共通テスト 追試験は難しい? 難易度を元予備校講師が分析

受験ネット
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共通テストでは、病気・怪我・事故等に対応した追試験が実施されます。本試験と追・再試験はどちらがお得なのでしょうか? 追試が難しいという説を、元予備校講師の立場で分析します。

受験ネット代表 加藤詳細
早大卒、予備校講師を経て国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20022587登録証)。高校内講演歴10年670回。
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2023年度の入試日程(予定)
  • 1
    共通テスト 本試験1月14・15日
  • 2
    共通テスト 追・再試験1月28・29日
    病気・怪我・事故等に対応
  • 3
    一般選抜
    2月1日以降。

追試験の申込方法、必要書類(「医師の診断書」または「事故又は事由が確認できる証明
書等」など)はこちらをご確認ください。

2021年度のような「感染拡大による授業や勉強の遅れに配慮した」追試ではなく、「疾病(新型コロナウイルス感染症を含む)・負傷」「試験場に向かう途中の事故」「やむを得ない事由(両親の危篤など)」に対応した追試となります(2022、2023年度とも)。

2021年度の共通テスト 追試の難度はどうだった?

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受験ネットは、大学入試センターの「(追試は)本試験と同程度」という見解を踏まえつつ、あえて「新形式・新傾向は、追試で初登場することが多く、追試(この年に限り第2日程と呼ばれた)の方が、やや難しくなる可能性がある」と予測しました。結果はどうだったのでしょうか?

※2022年度、2023年度は、「試験」「追試験」の名称となっています。

追試(2021年度第2日程)の傾向平均点本試(第1日程)の平均点
国語センター試験の形式のままであり、複数の文献を比較する出題がなかった。やや易しくなったが、平均点は下がった。これは、受験者の層の影響もありそう(実業高校等の生徒も多い)。55.7458.75
英語(リーディング)試行テストにも、第1日程にも登場しなかった新形式が登場。第2問Aがそれで、本文がなく、イラストのみの問題だった。
第1日程並み
56.6858.80
英語(リスニング)計算が必要な問題が出題された。
やや難
55.0156.16
数学ⅠAデータの分析、確率で、明らかに計算量が増えた。
やや難
39.6257.68
数学ⅡB第1問[2]、第2問[1]、第4問[2]のように、深い思考力を求める問題が増加した。
やや難
37.4059.93

国語については、古い形式のシンプルな問題が出題される「波乱」がありましたが、全体に新傾向、手間のかかる問題が増え、当サイトの予想通り、やや難しくなる結果でした。

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もともと本試験より追試験の方が難しいって本当?

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これまでのセンター試験で、本試験より追試験の方が難しかったと聞きますが?

本試験より、追試験が難しい。仮病でズルをして得をすることを許さないために、追試験を難しくしている、という説はかなり広まっています。

しかし、2018年頃、大学入試センターは、追試の出題難度について「本試験と同程度に作問している」とコメントしています。したがって、公式見解として、難度は同程度です。
(意外なオチがあるので、もう少しだけ読んでください!)

共通テストの作問は、平均点5割を目標に、何組か作られます。このとき、50%、48%、46%のように、微妙な差をつけるのは、熟練した作問委員でも難しいです。また、予備問題は、問題漏洩などの場合、本試験に使われますので、やはり5割でそろえられていると見る人もいます。

注意 センター試験では平均点6割(通説)が目標でしたが、共通テストでは5割(通説)に変更されています。

それでも追試が難しいと言える理由

追試は、本試験と同じ難度。しかし、新形式・新傾向は、追試で初登場することが多いです。

  • 英語の文完成問題 …2015年の追試が初登場
  • 地学基礎のグラフ、写真を選択させる問題 …2015年の追試が初登場
  • 倫理のハンナ・アーレント、ジャック・デリダ …2007年の追試が初登場

追試は、受験者数が少ないため、新形式・新傾向を試したり、典型的分野以外の設問が出題されたりする可能性があります。
(作問委員も、ストレートに力を問う良問は、本試で使いたいのが人情)

そのため、受験生にとって、追試の方が解きにくいと感じる可能性はあります。

頑張った受験生を裏切らないために、追試はわずかに難しくなる可能性も

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新型コロナのなか、共通テストに向け、自宅で参考書やスタディサプリで、準備を進めてきた受験生もいます。

基本的な日程に沿って準備を進めてきた受験生に不利にならないよう、追試は、わずかに難しくする可能性もあるでしょう。

これは、意図的に作問を難しくするというより、上がってきた問題を見比べ、やや難しく感じるもの、やや新傾向が強いと感じるものを、追試に回すという程度にとどまるでしょう。

以上は筆者個人の予想です。予想が当たるかどうかは、約束はできかねますので、ご自身でご判断ください。

《筆者が予想する作問から問題決定の流れ》

  • 基本姿勢 …すべて得点率5割を目標に作問
  • 問題の選択 …やや難度が高いもの、特殊な設問、新傾向が強いものは追試へ。

結論 第2日程の方が、やや難しくなる可能性がある。

共通テストに向け、これから逆転するためには

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共通テストに向け、これから逆転するには、どのような対策が必要なのでしょうか?

共通テストに向け、逆転する方法は、リスニング対策です。新しい分野のため学習法の開発が遅れており、大きなチャンスがあります。

また、1月以降は、新たに学んだ範囲での得点化は難しいもの。覚えたての知識では、かえってひっかけの選択肢に誘導されてしまう可能性があります。そのため、「ある程度自信がついてきているがが問題は余り解いていない」範囲の問題演習がおすすめです。

共通テストに向け、逆転する方法の2つ目は、各教科とも、ライバルが気づいていないが正しい道を進むことです。高校受験や、これまでの勉強法をくり返すのがいちばん楽。ラクをしようとする脳に、逆らえるかが、大きなカギです。やり方は、すべて次のページにあります。

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