【新入試】学校推薦型、総合型選抜、一般選抜って何? 専門家がわかりやすく説明!


2020年秋の入試から、大学入試の仕組みが大きく変わります! この記事では、高校2、1年生や保護者が理解しておくべき、新しい大学入試の仕組みを分かりやすく説明します。

  • 筆者:管理者(加藤)は元予備校講師。現在は東日本の高校で、年に80回の講演活動を行っています。キャリアコンサルタント(国家資格)養成講座修了。

(注)この記事では、2020年度の大学入試とは、2020年9月~2021年3月に出願する入試をさします。オリンピック後に行われる入試です。

2020年秋からの新入試・ぜんぶ分かります!
全体を知る(学校推薦・総合型・一般選抜)
【学校推薦】学校推薦型選抜の対策(調査書、推薦書、学科試験)総合型選抜の対策(調査書、資料、学科試験)指定校推薦はなくなるの?
【資料(書類)等】小論文の書き方志望理由書の書き方
【専門学校】専門学校の新入試

関連:大学入学共通テスト 英語民間試験見送り! 高2・高1生はリスニング対策が合否を決める

【2020年秋以降】新入試について知っておくべきことはこれだけ!

2020年度の入試から、仕組みが変わると聞いたんですが、大学に行けなくなっちゃわないか心配です!

現在の高校2年生が受験する、2020年度の入試から、新しい大学入試が導入されますね! 心配をしている人も多いと思いますが、この記事で全て解決します。まず、次の内容だけ押さえておきましょう。

名前は入試から選抜に変わります!

旧制度新制度(2020年度実施から)
一般入試一般選抜
指定校・公募推薦入試学校推薦型選抜
AO入試総合型選抜

名前が、入試から選抜(せんばつ)に変わります。なぜなのでしょうか?

理由は、これまでの入試が、学力(知識や技能)を試すものだったことへの反省があります。知識しかなく、指示しないと動けない大学生が多すぎる!という、企業からの要望も関係しています。

選抜に、幅広い学力(思考力、表現力、主体的に協働して学ぶ)を加えて、広い視野で高校生を選ぶものに変えるということです。

幅広い学力(思考力、表現力、主体的に協働して学ぶ)は、新入試のキーワードになりますので、頭の片すみに置いておいてください。

どのように覚えたら良いの?

名前が大きく変わり覚えにくくなりますが、略称は以下のようになるでしょう。

・一般選抜 → 一般
・学校推薦型選抜 → 学校推薦
・総合型選抜 → 総合

自分は、一般選抜は受けないけど、学校推薦か総合かは分からない、という人はどうしたらいい?

自分の高校は、一般はほとんど受けないんですよ。でも、学校推薦か総合のどっちを選ぶかはわからないので、今からやっとくことありますか?

学校推薦型、総合型の説明の前に、一般を受けないことだけは決まっている、という方に簡単に対策を説明します。おもに次の方が当てはまります。

  • 高校の先輩が、ほとんど一般を受けていない(専門学校進学者も多い)
  • 工業高校、商業高校、農業高校のため、一般選抜に授業が対応していない。
  • 高校の偏差値が目安として40以下(45くらいだと、一般も半分くらいいるはずです)

一般選抜は受けない可能性が高い方のための対策法

一般選抜を受けない方は、学校推薦型か総合型を受けることになりますが、いずれも、知識・技能だけでない、幅広い学力(思考力、表現力、主体的に協働して学ぶ)が問われます。

そして、幅広い学力は、調査書に書く内容とほぼ一致しています。つまり、一般選抜を受けない方は、高3のときの担任の先生が調査書に書く内容に苦労しないように、高校生活を過ごせば良いということになります。

1つ注意しておきたいのは、知識・技能も問われるということです。学校推薦型、総合選抜型では、小論文、総合問題、口頭試問、プレゼン等(※)が、必ず採用されます。文系の方は、小論文対策を、理系や専門高校の方は、総合問題や口頭試問をとくに意識しておきます。

(※)小論文、総合問題、口頭試問、プレゼンのほか、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等も含まれます。

関連するページ:【小論文】書き方・構成を分かりやすく教えてください

調査書に書かれる内容とは?

調査書に書かれる内容は、都道府県によって異なりますが、以下の通りです。内容が多く埋まるほど、学校推薦型、総合型とも有利になります。

調査書の内容説明答えられますか?
学習成績の概況(旧評定平均値)4.0、3.5のような、3年間の成績表の平均値です。学校推薦型でとくに重要。①高校の勉強は定期試験前だけで、間に合いますか?
総合的な学習の時間の内容・評価【新入試の要素】
キャリアを学んだうえで、明確な志望理由を持つ。
②自己理解、職業理解、進学後に学ぶ内容の理解を進めてきていますか?
特別活動の記録係、委員会、生徒会などでの成果。③親戚に自慢できる高校生活を送っていますか?
指導上参考となる諸事項【新入試の要素】
思考力・判断力・表現力、主体的に協働して学ぶ
※部活動、ボランティア、留学、資格などを含む。
④授業、宿題以外に自分でテーマを見つけて調査、研究しレポートに書いたことがありますか?
⑤資格や、特別な経験はありますか?
備考その他の事項
出欠出欠日数

(注)2022年入学の生徒からは、総合的な学習の時間は、総合的な探求の時間に改められる(文科省資料の5ページにある)。

まとめると、次の内容をしっかり進めることで、学校推薦型にも総合型にも対応できるようになります。このほかに、知識・技能も問われますので、小論文、総合問題、口頭試問などへの対策にも注意します。

①高校の勉強は定期試験前だけで、間に合いますか? → 間に合いません。苦手教科を中心に必ず毎日勉強し、評定を上げてください。評定A段階(評定平均値5.0〜4.3)に上がると、国公立や人気私立大学が視野に入ります。

②自己理解、職業理解、進学後に学ぶ内容の理解を進めてきていますか? → キャリアについて真剣に考えたり取り組んだりすることで、調査書内容はもちろん、自分自身で資料(志望理由書、進学後の学修計画書、自己PRなど)も書けるようになります。

③親戚に自慢できる高校生活を送っていますか? → 部活動未加入の方は、高校で何かの活動を始めてください。地域、ボランティア活動でも構いません(調査書に書かれなくても、自分で書く「資料(書類)」に書けます)。

④授業、宿題以外に自分でテーマを見つけて調査、研究しレポートに書いたことがありますか? → 新入試で非常に大切な要素になります。幅広い学力(思考力・判断力・表現力、主体的に協働して学ぶ)に関係が深いからです。まずは、得意科目に関連して、土日や長期休業期間にレポートを書いてみましょう。

⑤ 資格や、特別な経験はありますか? → 資格は証明書があり、詳しく説明する必要がない強力な武器です。普通科の方は英検か数検、専門高校の方は、高校が勧める資格がおすすめです。

学校推薦型選抜とは?

定期試験さえがんばれば、指定校推薦で大学行けたはずなのに、オレの人生を返せ!

かつての指定校推薦は、一夜漬けでも良いので定期テストで高得点を取り、調査書が基準に達してさえいれば、ほぼ面接だけで合格できるお手軽入試でした。

しかし、指定校・公募推薦の後継者である学校推薦型選抜では、勉強面も高校生活の面も、かなり本格的に問われるようになります!

学校推薦型選抜は、推薦でも学力検査が必ずある!

かつての指定校・公募推薦は、文科省の 「原則として学力検査を免除し」という方針もあり、学科試験はほとんどありませんでした。

しかし、学校推薦型選抜では、学力検査が必ず課されます! 面接だけで合格できる入試ではなくなるということです。

公募・指定校推薦入試 学校推薦型選抜 (2020年秋の実施から)
学力検査原則なし(ただし、公募推薦では、小論文は課されていた)①大学入学共通テスト、②各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)のいずれかは必ず採用
調査書必要(1枚)高校生活を詳しく記録するため、枚数は制限なし。評定平均も記載。
推薦書提出を求める場合もある先生が、推薦する生徒の学力(とくに幅広い学力)の評価を書く。必ず活用

上の表の根拠(文部科学省):学校推薦型選抜における評価方法

このように大きく変わります。

学校推薦型選抜では、定期試験をがんばればよい評定のほか、一発型の学力検査が必ず課されます。さらに長文型の調査書、高校の先生が書く推薦書が課されます。

定期試験だけがんばっていた生徒は、学力検査に対応しづらくなります。部活動も入っていないし、自慢できるような活動はしていないよという方は、調査書に書くことがなくなります。

筆者の主観ですが、学校推薦型選抜は、定期試験だけできる人のための指定校推薦潰しのような気がしてなりません。裏を返せば、企業側が、範囲の決まった知識の暗記だけかわだけしかできない人材はいらない、と主張していることがあります。

学校推薦型選抜の詳しい対策は、次の記事をご覧ください。

学校推薦型選抜の対策方法をわかりやすく説明

学校推薦型選抜の日程

指定校・公募推薦学校推薦型選抜(2020年秋の実施から)
日程11月1日以降出願/発表日は自由11月1日以降出願/12月1日以降に発表

学校推薦型選抜の日程に、大きな変更はありません。

上の表の根拠(文部科学省):文科省発表内容

総合型選抜とは?

吹奏楽部の全国大会に行って、AO入試で大学と考えていたのに……。私の人生を返して!!

かつてのAO入試は、部活動など好きなことに打ち込み、かなりの成果を出せばそれだけでも合格しやすい入試でした。評定平均値の基準がなく、試験もない大学もありました。

しかし、AO入試の後継である総合型選抜では、勉強面も、かなり本格的に問われるようになります!

総合型選抜は、推薦でも学力検査が必ずある!

総合型選抜は、かつてはAO入試と呼ばれたもので、文科省の 「知識・技能の修得状況に過度に重点を置いた選抜基準とせず」という方針もあり、学科試験はほとんどありませんでした。しかし、総合型選抜では、学力検査は必須となりました。

AO入試 総合型選抜 (2020年秋の実施から)
学力検査原則なし①大学入学共通テスト、②各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)のいずれかは必ず採用
調査書評定の比重は軽め(特別活動、部活動、資格等を重視)評定平均を記載。また、高校生活を詳しく記録するため、枚数は制限なし。評定平均も記載。
資料(書類)志望理由書、自己PR書生徒が書く、志望理由書・活動報告書(自己PRに近い)・学修計画書などを積極的に活用する

上の表の根拠(文部科学省):総合型選抜における評価方法

AO入試時代から資料(書類)採用が目立っていたため、その点では変化はありませんが、学力検査を必ず採用とした点が大きな違いです。

学力検査は、AO入試時代からの傾向として、中堅以下の文系大学では、小論文の採用が多くなりそうです。理系では、小論文のほか、理科や数学の学力を問う可能性があります。

国公立や人気私大では、プレゼンテーションや長文のレポートなど独自性の高い内容、あるいは口頭試問、教科のテストなど、学力を正面から問う内容が予想されます。

また、資料(書類)は、高校の先生ではなく、受験生自身が書きます。内容は、大学側に任されていますが、次のようなものが予想されます。

志望理由書学部や大学を選んだ理由を書くもの。どの大学・短大でもほぼ必須となると予想される。(志望理由書の書き方
自己PR資格、活動実績(部活動、係、委員会、生徒会、地域、ボランティア、趣味、学習)、長所を書くもの。
活動報告書活動実績(部活動、係、委員会、生徒会、地域、ボランティア、趣味、学習)に絞って書くもの。
学修計画大学進学後に、どんな内容をテーマに、どんな講義を取り、どんなゼミ(研究室)を候補として考え、大学外でどんな取り組みをしてみたいかを具体的に書くもの。

総合型選抜の日程

AO入試総合型選抜(2020年度実施から)
日程8月1日以降出願/9月1日以降に発表9月1日以降出願/11月1日以降に発表

総合型選抜は、出願が1ヶ月遅くなり、夏休みにしっかり準備できるようになりました。

上の表の根拠(文部科学省): 文科省発表内容

学校推薦型選抜と総合型選抜の違いは?

学校推薦型選抜と総合型選抜って、結局、学力検査もありーの、書類も長いーので似てる気がするんだけど、違いが分からない!

学校推薦型選抜と総合型選抜の違いが分からない! もっともなご意見です。違いは以下のようになります。

学校推薦型選抜 (2020年秋から) 総合型選抜 (2020年秋から)
学力検査 ①大学入学共通テスト、②各大学独自の評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)のいずれかは必ず採用同じ
調査書 評定平均を記載。高校生活を詳しく記録するため、枚数は制限なし。従来通り活用。同じ
書類等【推薦書】
先生が、推薦する生徒の学力(思考力、主体性、協働性、表現力なども含む)の評価を中心に書く。必ず活用
※推薦書に加え、資料(書類)の活用も予想されます。
【資料(書類)】
生徒が書く。志望理由書・活動報告書・学修計画書などを積極的に活用する。

大きな違いは、下のようになります。

  • 学校推薦型選抜 … 先生(担任、職員会議、最終責任は校長先生)が推薦
  • 総合型選抜 … 自己推薦

そして、学校推薦型選抜で必要な推薦書は、原則として新しい学力(下のように文科省が決めた)に沿った内容を中心に書くことになっています。

文科省が定めた新しい学力には「知識・技能」のほか、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性の尊重・協同性」が含まれています。

文科省『新しい学習指導要領等が目指す姿』

学校推薦型選抜と総合型選抜もバランスが求められるのですが、高校内で目に見える成果が大きめの生徒は、学校推薦型選抜が向いていると言えます。

  • 学校推薦型選抜 … 高校側の目で生徒を推薦する仕組み。勉強(評定平均値のほか、主体的学習も重要)や高校内での特別活動(部活動、係、委員会、生徒会など)での成果がとくに重要となる。
  • 総合型選抜 … 生徒自身の考え方や、個々の大学の価値観も含まれる。中学までの経験、家庭での役割、地域活動、志望大学の方針との合致など、高校側の目では気づきにくい生徒も評価される。
2020年秋からの新入試・ぜんぶ分かります!
全体を知る(学校推薦・総合型・一般選抜)
【学校推薦】学校推薦型選抜の対策(調査書、推薦書、学科試験)総合型選抜の対策(調査書、資料、学科試験)指定校推薦はなくなるの?
【資料(書類)等】小論文の書き方志望理由書の書き方
【専門学校】専門学校の新入試

一般選抜とは?

一般選抜の特徴は、これまで一発型試験の点数しか問われなかったのに対し、新たに調査書と資料(書類)が加わることです。

  • 調査書 … 先生が書くもの
  • 資料(書類) … 高校生が自分で書くもの
一般入試一般選抜(2020年度、つまり2021年1〜3月の実施から)
学力検査大学側が自由に実施(私立大の場合)①大学入学共通テストを積極的に活用する、②思考力などを測る記述式を拡充、③英語は、書く・話すも問う(延期になりました!民間試験採用を見送り)。
調査書1枚まで。開封しないことが大半。評定平均を記載。高校生活を詳しく記録するため、枚数は制限なし。配点等は各大学の自由だが、積極的に活用。
資料(書類)原則なし志望理由書・活動報告書・学修計画書など。積極的に活用。

一般選抜は、以前のような教科試験一発方式から、高校生活の内容が問われるようになります。方針が大きく変わり、焦ってしまうかも知れませんが、多くの大学で様子見からスタートしそうです。

  • 成城大学(A方式)… 調査書提出を原則とするが、合否判定に用いず、入学後の指導の参考にする。
  • 駒澤大学(一般選抜) … 調査書、資料(志望理由書)等の活用を検討
  • 大東文化大学(一般選抜)… 調査書に、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度に関する経験を必ず記入する。

上は、2019年4月1日現在の、いくつかの大学の公表内容ですが、全体に検討中の大学が目立ちます。

そもそも一般選抜は、勉強面が優れた高校生を選ぶ狙いがあるので、調査書や資料(書類)の比重が急激に高まることは、ないと考えられます。これまで通り、学科試験での得点力を上げることが絶対優先課題です。

一般選抜の対策

一般選抜を狙うなら、基本は勉強で良いということですね?

はい。一般選抜を狙う場合、調査書対策よりも勉強が、まずは優先です。

勉強面では、記述式や英語4技能(読む・聞く・書く・話す)を重視する方向性が打ち出されています。ただし、書く、話すについては、 大学入学共通テストでの英語民間試験見送りが決まったため、当面は、聞く(リスニング)に気を配ります。また、共通テストでの記述式の採用の延期も決まりましたが、思考力を問う出題の方針は変わりませんので、記述式への意識は必要です。

ただ、調査書に書くことが全くないのも困りますので、主体性、思考力、表現力、協働性などをPRできるような活動はしておきましょう。

文科省が定めた新しい学力には、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性の尊重・協働性」が含まれています。

文科省『新しい学習指導要領等が目指す姿』

【ここが重要】一般型選抜=従来通り試験の点数を上げることに専念してよい。ただし、調査書が埋まる程度の活動(部活動、委員会、生徒会、資格取得、思考力や協働性を生かした主体的な習等)をしておくことが必要。

関連:大学入学共通テスト 英語民間試験見送り! 高2・高1生はリスニング対策が合否を決める

一般型選抜の日程

一般入試一般選抜(2020年度実施から)
日程2月1日以降実施/4月20日までに発表2月1日以降実施/3月31日までに発表
2020年秋からの新入試・ぜんぶ分かります!
全体を知る(学校推薦・総合型・一般選抜)
【学校推薦】学校推薦型選抜の対策(調査書、推薦書、学科試験)総合型選抜の対策(調査書、資料、学科試験)指定校推薦はなくなるの?
【資料(書類)等】小論文の書き方志望理由書の書き方
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