指定校推薦枠 急になくなる場合の理由と備え方

受験ネット
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ある大学の指定校推薦を目指しているのですが、急になくなる場合があると聞いたのですが?

受験ネット代表 加藤詳細
早大卒、予備校講師を経て国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20022587登録証)。高校内講演歴10年670回。
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大学の指定校推薦 なくなる理由は4通り

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大学の指定校推薦がなくなることは本当にあるのでしょうか? またなくなる理由を教えてください。

はい。指定校推薦枠がなくなることは、決して珍しいことではありません。筆者が講演会で高校を訪ねても、何らかの理由で指定校枠がなくなったという話を先生や生徒から聞くことは、ときどきあります。

大学が、全体の人数が決まった指定校枠を、どの高校に何人ずつ振り分けるかは、毎年決め直されます。「例年順調に活用され大学経営の安定化に寄与」「周囲に良い影響を与える生徒が送り込まれ、大学の教育改善に貢献」といった観点で新たに検討され、一部は入れ替えとなります。

指定校推薦枠がなくなる場合、上のような期待に反した高校です。具体的には下のような理由がよくあります。

1つ目は、同じ高校から指定校推薦枠の利用がない年が長く続いた場合。

2つ目は、指定校推薦枠で合格した先輩が、入学を辞退した場合。

3つ目は、指定校(またはほかの入試制度で)で同じ高校から進学した先輩が、病気などのやむを得ない理由がなく中退した場合。

4つ目は、進学後の勉強や生活態度等で大きな落ち度があった場合。留年した場合。

指定校推薦 なくなった場合はどうしたらよい?

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もうすぐ高3なんですが、もし来年大学の指定校推薦がなくなったらどうしたらいいんでしょう?

はい。新たな指定校推薦枠は、大学によっても異なりますが、おおむね6~7月頃には高校に通知されます。この段階で希望していた指定校推薦枠がなくなった場合、別の学部や別の大学の指定校への切り替え、総合型選抜への変更、学校推薦型選抜への変更が主な選択肢です。

実際の状況として、指定校推薦を希望する方は「早く合格が決まる」「入試制度が複雑でない」という希望を持っていることが多く、別の指定校推薦枠(8~9月の校内選考会議でほぼ合格が決まる。入試はシンプル)への切り替えをまず検討しています。

ほかに希望する指定校がない場合、小論文や口頭試問対策を十分に行っていない場合も多く、学校推薦型選抜よりも、入試スタイルが多様で選択肢があり、合格が比較的早く決まる(11月頃)総合型選抜を選ぶケースが多いようです。

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なるほど。別の指定校をチェックして、なければ総合型選抜から、小論文や口頭試問のない学校を探す感じなんですね。

難関大の指定校希望の方のなかには、小論文や口頭試問に十分対応できる生徒もおり一概には言えませんが、平均的には別の指定校や総合型選抜が候補になっています。

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それで失敗するケースはありますか?

はい。例えば経営学部希望だったのに、文学部なら指定校推薦枠が取れそうで、実際に合格し進学したものの、講義に興味が持てず、成績が取れずに就活に響きそうという方もいます。また、急遽志望校を変更し合格したものの、進学したら校風(学風)が全く合わなかったというケースもあります。

指定校推薦枠は、ハイリスクハイリターンとも言えます。志望校に、シンプルな入試(例えば、志望理由書と面接が主で、小論文はある程度書けていれば落ちない等)で早期に合格できる点はハイリターンと言えるかもしれません。

しかし、希望の指定校推薦枠が取れない場合、急な学部変更、急な志望校変更、無理のあるスケジュールでの小論文や口頭試問、プレゼンテーションへの準備など、リスクの高い状態になることがあります。

指定校推薦枠は取れればラッキー程度の設定とし、総合型選抜や学校推薦型選抜の準備を、高2の秋ごろから(遅くとも高3進級時から)始めておくことが進路選び成功のカギとなります。

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