【新入試】総合型選抜の対策を分かりやすく!|調査書、資料(書類)、学科試験の内容と対策


総合型選抜の仕組みがわかりにくい、志望校が入試を発表していない。いろいろな悩みがあり、対策がしづらい総合型選抜ですが、わかりやすく対策を説明します。調査書、資料(書類)、学科試験の内容と対策を説明します。

  • 筆者:管理者(加藤)は元予備校講師。現在は東日本の高校で、年に80回の講演活動を行っています。キャリアコンサルタント(国家資格)養成講座修了。
2020年秋からの新入試・ぜんぶ分かります!
全体を知る(学校推薦・総合型・一般選抜)
【学校推薦】学校推薦型選抜の対策(調査書、推薦書、学科試験)総合型選抜の対策(調査書、資料、学科試験)指定校推薦はなくなるの?
【資料(書類)等】小論文の書き方志望理由書の書き方
【専門学校】専門学校の新入試

総合型:まず調査書、資料(書類)、学力検査を理解しよう!

総合型選抜の内容は、以下の通りです。

AO入試 総合型選抜 (2020年秋の実施から)
学力検査原則なし①大学入学共通テスト、②各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)のいずれかは必ず採用
調査書評定の比重は軽め(特別活動、部活動、資格等を重視)評定平均を記載。また、高校生活を詳しく記録するため、枚数は制限なし。評定平均も記載。
資料(書類)志望理由書、自己PR書生徒が書く、志望理由書・活動報告書(自己PRに近い)・学修計画書などを積極的に活用する

上の表の根拠(文部科学省):総合型選抜における評価方法

学校推薦型選抜では、難しい用語がたくさん出てきますが、まず、調査書、資料(書類)、学力検査の3本柱だと考えるとスムーズに理解できます。

  • 調査書 → 資料(書類)は、調査書の一部内容を詳しく書くもの。
  • 学力検査

新しい用語や、未確定の内容に混乱しそうな場合は、まずは調査書、資料(書類)、学力検査の3つの対策だ、と割り切ると理解が早まります。

調査書に書かれる内容とは?

調査書に書かれる内容は、おもに以下の通りです。総合型選抜では、以下の内容が埋まるほど有利になります。AO入試からの流れを踏まえると、評定の基準は全体平均としては、やや低めに設定される可能性があります。あくまで高校推薦ではなく、自己推薦だということです。

しかし、文科省が幅広い学力重視の指示を出していることから、前身のAO入試の人物中心入試という方向性は大きく後退し、学校推薦型選抜と近いものになりそうです。高校の先生には見えづらいが、自分自身として強く訴えたい、大学・短大の特徴と合うはずだ、という面がある生徒に向いています。

調査書の内容説明答えられますか?
学習成績の概況(旧評定平均値)・4.0、3.5のような、3年間の評定平均値です。①高校の勉強は定期試験前だけで、間に合いますか?
総合的な学習の時間の内容・評価・キャリアを学んだうえで、明確な志望理由を持つ。
・探求的な学習内容も含む。
②自己や職業の理解を踏まえ、進学後に学ぶ内容の理解を進めてきていますか?
特別活動の記録係、委員会、生徒会などでの成果。③親戚に自慢できる高校生活を送っていますか?
指導上参考となる諸事項・思考力、表現力を生かし、主体的に協働して学ぶ(主体的学習)。
・部活動、ボランティア、留学、資格など。
④授業、宿題以外に自分でテーマを見つけて調査、研究しレポートに書いたことがありますか?
⑤資格や、特別な経験はありますか?
備考その他の事項
出欠出欠日数

②自己や職業の理解を踏まえ、進学後に学ぶ内容の理解を進めてきていますか?

総合型では、高校の先生の推薦という要素よりも、大学・短大と受験生のマッチングという要素が大きくなります。

その大きなヒントになるのは、総合的な学習(探求)の時間で行われる、進路学習です。自己理解の検査、職業調べ、大学短大の話を聞く行事などが行われているはずです。そこでの取り組みは、調査書の総合的な学習の時間の内容・評価に書かれるだけでなく、志望理由書にもつながってゆきます。

資料(書類)の1つである、志望理由書は非常に重要です。

志望理由書には、(A)学部や大学に適性がある(=向いている)、(B)進学後に学びたいこと、を書くことができます。(A)に絞って書かせる書類が活動報告書、(B)に絞って書かせる書類が学修計画書と言えます。したがって、まずは志望理由書を完成させることがポイントです。志望校が決まっていない場合、仮の志望校で作っておきます。

④授業、宿題以外に自分でテーマを見つけて調査、研究しレポートに書いたことがありますか?

思考力や表現力を生かした、協働的で主体的な学習は、学校推薦型選抜の要(かなめ)となる内容です。しかし、新入試の軸となることから、学校推薦型選抜でも問われることになります。

⑤資格や、特別な経験はありますか?

資格については、学校推薦型選抜の推薦書で高校の先生も書くことができますが、総合型選抜では、志望理由書などの資料(書類)で、自分にしかわからない工夫や成長、進学先での生かし方を書くことができます。

(例)英検2級を取得した場合

学校推薦型選抜の推薦書総合型選抜の資料(書類)
【先生が書く】
・〇〇〇〇(氏名)は、高校3年次に、主体的に取り組む形で英検2級の資格を取得している。
・英語教諭に勉強法などを相談したり、仲間と勉強会を開くことで、協働的に取り組んでいた姿を記憶している。
【生徒が書く】
・英検2級の学習では、単語力が大きな課題だった。友人とノルマを決め、土曜日に一緒にテストを行い、罰ゲームを設定したことが効果的だった。
・ここで得た勉強のスタイルは、大学進学後にも生かしてゆきたい。また、貴学では英検準1級講座が設置されているので、必ず申し込もうと考えている。

資料(書類)に書く内容とは?

資料(書類)は、高校の先生ではなく、受験生自身が書きます。内容は、大学側に任されていますが、次のようなものが予想されます。

志望理由書学部や大学を選んだ理由を書くもの。もっとも多く採用されると予想される。(志望理由書の書き方
活動報告書活動実績(部活動、係、委員会、生徒会、地域、ボランティア、趣味、学習)に絞って書くもの。一定数の採用が予想される。
学修計画大学進学後に、どんな内容をテーマに、どんな講義を取り、どんなゼミ(研究室)を候補として考え、大学外でどんな取り組みをしてみたいかを具体的に書くもの。一定数の採用が予想される。

東京都の人気私立大の総合型選抜の予告内容を見てみます(2019年12月現在)。全学部・全学科で提出が求められるとは限らず、今後変更になる場合もあります。

資料(書類)
青山学院大 志望理由書、学修計画書
桜美林大 自己申告書、活動報告書
学習院大
学習院女子大
杏林大 (未公表) 未公表
國學院大 あり(形式不明)
国士舘大 出願基準証明書、学修計画書、スポーツ活動調書
駒澤大 自己推薦書、個人調書、事前課題
芝浦工業大 Web出願時に高校時代の活動等の記入
順天堂大
成蹊大
聖心女子大 エントリーシート
聖路加国際大 あり(形式不明)
専修大 あり(形式不明)
大東文化大
拓殖大
玉川大 コミュニケーションシート
東海大 志望理由書
東京電機大
東京都市大 志望理由書、活動報告書
東京理科大 (総合型の記載なし)
武蔵大 志望理由書、自己アピール文、課題レポート、将来計画書、制作物(作品)
明治学院大 自己推薦文

志望理由書(4件)が目立ち、次いで活動報告書(3件)、学修計画書(2件)となります。活動報告、学修計画は、志望理由書に含まれる要素とも言えますので、まずは志望理由書を仕上げることが重要です。志望校未定の場合は、仮の志望校で仕上げておきます。

学力検査で問われる内容とは?|都内私大の対応も掲載

学校推薦型選抜は、調査書、資料(書類)、学力検査の3本柱と考えると理解が早まりますと初めに言いました。調査書、資料(書類)について理解できたら、あとは、学力検査を知るだけです。

文部科学省は、学力検査について、次のような例を挙げています( 総合型選抜における評価方法)。

小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等

東京都の主な私立大の対応

東京都の人気私立大の総合型選抜の予告内容を見てみます(2019年12月現在)。大東亜帝国、桜美林(関東上流江戸桜)以上を中心に、知名度が高い大学も加えました。未発表や情報の薄い大学は割愛しています。

  • 入試は学部・学科によって異なるため、各学部・学科で〇印の全てを行うという訳ではありません。
  • 〇印がない場合、まだ発表されてないという意味で、採用がないことを必ずしも意味しません。
  • 誤りが含まれる場合があります。 リンク先等でご確認ください。
小論文プレゼン口頭試問教科テスト検定
青山学院大
桜美林大
学習院大
学習院女子大
杏林大 (未公表)
國學院大
国士舘大
駒澤大 〇(グループ討論含む)
芝浦工業大
順天堂大
成蹊大
聖心女子大
聖路加国際大
専修大
大東文化大 〇(総合問題)
拓殖大
玉川大
東海大
東京電機大
東京都市大 〇(適性検査)
東京理科大 (総合型の記載なし)
武蔵大
明治学院大
件数101010
小論文プレゼン口頭試問教科テスト検定

学科試験はどんな内容が多い?

上の表は、東京都の一部大学をまとめたものに過ぎず、日東駒専クラス以上は未発表も目立ちますが、現段階では、小論文、口頭試問の採用が多く、難関大では教科テストを好む傾向が見られます。検定は、英語関係が多いですが、学部によるなど、全員必須とはならない傾向です。プレゼンは大学の難度を問わず、一部で採用されそうです。

難関大を受験する場合は、教科テストや口頭試問に備え、大学共通テスト対策をしっかりやってゆきます。小論文にも注意が必要です。

中堅大学を受験する場合は、小論文、口頭試問対策を行ってゆきます。小論文は、高2のうちに10~20本、1学期に10~20本、夏休みに10~20本書き上げて、添削を受けるのがおすすめです。口頭試問は、学校の勉強を定期試験前だけにせず、毎日復習し、理解を深くしておくことが必要です。

関連ページ:【小論文】書き方・構成を分かりやすく教えてください

ポートフォリオは、高校の先生、受験生自身、大学側の3者が活用するもの

高校の学習を記録する、紙またはウェブ上の仕組みがポートフォリオです。思考・表現を伴う主体的・協働的学習、 資格、部活動、特別活動などを残すことが期待されています。

ポートフォリオは、高校の先生が推薦書を書くときに使ったり、生徒自身が資料(活動報告書など)を書くときに使ったりします。また、大学側は、入試(現段階では、提出を求める大学はまだ限られ、合否に使わないケースも多い)に使うほか、学生の追跡に利用し、教育内容の改善に利用することが期待されています。

高校の指導に従って手抜きせず書いてゆきましょう。

(詳細:【新大学入試に採用】ポートフォリオとその対策をわかりやすく

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