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マイクロカウンセリングなどの包括的アプローチを分かりやすく|キャリコン基礎理論対策#05

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カウンセリング理論は、4つに分類されます。なかでも、包括的アプローチに分類されるマイクロカウンセリングは、ほとんどのキャリコンがベースとする、基本的な方法論であり、非常に重要です。

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カウンセリングのいくつかのアプローチ

  • 感情的アプローチ …  感情重視 (ロジャース、フロイト)
  • 認知的アプローチ …  固定観念(イラショナルビリーフ)と認知を重視
  • 行動的アプローチ …  行動を変えてゆくアプローチ
  • 包括的アプローチ …  各種を折衷する体系で、キャリコンの実際の道具。

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マイクロカウンセリングは、キャリコンの基本中の基本

マイクロカウンセリングは、キャリアコンサルタントが実際の現場で使う、カウンセリングのベースとなる方法論です。

提唱したアイビイは、日常的なコミュニケーションやコンサルティングを観察し、誰でも使える技法を整理。1つずつ練習し段階的に習熟できるように整理しました。キャリコンのスクールでは、講義→グループでの実践を繰り返し、1つずつ確実に取得して行きます。筆者は聞上手とは言えないタイプでしたが、マイクロカウンセリングのトレーニングで、ずいぶん上達しました。

マイクロカウンセリングは、全ての理論の価値を認める、現在汎用性の高いメタモデル(=全てを統括する型式)として定着しています。

  • 傾聴、共感、肯定は、一般にもなじみが深い、基本的キーワードです。ただし、傾聴にも具体的な方法があり、キャリコン独自の技法があります。
  • 意図性は、キャリコン独自の用語です。ただ漫然と聞くのではなく、全ての返答に狙い(意図)を持たせることを指します。

マイクロカウンセリングの全容

マイクロカウンセリングの全容は、4段階からなります。キャリアコンサルティングでは、基本的にこの順番に使用しますし、スクールでも、この順番で学びます。

  • かかわり行動 … 第1印象など、ことば以外のアプローチで、相手をリラックスさせます。
  • かかわり技法 … 良い意味でのオウム返しなど、おもにことばを使って、クライエント(=相談を受ける依頼者)の内省を手助けします。
  • 積極技法 … ある意味、受容的で勝手な解釈をしないのがキャリコンの特徴ですが、ときには話の焦点を変えるなど、打って出ることもあります。
  • 技法の統合 … 課題を明らかにし、次の行動を促してゆく総まとめとなります。決めるのはキャリコンでなく、相談、助言中心に留めることが重要。
かかわり行動第1印象にあたる最も基本的なものです。コンサルティングの終了まで貫かれます。
・視線 … 基本は目を合わせる
・身体言語 … 例えば体を前に傾けて、傾聴を示す。
・声の調子 … 低い声で信頼性を演出したり、ときには相手にトーンを合わせたり。
かかわり技法(基本的傾聴の連鎖)良い意味でのおうむ返しなど、一般に知られているものも含む、言語的な傾聴の方法です。
・観察技法 … 言語を正確に理解するために、表情や声の調子を観察したり、くり返しの多さなどに注視したり、非言語情報を統合してゆく。
・開かれた質問(5W1H式、話が発展しやすいが疲れを招く)と、閉ざされた質問 (Yes・No式、要点が明確になる)を使い分ける。
・励まし … 一般的な意味でなく、うなづきや相づちなどで話を引き出すこと。
・言い換え … (例)ざわざわするんです→落ち着かないのですね。言ひ換えは、ミスすることもあるので慎重に行う。
・要約 … 話の要点をまとめる。ミスすることも多く、私はこう捉えたのですがのような、アイ(I)メッセージとする手もある。
・感情の繰り返し … (例)それはつらいですね。感情表現は、クライエントの話の核心となるため重要。
★上の繰り返しを基本的傾聴の連鎖と呼ぶ★
積極技法とくに積極的な関わり。
・自己開示 … 実は私もこういう経験がありまして……
・指示
・助言
・本人
・焦点の当て方 … 他人、環境ではなく、本人に焦点を当てる。
・矛盾の指摘 … 良い意味での話の変化を指摘など。
技法の統合面接の5段階を意識し、高い階層へ進めてゆく。
①ラポール(=信頼関係) … 受容的態度、共感的理解を徹底し、信頼関係を築く。
②問題の定義化
③目標を設定
④選択肢を探求し不一致と対決する … どのような方法が、現状(理想との不一致)を打開するかを検討する。
⑤日常生活への一般化 … クライエント自身が解決できる状態)

ヘルピングの技法(=無資格者でも使用できる)

カーカフによる。人間関係を通じて、自己探索への道を切り開く。一般の人も使えるように、カウンセラーの呼称を用いない。

  • カウンセリング=ヘルピング
  • カウンセラー=ヘルパー
  • クライエント=ヘルピー

ヘルピングのプロセスは、4段階。簡易化されているため、例えば私塾において、はじめて生徒面談を担当する講師の研修などにも利用できる。

事前段階|かかわり技法信頼関係(ラポール)を形成する。具体的には、自己開示、傾聴、親身に自分のこととして関わる。
第1段階|応答技法対話をくり返すことで、ヘルピーの現在地を明確にし、自己探索を促す。ヘルパーの考えを説明するのではない。
第2段階|意識化技法目標を明らかにする。
第3段階|手ほどき技法目標に向かって行動を起こすための計画を立てる。

現実療法|原点は暗い過去を持つ非行少年

グラッサーによる。生育歴、過去、感情、症状に焦点を当てず、現在に焦点を当てます。当初、非行少年を更生させるために用いられました。

具体的な指針

  • クライエント自身が、自分の行動を評価する。
  • 願望と欲求を明確にし、自ら計画を立て実現に向かう。
  • クライエントの言い訳は認めない。論争もしない。

発達理論3つ

カウンセリングと発達を関連付けようという試みが、1952年に米国で始まりました。生涯のキャリアのカウンセリングに有用な理論です。

ビアジェの発達理論(15歳まで、均衡化が特徴)

ピアジェは、自身の3人の子どもを観察することで、認知の発達を研究した。なお、成長=量的な変化、発達=機能がより高度化すること。

感覚運動期(2歳まで)触れるものは、目に見えなくてもそこにあることを理解。
前操作期 (7歳まで)表象機能が発達し、ごっこあそびが可能。記憶による延滞模倣も可能に。
具体的操作期(11歳まで)具体的な物を論理的に操作できる。例えば12個のチョコレートを並び替えても、12個だと分かる。
形式的操作期(15歳まで)抽象的な事柄でも論理的に操作できる。 例えば、AはBより身長が高く、BはCより身長が高い、いちばん高い人はの質問に即答できる。

同化を経て均衡化に至る過程が成長

(例)ある子は、主食は米だと思っていましたが、親類の家でパスタをふるまわれます。そのとき、親類にご飯を求めます(=同化の要求)。しかし、たまたま準備がなく、パスタもご飯(主食)の1つだと説明を受けて、同化を行います。この、環境との均衡化へ向かう調節の課程を、発達と考えます。

エリクソンの発達理論(生涯を通じ、 危機に着目)

エリクソンは、ある土台に次の段階が加わってゆくという漸成的発達理論を提唱。世代ごとに存在する危機の克服に、その特徴があります。

発達段階発達課題危機
乳児期(2歳まで)信頼感(特に母親に対して)不信
幼児期前期(4歳まで)自律感恥・疑惑
幼児期後期(7歳まで)自発性罪悪感
児童期(12歳まで)勤勉性劣等感
青年期(22歳まで)同一性(アイデンティティの確立)同一性拡散
成人期前期(34歳まで)親密性孤立・孤独
成人期後期(60歳まで)世代性停滞
老年期(61歳以上)総合感(人生の達成感)絶望

レヴィンソンの発達理論(中年の危機で知られる)

発達は、安定期と過渡期の繰り返しとするのが特徴。中年の危機が強調されています。

  • 成人への過渡期(17~22歳)
  • 重要|人生なかばの過渡期(40~45歳)
  • 老年への過渡期(60~65歳)

(注)ハーヴィガーストは、各段階の発達課題を、ふさわしい時期に解決しないことで、問題が生じると主張しています。

その他独自の背景を持つ理論

家族療法

家族全体を援助対象とした療法ですが、近年は、家族関係、人間が作る関係性の変化を軸に置いています。ベルタランフィの一般システム理論がベース。

システムズアプローチ 
・境界と階層 … 個人<家族<会社。家族は別の家族や地域社会などと関わりを持っている。
・循環的、円環的因果律 … 一律な因果関係ではなく、結果が原因に影響を及ぼすような因果関係が成立している。

ナラティブセラピー

家族療法から発達。社会構成主義(社会は言葉による語りによってつくられている)をベースに、自分について語ることが、自己を構成する、会話そのものが治療になるという考え方。

アンダーソンが治療者に勧めたのは、無知の知。治療者の専門知識や先入観に頼らない方法。

実存療法

キルケゴール、ニーチェなどの実存主義の影響。

  • フランクル … 自身がアウシュビッツに送られた体験をもとに、快不快ではなく、人生の意味が重要だと考えた。
  • ヤーロム

アサーション

自分の考えや気持ちを、相手に理解できるように伝えるます。行動療法の1つ。社会的弱者のための自己表現として発達しました。

  • 自分も相手も大切にした自己表現。
  • 非主張的表現でもなく、攻撃的表現ではないのが、アサーション。
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