小論文の書き方! 合否を分けるたった1つの簡単な方法

      2017/05/22

この記事では、慶應義塾はじめ、多くの学校に合格者を送り込んできた、元予備校講師が、本当に正しい、落ちない小論文の書き方をお伝えします。


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文章が得意でないという方は、٩(ˊᗜˋ*)وマークだけを、まず読んでみてください。

【注意!】その書き方は、1つのタイプの出題にしか対応しません!

小論文は、たった1つの正しい書き方を覚えれば、志望理由書、自己PR文、進学後のレポート・論文などあらゆる場面に対応できます。それにも関わらず、一部の小論文にしか通用しない「確かに~しかし型」や「課題解決型」の書き方が、広まってきています。

筆者は、予備校で国語・小論文を教えてきた実績があるほか、現在は年間に100前後の高校で、文章の書き方指導等を行っています。また、ウェブライティングの方法も承知しており、多数のアクセスを頂いています。小論文に関しては、ぜひこの記事を頼りにしてください。

٩(ˊᗜˋ*)و あらゆる文章の基本の構成!

中学校で400字詰め原稿用紙に書いた作文を思い出してください。このような、段落構成を習った方が多いと思います。

  • はじめ … (ざっくり)鎌倉に修学旅行に行きました
  • なか … (詳しく)大仏などを回り、こんなできごとがありました
  • むすび … (ざっくり)まとめると、こんな思い出になりました

この、ざっくり・詳しく・ざっくりの順番は、あらゆる文章の、基本的なリズムです。

中学生までは、400字程度の作文が多いため、3段落の構成が望ましいのですが、大学や専門学校の入試では、600字から800字程度がメインとなります。その場合、次のような4段落構成が、もっとも基本となります。

よく考えてみると、話が上手い人は、まずざっくりと要点を伝え、つぎにくわしく説明し、最後に分かりやすくまとめているはずです。

これまでの文章の書き方は、参考書でも、ネット上の記事でも、作文、小論文、志望理由書、自己PR、レポート、論文と、全く異なる書き方が示されてきました。1つの「書き方」をマスターしても、また別の書き方が出てくる。その結果、いつまでたっても上手に書けるようにならないのです。

現在は、(とくに文系や専門学校生は)文章が書ける人間が勝つ時代です。正しい書き方を覚えておけば、入試はもちろん、入学後、就活、就職後と、その差は広まるばかりです。この記事は無料で読める記事ですが、筆者が高校で指導する際には、高額の授業料を頂いています。内容的には、それと同じですので、損をすることは絶対にありません。


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٩(ˊᗜˋ*)و 文章が苦手な人が知らないたった1つのこと 具体と抽象

文章を書くのが苦手な人に共通するのが、具体と抽象の理解不足です。文章の書き方を理解するためには、具体と抽象のマスターが根本にあります。このことをきちんと説明している記事は、ネット上ではこちらだけです!

例えば、オレンジ・りんご・いちごなどは具体と呼びます。なぜなら、形を具(そな)え、この場に持って来られるからです。

一方「果物」という言い方は抽象と呼びます。一見、果物をこの場に持ってくることは可能ですが、よく考えると「果物」そのものは存在せず、いまこの場に持ってくることは不可能なのです。

後輩に「飲み物」を頼んだ場合、実際に買ってくるのはコーラ、オレンジジュースなど具体的なドリンクです。「飲み物そのもの」を買ってきた後輩は、いまだ存在しないはずです!

  • 抽象=ざっくりとまとめた言い方(難しく言うと「概念」)
  • 具体=実体を具えたもの

抽象と具体の区別は、小論文の得点を大きく左右します。高得点の小論文ほど、抽象的な意見と、それを証明する具体的な段落が、きちんと分けられているのです。

٩(ˊᗜˋ*)و たった1問でマスター 具体と抽象

具体と抽象が理解できた人は、文章のエキスパートになれる可能性があります。入試は、らくらく突破できますし、進学後、就活でも大きな差がつきます。

効果が絶大な、具体と抽象の区別ですが、たった1問の練習パネルにまとめました。

青字で示した言葉を、3組の抽象(ざっくり)、具体(実態をそなえる)の箱に入れてみてください。例えば、抽象の箱に「果物」を入れたなら、具体の箱には、「オレンジ」「りんご」などが入るということです!

 

 

 

いかがでしたか? 正解は以下の通りです。順番は問いません。

  • 抽象=文具 具体=ボールペン
  • 抽象=教科 具体=数学・英語
  • 抽象=思い出 具体=修学旅行・文化祭

このことが分かれば、抽象(ざっくり)、具体(くわしく)、抽象(ざっくり)のリズムを持ち、抽象と具体をしっかりと分けた文章を書くことができます。

  • (結論)私の高校生活の思い出は、2つあります。
  • (具体的内容)1つ目は、修学旅行です。私達の高校は、鎌倉に行き……。
  • (具体的内容)2つ目は、文化祭です。クラスで出し物に取り組み、協調性を学び……。
  • (結論)以上が高校生活の思い出です。

具体と抽象が理解できれば、小論文その他の文章で失敗することは、とても少なくなります。

٩(ˊᗜˋ*)و ツイッターの文章も4段落で書ける

ツイッターで、上のような内容を見たことがあります。セカオワのアンチに対し、ファンが説得を試みたものです。たとえツイッターのような短い文章でも、説得力のある意見を述べる場合には、上で示した基本の4段落構成となっていることがあります。

  • (結論)セカオワはそんなに悪くないと思う。
  • (具体的な例)反戦歌の「ドラゴンナイト」や死を扱った「スノーマジックファンタジー」のように独自の歌詞がたくさん。
  • (具体的な理由)メンバーはいじめやフリーターの苦労も経験済み。
  • (結論)食わず嫌いの人はセカオワを聞いてみて!

これを原稿用紙に広げてゆけば、できのよい小論文が完成します。基本の段落構成と、具体・抽象を理解していれば、適切な展開の小論文は、簡単に書けます。

ここで、学力が高い人向けに、少しだけ難しいことを説明します。

上に挙げた文章の結論、「セカオワはそんなに悪くないと思う」これは、漠然とした抽象的な概念です。そもそも人の意見とは、抽象的なものが多いです(「平和を守るべきだ」「高校生にも自由が与えられるべきだ」等)。

ところで、警察官(検察官)は、犯罪を立証する場合に、証拠を提出します。これは、誰も目撃していない抽象的な犯罪を、具体的なモノである証拠の裏づけで、立証するということです。例えば、ナイフに殺人犯の指紋がついていれば、目撃者がいなくとも、犯人だと立証できます。

  • (結論)セカオワはそんなに悪くないと思う。
  • (具体的な例)反戦歌の「ドラゴンナイト」や死を扱った「スノーマジックファンタジー」のように独自の歌詞がたくさん。
  • (具体的な理由)メンバーはいじめやフリーターの苦労も経験済み。
  • (結論)食わず嫌いの人はセカオワを聞いてみて!

同様に、上に挙げた文章の結論、「セカオワはそんなに悪くないと思う」は、具体的に目に見えるモノで証明しなければ、誰も信じません。そこで、「ドラゴンナイト」「スノーマジックファンタジー」の曲が、具体的な証拠として挙げられているわけです。メンバーのフリーター歴も、調べれば事実と分かりますから、具体的な証拠になります。

小論文とは、このように見えない抽象的な結論を、見える具体的な証拠で「見える化」しているだけなのです。この真理がわかれば、小論文はじめ、あらゆる文章は簡単に書けます。

例えば、自己PR文を書くならば、自分の長所という目に見えない点を、体験や他人からの評価という、具体的な証拠で証明すればよいのです。

一部の小論文にしか通用しない、「確かに~しかし型」や「課題解決型」の書き方は、この本質を完全に外しています。そのため、身につけたとしても、ほんとうの意味での文章力は身につかないと言えます。

歌詞も文章である以上、同じルールで書かれている!

たった1つの文章の書き方は、小論文だけでなく、志望理由書、自己PR文、レポート、論文など、あらゆる文章に通用します。また、意外かもしれませんが、歌詞にも通用することが多いです。特に「サビ先」と言われる、サビから入る曲は、基本的には、これまでに説明した書き方と、同じ方法で書かれています。

サビ「空は青く澄み渡り… 怖いものなんてない 僕らはもう1人じゃない」

メロディー「ペルセウス座流星群 君も見てただろうか 僕は元気でやってるよ」

サビ「空は青く澄み渡り… 怖いものなんてない 僕らはもう1人じゃない」

  • (結論)僕らはもう1人じゃない
  • (具体的な理由)離れていても、夏のペルセウス座流星群はどちらからも見られる
  • (結論)僕らはもう1人じゃない

ペルセウス座流星群は、夏に全国から見ることができます。ペルセウス座流星群を通じて、離れていても、つながっているという意味ですね。

遠く離れているのに「僕らはもう1人じゃない」という、一見信じがたい結論を、具体的な証拠(そっちからもペルセウス座流星群見えているでしょ?)で、証明してしまうという書き方です。

小論文も、作文も、志望理由書も自己PRも、ネット上の文章も、そして歌詞すらも、全く同じ仕組みで書かれているのです。このことが分かれば、文章ごとに異なる書き方を教わり、混乱する「ものを書けない人」の人生に、サヨナラできます。

٩(ˊᗜˋ*)و 「たった1つの書き方」で小論文はすぐに書けるようになる

「たった1つの書き方」で小論文はすぐに書けるようになります。

(600~800字程度の場合)2、3段落目に入る具体的内容とは、次の3パターンがあります。

  • 具体的な例・内容
  • 具体的な体験
  • 具体的な理由

例えば「小学生にスマートフォンを与えるべきかどうか、あなたの意見を論じなさい」という設問が入試で出題されたとします。

まず、設問に関わる、自分の体験や知識をピックアップ

設問(小学生にスマートフォンを与えるべきかどうか)を見たら、それに関係する、自分の体験や知識をピックアップします。

① 体験をピックアップ

・高校生の自分ですら、「パズドラ」をやり始めると止まらなくなってしまう。
・文字変換機能に頼りすぎ、基本的な漢字を覚えられていない。
・スマホを買ってから、休み時間に友人と話す時間が、かなり減っている。

② 身近な例をピックアップ

・小学生の弟がいるが、パソコンを覚えてからは外で遊ばなくなってしまった。

③ 知っている知識、データ、専門家の意見をピックアップ

・雑誌で、スマホを利用している中学生は成績が悪いと読んだことがある。

④ what(=なに)を考える

・小学生 (なに)→ 勉強や人との交流が大切

⑤ why(=なぜ)を考える

・私は何となくスマホはいらないと思う (なぜ)→勉強時間と会話が減ってしまう (なぜ)→ ゲームや動画などにのめりこんでしまう (なぜ)→受け身のまま刺激が得られるから楽

結論の決定

具体的な体験、例などをピックアップしたメモを眺めながら、「小学生にスマートフォンを与えるべきか」という設問に対する結論を考えます。結論は「与えるべきでない」または「与えるべき」しかありません。

入試小論文では、「時と場合による」のような、あいまいな結論は大きく減点されます。仮に、自分の意見が中間的立場であっても、思い切ってどちらかの立場に立ちます。このルールを守らない答案は、0点に近くなることもあります。

段落構成メモを作成する

結論が決まったら、段落構成をメモします。例えば「小学生にスマートフォンを与えるべきか」という設問ならば次のような段落構成メモが考えられます。

段落構成メモ

①(結論)私は、小学生にスマートフォンを与えることに反対である。

②(具体的な理由)スマートフォンのゲームや動画は、受け身の形で簡単に刺激を得られる。そのため、特に小学生はのめりこんでしまい、勉強時間が激減してしまう。

③(具体的な体験)私自身、スマートフォンを買ってもらってからは、友人との会話が減り、コミュニケーション力が落ちたと思う。

④(結論)このように見てくると、小学生にスマートフォンを与えるのはまだ早すぎると考えられる。

各段落のメモは1文か2文ずつで作りましょう。段落構成メモは、全体の字数が140時前後になることも多いです。これは、ツイッターの字数と同じ。つまり、小論文を書く前に、ツイッターと同じくらいの字数で、全体の骨格を作っておこう、と考えれば良いのです。

段落構成メモ(全体の骨格)を作るメリットは3つあります

  • メモなしで書き始めてしまうと、規定の字数より短くなることがあります。このとき、字数を埋めるために、別の内容を足すと、全体の一貫性がなくなり、大きく減点されます。
  • メモなしで書き始めてしまうと、字数オーバーになることがあります。0点とされることもあります。
  • 段落構成メモをふまえて書かれた小論文は、全体の趣旨が一つとなり、また流れ(論旨の流れ)も合理的になるため、高得点を簡単に得られます。

小論文の試験では、制限時間の3分の1程度を、(課題文の読解と)段落構成メモに使うことがおすすめです。

段落構成メモをもとに原稿用紙に展開する 

「段落構成メモ」を見ながら、指定された長さに広げてゆけば完成です。

٩(ˊᗜˋ*)و 小論文の出題テーマが漠然としている場合

入試の小論文では、出題テーマが漠然としており、自分で書くことを考えなければならない場合があります。

  • 明確なテーマ例:「小学生にスマートフォンを与えるべきか、意見を述べよ」
  • 漠然としたテーマ例:「現代の小学生を取り巻く環境について、自由に書け」

漠然としたテーマが出題された場合、結論の前に問題提起の文(自分が選んだテーマが相手に伝わる文)を入れておきます。

段落構成メモ

「現代の小学生を取り巻く環境について、自由に書け」

①(問題提起)情報社会が進展した現在、、小学生にスマートフォンを与えるべきなのであろうか。(結論)私は、小学生にスマートフォンを与えることに反対である。

②(具体的な理由)スマートフォンのゲームや動画は、受け身の形で簡単に刺激を得られる。そのため、特に小学生はのめりこんでしまい、勉強時間が激減してしまう。

③(具体的な体験)私自身、スマートフォンを買ってもらってからは、友人との会話が減り、コミュニケーション力が落ちたと思う。

④(結論)このように見てくると、小学生にスマートフォンを与えるのはまだ早すぎると考えられる。

小論文に課題文がついていたらどうすればいいの?

受験校の過去問を見て、課題文やグラフ図表が付されている場合、その要約方法について知っておく必要があります。

多くの大学や専門学校では、要約の問題が小問として出題されます。まれに、要約の問題がついていない場合があります。そのときは、冒頭に要約を書き、「以上が課題文の要旨である。」と書き、段落を変え、その後通常通り、結論または問題定期から小論文を書いていきます。

(例)「課題文を読んで、現代の小学生を取り巻く環境について、自由に書け」

◯(要旨)情報社会の進展は、子どもにまで及んでいる。現在パソコンを操作したことがある小学生は、全体の◯割、スマートフォンを与えられた小学生も◯割にのぼっている。以上が課題文の要約である。

①(問題提起)情報社会が進展した現在、、小学生にスマートフォンを与えるべきなのであろうか。(結論)私は、小学生にスマートフォンを与えることに反対である。

②(具体的な理由)スマートフォンのゲームや動画は、受け身の形で簡単に刺激を得られる。そのため、特に小学生はのめりこんでしまい、勉強時間が激減してしまう。

③(具体的な体験)私自身、スマートフォンを買ってもらってからは、友人との会話が減り、コミュニケーション力が落ちたと思う。

④(結論)このように見てくると、小学生にスマートフォンを与えるのはまだ早すぎると考えられる。

要約部分の字数は、全体の4分の1~3分の1程度です。近年は、要約の小問を設けない出題は減っていると思われます。ただし、課題文(グラフ・図表を含む)があるのに、要約の小問がない場合にも、採点基準には「課題文の読解」の項目があるため、要約を書かないと、相当の減点になります。

文章要約の方法とコツを公開〜課題文型小論文で高い配点〜


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例題 課題文を読んで、いじめについて自由に論じなさい

課題文:人間とは、本質的に自信を持たない生き物である。だからこそ、多くの人が、何かに挑戦するにあたって躊躇(ちゅうちょ)するし、人から低い評価を受ければ、不本意に感じるのだ。自信をつけるためには、どうしたらよいか。それは、何かに挑戦し、力をつけ、誰もが認めざるをない確かな実績を積み上げることだ。

しかし、残念ながらそれには時間がかかる。だから、人は手っ取り早く自信をつけたがる。人は、誰かを差別し、誰かを蹴落とし、誰かを悪く言うことを、なりわいとしているのだ。いじめとは、人間が本質的にその動機を内包している所作であり、いじめをなくすことは100%不可能であり、いじめ防止策など、無意味なのである。

◯ 課題文の要約の準備

人はその本性として自信を持てない生き物である。だから、差別や他人を卑下することで、自己を確立する。よっていじめをなくすことはできない。以上が、課題文の要旨である。

① 体験をピックアップ

・小学校では体力、中学校では知力が強い者が、いじめに関与していた。

② 身近な例をピックアップ

・女子の場合、集団から仲間はずれにされたくないゆえに、いじめに加担している人がいる。

③ 知っている知識、データ、専門家の意見をピックアップ

・テレビで専門家は、いじめは犯罪として厳正に処罰すべきと発言していた。

④ what(=なに)を考える

・いじめっ子 (なに)→ 集団のリーダーであることが多い。

⑤ why(=なぜ)を考える

・いじめ (なぜ)→集団を維持するため? (なぜ)→誰もが仲間はずれを異常に恐れている (なぜ)→学校は「仲間」がいないと生きづらい仕組み

段落構成メモ

「課題文を読んで、いじめについて自由に論じなさい」

◯ (要旨)人はその本性として自信を持てない生き物である。だから、差別や他人を卑下することで、自己を確立する。よっていじめをなくすことはできない。以上が、課題文の要旨である。

①(問題提起)いじめは長らく、学校教育の大きな課題である。そもそも、いじめの根本的な原因はどこにあるのだろうか。(結論)私は、小中高校の「仲間がいないと生きづらい仕組み」が根本にあると考える。

②(具体的な体験)私の体験から、いじめが深刻化するのは、女子同士に多いと考える。集団から外されたくないため、集団のリーダーの意向に従い、いじめに加担してしまうのだ。

③(具体的な理由)この背景には、小中高校が、好きな友達同士の昼食、自由行動のように、「仲間がいないと生きづらい仕組み」を子どもに強いている点が見逃せない事実としてある。

④(結論)このように見てくると、根本的にいじめを作っているのは、学校教育そのものだったという、意外な事実が見えてくるのだ。

さらに高得点の小論文を書くテクニック① 譲歩

小論文を書くには、上の段落構成を押さえていれば、必要十分です。

  • 出題テーマがはっきりしている場合、ざっくりと結論を示そう。
  • つぎにその結論の証拠となる、具体的内容を詳しく示そう。
  • 出題テーマがはっきりしている場合は、最初に問題提起を挟もう。

推薦・AO入試はじめ、多くの大学や専門学校で、上の段落構成で十分戦えます。しかし、さらに高得点をめざす場合「譲歩」というテクニックも有効です。

譲歩とは、自分と反対の意見に対し、一歩譲るように見せつつも、きっちりと反論する方法です。視野が広い印象を与えるため、小論文の印象が少し良くなります。

(結論)私は、小中高校の「仲間がいないと生きづらい仕組み」が根本にあると考える。

上に示した小論文では、小中学校の「仲間がいないと生きづらい仕組み」を取り上げています。しかし、これを読んだ人は、「学校は、社会人を育てるために、集団性を身につける場所だから、そこを批判するのはどうなの?」と思うはずです。

このとき、譲歩の表現(=一歩譲るように見せて、きっちり反論)を加えておくと、視野が広い印象を与えます。

(結論)私は、小中高校の「仲間がいないと生きづらい仕組み」が根本にあると考える。確かに、学校は集団性を教育する場ではある。しかし、そのことがいじめを生んでしまうとしたら、人の人権そのものを否定することにもなりかねないだろう。

※譲歩の表現(確かに……)は、段落を変えても構いません。

(超ハイレベルな補足)学力が高い人向けに、超ハイレベルな補足をします。上の小論文においては、実は2つの価値観がぶつかっていることが理解できますか? そうです。社会(集団)と個人の人権です。このように、小論文は、テーマにもよりますが、もっとも深く突き詰めた場合に、2つの対立する価値観に行き着こことが多くあります。もしそれに気づいた場合、自信があればその対立そのものを論じると高得点になりますし、そうでなくても、多少言及してゆくと、小論文の評価は相当上がります。

さらに高得点の小論文を書くテクニック② 対比

推薦・AO入試はじめ、多くの大学や専門学校で、基本の段落構成で十分戦えます。しかし、さらに高得点をめざす場合「対比」というテクニックも有効です。

上の会話では、グループの歌手の良さを、ソロ歌手と比べることで、はっきりさせています。

この背景には、小中高校が、好きな友達同士の昼食、自由行動のように、「仲間がいないと生きづらい仕組み」を子どもに強いている点が見逃せない事実としてある。

上の部分は、対比を用いると、さらに分かりやすく説明できます。

この背景には、小中高校が、好きな友達同士の昼食、自由行動のように、「仲間がいないと生きづらい仕組み」を子どもに強いている点が見逃せない事実としてある。事実、個人行動が多くなる大学では、いじめは減ってゆくと聞く。

譲歩(一歩譲るように見せて、きっちり反論)や対比を使った、小論文の段落メモです。

「いじめについて自由に論じなさい」

いじめは長らく、学校教育の大きな課題である。そもそも、いじめの根本的な原因はどこにあるのだろうか。

私は、小中高校の「仲間がいないと生きづらい仕組み」が根本にあると考える。確かに、学校は集団性を教育する場ではある。しかし、そのことがいじめを生んでしまうとしたら、人の人権そのものを否定することにもなりかねないだろう。

私の体験から、いじめが深刻化するのは、女子同士に多いと考える。集団から外されたくないため、集団のリーダーの意向に従い、いじめに加担してしまうのだ。

この背景には、小中高校が、好きな友達同士の昼食、自由行動のように、「仲間がいないと生きづらい仕組み」を子どもに強いている点が見逃せない事実としてある。事実、個人行動が多くなる大学では、いじめは減ってゆくと聞く。

このように見てくると、根本的にいじめを作っているのは、学校教育そのものだったという、意外な事実が見えてくるのだ。

(小論文で高得点を得る裏技)上の小論文は、「学校教育がいじめを作る」という、やや反常識的な結論となっています。法学部、教育学部を除き、このようなやや反常識的な結論は、高く評価される傾向があります。しかし、「いじめを行ったら、全員即退学にすべきだ」のような、反常識的すぎる小論文は、説得力がないと逆に低評価になります。常識(上の小論文では「人権」)に乗りつつも、微妙に反常識的な要素がある文章が、高得点の目安です。

なお、反常識的かつ説得力がある意見を思いつかない場合、無理すると逆に失敗してしまいます。オーソドックスな意見や課題文をなぞり気味の意見でも構いません。全体構成が整っており、意見を証明する具体的な例、体験、データ、専門家の言葉などがしっかりしていれば、十分に合格点に届きます。

(まとめ)小論文の書き方・段落構成 合否を分けるたった1つの方法

初心者の方は、上の展開を、しっかりと暗記し書けるようにしましょう。最初は小論文でなく、高校生活の思い出など、作文から慣れてゆくと良いです。

受験対策の場合は、上の内容をしっかりと暗記しておきましょう。なお、この段落構成は、字数が600字~800字程度の小論文に合うものです。

小論文の問題を読んだら、上の5項目を考え、段落メモを作ります。

特に高得点をめざす場合、上の5項目が有効です。ただし、④・⑤は国語や社会の知識に特に自信がある人向けです。無理に使うと、逆に全体の説得力が崩れてしまうこともあります。

(最後に)小論文の受験対策

小論文の受験対策は、以下のようになります。

受験1年前から

① さまざまなテーマの小論文を最低10本書いて、高校の先生に添削してもらいます。最初は「高校生活の思い出(作文)」「自己PR(作文)」「小学生にスマートフォンを与えることについて」「いじめについて」のような、身近なテーマを10本程度書くことがおすすめです。

② 小論文を書くためには、社会や文化の知識が不可欠です。新聞を読むのもおすすめですが、近年は購読率が下がっています。朝日新聞社が刊行する週刊誌『AERA』を毎週読むことが、おすすめです。

※慶應義塾大など、難関大を狙う場合には、まず過去問を1年分書き、レベルをつかんでおきます。

受験半年前から

① 過去問を中心に小論文を最低10本書いて、高校の先生に添削してもらいます。

② 過去問あるいは赤本を見て、出題傾向が学部に沿ったものの場合、学部別の対策本が必要です(詳細:2017年入試予想 大学受験小論文 学部別頻出テーマ一覧)。出題傾向が、広く社会や文化の知識を求めている場合、朝日新聞社が刊行する週刊誌『AERA』をバックナンバーも含めて読んでいきます。

※添削環境がない場合、次の記事をご覧ください。

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Q 小論文の書き方は、序論、本論、結論が正しいと習ったのですがどちらが正しいのですか?

A どちらでも、問題ありません。

序論、本論、結論の形式は、相手にいきなり結論をぶつけることをマナー違反だと考える、日本人の文章に多くみられます。それにも関わらずこのページで「結論、本論(具体的内容)、結論」の双括型を推しているのには、3つ理由があります。

  1. 初心者でも書きやすい。
  2. 志望理由書、自己PR文、面接での話し方、進学後の就職活動との親和性が高く、長期的な視野で文章力を高めることができる。
  3. 入試で時間切れとなった場合でも、結論は冒頭に書いてあるので大減点を防ぐことができる。

小学生のころから、新聞や小説など多くの文章に親しんでいれば、スムーズに序論が書けます。しかし、そうでない場合「問題提起にとどめなさい」と言われると、全体を見通せず、戸惑うケースもあります。「結論、本論、結論」の書き方に慣れた段階で、冒頭では、問題提起にとどめても良いと教えると、比較的スムーズに序論が書けるケースが多くなります。

一方、序論について「結論の方向性を示す」「結論の概略を示す」と定義している方もいます。これは実質的な双括型です。

結論が思いつかないときの、緊急避難としての「序本結」構成

試験場で結論を思いつかないが、書き始めなければ間に合わないというケースに遭遇した場合、序本結構成が、奏功することもあります。この場合、まず問題提起文を書き、体験や具体例を書きながら、結論を考えます。

なお、入試においては論旨の明確さは問われますが、論の展開の仕方については採点基準外となります(理系の小論文など指示がある場合を除く)。「結論、本論、結論」でも「序論、本論、結論」でも書きやすいほうを選ばせてかまいません。

Q 小論文は次の段落構成がスタンダードだと聞いていますが。

  1. 問題提起(イエスかノーに持ち込む)
  2. 反対意見への譲歩
  3. 反論
  4. 理由
  5. 結論

A 一部の出題にしか適合しない、欠陥を含む構成です。

ご指摘の段落構成は、大学受験の小論文指導において、一定のシェアを持っています。しかし、この構成は、賛否が分かれないテーマ設定に対して機能しません。例えば、「地域振興について、あなたの住む地域を事例に論じなさい」のような問題の場合です。「いま本当に地域振興は必要なのだろうか。確かに地方振興に反対の立場の人もいる。しかし、都会への一極集中は……」このような内容を書かせたい課題でないことは明白です。

小論文の設問は「意見が分かれるテーマ(二項対立型の話題)」と「すべきであることには異論の余地がなく、具体的解決策を求めるもの(課題発見力や因果関係の思考をテストするもの)」の2つに大別されます。さらに「漠然とした課題」「作文に近い課題」など多くの類型があります。冒頭の型を学んだ生徒は「意見が分かれるテーマ」以外の出題があった場合、試験会場で大変な思いをすることになります。また、志望理由書、作文、面接でのトークへの応用が利かず、指導が複雑になります。

下に示す型は、あらゆる文章に適応できるので生徒に確かな力をつけさせることができます。

なお、冒頭の結論部や具体的内容の一部として、譲歩構文を取り入れることは、可能です。記事内の『さらに高得点の小論文を書くテクニック① 譲歩』で触れたとおりです。

譲歩構文は、反対意見に一歩譲るがきっちり反論する、と教えると分かりやすくなります。また、国語力が低い生徒は、2つの異なる意見を俯瞰することが苦手なため、譲歩構文は使いこなせないことが、非常によくあります。例えば、「制服は必要か」「校則は必要化」など、身近なテーマでアクティブラーニング(ディスカッション)をさせるなど、1時間かけて説明することが必要です。

Q 小論文は、作文ではないので個人的な体験を書くのでなく、一般的な理由を書くべきではないのでしょうか?

A 高校生が、試験場で資料を使わずに小論文を書く場合、体験談は不可欠です。

まず小論文に「体験」を書いて良いのかということについてお答えします。

小論文の具体的な例・内容、体験、理由の部分は、結論を立証するための客観的証拠となります。客観的というのは、個人差なく誰にでもあてはまるという意味です。したがって、もし大学等で、資料に基づき、時間をかけて書く論文ならデータ・引用を挙げることがもっとも客観的であり、望ましいと思います。

【結論】 私は、小学生にスマートフォンを与えることに反対である。

【具体的なデータ・引用】 仙台市の調査(平成26年)によると、中学生のデータではあるが携帯電話やスマートフォンの長時間の使用は、数学のテストの点数低下と比例関係にある。

しかしながら、大学・短大・専門学校入試の小論文では、統計データを調べたり、書籍を持ち込んだりすることは、不可能です。もし過去問から出題傾向が分かっている場合はある程度のデータや本の要旨を頭に入れておくことは有利ですが、通常の場合は難しいでしょう。

したがって、大学・短大・専門学校入試の小論文では、ある程度体験を記述することを許容してもよいでしょう。体験を書いてはいけないと決めつけると、字数不足、時間切れにつながりかねません。ただし、多くの人にあてはまらない個性的な体験を書くのは避けます。「こうした体験は、私だけのものではないはずだ」と書き添えられるくらい、普遍的な体験を書かせるように心がけます。

次に小論文の立証には、抽象一般的な理由を書かなければいけないのかということにお答えします。

A 文章指導においては、「理由」は抽象でなく、具体の範疇に含まれると考えたほうが実践的です。

例えば、「彼は人望がない。なぜなら、視野が狭いからだ」というような抽象的な理由づけでは、説得力のある発話とはなりません。「彼は人望がない。自分と異なる意見には、ほぼ耳を傾けないし、どんなときも絶対に持論を曲げないからだ」のように、具体的な理由のほうが説得力を持ちます。

「理由」というのは、具体例や体験とは、別の範疇のものだと考えている方も多数いらっしゃいます。しかし、小論文の指導では、具体性の範疇で処理する方が現実的です。四谷大塚の中学受験国語テキストはこの点を、評価の高い教材である『予習シーズ』内で指摘しています。

憲法九条は改正すべきでない。戦後日本の存在意義そのものに関わるからである。

このように、抽象度が高い「理由」を付記する書き方は、実際にはどのように読まれているのでしょうか? 指導者や学力がかなり高い生徒ならば、この理由に納得がいくのはなぜでしょうか? それは「戦後日本の存在意義」に関して、とくに説明を受けなくても、潜在意識下で、具体的な事例(侵略戦争の反省、唯一の被爆国、非核3原則など)の記憶にアクセスしているからです。これから小論文や社会・文化的な課題に挑戦していこうとする高校生には、確かな具体的証拠を求め、知識を確認しつつの指導が重要です。指導者は、文章読解に潜在意識が関与していることを理解してゆくべきでしょう。

予備校業界では、過去にセンター試験評論の出題内容を、全統模試で的中した、河合塾の牧野剛先生(故人)がこの点を指摘しています。氏の授業は、高校生が評論文を読むときに、意識的にも無意識的にもアクセスしやすい「社会・文化の具体的な知識」への関心を、授業内で喚起していくことで読解力を伸ばすという、本質をついたものでした。現在、大手予備校の現代文講師にも、前提知識は不要、問題文だけで解くという流派がありますが、致命的な誤りだと考えます。

以下の記事は、代ゼミが行った、教員向け研修のさわりを収録したものです。

小論文の教え方 予備校教員向け研修のポイントを公開

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