都留文科大学では、学校推薦型選抜、総合型選抜、一般選抜とも、小論文が課される場合があります。この記事では都留文科大学の小論文における、傾向と対策を分かりやすくご説明します。
基本 600字小論文 | 「自由に論じなさい」 | 採点基準 |
800字小論文 | 課題文要約 | 参考書 |
400字小論文 | テーマ型、課題文型 | グラフ・図表型 |
1600字小論文 | 小論文予想テーマ | 原稿用紙のルール |
問題提起 | 結論 | だ・である調 |
作文 | SNSについて | 教員向け(教え方) |
起承転結 |
都留文科大学で小論文を課す入試
都留文科大学で小論文を課す入試は、以下のようになります(2020年8月現在の情報)。必ず、都留文科大学公式サイトで、ご確認ください。
- 学校推薦型選抜 … 両学部(文学部、教養学部)で出題
- 総合型選抜 … 文学部 国際教育学科で出題
- 一般入試 … 文学部 国際教育学科の中期日程、教養学部 学校教育学科の中期日程、教養学部 地域社会学科の中期日程で小論文を出題
都留文科大学の小論文の出題傾向と対策
教養学部 学校教育学科
教養学部学校教育学科 令和2年度 推薦
教育に関する課題文(鈴木謙介『未来を生きるスキル』)を読ませ、傍線部内容説明200字、傍線部に関わる意見論述600字。
- 課題文 アクティブラーニングや、幅広い学力のなかの協働性を論じた、平易な文章。読みやすい内容。
- 傍線部内容説明 傍線部直後にある、自己効力感の定義をまとめればよいが、それはどの受験生でも可能で差がつかない。ポイントは、傍線部の後の一連の文脈を9行に渡って追うこと。現代文の傍線部内容説明問題への、理解と慣れが相当必要。
- 意見論述問題 一見平易だが、傍線部に関る修飾語に「そんなときに」があり、ズバリ指示語を追わせる問題。優秀さや外向性を備えない人が、どう自己効力感を得るかという観点が必要。
教養学部 地域社会学科
教養学部 地域社会学科 令和2年度 推薦
環境問題に関する課題文(植田和弘『緑のエネルギー原論』)を読ませ、傍線部内容説明100字以内が2題、要約と意見論述を兼ねた問題600字以内。
- 課題文 再生可能エネルギーについて述べた文章。平易ではあるが、文章が長いため、要点を早くつかむ訓練が必要。
- 傍線部内容説明問題 1つ目は直前、直後に説明がある基本的な問題で、確実な得点が必要。2つ目は、直前の「つまり」がカギになる、部分要約問題。現代文の傍線部内容説明問題への、相当の理解と慣れが必要。
- 意見論述問題 簡潔な全文要約のあと、意見論述を求める問題。頻出の環境問題であり、意見自体は、高校受験生でも書ける。タネ明かしは、「課題文以外の知識や独自の経験も踏まえ」との指示となる。つまり受験生の、社会・文化・科学への広い視野を試す問題。
ニュースや雑誌記事など、社会・文化・科学に関する文章を普段から多く読んでいるかを問うのが狙い。同時に、そのような文章の速読と正確な把握力を問う(速読だけでも、精読だけでもダメという点に注意)。また、現代文入試をかなり意識した構成で、国語の入試問題を作成できる国文系の教授等が作問している可能性がある。課題文は3年続けて、グローバルな世界と地域の関係を問う文章。
対策としては、次の通りです。
①『現代用語の基礎知識 学習版』を読む。とくに世界・国と地域が関わる内容は重点的に。このことで、課題文以外の知識が頭に残ります。
また、年度によっては、かなり重い内容の課題文が採用されています。下の参考書のテーマ1~5、11・14・16も参考になります。
② 現代文傍線部内容説明、理由説明の原理を理解する。現代文傍線部問題は、フィーリングで解く受験生が多いですが、実はいくつかの原理があります。根本には、傍線部は短く引かれるので、あえて傍線部を外した、修飾部、主語、理由などに注意することです。また、接続詞を挟まない文同士は、順接関係(言い換えの関係)という点もよく問われます(接続詞に頼る読解に依存する教え方が、広まっているため盲点となりやいため)。現代文の傍線部記述の問題集を解くことが対策になります。おすすめは、下の書籍。
③論述については、最低でも20本程度は小論文を書いてください。過去の都留文科大学への合格者で、50本書いた例もあります。
上記以外の学科
上記以外の学科の分析は、コメント欄にリクエストを頂ければ、対応できる場合があります。お急ぎの場合、確実にという場合は、ココナラをご利用ください。
先着5名|元予備校講師が推薦一般対策をご相談します 現在独立し、年80校の高校から講演を依頼されています。
コメント
具体例のときになかなかいい具体例が思いつきません。ネタはあるのですが、これはこの例に使えるというのが難しいです。
何かいい例はありますか?
ご質問ありがとうございます。よい具体例を思いつかないということは、純粋に具体例のストックが足りていない状況ではないかと思います。人によっては、小学校の高学年から、毎日具体例のストックが進んでいますので、差を埋めるには努力が必要です。
今年、大学受験の学年なら、「イスラム国」の拡大、御嶽山噴火、STAP細胞騒動あたりを覚えているかが、バロメーターです。
この辺りを覚えているのに具体例を思いつかないという場合、頭の中での、具体例へのアクセスが苦手ということも考えられます。
この場合、受験勉強で現代文や英語長文を読む際に、具体例に結び付ける癖をつけてみてください。
例えば下のページの「具体例を消せはウソ! まず具体例から入れ」にある文章を読み、「苦い粉薬さえ〝食べられる〟のがうれしい」に似た具体例を思い起こせるか、というような訓練が必要です。
https://xn--uor874n.net/syouronbun-5-62
過去に合格した子で50枚書いた子がいたと仰っていましたが、それは添削も含めての50まいですか?それとも新しいテーマでの50枚なのでしょうか
すべて別のテーマで50枚ではないかと思います。
有難うございます
課題文の理解力(こういうことを言いたいんだなとか)がありません。どうすれば高めることができますか?
抽象的な課題文を理解している受験生は、手持ちの具体例で言い換えている場合が大半です。そのため『AERA』のバックナンバーを50冊程度読むなど、具体例のストックが重要です。
例えば「均衡人事の弊害」のような抽象的な言葉を見て、菅新総理が重要なポストを各派閥に配分したことなどが想起できると、前後の意味も理解できるようになります。
都留文科は、抽象語⇔頭の中の社会・文化・科学の事例の行き来の能力を聞いていることは明確です。そのため、時事問題のストックがない受験生は、合格は難しい仕組みになっていると考えられます。
こんにちは、今年、都留文科大学、国文学科の学校推薦を受ける者です。もう10月になろうとしてますが、具体的な対策をあまりしていません。小論文模試を受けるなど少し小論文を書いたりはしてますが、、。難しいと聞いていますが何からどう手をつけていいのか分かりません。実際の入試の過去問は持っています。ですが難しいです。色々なサイトでは、似たような学科の簡単な問題から解くのがいいと書いてありました。どう対策していくのが良いのでしょうか。もう遅いですか?
コメントありがとうございます。
以下のタイプの問題でよろしかったでしょうか>
問1 漢字
問2 古文文法
問3 傍線部内容(理由)説明
問4 傍線部内容(理由)説明
問5 意見論述
問2は、[助動詞・識別]古文文法 重要ベスト40|覚えられないを速攻解決!の20位までの学習で対応できると思います。問題は【古文助動詞の練習問題】20問で基本、7問で識別完了!|百人一首からがおすすめです。
なお、大学側の分析によると、古文は点差がついているようですので、合否を分ける可能性があります。
問3、問4は、傍線部内容(理由)説明の解き方を把握した上で、問題集に10問程度取り組むとよいです。解き方については、予備校講師時代のストックがありますので、少し先でよければ、記事化も可能です。(記事化した場合、この記事冒頭にリンクを貼りますので、ときどきご確認ください。)
問5は、意見論述ですので、これまでの思考経験がモノを言いますが、高校の国語の評論の読み直しが効率が良いと思います。
意見論述は、10本程度。高校の先生に添削してもらってください。ココナラの利用も可能です。
その形式であっています!ありがとうございます!記事化もしていただけるのであれば嬉しいです
受験ネットさんがこれ地域社会の試験に出そうだなとか、このことは調べておくべきなどありましたら数個教えて下さい。
コメントありがとうございます。過去問の傾向から具体性の高い問題(例:スウェーデンと日本の新型コロナ対策の比較)は出題されにくく、抽象度が高い問題(グローバリズム、国同士の格差等)が出題されています。そのため、現代文の評論を読むことが、もっとも有効です。記事内でお伝えしたように、『小論文テーマ別課題文集21世紀を生きる』のテーマ1~5、11・14・16の文章を要約し、掘り下げることがいちばんの対策になるはずです。理解できない部分を分かったことにせず、徹底的に考え、政経便覧などから関連のある事例を探し具体化し、高校の社会の先生にアドバイスしてもらうことが有効です。例 要約200字、本文に出てこないが関連すると思う社会問題を用い具体的に説明(200字)。絞るなら、1・2・5・11・14・16の18題です。過去傾向から破断するとこれが一番の近道ですが、恐らくこのレベルの課題をやり切る受験生は少なく、過去の事例を見てもやり切った人は合格しています。
詳しくありがとうございます。受験ネットさんで特に今年はこんな社会問題が出そうというのがありましたらいくつか教えて下さい。
過去の出題テーマは、国、場所、時代をバラし、また具体的な文章から、抽象的な評論文まで幅が広くなっています。これは、大学側が絞って対策をさせたくなく、広範な読解力や社会的な関心を見たいという表れかと思います(ただし、世界・国と地方、全体と部分という意識は統一されています)。難しい文章が出題された年度の場合、やや都留文科の受験生の平均を超える難度になっていると思います。難しい文章への対策なら、記事内にも追加しましたが『21世紀を生きる』(駿台)のテーマ1~5、11・14・16も参考になります。ただし、難度が高い文章も含まれますので、高校や予備校の先生への質問も必要になってくるかも知れません。
実は都留文科大学の地域社会学科の推薦を希望しています。
こんな問題を調べておいた方がいいとか、どうすれば上手く読み取れるかを教えて下さい
一応高校名は伏せて下さい
コメントありがとうございます。
どの推薦を受けられますか?(学校推薦型選抜、総合型選抜)
また、科目名や書類名がありませんが、小論文のことをお聞きになっていますか?(「問題」とはどういう意味ですか?入試問題なのか社会問題なのか分かりかねます。また、読み取りの対象は課題文のことですか?)
ご質問の意図が分かりかねますので、お答えが難しくなります。
公募推薦です。問題とは試験に出そうな社会問題のことです。
読み取りは課題文です
扱われる問題は、過去問を見てお気づきのように、地域⇔国や国際社会の関係が関わる文章です。『現代用語の基礎知識・学習版』でそのような話題を見つけたり、新聞または週刊誌のAERAがを読んだりがおすすめです。これまでに、余り社会問題を読んでこなかった場合は、『現代用語の基礎知識・学習版』+図書館でAERAのバックナンバーを読む、がおすすめです。
また、課題文の読み取りは、非常に現代文色が強いものが出題されています。傍線部内容説明問題に絞り、記述式の対策が必要です。以前から、河合塾の問題集が強いジャンルです。
落とされるのは、社会問題の具体的知識に乏しいタイプ。また、傍線部読解をフィーリング(我流)で行っているタイプです(国語は勉強しなくても点数が取れると思っている受験生)。
記事本文にも分析を追加しましたので、あわせてご覧ください。
はい。この記事でも構いません。
くわしくは、次の記事にあります。
https://xn--uor874n.net/syouronbun-shibouriyuu-1761