もうすぐ初任給だと浮かれている今日この頃の新入社員の皆さんに、残念なお知らせです。4月に給与が出ない場合があります……。
プロフィール(詳細)
受験ネット・加藤は、早大卒。広告代理店(営業職)、予備校の講師・部長職を経て、国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20022587|登録証)。営業と教育職、国家資格の3つの視点を生かした、若年層キャリアの講演多数。
新入社員 働いたのに給与ゼロ??
新入社員で、4月の給料が出ない人がいるって話、マジ??? ありえへんのやけど? 早起きし、通勤電車に揺られ、慣れない環境でがんばったのに。上司のよく分からない指示にも、想像力をふくらませて応えたのに。飲み会の無茶ぶりにも、笑顔で対応したのに。4月の給料が出ないなんて……。
はい、お怒りはごもっともですが、会社とは実に身勝手なもので、締め日と支払日という考え方があります。
例えば身近な「ラーメン屋さん」で考えてみます。
麺や具材を納入する業者は、その場で現金をもらえることはまずなく、後日振り込みとなります。もし振り込み日を「一律10日後」とすると、ラーメン屋の経理担当は、毎日のように10日前の代金を帳簿に処理し、銀行に行かなければなりません。
これを防ぐために、例えば月末締め、翌10日払いのように、請求書をまとめて処理することを宣言しています。この場合、ある月の15日に麺や具材を納入した業者は、月末まで請求書は処理されず、翌月の10日の午後くらいに、代金が振り込まれていることとなります。
社員の給与については、取引先ではないので、さっさと処理してほしいのが本音ですが、経理(総務部、管理部など)にも仕事の流れがあるようで、意外によくあるのが「15日締め、翌25日支払い」のパターンです。40日間も取引先や社員に「借金」をするのはどうかと思いますが、その会社も、他社から遅れたサイクルで支払われるので、資金繰りの関係でやむを得ないのかもしれません。
よくあるパターンは、以下の取りです。
- 15日締め、当月25日払い …初任給が20万円の場合、4月はゼロ、5月は10万円の支給。
- 25日締め、翌5日払い …初任給が20万円の場合、約16.6万円をGW明けにもらえる。
- 月末締め、翌10日払い …初任給が20万円の場合、5月10日に20万円をもらえる。下のポスト(ツイート)のような例です。
4月に初任給が出ない模様…
— のぶたつ (@ChoroStar0413) April 16, 2018
4月5月は大人しくしてよ
これ以外のパターンでは、5の倍数の日か月末のいずれかに、締め日、支払日を設定する会社が大半です。
下の例は、「翌月15日払い」となります。
初任給、4月は出ないよ。
— ちゃんリュウ (@kaodakedenuku) April 25, 2015
5月15まで待つよ。
大学の同期は初給料で豪遊してるのに
僕は細々と西友の安いジュース買って、暮らしている。
初任給が5月なのは違法?
経理に確認したら、うちは10日締め月末払いでした。18万の収入を予定していたのに、4月末には、6万しかもらえないので、GWの旅行を考え直さないと💦 これって違法なのでは???
たった6万円でGWや翌日を過ごすのは無理がありますよね。これは、毎月払いの原則(「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」労働基準法第24条第2項)に反するとの指摘もあります
しかし、4月末時点で、「支払うべきすでに金額が確定した賃金」が経理の帳簿(会計ソフト上のデータ)上にないため、(残念ながら)違法ではないとされます。
翌月払いの会社は、少なからず存在するようで注意が必要です。もっともシビアなケースは、例えば「月末締めの翌々月1日払い」の場合。この会社の場合、4月、5月とも給料はゼロです!
ただし、何かと出費が多い新入社員のために調整を行い、特別に支払ってくれる会社もあります。
求人票に月給が書いてあるのに、15日締めで半額だけ払うのは違法?
うちの会社は求人票では、月給制だったはずと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし完全な月給制(月額固定)の会社はほとんどありません。ほとんどの会社は、「日給月給制」という耳慣れない制度を取っています。
これは、「祝日が多くても月の給与額は減らさないけど(月給制要素)、欠勤や遅刻などは日割りで減額しますよ(日給制要素)」という制度です。複雑な制度で何の存在意義があるのかと感じると思いますが、これは会社の経営側が、模範的な社員には飴(祝日分も支払う)を与え、そうでない社員には罰(遅刻欠勤は支払わない)を与えたいという背景がありそうです。
いずれにせよ、日給制の要素があるため、15日締めとして半分だけ支給しても法律上は問題がありません。ただし、入社当初は、新入社員(あるいは転職の社員)のために調整を行い、特別に増額してくれる会社もあります。
初任給をもらうまでの生活費はどうすればいい?
初任給をもらうまでの生活費は、実家に頼る方が多く、その次はクレジットカードのカードローンです。
クレジットカードは、会社員ならまず審査に通ります。頼んでもいないのに、カードローンは自動的についてくることが多く、また頼んでもいないのに「リボ払い式のカードローン」が付いてくることも多いです。
例えば、初任給が5月10日払いとして、GWの旅行用に4月に5万円を借りるとします。もし、月末締め翌27日引き落としというキャッシングなら、5月27日に5万円+利息を支払うこととなり、これは、何かとお金がかかる新入社員の初期には、少し苦しそうです。
そこで、毎月1万円程度の定額だけ引き落としますよという「リボ払い式のカードローン」のお誘いが来ますが、これは大きな落とし穴です。いくら借りても月に1万円で済みますので、気づかないうちに借入額が増え、利息もふくらんでゆきます。できる限りリボ払いを利用しないのが、賢い資金繰りです。
(参考)もしいまの会社で良いのか、社風が合わないといった相談があれば、国家資格キャリアコンサルタントが賜っています。
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