新しい環境でのコミュニケーションや会話が苦手! 簡単な3つのやり方を教えます。

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新しい環境でのコミュニケーションや会話は、難しいですよね。この記事では、キャリアコンサルタント(国家資格)の筆者が、 簡単なやり方を教えます。

会話を続ける力、雑談力、笑顔……は、必要ではない!

新しい環境でのコミュニケーションには、会話を続ける力、雑談力、笑顔が必要だと言われて困っていませんか? そもそも、そんな力があれば、コミュニケーションに心配をすることは、ありませんよね。

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会話を続ける力、雑談力、笑顔にこだわらなくても良いんですか?

はい、会話を続ける力がなくても、心配はいりません。例えば、あなた自身がこの人はいいな、と思う人を思い出してみてください。必ずしも会話が上手という訳ではないと思います。会話を続ける力よりも、傾聴力(聞き上手)の方が、ずっと大切です。

また、雑談力も特別に必要なわけではありません。

世の中には、2種類の人がいます。片方は、人と話すことがエネルギーを生むというタイプ。他方は、ひとりの時間で充電するタイプです。いろいろなタイプの人がいますので、雑談力にこだわる必要はありません。会話の采配さいはいのうまさより、相手に肯定的関心を持つ習慣の方がずっと大切です。

笑顔は3つのコツで簡単

笑顔は、あればあるに越したことはありません。できることなら、少し訓練してみましょう。「口角(口の両端)を上げる」がよく指摘されますが、本当でしょうか? 口角を上げて、スマホのセルフ側カメラで映してみてください。

いかがでしょうか? 意外に不自然(サイコパス風?)だったはずです。実は、「目が笑っていない」という言い方からもわかるように、笑顔には目にもポイントがあります。

  • 口角を上げる
  • 上の歯を見せる
  • 目を細める(できれば目じりも下げる)

この3つがカギになります。

ただ、幼いころから笑い習慣がない人は、すぐには難しいかも知れません。

その場合、心を開いて落ち着いている、ということに気をつけてみてください。落ち着いている人は、そわそわしている人よりも話しやすい雰囲気があります。ただし、内省ないせい的に、深く考えごとをしているようだと話しかけづらいもの。落ち着いているが、少しだけほかを気にしているようなバランスが良いでしょう。

会話を続ける力、雑談力、笑顔……は、必要ではない!

よく言われるコミュニケーション力ほんとうに必要なもの
会話を続ける力傾聴力(聞き上手)
雑談力相手に肯定的関心を持つ習慣
笑顔(笑顔も必要だが)心を開いて落ち着いていることで、カバーできる。

傾聴力の高め方は?

傾聴力(聞き上手)は、どのように高めたら良いのでしょうか? 話をよく聞くというのは、一見簡単そうです。実際に、話しベタな人は、誰しもが自分は聞き上手だと思っています。

データ 全国20〜60代の男女1573名の約44%が、自分を聞き上手だと思っている。

しかし、ほんとうに聞き上手なら、周りに常に人が集まり、毎週のように相談事を持ちかけられるはず。そもそも、コミュニケーションに少しでも悩みがある人は、決して聞き上手とは言えません。この不都合な事実を、受け止めることが第1歩です。

でも、心配は要りません! 聞き上手とは天性のものではなく、単なる技術だからです。キャリアコンサルタント(国家資格)では、養成講座内で聞き上手になるための技術を教えています。

傾聴力を高める技術

傾聴力を高める技術には、以下のようなものがあります。

傾聴力を高める技術説明
①肯定的関心どんな人にでも関心を持つ。そのとき、批判的あるいは冷静な態度でなく、無条件に肯定的関心を持つことがポイント。
②姿勢姿勢(上半身)を少し前に傾ける。体を相手に向ける。
③目線相手の目を見る(恥ずかしい場合は、ときどき外しても良い)。
④くり返し(リピート)相手の言葉をそのまま返す。とくに会話の前半に有効。
(例)「え?!来る途中で大げんかしてた人がいたの! それ詳しく聞かせて!」
⑤感情の反映相手の言葉、声、動作などをよく観察し、感情をしっかりと言葉にしてあげる。
(例)「それは驚いたよね! 私だったら、録画しちゃうかも!」

もっと詳しく知りたい方は、システマティックアプローチ、発達理論、諸理論|キャリコン基礎理論対策#05の「マイクロカウンセリング」が参考になります。

話をしてくれる相手に、肯定的関心を持つ

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相手に肯定的関心を持つ? 言葉を聞く限り、簡単そうですね。

はい。肯定的関心を持つというのは、言葉では簡単に聞こえると思いますが、少し深く考えておくと、非常に役立ちます。前提として、人は自分に対して関心を持っている人を、嫌うことはほぼないということです。これは、多くの方が実体験からうなずけるのではないでしょうか?

ポイント 好き嫌いが激しいので、誰にでも好意を持つのは難しい! と感じる方もいるかも知れません。しかし、好意ではなく、関心を持てばいいだけです。苦手な上司や先生でも、関心を持つくらいならできると思いませんか?

肯定的関心を持つとは?

肯定的関心を持つとは、話しをしてくれる人に対し、否定的な姿勢を持たないということです。

Aさん:「駅前でおいしいパエリア屋さん見つけたんだけどさあ……」

  • × (Aさんの味覚のセンスは、そこまで高くないからなあ)あー、そーなんだ……。
  • × (今日は、外食はしたくないから、誘われたくないなあ)あー、そーなんだ……。

例に挙げたような心の持ち方が、否定的関心です。そして、もう1つ、見落としがちなものは、自分の関心の範囲の広さです。もし「パエリア」に興味がなければ、肯定的な関心は持ちにくいはずです。興味の範囲を意識的に広くすることも、肯定的関心につながります!

肯定的関心を持つとは?

  • 人に優劣をつけないこと(この人は、良い意見は言わないなどと決めつけないこと)
  • そのときの気分で、話しを聞いたり聞かなかったりを、できるだけ避けること。
  • 興味の範囲を広く持つこと。興味がなかった話は、その場で興味を持ってみること。

上の内容を逆に言えば、コミュニケーションが下手な人は、「人に優劣をつける(好き嫌いが激しい)」「気分で話を聞いたり聞かなかったり(今やっている作業や考え事を止めて話を聞けない)」「興味の範囲が狭い」という特徴があるかも知れません。

心を開いて落ち着いていることとは?

さて、コミュニケーション力が高い人は、自然に笑顔が出ることが多いようです。笑顔は、上に挙げた3点(口角上げる、上の歯見せる、目を細めて目尻下げる)に注意すれば、誰でも身につけることができます。

しかし、慣れの問題もありますので、笑顔が苦手なら、心が落ち着いていることことも大きなカギになります。例えば、人間関係の悩みを誰かに聞いてもらうとします。そのとき、今まさに人間関係に悩んでいる人に相談しても、相手の心もワサワサとしているため、話しにくいものです。

いつも心が落ち着いている人が話しやすい人です。職場や学校でも、いつもソワソワした人や、いつもイライラしている人には、話しかけにくかった記憶があると思います。ただ、心が落ち着いていると言っても、極端に内向きの思索にふけっている人には話しかけにくいため、心を開いて落ち着いていることが大切です。

自己一致度とは?

少し応用となりますが、自己一致という考え方があります。「そうありたい自分」と「本当の自分の姿」が一致し、本当の意味で、心が落ち着いていることです。

心が落ち着いているので、自分の心も他人の心も、そのまま把握することができ、コミュニケーション力が高くなっている状態です。

自己一致度が低い人というのは、例えて言えば、2種類の別のレンズを重ねて、世の中を見ているようなもの。素直に自分のことを話してくれなかったり、何かものの見方がズレているように感じられます。あるいは、自信過剰だったり、逆に卑下し過ぎていたりしているかも知れません。

好きなタレントの常連のマツコ・デラックスさんの自己一致度は?

好きなタレントの常連のマツコ・デラックスさんの自己一致度はどうでしょうか?

マツコさんは、いろいろな意味で目立ちますので、若いときには、「そうありたい自分」と「本当の自分の姿」は、一致していなかったかも知れません。

しかし、いまはちょっと特別な本当の自分の姿を受け入れ、心が落ち着いているように見えます(自己一致)。そのため、ゲストの微妙な心の変化を見逃すことがありません。超人気者でありながら、もし会ったとしても、リラックスできそうな人柄に見えませんか?

自己一致度を高めるには?

自己一致度を高めるには、どのような方法があるでしょうか?

まず「本当の自分の姿」を理解します。心理検査のエゴグラム(監修|福島寛)が便利です。

エゴグラムは、数学や統計学に基づき標準化されたフォーマルアセスメント(正規の検査)であり、信頼度は相当高めです(よくある心理テストとは全く異なります)。数分で終わり、次のような結果が出ます。

検査結果を見ながら、当たっている、納得!と思うところは無視し、腑に落ちない項目や違和感のある項目を、下のような表に書いていってください。

エゴグラムの結果で腑に落ちない項目「本当の自分の姿 そうありたい自分落としどころ
・四角四面の(生真面目で面白くない)人間。
・趣味や娯楽を軽んじる面。
それなりに柔軟な人間と自覚しているし、努力もしてきたのだが……。・ときには肩の力を抜いてみよう。
・ときどき、自分の考え方に、こだわりすぎる自分もいるのだな。






本当の自分の姿(実際の行動) を知ったうえで、 そうありたい自分(自己概念) もある程度受け入れながら、落としどころの自分をイメージしてゆきます。すると、自己一致が進み、安定感が出て心が落ち着き、接しやすい人になるはずです。

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よく分かりません??

分かりやすく 先輩や上司に「〇〇は、人の話聞かないからな」と言われれば、「いや聞いてるから」とカチンとくるはずです。そのときに、人の話を聞かないことは、良いことでも悪いことでもないと考えて、ああそういうことも、ときにはあるんだな自分は、くらいに受け止めます。

なお、自己一致度を高めるには、キャリアコンサルタントなどの専門家に、カウンセリングを受けてみるのもおすすめです。

まとめ コミュニケーションや会話が苦手な人のための「かんたんな方法」

  • 傾聴力を高める … ①肯定的関心、②前傾姿勢、③目線、④くり返し(リピート)、⑤感情の反映
  • 肯定的関心を持つ … 人に優劣をつけない、気分で話に乗ったり乗らなかったりを減らす、興味の範囲を広く持つ
  • 笑顔の練習 … ①口角上げる、②上の歯見せる、③目を細めて目尻下げる
  • 心を開いて落ち着いていること … 自己一致度を高めるには、本当の自分の姿(実際の行動)を知り、そうありたい自分(自己概念)との調整を図る。なお、自分の悩みには、できる限り解決をつけておく。

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