ゲームの専門学校はやばい? 全国の高校で進路の授業を行っている、受験やキャリアの専門家が調べました。
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ゲームの専門学校はやばいという口コミ
講師もやる気ねえ、授業も色々足りねえ、生徒もクソ8割
まとも1割やべぇの1割
上のような口コミがあります。よく読むと、まともな学生(能力もモチベーションも高い学生)が1割程度と書かれています。専門学校側の対応の仕方が、ポイントとなります。
- 〇 1割の学生に合わせた、ハイレベルな授業や実習を展開している。
- × 9割の学生に合わせた、理解しやすいが、低レベルな授業や実習を展開している。
いちばん確実な調査方法は、志望する専門学校に見学に行き、優秀そうな学生に感想を聞いてみることです。
また「授業も色々足りねえ」とありますが、例えば、大学を出て公務員になるとしても、大学の授業では試験対策に全く足らないため、専門学校だけの問題とは言い切れず、自学自習も必要となることがあります。
ゲームの専門学校では何を学べるのか?
① ゲームの専門学校では、ゲーム開発に必要な知識と技術を学ぶことができます。具体的には、以下のようなものを学ぶことができます。
- ゲームプログラミング …ゲームを動かすプログラムを開発。ゲーム開発には欠かせない技術。
- ゲームデザイン …ゲームの企画やシナリオ、ゲームバランスの調整など。
- ゲームグラフィック …ゲームのキャラクターや背景、エフェクトなどをデザインする技術。ゲームの見た目や雰囲気を決める。
- ゲームサウンド …ゲームの音楽、効果音などを制作する技術。ゲームの臨場感や没入感を高めることにつながる。
- ゲームシナリオ …ゲームのストーリーを制作する技術。ゲームの面白さや魅力を左右する重要な技術。
- ゲームテスト …ゲームの動作やバグを検査する技術。
- ゲームビジネス …ゲームビジネスの基礎知識、マーケティング、販売戦略、著作権などを学ぶ。
② また、ゲームの専門学校では、ゲーム開発の現場で活躍しているプロの講師から直接指導を受けることができます。そのため、ゲーム開発の最新技術やノウハウを学ぶことができます。
ゲームの専門学校の実態は?
ゲームの専門学校は、「少数のハイレベルな学生」に合わせた授業を行っているのか、多数の「単なるゲーム好き」に合わせた分かりやすいもののレベルが低い授業を行っているかの見極めがポイントです。
少数のハイレベルな学生とは、高校時代にプログラミングを独学等で学び、簡単なゲームを作っていたような学生のほか、社会人に多いようです。
筆者は、仕事の関係でゲームの学校に出入りしていたことがありますが、すでに専門学校や大学を卒業した人は、ゲーム業界の厳しさを知っており、熱心に学んでいる印象を受けました。少数のハイレベルな学生に合わせた授業や実習が行われていれば、当然就職のチャンスが出てきます。
一方、単なるゲーム好きとは、ゲームに関心があるだけで、ゲーム作りを安易に考えていた、あるいは特に行きたい進路がないから来たという学生です。この層に合わせた授業を行ってしまうと、理解できるため不満は出にくいですが、なかなか力がつかず、クラス内の熱心な生徒が不満を持つことにつながります。
ゲームの学校は、専門学校またはスクール(認可外教育機関、専門卒の資格は得られない)の2種類がありますが、いずれも私立学校です。公立高校や、国のバックアップもある私立高校とは異なり、生徒が中退してしまうと、経営が成り立ちません。そのため、生徒のレベルやモチベーションが低い場合、それに合わせざるを得ないケースもあります。当然、就職の成功率は下がります。
いちばん確実な調査方法は、志望する専門学校に見学に行き、優秀そうな学生に感想を聞いてみることです。
ネットで評判を調べるのが手っ取り早そうですが、やる気のない学生の声、昔の様子しか知らない人の意見、無関係な人の想像、あるいはライバル校の関係者の書き込みもあり得ます。面倒でも、現場の学生の意見を聞いてみることが重要です。
なお、オープンキャンパスでは、学校に関して否定的な意見を余り言わない学生が担当することも多く、鵜呑みにはできません。
ゲームの学校と中退率|中退率はある程度高くても良い?
ゲームの学校では、問い合わせれば中退率を教えてくれることもあります。
就職率は、ゲーム業界以外に就職した学生の扱い、就職希望届を出さなかった学生の扱いなど、数字の捉え方が極めて難しく、専門家でも評価に迷うほどですし、公表しない学校も多くあります。
しかし、中退率については、ある程度教えてくれる学校もあります。中退率は低いほど良いように思えるかもしれませんが、それは高校までの話です。
ゲームの学校は、入試段階で落ちることはそれほど多くなく、なかには、やる気のない学生や、趣味程度という学生もいます。専門学校側が、中退者が出ても良いので、授業レベルを上げ、宿題を多くして構わないと指示を出せば、当然一定数の中退者は出るはずです。
入学を決める際は、授業内容やつぶしのきく資格を調べることも重要
専門学校選びのコツは、入口・中身・出口と言われます。
- 入口 学費(割引制度)
- 中身 魅力的な授業、たくさんの資格
- 出口 就職率
多くの方が、上の項目を調べますが、進路の専門家である筆者がおすすめするのは、下の要素です。
- 入口 学費(割引制度は早く入学を決めて欲しいだけとも言えるので、なくても良い)
- 中身 自分に必要な授業、つぶしの効く資格、中退率(上で説明)、雰囲気
- 出口 自分が進むコースの卒業者数と就職者数、就職先の一覧
「自分に必要な授業」 …将来、ゲームプログラミング、ゲームデザイン、ゲームグラフィック、ゲームサウンド、ゲームシナリオ、ゲームテスト、ゲームビジネスのどの方向に進むかを考え、就職活動のときに、どのレベルの作品を企業に持ってゆくかイメージします。その完成に必要な授業の有無を調べます。
「つぶしの効く資格」 …専門学校やスクール(認可外教育機関)で勉強を進めるうちに、ゲーム以外の業界に興味がわく可能性があります。ゲームは人気業界で就職は大変ですが、webプログラミングは需要が大きいため、第2の就職先として考えておくと安心です。それに備えた、プログラミング系などの資格も有効です。
「雰囲気」 …ゲームの学校は、同じ趣味の人が多く、雰囲気が合わないことは決して多くありませんが、(高校になじんでいた方は)なるべく高校に近い雰囲気の学生が多いと安心です。
「自分が進むコースの卒業者数と就職者数、就職先の一覧」 …就職率というと、上で説明したように数字の判断が難しくなりますが、自分が進むコースの卒業者数と就職者数は聞き出し、ゲーム会社に就職できているか、1社1社確認しておくと安心です。
代々木アニメーション学院 …ゲームについて学ぶことができ、webにはない情報を掲載した冊子が無料請求できる。
やばい学校を選ばないための5要素
- ハイレベルでモチベーションの高い学生に合わせた、ハイレベルな授業や実習を展開している?(学校に実際に行って、優秀そうな学生に感想を聞いてみることが確実。ネットの情報は、誰が言っているのか分からず参考になりづらい場合も)
- 自分に必要な授業がある?(就活時に企業に見せる作品をイメージして)
- つぶしの効く資格は取れそう?
- 中退率は?(全く中退者がいないよりは、中退者が出ても構わないという方針で、厳しい授業や課題を課している学校の方がよい)
- 自分が進むコースの卒業者数と就職者数、就職先の一覧
なお、筆者の個人的な意見ですが、専門学校でも理系色が強いコースは有利です。ゲームプログラミングは、技術を要し理系色が強いのですが、ゲームデザイン(企画等)やゲームシナリオ、ゲームビジネスは、必要とする人材の数が決して多くないにも関わらず文系要素があり、就職活動が激戦となるように感じます。
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