小論文

【法学部・政治学部】小論文の例文・書き方・対策

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この記事では、法学部・政治学部の小論文について、例文、書き方や対策方法をわかりやすく説明しています!

  • 管理者(加藤)は、早大法学部卒。高校生のキャリア支援企業を経て、予備校国語科講師(歴7年)。現在、高校主催の生徒・保護者向け講演会に年80回出講(歴5年)。

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法・政治学部の小論文の過去問の傾向

法学・政治学系の小論文の代表的な出題例です。時間がない場合、太字だけ読んでください!

番号出題概要
少子高齢社会の課題(経済、労働、社会保障)を解決するために移民(外国人労働者)を積極的に日本へ受け入れることの是非について、自分の主張とその根拠・理由を述べよ。(中央大)
死刑の是非を、基本的人権と世論の重要性を踏まえて論じなさい(熊本大)
日本国内の畜産業を保護する政策が必要である」という意見について、自分の意見を述べなさい。(神奈川大)
裁判員制度について概要を説明し、裁判員に期待されている役割について論じよ。(東洋大)
選択的夫婦別姓制度に関して、自由に論じなさい(神戸大)
インターネットやSNSなどの新たなコミュニケーション手段は、政治や選挙、メディアの政治報道や有権者の意識や行動にどのような影響を与え、今後の政治をどのように変えていくと考えられるか。具体的事例を挙げながら、自らの見解を述べよ。(東洋大)
憲法第30条では「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と規定している。それでは、国民はなぜ納税という行為を義務づけられているのだろうか。また、なぜ「法律の定めに」よらなければならないのか。あなたの考えをまとめよ。(亜細亜大)
日本国憲法の保障する自由権と社会権の性質及び内容について論じよ(駒沢大)
性犯罪者へのGPS装着について、あなたの意見を自由に書け(京都産業大・改)
10 電子メディアが台頭する現在、書籍の意義はどこにあるのか、論じなさい。(首都大)

出題は、法・政治の現代的課題や時事問題が中心

法学部、政治学部の小論文の出題は、法・政治の現代的課題や時事問題が中心です。

分類過去問番号
現代的課題移民や外国人労働者問題(1)、死刑の是非(2)、保護政策の是非(3)
時事問題裁判員制度(4)、選択的夫婦別性制度(5)、ネットやSNSと政治・選挙(6)

現代的課題については、社会科学系小論文の参考書、時事問題については、『現代用語の基礎知識(学習版)』や週刊誌のAERA(または新聞)が有効です。性犯罪者へのGPS装着(9)のように、知らなくても書きやすい課題もなかにはあります。しかし、保護政策、裁判員制度のように、知らないと全く書けないタイプの問題が多く、合否に直結しますので。十分な対策が必要です。

高校の政経で学ぶ内容や社会・文化・科学全般の出題にも注意

法・政治学部では、上記のほか、憲法、基本的人権、政治制度を中心とした、高校の政経で学ぶ内容が出題されることもあります。また、社会・文化・科学の範囲内から、法律や政治に直接関係のない問題が出題されることもあります。

分類過去問番号
政経の知識 納税の義務と経済的自由(7)、自由権と社会権(8)
社会・文化・科学全般書籍の意義(10)

高校の政経を取っていない場合は、参考書等で関連分野を学んでおく必要があります。社会・文化・科学全般については、週刊誌のAERA(または新聞)が有効です。

(まとめ)法・政治学部の小論文の過去問の傾向

法・政治学部の小論文の過去問の傾向をまとめると、以下のようになります。

  1. 法・政治分野の現代的課題
  2. 法・政治分野の時事問題
  3. 政経(政治経済)の知識 … 政治分野だけでなく、経済分野も含む。
  4. 社会・文化・科学全般

この4つの方向性が全て出題される大学は少なく、過去問から傾向を予想しておくことが必要です。ただし、例えば3年間など、大学内部の事情で、出題者や出題方針が変わることもあります。とくに、2020年度からは、入試の仕組みが変わりますので、出題傾向の変化に備える必要があります。

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法・政治学部の小論文の対策

上で説明してきたように、法・政治学部の小論文の対策は以下が必要です。

  • 社会科学系小論文の参考書
  • 『現代用語の基礎知識(学習版)』
  • 週刊誌のAERA(または新聞)
  • 政経の参考書(授業を取っている人は教科書と便覧)

社会科学系小論文の参考書

社会科学(法・政治・経済・経営・商)系小論文の参考書は、法・政治の現代的課題を学ぶためには必須です。参考書は多数ありますが、次のものがおすすめです。購入ボタンを押しても購入にはならず、口コミが確認できます。

小論文の完全ネタ本は、内容がよく網羅(もうら)され正確なため、筆者は予備校講師のときに、生徒用参考書として指定していました。

『現代用語の基礎知識(学習版)』

『現代用語の基礎知識(学習版)』 は、毎年内容が改訂されるため、法や政治に関わる時事問題の学習に適しています。社会・文化・科学全般の知識を問う問題の対策にもなります。

自由国民社の『現代用語の基礎知識』は、毎月刊行の時事問題の資料として定評があります。かつてはライバル誌も創刊されましたが、現代用語の基礎知識にはかなわず廃刊になっています。通常版(大型本)と学習版があります。慶応義塾大や国立大を受験する方や、時事問題が好きな人は通常版を検討します。

週刊誌のAERA(または新聞)

週刊誌のAERA(または新聞)は、法・政治系の最新の時事問題や文化・社会・科学全般の問題をつかむために必要です。法・政治系の時事問題は、『現代用語の基礎知識』でカバーできますが、最新の細かなできごとを知るためには、毎週(毎日)発行の情報源が必要です。

また、法・政治を学ぶには、関連分野以外も知っていることが必要です。例えば、社会分野ではブラック企業で働く人やネットカフェ難民のリアルな日常、科学分野ではAI(人工知能)の活用事例があります。これらの知識は、小論文の内容を考えたり、具体例として用いたりするのに有効です。

  • AERA … コンビニエンスストアや駅の売店で毎週月曜日に販売
  • 新聞 … 家庭で購読か図書館で読む。朝日、中日系(東京新聞など)が無難。日経も良いが、やや読みにくい。

政経の参考書

高校で学ぶ科目の1つが政治経済(政経)です。政経の参考書は、政治または憲法の分野が直接問われる問題への対応に必要です。

法、政治学部では、重要な時事問題の知識を前提に、賛否を問う出題が目立ちます。参考書や政経の教科書で、基本的な知識を身につけ、主な論点について賛成理由、反対理由をノートなどにまとめてゆくことが有効です。

教科書内容の理解は、実況中継シリーズなどの参考書が役立ちます。分かりやすいのは実況中継シリーズです。授業を取っている人は、教科書、授業ノート、便覧で構いません。

法学部・政治学部の小論文 書き方と例文

小論文の段落構成は、600~800字の場合、上の4段落が標準です。くわしくは、次の記事で説明してあります。

小論文の例文【選択的夫婦別姓制度】

問題:選択的夫婦別姓制度に関して、自由に論じなさい(神戸大)

 選択制夫婦別性制度は、正式には選択的夫婦別氏制度と呼ばれ、男女平等の推進のなか、導入の必要性が議論されている。世論調査によると、賛成、反対、通称の導入の3つの立場が拮抗しているが、私は、選択的夫婦別姓制度の採用に賛成である。
 反対派の代表的な意見として、家族の絆が弱まり離婚が増えるというものがある。この議論は、アメリカで夫婦別姓の導入が進んだ後に、離婚件数が増えたことを根拠にしている。しかし、この時期は世界的に離婚が増えており、夫婦別姓の影響とは言い切れない。事実、北欧では夫婦別姓による離婚増加の傾向はない。よって、家族の絆が弱まり離婚が増えるという意見は、根拠に乏しい。死刑が重大犯罪を抑止するというイメージ同様、多くの人が先入観や単純な理屈から信じてしまう議論こそ、過去の統計数値を見る必要がある。
 一方で、選択的夫婦別姓制度には、特に女性にとって目に見える確かなメリットがある。現在、女性は社会的に活躍をしても、途中で姓が変わることで、それまでの信頼や評価が途切れてしまうことがある。通称を使い分ける選択肢もあるが、煩雑さは否めない。女性の改姓は、専業主婦が多かった時代の名残りに過ぎず、夫婦のうち共働きが約5割を占める現状には馴染まない。女性にだけ、慣れ親しんできた姓の変更を強いることは、憲法14条の法の下の平等に反する。この点は、どう論じても否定しがたい。
 以上から、私は選択的夫婦別姓制度の採用に賛成である。今後の少子化のなか、女性が男性と対等に扱われ、社会でスムーズに活躍してゆくことの1つの契機となるはずだ。(663字)

書き方のポイント(法・政治の現代的課題や時事問題)

法・政治の現代的課題や時事問題が出題された場合、課題文で概要が示される場合もありますが、予備知識が必要になることも多くあります。『現代用語の基礎知識(学習版)』、 AERA(または新聞)を読んでおくことが必要です。

現代的課題や時事問題について問われた場合は、賛否を求められる場合と、解決策を求められる場合があります。

賛否を求められる場合・移民(外国人労働者)の受け入れ
・死刑の制度
・日本国内の産業への保護政策
・裁判員制度(※)
・選択的夫婦別姓制度
課題の発見と解決策を求められる場合・裁判員制度(※)
・ネットやSNSと政治、選挙

確かに……、しかし~型では対応できない出題も

「確かに……、しかし~」を用いる小論文の書き方(当サイトでは不採用)の場合、課題の発見と解決策を求められる場合に全く対応できないので注意が必要です。 小論文の書き方・構成はこちら の記事をご覧ください。

賛否を求められた場合、法・政治学部の入試では、賛成の立場、反対の立場を比較検討し、結論を導く方法が高評価となる傾向です。比較検討のさいには、人命、人権、憲法をモノサシにすることがポイントです。

小論文の例文【自由権と社会権】

問題:日本国憲法の保障する自由権と社会権の性質及び内容について論じよ(駒沢大)

 自由権と社会権は、いずれも基本的人権の1つであり、ほとんどの近代国家で保障されている普遍的な権利である。歴史を見ると、自由権の歴史が古く、社会権は新しい人権である。
 自由権は、国家からの自由とも呼ばれ、私的な領域に国家権力が介入することを許さない内容である。各国では、中近世にかけて国家権力による個人への弾圧が多数発生し、その反省を踏まえて確立された人権である。精神的自由権、経済的自由権、人身の自由がある。精神的自由権は、集会・結社・表現の自由に代表される(日本国憲法21条)。経済的自由権は、居住・移転、職業選択の自由に代表される。人身の自由には、奴隷的拘束や苦役からの自由などがある。
 経済的自由権をはじめとする自由を得た個人活動により、資本主義が発達したが、貧富の差、労働問題、公害などの新しい問題が生まれた。それに対応したのが社会権であり、生存権(日本国憲法25条)、教育を受ける権利、労働基本権などが挙げられる。国家に何もしないことを求める自由権とは異なり、国家の積極的な政策を求める狙いがある。ただし、生存権を根拠にして国に権利に基づく具体的な施策を求めることができるかどうかは、議論が分かれている。
 以上が、日本国憲法の保障する、自由権と社会権の性質及び内容である 。(539字)

書き方のポイント(政経の知識)

憲法、各国の政治制度、選挙制度など、政経(政治経済)の範囲の知識を求める問題では、知識を図式化してから、文字にして書いてゆくと分かりやすくなります。その際、条文番号などを思い出せた場合は記しておくと、知識のPRになります。

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