【予備校直伝】日本史の覚え方と通史学習の方法論~ビリギャル本も紹介~

      2017/11/15

元・予備校の大学受験責任者が、日本史の勉強法を解説します。日本史学習の最大のコツは、全体と部分に分けることです。この記事では、年表による通史学習、つまり全体(マクロ)の学習法を明らかにします。ビリギャル推奨のまんが本も紹介。

広告

【動画】人気ユーチューバーからの受験生応援メッセージ

この記事の特色〜日本史の学習法〜

  • 日本史の学習は、全体(マクロ)/部分(ミクロ)に分けるとうまく行き、高得点につながります。
  • 紹介する方法は、人の脳の学習の仕組みに沿った、合理的かつ効率の良いものです。この記事との出会いが、日本史学習を大きく変えることを約束します。
  • 大学生の体験談ではなく、数百名単位の生徒に、実際に指導し学習法を改善してきた集大成となります。

※入試において日本史は、英語と並び確実性の高い得点源ですが、やり方次第でかかる時間に大きな差が出ます。やり方を間違えれば、時間切れとなり、浪人・2浪に直結します。

通史一覧

1~5世紀 6世紀 7世紀  8世紀  9世紀

広告


受験ネットから進呈

【結論】日本史の勉強法

日本史の勉強には、2つの柱があります。全体の学習と部分の学習です。

  • 部分(ミクロ)の学習  …  高校または予備校の授業の復習。通常、数十年単位で、時代順に学習を進めて行く。
  • 全体(マクロ)の学習  …  通史学習とあいまいに定義されるが、より具体的な方法論が必要。暗記用の年表を用意し、1世紀ごとに、学習してゆく。

この記事では、全体(マクロ)の学習、つまり簡易的な年表を使った、通史の学習方法を扱います。

部分の学習法はこちら

全体の学習(通史学習)のメリットとは?

  • 通史の理解は、まずセンター試験の点数に直結します。センター試験は、通史の理解に重きを置いています(事件の並べ替え問題など)。

高校でも塾でも、日本史の授業を受講していない人が、10時間程度、この記事で紹介する方法で通史学習をした事例があります。この生徒は、過去問で、全国平均点まであと5点に迫りました。通常なら、到達まで数百時間はかかる点数です。

  • 確実な通史の理解は、国立2次の記述式で、大きな得点要素となります。さらに、通史の強固な暗記は、枝葉の知識をおもしろいうように添えることができるため、早慶などマニアックな入試問題への対応力も上がります。当然、ほかの難関私大も十分視野に入ります。
  • 全体(マクロ)の学習、簡易的な年表を使った通史の学習方法は、大量の勉強時間を食う日本史学習の唯一の近道(抜け道)であり、勉強時間を数割程度にまで圧縮することが可能です。その時間を英語に割けば、好結果は見えています。

※現在の大卒正社員就職率は7割程度。その半分程度は不本意組です(ブラック企業など)。つまり、本来の就職成功率は3割程度。その大半は、国立やMARCH・関関同立以上の私大です。日本史の学習時間を圧縮し、英語に時間を割くことは、自由で楽しい人生を送れるのか、不自由でつらい人生を送るのかの分岐点になります。

中学の授業からはじまる日本史勉強法の誤り

高校生のなかには、中学校の学習習慣が抜けきらず、受験に失敗する例が多く見られます。

  1. 中学校で、1回数十年単位で日本史を習う。
  2. 数十年の小さな単位で、復習するが、記憶が混乱して定着しない。
  3. 中3の高校受験期になり、結局ほとんど覚えていない。塾教材や参考書で全体像や頻出範囲を詰め込む。
  4. 高校でも、1回数十年単位の学習を続け、うまく覚えられない。
  5. 日本史の偏差値が上がらず、苦手教科になってしまう。

日本史に限らず、あらゆるものごとは、深いところまで一気に学ぶのではなく、まず基本だけを身に付け、自信が持てたら、徐々に深い部分を学んでゆくものです。どうせいつかは学ぶからと、深いところまで一気に身に付けた場合、知識や記憶が混乱し、短期間で消えてしまいます。定期試験前に詰め込んだ内容が、試験後にきれいに消え去っていることからも、これは分かります。

例えば、野球を教える際に、初日に、ルール学習、走り込み、素振り、バッティング練習、長打の打ち方、練習試合、公式試合をすべてやらせる指導者はどこにもいません。しかし、日本史学習においては、時代を細かく区切り、50分間の授業で、中学校の復習程度の部分から、深いところまで、一気に教えることが普通です。この勉強スタイルは、中学校から何度も刷り込まれており、間違っていると考えない生徒が大半です。こうして、日本史の苦手が作られてきています。

日本史では、全体像をつかむ学習(通史学習)と、部分をつかむ学習(授業とまとめノート)の両立が決定的に重要です。日本史で押さえるべき重要な事件・できごとは、実は300あります。この300を世紀ごとに押さえてゆくのが、必勝法となります。

日本史でまず最初に押さえるべきできごとは、300しかありません。

年表を使った通史学習 日本史の勉強法~ビリギャル本も紹介~

 

年表を使った通史学習では、まず大まかな通史を把握します。各世紀ごとに、ベスト10~20程度に位置づけられる出来事から押さえてゆくのです。この基本的な通史は、ほぼ暗唱できるレベルに仕上げます。各世紀ごとに、核になるできごとが押さえられたら、関連する出来事をつけ加えてゆくと、絶対に崩れない記憶のカタマリが出来上がります。

世紀ごとの事件を完全に暗唱できるレベルに仕上げるには、独自の記憶術が必要ですが、「ほぼ暗唱」というレベルでもまずは問題ありません。つぎの3つのツールを使い、用語の意味を把握したあと、穴埋め問題に進みます。

  • 『小学館の日本の歴史』(ビリギャルの推奨)の、3巻「奈良の都」を通読。
  • 参考書『石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)』8~12回をつまみ食い。
  • スタディサプリを利用の場合は、『高3 スタンダードレベル日本史 - 第4講 奈良時代』の講義をつまみ食い。

注意したいのは、この学習は「全体学習(通史学習)」であるということ。個々の事件・できごとの詳細には踏み込まず、あくまで漠然としたイメージや、大きな流れを押さえてください。

例えば8世紀の重要事件の1つ目、大宝律令について、次のようなことが分かります。

  • 『石川晶康 日本史B講義の実況中継』では、「8世紀に入ってすぐにできた基本的な法律。天皇を中心とする、中央集権的な体制のもととなる」と説明(p146~p147)。
  • スタディサプリ『高3 スタンダードレベル日本史 - 第4講 奈良時代』では、「大宝律令の、律と令に印をつけてください。律は刑法、令は一般的な法(民法など)です。令の方が圧倒的に量が多く、中心にあると考えてください」(第4講-1 0:30)と説明されます。

この下調べにかけて良い時間は、1世紀分で30~60分程度です。あくまで全体学習(通史学習)であることを、強く意識してください。「どうせ後から読むのだから、今読んでおこう」と考えると、通史学習の際に、余計な情報が混ざりうまくいきません。また、「自分は記憶力が弱いから、因果関係や背景などを、しっかり理解しておこう」と考えると、それは部分の学習となり、通史学習の意義はゼロとなります。通史学習は、分かったか分からないかの曖昧な用語を、まずは割り切って覚えてゆく過程です。

ビリギャル推奨『小学館の日本の歴史』(偏差値50以下、高校日本史未履修者)

ビリギャルでも推奨されている『小学館の日本の歴史』は、偏差値50以下、高校日本史未履修者におすすめです。『小学館の日本の歴史』の該当する世紀のストーリーを、時間をかけすぎずに読みます(目安は10分)。『小学館の日本の歴史』に覚えたい事件・できごとが掲載されていなかった場合、実況中継か、スタディサプリとセットで使います(合計で30~60分程度)。

定番『石川晶康 日本史B講義の実況中継』(偏差値50~60)

日本史の参考書の定番となった『石川晶康 日本史B講義の実況中継』は、講義口調でまとめられた、分かりやすい参考書です。通史学習に使う場合は、あまり読み込まず、重要な事件・できごとの用語のイメージや大きな流れを漠然と押さえるようにします。用語が見つからないときは、巻末の索引を利用します。通史学習で使用する場合は、1世紀あたり30~60分程度しか時間をかけません。

便利 スタディサプリを利用の場合は、『高3 スタンダードレベル日本史 』(偏差値50~60)

実況中継シリーズは厚めの参考書となりますので、荷物を減らしたい方は、スマホから受講できるスタディサプリがおすすめです。月980円で1万の講義が視聴できるアプリです。現在は、14日間の無料体験がついています。また、下のリンクから申込の場合に限り、2000円分のAmazonギフト券がもらえます(期間限定)。

通史学習に『高3 スタンダードレベル日本史 』を使用する場合、全て聞くのではなく、なじみのない事件・できごとを中心に、1世紀あたり30~60分程度でつまみ食いをしてください。

公式サイト:【スタディサプリ】動画授業で苦手を克服

10分の予習のあと、年表を暗唱に近いレベルに仕上げよう

例えば、8世紀の通史学習をする場合、以下の事件・できごとを、ほぼ暗唱レベルに持ってゆきます。

日本史通史ベスト300 8世紀
701 大宝律令制定
708 和同開珎鋳造
710 平城京遷都
712 『古事記』成立
718 養老律令制定
720 『日本書紀』成立
723 三世一身法制定
729 長屋王の変
740 藤原広嗣の乱
741 国分寺建立の詔
743 墾田永年私財法制定
743 盧舎那仏造立の詔
752 東大寺大仏開眼供養
757 橘奈良麻呂の乱
764 藤原仲麻呂(=恵美押勝)の乱
766 道鏡,法王就任
792 健児の制
794 平安京遷都

手順は、以下の通りです。

  1. 『日本史講義の実況中継』かスタディサプリの『高3 スタンダードレベル日本史 』で、イメージがわかない用語を中心に、30~60分程度で下調べ。
  2. 60分間程度のイメージで、穴埋め問題を繰り返し完成させる。
  3. 60分間の使い方は、集中して10分 → 数時間後に10分 → 寝る前に10分 → 翌朝10分 → 翌日寝る前10分……のようなインターバルな流れが理想です(以降は1週間毎にメンテナンス)。暗記モノは、一気に時間を使うと、結局10倍程度の時間がかかります。時間を分割して使うことが、最大の必勝法です。

穴埋めテストは、次のように作ると良いでしょう(年号は覚えなくても構いません)。

1回目 2回目 3回目
701 大宝律令制定 701 大宝律令制定
708 和同開珎鋳造
710 平城京遷都
712 『古事記』成立
718 養老律令制定
720 『日本書紀』成立 720 『日本書紀』成立
723 三世一身法制定
729 長屋王の変
740 藤原広嗣の乱
741 国分寺建立の詔
743 墾田永年私財法制定 743 墾田永年私財法制定
743 盧舎那仏造立の詔
752 東大寺大仏開眼供養
757 橘奈良麻呂の乱
764 藤原仲麻呂(=恵美押勝)の乱
766 道鏡,法王就任 766 道鏡,法王就任
792 健児の制
794 平安京遷都

実際に日本史未履修の生徒にやってもらいました

実際に、日本史未履修(受験科目は政治・経済。日本史は嫌いで、高校の授業はほとんど覚えていない)の生徒に、8世紀の通史学習をやってもらいました。

まず、10分間を使い、『石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)』8~12回をつまみ食いし、用語のイメージと大きな流れをつかんでもらいました。そのときに、何を考えていたのかを聞き出した内容です(正確な史実の把握でありません。暗記は、正確さ・細かさを捨てることが重要です。

  • 8世紀は簡単に言えば。平城京ができ、きちんとした日本政府がはじめでできた時代だと思いました。
  • 国づくりのベースは、やっぱり法律と予算ということで、大宝律令、和同開珎が作られた。律は、政経で言うと刑法で、令は民法とかみたいです。
  • そのあとに国がやるとしたら、国民をまとめるための物語作り。それが、古事記と日本書紀。最近は言わなくなったけど、安倍首相の美しい国日本を守れ的な話に似ていると思いました。
  • それで、詳しくは分からなかったけど、田んぼが不足して、三世一身の法ができた。そのあと、天皇家の力が下がり、今だと国家公務員にあたる、藤原一族がパワーアップ。長屋王の変は、邪魔者の排除で、そのあと藤原広嗣の乱。ここは、何となく長屋(=1階建ての横に長い木造のアパート)は広いっていうイメージにしました。
  • 結局、権力争いは収まらず、田んぼも足らなくなって、お祈り的な意味の国分寺建立の詔、東大寺大仏開眼供養と墾田永年私財法。ここは、国分寺→墾田永年私財法→東大寺の順だから、2つの寺の間に田んぼがあるイメージです(笑)
  • お祈りの効果もむなしく、権力争いは続き、橘奈良麻呂の乱と藤原仲麻呂の乱。ここは時間がなくなって、適当です。
  • 最後は唐突に、藤原氏でなく、道鏡というお坊さんが権力を持って、健児の制は時間がなくなって、道鏡の健康な児童でいいやと(笑)
  • 泣くよ(794)坊さん平安京は、さすがの僕でも知ってました。

『石川晶康 日本史B講義の実況中継(1)』8~12回をつまみ食いした、下調べの様子です。

この生徒の下調べの優れた点は、以下の通りです。

  • 全体も用語も、時間を意識し「ざっくり」とした把握に留めている。
  • 政経の知識など、持っている知識と関連づけ、自分の力で考えている。
  • 時間がない場合は、場所のイメージで記憶している(長屋は広い、2つの寺の間に田んぼがあるイメージ)。
  • 用語の詳細に踏み込まず、字面に慣れようとしている(ここは時間がなくなって、適当)
  • 語呂合わせも多少利用(道鏡の健康な児童)。※ただし語呂合わせよりも、場所の記憶のほうが、人間の脳は得意です。

穴埋めテストを。1・2・3回の順に、合計10分間でやってもらいました。具体的には、テスト→答え合わせを3回繰り返します。通史の学習では、用語は、おおざっぱに把握できていれば正解としてください。

1回目 2回目 3回目
701 大宝律令制定 ○ 大宝律令制定 701 大宝律令制定
○ 和同開珎 708 和同開珎鋳造 ○和同開珎
710 平城京遷都  ○平城京遷都 ○710 平城京遷都
○古事記 712 『古事記』成立 ○古事記編纂→成立
718 養老律令制定 × 三世一身の法 ○養老律令制定
 ○日本書紀 720 『日本書紀』成立 720 『日本書紀』成立
723 三世一身法制定 × ○三世一身法制定
 ○長屋王の変 729 長屋王の変 ○長屋王の変
740 藤原広嗣の乱 ○藤原広つぐの乱 ○藤原広嗣の乱
○国分寺建立のみことのり 741 国分寺建立の詔 ○国分寺建立の詔
743 墾田永年私財法制定 ○墾田永年私財法 743 墾田永年私財法制定
× 743 盧舎那仏造立の詔 ○ルシャナ仏 → 盧遮那仏
752 東大寺大仏開眼供養 ○大仏開眼 ○東大寺大仏開眼の儀 → 開眼供養
× 757 橘奈良麻呂の乱 ×橘??の乱 → 奈良麻呂
764 藤原仲麻呂(=恵美押勝)の乱 ×藤原??の乱 ×藤原??(??吉勝)の乱 → 仲麻呂(=恵美押勝)
○道鏡 766 道鏡,法王就任 766 道鏡,法王就任
792 健児の制 ○健児の制 ○健児の制
○794 平安京遷都 794 平安京遷都 ○794 平安京遷都

ちなみに、ある日本史未履修者が、この方法での学習を、6~18世紀まで終わらせた上でセンター試験を解いたところ、平均点まで5点に迫った実績があります。かけた時間は、10時間程度でした。通常の学習法なら、半年程度かかるはずです。

通史学習はやり方を覚えれば簡単かつ効果は無限大

いかがでしょうか? 日本史の暗記事項は大量にあり、どこから手をつけてよいか分からなくなりがちです。しかし、日本史全体の重要事項は300個。8世紀には、18の重要事項があることが分かると、学習がかなり楽になります。そして、やり方に工夫すれば、8世紀の重要事項を大まかに暗記するのは、10分程度で済みます。

10分程度かけたあとは、数時間後、寝る前、翌朝、翌日寝る前の最低4回は再テストします。人によっては、白紙に書ける段階まで仕上がります。

そして、覚えた用語に関して、『石川晶康 日本史B講義の実況中継』かスタディサプリで知識を増やしてゆきます。すると、脳内記憶に、木の幹や太い枝ができてきます。このあと枝をつけるのは意外に簡単。人の記憶は樹形図の形が最も効率が良いので、おもしろいように記憶が増えていきます。さらに、難関大や早慶レベルの「葉」にあたる知識をつけることもできます。

なんだ、樹形図の記憶法かと思われた方がいらっしゃると思いますが、そうではありません。樹形図の日本史学習は、単に「重要なことに、そうでないことを関連づけなさい」と漠然と指示されるだけです。当記事のおすすめする方法では、例えば8世紀には18の基本事項がありますと明確に示し、使うべき参考書・アプリ、小テストの方法まで一貫して提示しています。

(まとめ)日本史学習 入試合格までの流れ

最後に日本史学習法をまとめます。

日本史の学習法は2本柱です。

  • 全体の学習 … 年表(日本史重要事項ベスト300)を用い、1世紀あたり2時間を目安に学習(下調べ1時間、記憶10分×6回)。
  • 部分の学習 … 授業50分、まとめノート50分、問題演習20分の2時間が基本。

合格までの道筋は以下の様になります。

  • 初期(偏差値目安57まで)… 全体の学習と部分の学習を並行。全体の学習は、自分のペース。部分の学習は、高校や予備校のペース。ときどき、単元・時代別の基本問題集にチャレンジし、知識のメンテナンス。
  • 中期(偏差値58~62)…  全体の学習と部分の学習を並行しつつ、問題集(単元別・時代別)を進める時間を徐々に増やす。問題集は、知識の確認、弱点の補強、知識の発展、角度を変えた知識の検証。
  • 入試直前期(偏差値63以上)… 単元や時代のくくりがない、入試問題演習を軸に、早慶・難関大で狙われる細かい知識を攻略したり、国立2次の記述対策を行い深めたりしてゆきます。
部分の学習法はこちら

 

日本史通史ベスト300 リスト


広告


プレゼント

 - 教育問題