大学受験で合格するには、1日何時間勉強すればいいのですか?
大学受験 1日の勉強時間は?
大学受験で合格するには、1日何時間勉強すればいいのですか?
はい。平日が「学年+1時間」、休みの日はその倍です。浪人生は4年生扱い。高3や浪人生の夏休み以降は、さらに+1時間加算します。
- 1高1平日2時間、休みの日3時間。
- 2高2平日3時間、休みの日4時間。
- 3高3平日4時間、休みの日8時間。
- 4高3(夏休み以降)平日5時間、休みの日10時間。
- 5浪人生予備校がある日5時間、休みの日10時間。
- 6浪人生(夏休み以降)予備校がある日6時間、休みの日12時間。
ヒント 夏休みなどは、曜日に関わらず「休日」扱いです。
なるほど。自分は高3でまだ夏休み前だから、平日は4時間ですね。部活がある日は減らしてもよいと聞きましたが?
はい。部活がある日は減らすというのはよく聞きますが、誤りです。部活生と帰宅部生で入試問題に差はありませんので、同じ時間勉強しなければ、当然不利になります。
部活生は、時間がないという焦りで効率がよくなりますので、すき間時間の活用が上手になれば、必ずクリアできます。
平均的な1日の勉強時間は?
目標の勉強時間は、平日は「学年+1時間」、休みの日は倍と分かりました。実際、みんなはどのくらい勉強時間取れているのですか?
はい。ベネッセが、高3の夏休み以降、平日の勉強時間を、約4千人に聞いたアンケートがあります。結果は以下の通りです。
勉強時間 | 割合(%) |
0~1 | 15.1 |
2~3 | 24.9 |
4~5 | 30.7 |
6~7 | 13.4 |
8~9 | 8.0 |
10~11 | 5.5 |
12~ | 2.5 |
おすすめした「平日は学年+1時間、夏休み以降はさらに+1時間」のルールでは、1日5時間と計算されますので、ライバルの実情にも合っていると言えます。
なるほど。僕は高3なので、9月以降は1日5時間勉強すれば、MARCHに合格できますね!
はい。そうなると良いのですが、説明した1日の勉強時間は、あくまで標準の数字です。分かりやすく言えば、高校の先輩と同じレベルの大学・短大に合格するための勉強時間です。
上の計算式は、あくまでライバルに後れを取らず、自分のこれまでの位置を守るための勉強時間です。高い志望校を目指したい、高校受験で敗れたライバルを逆転したい、そう思う方は、勉強時間はどんなに増やしても多過ぎることはありません。とくに、高2・高1など早いスタートは差を埋めることができます。
勉強時間を増やす方法「なかなか勉強が手につかないのですが?」
なかなか勉強を始められないのですが、どうしたらよいでしょうか?
はい。勉強のスタートが苦手な方には、3つ方法があります。
好きな教科から始める
1つは、好きな教科から始めることです。例えば日本史が好きな人なら、日本史なら苦にならないはずです。
また、得意な作業から始めるという考え方でも構いません。暗記が得意な方は、暗記モノからスタートします。まとめノートが好きは方は、教科を問わず、まとめからスタートします。
30分だけ勉強する
勉強のスタートが苦手な方は、勉強の苦労を強くイメージしており「後で」「調子がよくなったら」など、言い訳を考え机から遠ざかてしまいがちです。その場合は、スマホで30分タイマーを用意て、30分だけ勉強してみてください。
30分なら気持ちの負担が軽く、簡単にスタートできます。もし調子が乗ってきたら、さらに30分続けても構いませんし、30分で打ち切っても構いません。
たしかに、スタートは大変でも、軌道に乗ると続けることは、簡単なんですよね。
はい。クルマや電車も、スタートには大きなエネルギーを使いますが、走り出すと小さなエネルギーで済みます。クルマの場合、ガソリンの約4割をスタート時に消費しているといいます。
なお、30分刻みの時間管理は、ポモドーロテクニックとしても知られています。正確には25分集中し、5分休む理論です。高校生は体力と集中力が高いので、毎回の5分休みは必要ないと思いますが、勉強が苦手な方や、すぐにスマホのLINEやSNSを見てしまうという方は、参考にしてみてください。
仲間と勉強する(失敗のリスクあり)
このほか、仲間と勉強するという方法もあります。勉強が苦手でも、友人と勉強をするようにすれば、おのずとスタートは切れます。ただ、友人のなかにサボりぐせがある人がいれば、とたんに全員の効率が落ちてしまうなど、難しい面もあります。
可能なら、とことん自分のペースを守れる、ひとりでの勉強がおすすめですが、高2以下の方や、勉強が特に苦手な方は試す価値はあります。
勉強時間や内容を管理する方法
勉強時間はどのように管理すればよいのですか?
勉強時間で管理する
はい。1つ目は、単純に勉強時間で管理する方法です。例えば、高3の9月なら、学年+1に直前期分の+1を加えますので、平日は5時間が目標です。学校が休みの日は、倍の10時間です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 週の合計 | |
目標時間 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 10 | 10 | 45 |
勉強時間 | 4 | 6 | 10 |
手帳などに、上のように記録をしてください。科目別に記録しても構いませんし、複雑になってしまうようなら、苦手科目を4割のようにルールを作ってみてください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 週の合計 | |
目標時間 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 10 | 10 | 45 |
(うち苦手科目) | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 4 | 4 | (18) |
合計の勉強時間 | 4 | 6 | 10 | |||||
(うち苦手科目) | 2 | 3 | (5) |
この方法は、どちらかというと勉強が好きな人向けです。1日の勉強時間や週の勉強時間で、黙々と最高記録を狙ってゆく方法です。
勉強内容で管理する
2つ目は、勉強内容で管理する方法です。時間で管理すると、何となく時間かせぎの勉強をしてしまう、ぼっとしながら時間を稼いでしまうという方、つまり勉強がやや苦手な方におすすめです。
※または、勉強が好きで、ハードに時間を追い過ぎ、ストレスがたまってきた方にもおすすめ。
ただし、科目別の勉強内容を即座にイメージできる必要がありますので、勉強がやや苦手でも、最初のうちは「時間で管理」を実施してください。
例えば、高3の9月なら、平日は1日5時間の勉強が必要です。目安として苦手科目を4割(慣れてきたら6割)は取ってください。どのように配分しますか?
まず2時間は苦手な数学と理科ですよね? 数学は溜まっている問題の解き直しで、理科は生物のまとめノートかな?
目安時間 | To Do List | |
数学 | 1 | □数Ⅱ問題集 二次関数解き直し10問 |
理科 | 1 | □生物 免疫とヒトのまとめノート(1ページ分) |
英語 | 2 | □単語の確認テスト 50個 □長文読んで解く 1問 □長文の全文和訳 1問 |
国語 | 1 | □古文単語の確認テスト 30個 □助動詞の識別「む」「べし」の確認とテスト □今月読んだ古文長文の音読3回ずつ |
はい。上の内容でOKです。勉強内容で管理する場合、例えば5時間の内容を4時間30分で終わらせたら、残った30分は遊びに使って構いません。このボーナスがあるので、集中して勉強に取り組むようになります。
勉強内容で管理する方法(To Do List)は、勉強がやや苦手な方におすすめです。
※または、勉強が好きで、ハードに時間を追い過ぎ、ストレスがたまってきた方にもおすすめ。
ポモドーロテクニックで管理する
4時間(高3の1学期の場合)も勉強なんてムリ! 何から始めていいかわからないので、To Do Listも作れないという方は、ポモドーロテクニックがおすすめです。
ポモドーロテクニックは、25分作業をして5分休むテクニックです。本家の方法は、25分間のなかで1度でも集中が切れたらタイマーをリセットしますが、勉強が苦手な方なら、まずは25分続けてみましょう。
計算をしやすくするため、30分間にアレンジしても構いません。30分勉強するだけですので、部活動で疲れていても、大丈夫です。
時刻 | 状況 | 行動 |
18時 | 部活で疲れて帰宅。夕食は19時。 | 休みたいところですが、30分ならできるのでは? まずは、宿題を片付けてみてはどうでしょうか? |
20時 | 夕食後、眠くなり、机に向かう気が起きない。 | 30分ならできるのでは? 負担の軽い動画形式の授業もおすすめです。河合塾Oneは、とくに授業時間が短く、テキストもいらないので、夕食の場所で勉強してもよいです(家族が見ているのでサボりにくい)。 |
21時 | 入浴して目が覚めた | 部屋の机で30分の勉強をスタートしてください。調子に乗って来た場合、2セット60分でもOKです。 |
22時 | LINEと動画で気分転換 | 寝る前にもう30分勉強してみてもよいでしょう。 |
合計勉強時間 | 3時間30分 |
ヒント 少し早起きして自宅か学校で30分勉強しておくと、さらに目標に近づきます。マクドナルドで友達と勉強することに決め「朝マック勉強」と名づけている人もいます。
部活があっても、意外にいけますね。目標の4時間にかなり近いところにいます。
はい。ポモドーロテクニックは、イタリアのフランチェスコ・シリロ氏が大学生のときに「集中できない」という悩みを解決するために考えた方法です。そのため、勉強が苦手な方に向いています。
また、勉強が得意な人でも、苦手科目の攻略に向いていますし、得意科目に時間を取られ過ぎないという意外なメリットもあります。基本的にはまず30分勉強してみて、波に乗ったらもう30分というパターンでよいでしょう。
勉強時間や内容を管理する方法 まとめ
管理方法 | メリット | 向いている人 |
勉強時間で管理する | 単純明快 | 勉強が得意な人 |
勉強内容で管理する(To Do List) | 早く終わらせたらボーナスがある | 勉強がやや苦手な人 (ただし何をして良いか分からない段階では、勉強時間で管理します) |
ポモドーロテクニック | まず25分(30分)やればよいので、ハードルが低い。 | 勉強が苦手な人 (勉強が得意な人の苦手科目攻略や、得意科目のやりすぎ防止にも向く) |
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