社会保障制度(労災保険、雇用保険)とメンタルヘルス|キャリコン試験対策 #14


キャリアコンサルタントは、社会保障制度(とくに労災保険、雇用保険)の知識が必要です。また、近年はメンタルヘルスに関する知識も重要になっています。

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筆者のキャリコン対策のノートを活字化したものです。折見て修正をしておりますが、誤りや不十分な内容があるかと思いますが、最終的には完成させたいと考えています。

社会保障制度

憲法25条の生存権に基づきます。社会保険、社会保護、社会福祉制度の3つに分かれます。キャリアコンサルタント対策では、社会保険制度が重要です。

社会保険

社会保険労災保険、雇用保険、医療保険、介護保険、年金保険

労災保険

労災保険 … アルバイトやパートタイマーを含みます(役員を除く)。1人でも雇用する事業が対象(国・官公庁を除く)。事業主が全額を負担します。業務災害と通勤災害が対象。治療中は給付されません。休業補償は◯日目から。 

  • 業務起因性(仕事と疾病等の因果関係)、業務遂行性(事業主の管理下または指揮命令)の2点を、労働基準監督署が審査する。
  • 精神疾患の認定が増えている。認定まで平均9カ月近くかかっている。

👉4日目

(正誤問題)労災保険の給付は、療養給付、休業給付のほか、疾病年金がある。

ヒント:労災保険の給付は、療養(補償)給付、休業(補償)給付、障害(補償)給付、遺族(補償)給付、傷病(補償)年金、介護(補償)給付、二次健康診断等給付、葬祭給付。答え:誤り。

雇用保険

雇用保険

対象者は、雇用関係をもとに賃金で生活している者。パートタイムの場合は、31日以上の雇用が見込まれ、1週間の所定労働時間が20時間以上。雇用保険料は、事業主、被保険者の双方が負担します(事業主は倍額)

(正誤問題)1週間の所定労働時間が20時間以上であり、同一の事業主の適用事業場に62日以上雇用の見込みがある場合、雇用保険の一般被保険者となる。

ヒント:例えば、1日5時間、週4日のパートタイムでも、約1ヶ月(正確には31日)働けば雇用保険に加入となります。答え:正しい。

  • 65歳に達した日以後に常用労働者として新たな事業所で雇用された人は、雇用保険の高年齢被保険者(一般被保険者ではない)となります。

失業等給付

失業等給付の知識は、クライエントの生活設計に関わり、キャリアコンサルタントにとって重要です。すべて覚えておきましょう!

〇〇者給付生活を支える、一般的な雇用保険のイメージに近いもの(基本手当)。「基本手当日額」は、離職前の賃金によって決まり、年齢によって上限があります。ほかに、傷病手当、技能習得手当、寄宿手当も。
教育訓練給付資格取得への援助など。
就職〇〇給付早期に職に就いた人への祝い金のような存在。正社員または非正規で働き始めたり(再就職手当)、給与が下がった場合、期間限定で補填したりなど。(厚労省のリーフレットの一覧
雇用〇〇給付(失業でなく)社員等の地位を継続したまま受け取るもの
。高年齢雇用継続給付(60歳以降に賃金が75%未満となった場合)、育児休業給付(休業開始時賃金の67%を6ヶ月間。以降50%)、介護休業給付(休業開始時賃金の67%)。(厚労省のリーフレット

👉求職者給付、就職促進給付、雇用継続給付

(正誤問題)産前産後休業期間中は、雇用保険制度による休業手当が支給される。

ヒント:育児休業給付金は雇用保険ですが、産前産後休業期間中の手当は、健康保険から支給されます。答え:誤り。

医療保険

雇用されている人は被用者保険、自営業者は国民健康保険。75歳以上は、いずれも後期高齢者医療保険。

被用者保険健康保険、船員保険、共済保険(公務員)
国民健康保険
後期高齢者医療保険

重要 健康保険、厚生年金は、2016年10月以降、従業員501人以上の企業なら、基準を満たす短期労働者も対象となりました(労使合意あれば500人以下も加入できる)。

①週の所定労働時間が20時間以上、②月額賃金が8.8万円以上、③勤務期間が1年以上見込まれている、④学生でない。また、被保険者数が常時501人以上企業の場合は労使合意は必要なく、上記条件を満たす労働者はすべて厚生年金保険と健康保険に加入させなければならない。

(注)退職後も、2年間任意継続被保険者として、健康保険に加入できます。2ヶ月の被保険者期間が必要。


(正誤問題)健康保険被保険者が、業務外の傷病により欠勤した場合、賃金が支払われない場合に限り、健康保険を原資に傷病手当金が支給される。

ヒント:健康保険の疾病手当金は、被保険者が業務外の傷病のために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。答え:正しい。

(正誤問題)産前産後休業中、育児休業中、介護休業中は、申出があれば、健康保険料と厚生年金保険料の支払いが免除される。

ヒント:健康保険料および厚生年金保険料は、産前産後休業中、育児休業中は申出により支払いが免除されるが、介護休業中は対象外。答え:誤り。

介護保険

介護保険は、加齢に伴い、要介護状態となった場合に受け取ることができます。

  • 65歳以上の者は原因を問わず要支援・要介護状態となったときに。
  • 40~64歳の者は末期がんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で要支援・要介護状態になった場合に。

年金保険

加齢に伴い、働けなくなって収入が低下した場合。2015年に、共済年金(公務員)は、厚生年金に統一されました。

  • 国民年金 … 20歳以上60歳未満の全ての人
  • 厚生年金 … 厚生年金適用の会社に勤務する人。国民年金(基礎年金)に加え、厚生年金を受けられる。

2016年10月以降、従業員501人以上の企業なら、基準を満たす短期労働者も、厚生年金の対象となりました(労使合意あれば500人以下も加入できる)。

2017年8月1日以降、老齢基礎年金を受給するために必要な保険料の納付期間が、10年に短縮されました。

キャリアコンサルタントは、メンタルヘルスの知識が必要です。

筆者のキャリコン対策のノートを活字化したものです。折見て修正をしておりますが、誤りや不十分な内容があるかと思いますが、最終的には完成させたいと考えています。

主な精神疾患

  • うつ病 … 何をしても楽しくない、興味がわかない、疲れていても眠れない、一日中ねむい、普段よりかなり早く目覚める、食欲がない、疲れやすい、集中できない、死にたくなるなど。
  • 混同注意 双極性障害 … ハイテンションで活動的な躁(そう)状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す症状。(ヒント:そう極生は、そうとうつ、と覚えてはどうでしょうか?)
  • 混同注意 統合失調症 … 幻覚や妄想などがみられる陽性症状と、意欲低下や感情表現の減少などがみられる陰性症状
  • 解離性障害 … 自分が自分であるという感覚が失われる状態で、ある出来事の記憶が抜け落ちるなどの症状。
  • 適応障害 … ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態。
  • 強迫性障害 … 本人は不合理だとわかっていても繰り返しの動作や確認動作を行ってしまうなどの症状。

ストレスとは

  • リファー … キャリアコンサルタントは、精神疾患の専門家ではないので、リファー(紹介)が重要。
  • 対象 … 会社員だけでなく、学生、家庭人も対象となる。
  • ホメオスタシス … ストレス反応を戻す力。恒常性を保つ力のこと。ある程度までのストレスなら、元に戻すことができる。
  • 健康 … 「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること(WHOの定義)」。キャリコンの視点でいうと、社会的に満たされているとは、社会(職場など)に適応していること。

ストレスの要因_環境、身体、精神、社会

(( ゆがみ ))_ストレス反応 ・身体 ・行動 ・心(精神)

精神障害等による労災認定件数

出典:厚生労働省|精神障害に関する事案の労災補償状況

職業生活で、ストレスを感じる人は、過去20年に渡り、6割程度(厚生労働省|労働省健康状態調査)。

「適度なストレスは、人生のスパイスである」(ハンス・セリエ)。ハンス・セリエは、精神的なものをはじめ、幅広くストレス(有害因子、有害刺激)を定義し、警告反応期、抵抗期、疲憊期へと進むことを示しています。

職業生活におけるストレス等の原因

  • 職場の人間関係の問題
  • 仕事の質の問題
  • 仕事の量の問題
  • 会社の将来性の問題
  • 定年後の仕事、老後の問題

(厚生労働省|平成24年労働者健康状況調査)

定期健康診断

健康診断は、88.5%の労働者が受信したが、再検査や治療を受けた労働者は、48.3%。

ストレス反応のメカニズム

ストレスの要因(ストレッサー

  • 環境的要因…天候、騒音など
  • 身体的要因…病気、睡眠不足など
  • 心理的要因…不安、悩みなど
  • 社会的要因…人間関係、労働条件など

ストレス反応

欠勤、遅刻、泣き言、能率が下がる、身だしなみが乱れる、辞めたいと言い出すなどの、行動面の変化があります(覚え方、ケチな飲み屋)。ほかに、心理面の変化、身体面の変化があります。

主なストレッサー。人間関係、役割や環境の変化、労働過重、技術革新、合理化、不適切な管理、組織、不十分な労働安全、衛星、労働条件なのに対する不満。

セリエのストレス(抵抗力と時間)

京都府精神保健衛生福祉総合センター

縦軸に抵抗力、横軸に時間(放っておくと)を設定したグラフです。抵抗力で、自分を下支えしている時期に、注意する。平均7〜10日続く。

警告反応期・抵抗期疲憊ひはい
不安、緊張、イライラ、焦燥感抑うつ感、無力感、自責感
解決志向集中力、判断力の低下
亢進状態、普通意欲、活動性の低下
無症状、不眠傾向、一時的な血圧上昇、自律神経症状慢性睡眠障害、蓄積易疲労、不安障害、うつ病、適応障害、高血圧症、脳・心血管障害など

引用:大阪商工会議所『メンタルヘルスマネジメント検定公式テキストⅡ種ラインケアコース』中央経済社p67

なお、レジリエンスとは、何かの症状や変化が出ていても、ストレスが去れば元の状態に戻る力のこと。

NIOSHの職業性ストレスモデル

NIOSH(アメリカ国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデル。

NIOSHの職業性ストレスモデル|東京都

現在でも主流のモデル。

重要度
高い高ストレス
低ストレス
低い高いコントロール度

ストレスを低めるには、重要度を低めたり、コントロール度を高めることも重要だが、緩衝要因(=社会的支援)の大きな影響がある。

ストレスコーピング

ストレスが緩和されるように自身で対処する行動のことをストレスコーピングと呼びます。

  • 問題焦点型コーピング … 問題を明確化し、解決。
  • 情動焦点型コーピング … 運動、迷走、飲酒、怒りの表現。

ソーシャルサポート …職場におけるサポート

  • 情緒的サポート
  • 情報的サポート … 間接的支援(主体はクライエント)
  • 道具的サポート … 直接的支援(支援者が行動する)
  • 評価的サポート

健康保持増進装置(THP)

THPとは、労働者の健康保持増進装置のこと。

4つのケア

「職場におけるこころの健康づくり~労働者の心の健康の保持増進のための指針~」による。

  • セルフケア
  • ◯◯◯によるケア … 管理監督者による職場環境の把握、相談対応、職場復帰支援など。
  • 事業所内産業保健スタッフ等によるケア … 管理監督者への支援。
  • 事業外資源によるケア

👉ライン

具体的な進め方は、①教育研修・情報提供、②職場環境等の把握と改善、③メンタルヘルス不調への気づきと対応、④職場復帰における支援の4つ。

メンタルヘルス指針(厚生労働省)

4つのケアの推進。労働安全衛生法による。

職場のなかでのメンタルヘルスケア

心の健康づくり計画を策定する|衛生委員会を開き調査・審議|個人情報保護への配慮

セルフケア、ラインによるケア、事業所内 産業保健スタッフ等によるケア、事業外資源によるケア
①メンタルヘルスケアの教育研修・情報提供
②職場環境等の把握と改善
③メンタルヘルス不調への気づきと対応
④職場復帰における支援
  • 労働者による自発的な相談とセルフチェック
  • 管理監督者、事業ばない産業保健スタッフ等による相談対応
  • 労働者の家族による気づきや支援が得られる

心の健康問題により休業した労働者の職場復職支援

メンタルヘルス上の理由から、1か月以上休業または退職した労働者がいる事業所は、7.6%。

  1. 病気休業開始および休業中のケア(診断書、ケアの開始、安心感の醸成)
  2. 主治医による職場復帰可能の判断(意思表示、医師の診断書、産業医等の精査)
  3. 職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成(原則は元の職場への復帰だが、職場環境を改めて評価する)
  4. 最終的な職場復帰の決定
  5. 職場復帰後のフォローアップ

※試し出勤制度(任意)


ストレスチェック

従業員の数が50人以上の事業所で、ストレスチェックが義務づけられています。労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)を主な目的としています。実施者は、医師、保健師、研修を経た歯科医師、公認心理士です。

ストレスチェックの調査票には、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域に触れるようにします。結果は、事業者ではなく、従業員に直接知らされます。

ストレスの程度が一定以上の場合、希望すれば医師の面談が受けられ、結果を踏まえた医師の意見を聞き、事業者は配置転換、労働時間の短縮などの義務があります。また、ストレスチェックの結果を分析し活用することは努力義務。


労働安全衛生調査

平成30年労働安全衛生調査によると、労働時間や仕事の調整をはじめ、治療と仕事の両立の取り組みは、5割の事業所で行われています。一方で、7割の事業所が困難や課題を感じています。

特注 治療と仕事の両立の取り組み

労働者本人からの申し出が起点となるため、申し出がしやすい環境を整備します。対応は、個別的・柔軟に行いますが、事業所内ルールの制定が必要です。

治療と仕事の両立の取り組みは、厚労省が力を入れているため、出題の可能性が高まっています。

関連)ハーズバーグは、職場での満足や不満の要因として、2つを挙げています。

  • 動機づけ要因 … 達成、承認、仕事そのもの、責任、成長(昇進)
  • 衛生要因 … 給与、労働条件(作業環境など)、人間関係、会社の政策と管理、監督

衛生要因の改善は、不満を減らしますが、職務満足にはつながらないとします。

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