高卒就職試験で、重要なものの1つが面接。面接は、入退室と質問への準備が2大対策です。このページでは、入退室で点差がつくポイントと、面接の頻出質問ベスト6をご紹介します。
- 筆者:管理者(加藤)は、高校の講演会に年80回出講(歴5年)。面接指導経験は、100回程度。
入退室の基本は5つだけ!

高卒就職の面接では、進学者と比べても、入退室のマナーや作法について厳しく評価されます。入退室は、最低でも10回以上は練習し、戸惑うことなく動けることが大前提です!
ドアのノックは2〜3回 | 2回でも3回でも問題はありません! 高校によって、指導は分かれています。 |
全ての動作は両手で | ドアは両手で開けます。レストランの店員が、メニューを両手で渡すの同じです。なお、ドアを開けながらの挨拶は避けます。もし、面接官と目が合ってしまったら、軽い礼にとどめます。 |
最初の挨拶はドアを閉めたあと室内で | 最初の挨拶は、ドアを閉めたあと室内で。高校によってはドアを開けたまま挨拶させますが、閉めた後の方がベターです。 |
すべての動作は別々に | ドアを閉める|直立する|失礼しますと大きな声で|お辞儀の傾け|お辞儀の止め|お辞儀の戻し|直立を、全てバラバラに分けるように行うと、きれいに見えます! |
椅子は右手で触る側に立つ | 椅子の左と覚えると、会社によって向きが変わることがあり、混乱しやすくなります。背もたれを右手で触れる側と覚えると、戸惑いません。 ※一部の高校では、下座と教えますが、それでもOKです。 |
入社面接の入退室で差がつくのは2点!

面接の入退室のなかでは、退室よりも入室の方が、点数(印象)に影響があります。第1印象が重要という点のほか、退室時には、ある程度評価が済んでいるという事情もあります。
練習は、入室をとくに重点的に行いましょう。人が緊張するのは初めの5分とも言われます。入室に自信がつくことで、面接全体がうまくゆきます。
入社試験の面接で、質問の答え以外でとくに点差がつくのは次の2点です。
- ① 服装、姿勢、声の大きさ、目線
- ② 入室直後のあいさつの仕方
服装、姿勢、声の大きさ、目線
服装は、担任の先生にチェックを受けてみましょう。友人や保護者に見てもらう場合、学校のパンフレットの写真や校則と合っているか見てもらいます。
- パンツの腰履き、スカートの長すぎや短すぎは、必ず不合格となります。
- 上下とも、サイズが自分の体格に合っているか、また、破れ、汚れ、目立つしわに注意します。
- ベルトの色は、黒、茶色など落ち着いたものに。くつ下は、高校の先生の指示に従いますが、昔ながらの長いタイプで、白・無地がおすすめです。
2社目以降の受験で冬服の場合、ネクタイやリボンが、高校のパンフレットの写真通りになっているか注意します。第1ボタンを閉めるかどうかも、写真に従います。上着の肩に髪の汚れがないか注意します。
立ち姿勢と座り姿勢

立ち姿勢で、ミスが多いのは手の位置です。
指を閉じ中指を真横に。また、姿勢や動作にクセがある(姿勢がゆがんでいる、ムダな動作が多いなど)と指摘されたことがある人は、練習して直してゆきます。担任の先生に見てもらうほか、スマホで撮影して自分で見るのも有効です。
座り姿勢は、女子の方が注意が必要です。ひざの上のに手を重ねますが、右手を下に置くのが正式なマナーです。男子は軽く握りこぶしにします。
声の大きさ

声の大きさは、全体の印象に大きく関係してきます。大きめの声がベストですが、声が出にくい方は笑顔でも問題ありません。大きな声か笑顔の、最低でも片方は必要です。
特に入室直後の、失礼します(失礼いたします)の声の大きさは、全体の印象をかなり動かします。会社に着くまでに、声を出す練習をしておきます。とくに午前中は口元が硬くなっていることがあります。口を横に大きく開け、舌を鼻に付くくらい出し、舌を左右に動かすと、筋肉の緊張が取れます。
特に緊張しやすい方は、エナジードリンクを3分の1だけ、会社に着く30分前に飲んでおくことが、有効な場合があります。ただし効きすぎることもありますので、高校での面接練習の時に、試してみてください。自己責任のテクニックになります。
目線は、質問者の目または首元を見ます。
入室直後のあいさつの仕方
全ての動作は別々に、が絶対の基本です。
ドアを閉める|直立する|失礼しますと大きな声で|お辞儀の傾け|お辞儀の止め|お辞儀の戻し|直立を、全てバラバラに分けるように行うと、綺麗に見えます。
なお、高校名、氏名は、椅子のそばで立って言う場合が多いでしょう。面接会場があまり広くない場合は、入室直後のあいさつのすぐ後で、聞かれる場合もあります。両方練習しておくと、当日戸惑わなくなります。
入室時によくある大きなミス2つ

入室直後によくあるミスは、以下の通りです。
ドアを開けたときに、面接官と目が合い、あいさつしてしまう。
ミスがもっとも起こるのは、面接会場のドアを開けた瞬間です。ドアを開けながら、失礼します(いたします)と言い、かつお辞儀もしてしまう。これは、本来分けるべき動作が、3つも重なっていることになります。
1つのミスがすぐに合否に直結するわけでないので、当日失敗しても挽回は可能ですが、練習を多く行っておくことが大切です。
ドアを閉めた後のあいさつを、焦ってしまう。
ドアを閉めた後のあいさつは、第1印象を決める重要なポイントですが、もっとも緊張しやすく、失敗も起きやすいポイントです。何度も練習して、必ずイメージ通りに決めましょう。
ドアを閉める|直立する|失礼しますと大きな声で|お辞儀の傾け|お辞儀の止め|お辞儀の戻し|直立を、全てバラバラに分けるように行うのがポイントです。うまくいかない場合、少しゆっくり動くようにするときれいに見えます。
お辞儀の角度は、敬礼が基本。座っている面接官に、自分の髪の生え際が見える程度です。角度で覚えるよりも、実践的な覚え方です。
高卒就職 頻出質問ベスト6
高卒就職の面接で、よく聞かれるのは以下の6問です。
① 志望動機
履歴書に書いた通りで構いませんが、細かいところまで全く同じでなくても構いません。もし余裕があれば、丸暗記よりは、その場で考えて、少し言いかえながらの方が相手によく伝わることがあります。
(アレンジが大の苦手の方は、無理せず丸暗記でも構いません)
一般に、業種を志望した理由(きっかけ、適性など)、会社を選んだ理由の順番が話しやすいでしょう。順番は逆でもよく、企業を選んだ理由だけでも構いません。
企業側は、業種を志望した理由より、会社を選んだ理由を聞きたいと考えていますので、業種志望理由が長くならないように注意します。
(例)はい。私が御社を希望した理由は、乗り物が好きで、機械の仕組みにも興味があるからです。
御社の会社案内には、重機の運転席の製造で日本有数の実績があると書かれています。工事現場では、1センチ単位の操作が求められるので、運転席の設計や製造はとても大切だと、自分なりに考え、興味を持ちました。会社見学で、社員の方が仕事に熱意を持ち、いつも元気であったことも御社に決めた理由です。
② 高校生活の思い出
部活動(とくに運動部)、集団で取り組んだこと、勉強・資格、ほかの人にない思い出(短期留学など)が考えられます。
修学旅行を選んでも良いですが、楽しかったからでなく、歴史や経営を学べた、協調性や立場が違う人と話す力が身についたなど、新入社員としてふさわしい理由を考えておきます。
③長所と短所(または自己PR)
長所は、元気な方は協調性、リーダーシップなど、大人しめの方は聞き上手、縁の下の力持ちなどがありす。どんな長所でも、担任や周囲の評価や、関係するエピソード(体験談)を添えます。
短所は必ず、自己フォロー(改善の努力など)を添えます。
自己PR(=自己アピール)を求められた場合、(1)資格、(2)活動実績、(3)長所から2つ程度をPRします。もし可能であれば、自己PRを、入社後に自分ができることに結びつけると、より印象が良くなります。
(例)はい。私がPRしたいのは、漢検2級の資格です。漢字は決して得意でなかったのですが、担任の勧めで挑戦しました。土日を中心に猛勉強し、高校2年生の秋に、無事合格することができました。
同時に、協調生もPRしたい点です。入学当初は、自分の意見を言い過ぎてしまうことが多かったのですが、徐々に人の意見を聞くことを身につけました。入社後も、上司の説明をよく聞き、早く仕事に慣れたいと思います。
④会社の知識
入社希望の会社の歴史、理念、経営者のことば、作っている製品やサービス、仕事の流れ、自身の生活との結びつきなどを答えます。
⑤抱負
抱負は、目標に近い意味ですが、資格を取るのような明確なものよりは、少し広い内容を意味します。
通常、社員としての抱負を聞かれます。創造性や個性を生かそうとする前に、まずは与えられた仕事を覚える、先輩社員によく相談するなど、組織人としての心構えが感じられると、好印象になります。
⑥会社見学での印象
会社見学での印象として、社員が親切だったという答えが多く出てきます。会社としては、うれしい評価ですので変える必要はありませんが、具体的なできごと(どのように、どんな点が)を添えて、差をつけると良いです。
大きく差をつけるなら、会社見学前に、パンフレットやウェブサイトで興味深い点をいくつか見つけ、会社で実際に確認してくると良いです。
(参考)苦手教科について … 例えば事務職の場合、苦手科目に国語または数学があると、面接官は仕事に支障があるのではないかと、心配になります。志望する会社にあまり関係のない科目を選ぶのがコツです。
高2までにやっておくべきこと7つ
- 筆記試験(一般常識)の問題集を解いて勉強をはじめる。
- 作文の練習を始める。
- 自慢できる高校生活を送る(部活動、特別活動、資格、勉強、地域や家庭での活動)。
- 自己理解を進める(各種テストを活用)。
- 年齢が離れた人と話したり、人前で発表したりの経験を積む。
- 服装、姿勢、目線、言葉遣い、基本マナーを身につける。
- 高卒就職で進むことができる職業を理解し、関心がある職種は特に詳しく知る。
高3の1学期までにやっておくべきこと7つ
- 自己理解と職業理解を完成させる。
- 求人票の見方を知る。去年の求人票を見て、興味がある会社を選んでおく。
- 履歴書の書き方を知る。
- 志望動機の内容を考え始める。
- 面接の基本(入退室、よく出る質問)を知る。
- 筆記試験(一般常識)や作文の練習を進める。
- 基本マナーを完全させ、歳が離れた人と話すことに慣れる。
高3夏休みにやっておくべきこと7つ
- 筆記試験がある場合、対策を行う。
- 作文がある場合、対策を行う。
- 面接の練習を何度も行い、完成させる。
- 高校に調査書発行の申請を提出。夏休みの会社見学の報告を高校に行う(迷いがある場合、高校に相談する)。
- 見学先の試験を受けることにした場合、履歴書の下書きを完成させる。
- 履歴書の志望動機欄は、その会社にしかないものを、よく調べて書く。会社案内から言葉を抜き出す場合、自分の言葉で説明し、実体験を書き添えるとよい。
- 高校の正式名称を確認し、校訓、校長先生、担任のフルネームを覚えておく。
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コメント
なんで国語がダメなんか理由かけやハゲ
国語が苦手だと、不利になる理由について追記しました。
ありがとうございます勉強になりました!
明日就職試験なので気を引き締め頑張ってきます!
はる様
コメントありがとうございます。就職では、元気なことが一番大切です。細かいミスを気にせず、頑張ってきてください!
やばい、、、、、、
個人面接は一般的にどれくらい質問されますか
天様 コメントありがとうございます。
志望動機、社会人としての抱負、長所、高校生活の思い出など、5問程度、多くとも7問程度が標準かと思われます。