総合的な探求の時間とは?|わかりやすく高校の「探求」を説明


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高校で「総合的な探求の時間」という授業が始まったのですが、これは何なのでしょう? 生徒・保護者、若手の先生向けに分かりやすく説明します。


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総合的な探求の時間とは?

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高校で「総合的な探求の時間」という授業が始まったのですが、これは何ですか?

はい。ひとことで言えば、教科書を使わず、身近な課題の解決策を考えてゆく授業です。グループ学習や個人学習の形で、各教科の知識を使ったり、図書館や現地調査を通じて、調査してゆきます。最終的には、レポート、ポスター、プレゼンテーションの形で、表現することが特徴です。


ただし、2021年度はまだ準備段階のため、高校によっては、昨年までの「総合的な学習の時間」のプリントを使ったり、外部の講師を呼ぶ進路学習などにあてています。

総合的な探求の時間の内容例

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例えば、どんな勉強をするのですか?

はい。地域の課題を探し、活性化の案を考えるという内容が、「総合的な探求の時間」の代表例です。総合的な探求の時間の授業は、複数回を1セットとして行われるのが普通です。

例 地元の課題を考える


内容AグループBグループ
1回目先生から流れの説明を受け、探求するテーマを考える。(教室)駅前のシャッター通り商店街について感染症による観光客の減少
2回目書籍で学習する(図書室)商店街の人気が落ちた理由を本で探る現在の旅のありかたがどのように変化しているかを本で探る
3回目実地調査商店街の状況を見学し、インタビューする。成功している旅館を見学し、インタビューする。
4回目各自が書いてきた小論文をまとめ上げ、発表用資料を作成。
5回目プレゼンテーション(教室)

総合的な探求の時間の成績は、大学受験に関係があるの?

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「総合的な探求の時間」の成績は、大学受験に関係があるのですか?

はい。調査書には、総合的な探求の時間の評価を記入できるか所が2つあります。

  1. 各教科の科目等の学習の記録(および各教科の学習成績の状況)
  2. 総合的な学習の時間の内容・評価

1には、おもに5段階評価で評定を記入することができます。約3分の1の中学・高校で、評定の記入を行っています。残り3分の2の高校は、2の内容・評価(文章によるコメント)のみです。

大学・短大の受験では、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜のすべてで調査書の提出は必須となっていますので、「総合的な探求の時間」の成績(評定平均値)・内容・評価(文章によるコメント)は、参考にされる可能性があります。ただし、一般選抜では、参考にされる度合いは低いと考えられます。


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とくに影響が大きな入試は?

はい。入試方式は大学によってさまざまですが、学校推薦型選抜、次いで総合型選抜の場合、影響が大きいです。とくに学校推薦型選抜では、調査書のほかに「推薦書」があり、高3の担任の先生が、総合的な探求の時間を含めた、幅広い学力を身につけた学習の様子を書くことになっています。

また、学校推薦型選抜、総合型選抜のいずれでも、資料(書類)の1つとして、活動報告書が課されることがあります。活動報告書には、高校時代の勉強面の取り組みとして、幅広い学力を身につけた学習の様子を書くことができます。

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総合的な探求の時間は、なぜ始まったの?

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総合的な探求の時間は、なぜ始まったのですか?

はい。学習指導要領には「自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成する」と書かれています。

大きく言えば、変化の大きな時代となり、各自で異なる、目の前の課題を解決する力が必要になったからと言えます。 ただ、同時に、企業からの要請という点もあるでしょう。新卒者を採用している企業は、新入社員は指示されたことはするが、自分で考え、課題を発見し解決する能力が落ちている、と近年くり返し主張しています。

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5教科中心の学習では受け身になりがちなので、自分で課題を発見し、考えて調べて行動する授業ができたのですね!

総合的な学習の時間との違いは?

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以前の「総合的な学習の時間」と「総合的な探求の時間」の違いは何ですか?

はい。学習指導要領を見ると、共通するのは「課題を発見しよりよく解決する資質や能力を育成すること」です。総合的な探求の時間で、絶対に外してはいけないポイントです。

× 自家用車とバスの利便性を比較する
〇 道路渋滞の原因と解決策を探る

第4章 総合的な学習の時間第4章 総合的な探究の時間
第1 目標
横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するとともに,学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにする。
第1 目標
探究の見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,自己の在り方生き方を考えながらよりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成するこ
とを目指す。
(1) 探究の過程において,課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究の意義や価値を理解するようにする。
(2) 実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし,自分で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする。
(3) 探究に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,新たな価値を創造し,よりよい社会を実現しようとする態度を養う。

一方、総合的な探求の時間だけにあるのは、「自己の在り方生き方を考えながら」「実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし」の項目です。

× 自家用車とバスの利便性を比較する
× 道路渋滞の原因と解決策を探る
〇 通学路の道路渋滞の原因と解決策を探る

このように、総合的な探求の時間では、自分に引きつけた課題発見と解決策が求められます。その過程では、主体性、協働性、表現力を育てることが求められていますが、これは、現在大きな目標となっている、幅広い学力(学力3要素)の育成と関連があります。

学力の3要素のうち、②③を含めたのが幅広い学力
①知識・技能
②思考力・判断力・表現力
③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)

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総合的な探求の時間は、単なる自由研究ではなく、自分のキャリアや目の前の仕事と結びつくような、課題発見・解決力が求められるんですね?

はい。その通りです。さらに、企業での働き方や複雑化した社会という背景から、異なる立場の人と協働する力や、人に伝える表現力も求められています。




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