学する。
  4. その際に、通学・通勤に使う駅から実際に歩き、コンビニ、スーパー等を探しつつ、近所の人の様子を確かめる。なお、都心部では、地震の際に被害を受けやすい、古い木造物件(倒壊リスク)や密集地のアパート(延焼リスク)は、慎重に見極める。
  5. 保護者が同伴していない場合は、夜に電話で相談。部屋の写真等も、LINEで送る。
  6. 翌朝起きて、決心がついていたら、不動産屋で契約。このとき、他の人に押さえられていてもがっかりせず、また探す。

(まとめ)新学生・新社会人の部屋探し 7つのポイント

新学生・新社会人の部屋探しの7つのポイントは以下の通りです。

  • ポイント1 必ず内観をする。畳の大きさの地域差を知り、入居が有力な部屋は、平米(平方メートル)を調べる。
  • ポイント2 あせらず、ひと晩検討することの方を優先する。実家を離れて探す場合は、必ず2泊以上する。
  • ポイント3 3つ目に見学する部屋は、おすすめ物件が多いが、家賃が高くなることも多い。慎重に判断。
  • ポイント4 ゴキブリを避けるなら、鉄筋コンクリートがベスト。高い階を希望し、飲食店のない物件を選ぶ。
  • ポイント5 シェアハウスは、夕方から夜に見学し、同居人の様子を見る。部屋数が少ない物件もおすすめ。
  • ポイント6 入居時には、初月家賃に加え、3~6ヶ月分の敷金・礼金・仲介手数料がかかる(関西では補償金等)。
  • ポイント7 トラブルに合わない、満足度が高い部屋探しには、一定の行動パターンがある。

トラブルに合わない、満足度が高い部屋探しの行動パターン

  1. 不動産屋で部屋の候補を数件選ぶ。
  2. 不動産屋のクルマで、数軒を回り、不動産屋へ戻る。
  3. ひと晩考えますと宣言し、その足で第1希望の部屋を再見学する。
  4. その際に、駅から歩き、コンビニ、スーパー等を探しつつ、近所の人の様子を確かめる。
  5. 古い木造物件(倒壊リスク)や密集地のアパート(延焼リスク)は、慎重に見極める。
  6. 保護者が同伴していない場合は、夜に電話で相談。部屋の写真等も、LINEで送る。
  7. 翌朝起きて、決心がついていたら、不動産屋で契約。押さえられていてもがっかりせず、また探す。

以上が部屋探しの「必勝パターン」です。なお、可能であれば、保護者同伴のほうがリスクは低くなります。不動産屋さんも、保護者の目を気にするので、あまり無理な物件の紹介はなくなるでしょう。

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