受験ネット通信は、多種多様な指導を求められる、進路バランス校の先生向けにお送りしています。
就職パートを担当した男性講師がご機嫌斜め
先日、ある高校で就職パートを担当した男性講師がご機嫌斜め。話を聞いてみると、高3の就職試験直前期にも関わらず、ぜひ就職したいという気持ちが感じられない、選ばれたいという意欲がない、という意見でした。
一理あるとは思いますが、ほとんどの高卒就職希望者が、実際は家計の事情や、もう勉強はしたくないからというのが本音ではないでしょうか?
大卒就職者も(教員には少ないと思いますが)やむにやまれずが本音でしょう。
ある進路バランス型の高校で理系の一般選抜希望者に、なぜ一般なのかを聞いてみたところ、自分は面接も文章も、ましてやプレゼンなど死んでも(本人談)無理なので、消去法で一般にしたということでした。
一般選抜ですら消去法組が存在するなか、工業高校や商業高校のように低学年から段取りを重ねない限り、就職はそうするしかないからするもの、という本音は、(それが全員の本音ではないにしろ)講師は理解して臨むべきものと、自分は考えています。
難しいのは、履歴書の志望動機欄
そこで指導が難しいのは、履歴書の志望動機欄です。
高校にもよりますが、もし高校伝統のスタイルがない場合は、きっかけ→他社にない特色(なぜその会社でなければならないのか)→軽い自己PRの上抱負を書くというスタイルがおすすめです。
【就職】超わかりやすい 履歴書(全国高等学校統一用紙)、志望動機、作文の書き方
難しいのが「きっかけ」です。
生徒も「兄弟が多く家計が厳しいため、進学にも憧れましたがやむなく」と書いてはいけないことはわかるようで、「幼い頃からものづくりが好きで」など大味に書いてくることが多いです。
もちろんこれでも構わないのですが、生徒に問いかけたいのは、きっかけ(動機)とは、その行動を起こすことになった過去の出来事でなくてもよく、その行動で得られるメリットのようなものでも良いということです。
こう問いかけると、家計や勉強への苦手意識が過去の事実であったとしても、それは書く必要(言う必要)がなく、その業種(会社)で未来に得られるものがきっかけとなります。
例えば、製造業であれば、少し高価だが買い手にとても喜ばれている、フライパンなどの鋳物(いもの)を作ることができるという、企業見学でわかる未来像は、きっかけに言い換えることができます。
実際の文面では、「向いているという担任の勧めで貴社の工場を見学させて頂いたところ、鋳物を作る工程と出来上がった製品の良さに触れ、ぜひ鋳物作りに携わりたいと考えるようになりました」のようになるでしょう(多少は過去に触れるのが自然です)。
きっかけは、実は未来志向で考えることもできるのです。
藤原宣孝の未来志向
大河ドラマの「光る君へ」では、(史実ではないと思いますが)紫式部が藤原道長との浮気により子を授かりました。
しかし、夫の藤原宣孝(ふじわらののぶたか、かなりのお金持ち)は、それに気づきながらも、大事に育てれば家族の安泰につながるのでそれでも良いと即座に答えています。できごとを過去思考ではなく、未来志向で考えるのは、成功者に共通する思考回路と言われています。
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