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【法学部】志望理由書の例文と書き方のコツ

更新日:

大学の法学部を受験する方のために、法学部の志望理由書の例文と書き方のコツを分かりやすく説明いたします。

  • 管理者(加藤)は、早大法学部卒。高校生のキャリア支援企業を経て、予備校国語科講師(歴7年)。現在、高校主催の生徒・保護者向け講演会に年80回出講(歴5年)。

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法学部の志望理由書の生徒例文

見て! 法学部の志望理由書が書けました!

 私は法律学の学習を通して物事や事象を多方から考え、より正しい判断を下す方法を学びたいと考えている。
 近年、インターネットやSNSが普及したことで多くの情報が手軽に得られるようになり、個人単位で意見や見解を発する機会が増えた。それ故に、複数の意見が乱立するようになり、正しい意見や情報を判別することがより一層難しくなっているのではないだろうか。法学の世界でも、過去の判例や論文等の学習を通して多くの人の考え方に触れることは、多角的な視点や柔軟な思考力を身に付ける一つの手段であると私は考える。
 これまで、私は言われた通りに暗記することを疑問に思うことはなく、己の力で考える勉強をしてこなかった。しかし、社会に出て仕事に従事するために必要なのは物事の解決策を柔軟に考える力であると思う。一つの考え方にとらわれていると新たな疑問が生まれないだけでなく、時には誤った判断を下すこともあるだろう。
 法律を学ぶことは同時に国の思想や思惑を学ぶことでもあると思う。法学を元に現代国家の行く道や、自国民の在り方を考え、広い視野で現代の日本の政治を観察し、将来的には自分自身がより深く国や政治に関われるようになっていきたい。そして日本を担う一人の国民として、自国がより正しき道に進むよう貢献していきたいと思う。(543字)

全体に真剣に将来について考えていることが伝わります。とりあえず、良い点とと改善すべき点を挙げてみます。

良い点

  • 全体として、視野の広さや真面目さが伝わります。
  • 言葉選びから、本や新聞をよく読んでいるように思えます。

改善すべき点

  • 近年、インターネットやSNSが普及したことで……から始まる段落は、社会から見たという視点となっています。志望理由書は、自分自身の視点で書いてゆきます。
  • 将来的には自分自身がより深く国や政治に関われるように ……最後の段落は、まとめとなるため、新しい要素は出さないようにします。もし出すのなら、それまでの段落で触れておきます。
  • 法学部を志望する理由が書かれていますが、志望校を選んだ理由が、全く書かれていません。

志望理由書の段落構成

志望理由書の段落構成の目安は、上のようになります。詳しくは、次の記事に説明があります。

【大学入試】志望理由書のやさしい書き方講座(新入試対応)


受験ネットから進呈

志望理由書(法学部)は、項目別に確認するのがコツ

上の志望理由書を項目別に整理してみましょう。

東洋大学法学部の志望理由

分類項目
学部志望理由きっかけ高校時代、暗記の勉強が多く、己の力で考える勉強をしてこなかった。

学びたいこと(おおまか)過去の判例や論文等の学習を通して多くの人の考え方に触れ、多角的な視点や柔軟な思考力を身に付ける。

将来像国や政治に深く関わりたい。

適性(向いている理由)→【2020年度新入試以降】高校での取り組みとの一貫性
大学志望理由①学びたいこと(具体的に)

②ほかの大学にはないもの

表を見ても、学部志望理由に偏っていることが分かります。志望する大学で具体的に学びたいことや、ほかの大学にないものを挙げてみてください。

東洋大学ウェブサイトより
東洋大学ウェブサイトより

はい。パンフレットを調べた結果、憲法判例の研究というゼミ(=通年のグループ学習)に興味を持っています。ゼミの前半で1つの事件を学び、後半で模擬裁判形式で議論する形が良さそうです。ほかの大学にない要素としては、アドミッションポリシーに書いてあった、「先入観や偏見にとらわれず、物事の本質に迫る」人間を求めるという点に共感します。

良いですね。もう1つ、将来像の「国や政治に深く関わりたい」という内容に具体性を感じないので、はっきり決まっていなくても、職業名を挙げたほうが良いでしょう。書き方としては、もう少し読点を増やすと良いでしょう。

志望理由書(法学部)の例文

例文を直しました!

 私は将来、新聞記者か地方議員として、国や政治に関わることを考えている。法律学の学習を通して、物事や事象を多方から考え、より正しい判断を下す方法を学びたいと考えている。
 これまで、私は言われた通りに暗記することを疑問に思うことはなく、己の力で考える勉強をしてこなかった。しかし、記者や議員を目指すのに必要なのは、物事を多角的に考える力であると思う。1つの考え方にとらわれていると、時には誤った判断を下すこともあるだろう。法学部では、過去の判例や論文等の学習を通して、多くの人の考え方に触れることで、多角的な視点や柔軟な思考力を身に付けたいと考える。
 貴学には、憲法判例の研究というゼミが設置されている。ゼミの前半で1つの事件を学び、後半で模擬裁判形式で議論する形に強く惹かれる。このゼミや各法律の講義を通じ、様々な角度の判例や論文を学びたいと考える。これまでの私には、正しい答えがすでにあり、与えられるものだという考え方があった。そのため貴学のアドミッションポリシーにある、先入観や偏見にとらわれず、物事の本質に迫る人間を求めるという点に共感した。
 以上が私が貴学を志望した理由である。学んだ内容を生かし、将来的には自分自身がより深く国や政治に関われるようになっていきたい。そして日本を担う一人の国民として、自国がより正しき道に進むよう貢献していきたいと思う。

もとの志望理由書の例文に比べ、かなりパワーアップしています! 自分の視点が貫かれるようになり、将来像を明確にしたことで、ぼやけたイメージがくっきりと像を結んできています。また、志望大学を選んだ理由がはっきりし、志望理由書としてのバランスが取れています。

アドミッションポリシーに触れたことも、好印象です。

※アドミッションポリシーとの合致 … 難関大や倍率の高い入試をめざす場合には必要な観点。 くわしくは志望理由書のやさしい書き方講座の応用部分をご覧ください。

まとめ【法学部】志望理由書の例文と書き方のコツ

以上、【法学部】志望理由書の例文と書き方のコツでした。

法学部の志望理由として、学びたいことを書く場合、法律名になじみがないことから、法を幅広く学びたいなど、あいまいな書き方をする生徒が目立ちます。幅広く、様々なといった表現は、厳しく言えば何も書いていないに近く、不合格につながりやすくなります。志望校の法学部の講義内容を調べてみても良いですが、例文のようにゼミ(=通年のグループ学習)を調べた方が、イメージがつかみやすいことがあります。

また、法学部志望者は、弁護士や公務員をめざしていない場合、将来像があいまいなため、志望理由書の全体がぼやけてしまうことがあります。あくまで仮の希望で構いませんので、将来像を絞っておくと良いでしょう。

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