数学の勉強法 東大理系が「暗記」にこだわった理由とは?

受験ネット
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数学の勉強法は、実は解法の暗記に突破口があります。東大理系に現役合格し、数学の研究者に上り詰めた人も暗記にこだわるのは、なぜなのでしょうか?

数学の勉強法は、とにかく問題を大量に解けばよいと考えている人は、さすがに減ってきていると思います。しかし、近年支持されている、「問題集を何周もする」というのも、必ずしも正しくはありません。

正しい勉強法は、問題を「ストックする問題」「捨てる問題」に区別し、ストックする問題についてはくり返し解き、解法を暗記(ただし完全に理解したうえで暗記)する流れです。

授業、問題集、模試などで解いた問題を2つに区分

①ストック問題 自分にとって易しすぎず、難しすぎずの問題で、ほかの出題への応用が効き、学びが多いと判断できる問題。

誤答の場合よく理解しその場で完答する → 問題をコピーしファイリング → 翌日、翌週などくり返し解き(理解したうえで)暗記を目指す → 暗記できた問題は定期的にメンテナンス

②捨て問題 易しすぎる、あるいは難しすぎる問題。学びが少ない問題。

誤答の場合、正解をよく見て、一応その場で完答する。問題は処分。

この方法は、東大理系に現役で合格し、大学院を経て、現在は旧帝大で数学の研究者となった教え子も賛同しています。受験数学は考えて解くレベルのものではなく、暗記モノと言ってよいとのことです。この教え子の場合、高校時代は解法暗記を進めつつ、ときどき趣味として、『大学への数学』の難問を時間をかけて考えて解く遊びをしていたようです。

数学が苦手な受験生にありがちなのが、模試で問題を見て、使いそうな公式を頑張って思い出して余白に書き、それから、考えながら解く方法です。たいてい、途中の小問で行き詰まり、部分点となります。

一方、数学が得意な理系生は異なります。模試で問題を見ると、瞬時に、問題集で解いたことがある似た問題を思い出し、1つまたは複数の問題を組み合わせて、解き方のイメージが浮かびます。あとは、速く正確な計算力(これも重要!)を生かして、一気に解き進めていきます。公式は、思い出すというより、画像的に覚えている人が多く、どうせ導けるから覚えていないものもあるという人も多く、数学と接している時間や経験値に大きな差があります。

数学は解法を暗記していることが重要と言えます。ここでの暗記というのは、「丸暗記」ではなく、「理解した上での暗記」です。

問題集を何回も回すのは誤りではありませんが、高校で触れた問題や模試で出会った問題の扱いに困るはず。コピーして、ファイリングしておくと良いです。受験の前に、例えば「数Ⅱは200問、頭の中に持っている」という状態にします。

受験勉強では、友人にファイルを渡し、ランダムに出題してもらいます。もし、同じ勉強法の友人がいた場合、完答できなかったら罰ゲーム、のようなルールを作るのも効果的です。

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