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キャリアコンサルティングの一連流れと自己理解、職業理解|キャリコン基礎理論対策 #09

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この記事ではキャリアコンサルティングの一連の流れを説明します。また、キャリアコンサルティングのなかでも重要な概念である、自己理解、職業理解について分かりやすく説明します。

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このページのまとめ
  • 求職を前提としたクライエントに対し、キャリコンがまず行うことは場面の設定です。(主訴がはっきりしているとして)2番目には何を行いますか?
  • 自己理解の方法の1つ、検査法のツールを2つ挙げてください。
  • 自己理解の一助となるコンピテンシーは、新卒の自己理解に適応できますか?
  • 職業情報をキャリコンが提供する場合、概要、待遇のほか、どんな項目が必要ですか?
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キャリアコンサルティングの流れ

1回の面談ではなく、複数回の面談をイメージした、キャリアコンサルティングの一連の流れは以下のようになります。求職を前提とした場合です。

  1. 相談場面の設定
  2. 自己理解
  3. 仕事理解
  4. 啓発的経験の支援 … 職業体験。教育機関、職業開発期間などの調査。
  5. 意思決定 … キャリアの方向性の決定
  6. 方策の実行 … 就職、進学、能力開発などを実行
  7. 仕事への適応

キャリアコンサルティングの目的の確認 … クライエント自身による、自分にふさわしい仕事の選択を支援します。そのために、キャリアコンサルタントは、自己理解や仕事理解の知識が必要となります。

相談場面の設定

相談場面の設定とは、時間と場所のアポイントメントのことではなく、相談をしやすい場所を作り上げることを指します。

相談場面の設定
・原則としてクライエントの姿が他人に見えない場所(プライバシー)。ただし、オープン(外部とつながっていること)も安心感をもたらす。
・静かな場所。ただし、物音1つしないは行き過ぎかも知れない。
・部屋の明るさや温度。くつろげる椅子。落ち着いたインテリアの色。植物。
・キャリコンとして品位ある服装。香水やメイクが過度にならないように。
・クライエントと斜めの角度に腰かけ、手を見せると良い。
・必要な備品(さりげなく見ることができる置き時計、涙を流しても心配ないティッシュ)。
・メモは不安を与えないように共有し、クライエントの希望がある場合渡す。
・キャリアコンサルタントが万一の場合に逃げ出せる場所。

自己理解とは

自己理解とは、あるがままを知る個人の行為。

  • 自分自身(価値・能力・ありたい姿)の分析と統合
  • 言語化することが重要(できるだけ文字に書く)
  • 客観性が必要(協調性など、誰にでもわかる言葉で)
  • 環境(会社、組織、家庭など)のなかの自分の姿を知ることも含まれる
  • 包括的、継続的に把握(過去と現在の理解が異なっても良い)

職業選択における自己理解を初めて提示したのは、ドナルド・E・スーパーです。自己概念をもとにした職業的適合性(能力+パーソナリティ)を提唱しています。キャリアコンサルティングで自己理解を促すには、おおまかに言えば、その人の能力と、性格面のパーソナリティに焦点を当てます。

個人の職業選択における自己理解に必要な6要素は、スーパーの自己概念(能力、パーソナリティ)を発展させた6要素です。

  • 潜在的能力 … 「能力」のうち適性
  • 獲得された能力 … 「能力」のうち技量
  • 受けた教育、訓練
  • 個人的特性 … スーパーの「パーソナリティ」(適応、価値観、興味、態度)。適応とは、生活環境に適応するための行動傾向。
  • 余暇活動など
  • 個人をめぐる諸条件 … 企業、家族、地域など

自己理解の方法

キャリアコンサルティングにおける自己理解には、客観的、科学性が必要とされています。自己理解の援助方法として、3つの方法があります。

(1)検査法

潜在的能力、獲得された能力を測る知能検査 、適性検査、学力検査
個人的特性(パーソナリティ)を測る性格検査、興味検査、進路適性検査
個人的特性の中でも、価値観や指向性を知る職業レディネステスト(ホランドタイプ)、キャリア・アンカーテスト

検査法は、いくつかを組みわせること(テスト・バッテリー)が必要です。最近はCACGS(コンピュータを使用したキャリアガイダンスシステム)が利用されている。評価、探索、情報提供の3要素を1度に行えるが条件です。

検査法の測定と効果

各検査法の評価は、数学や統計学に基づき、一定の基準に照らし位置付けられます。同時に、客観性、信頼性、妥当性が必須です。

  • 客観性 … 客観的な基準で作成されている。
  • 妥当性 … 内容的妥当性(狙う対象を測定できているか)、基準関連妥当性(過去の信頼できる検査との比較)、構成概念妥当性(心理学概念との一致)
  • 信頼性 …  再検査法(同じ人に再検査)、平行テスト(同じ人が2つのテスト)と折半法(奇数番、偶数番のように、分割してチェック)。

(※)測定誤差は、自分をよく見せたい心理的なもの。影響を測る設問を挿入する。パーセンタイル順位を、同じ属性の人のデータと比較することがある。

検査法の主なツール

VPI職業適性検査(ピンク色の紙の検査用紙)は、6つのパーソナリティタイプをその場で診断することができます。フォーマルアセスメント。

その他の主なツール(フォーマルアセスメント)

  • Y-G性格検査 … 成人用、高校生用、中学生用、児童用の4種類あります。所要30分程度。1部275円前後から。
  • MMPI(ミネソタ多面性性格検査)
  • 内田・クレペリン精神作業検査
  • GATB(一般職業適性検査)
  • 職業レディネス・テスト … 生徒向け。
  • 教研式職業興味・志望診断検査
  • 管理者適性検査
  • 中堅社員適性検査

ネット上にある検査法のツール

主なネット上の自己理解ツールによる(フォーマルアセスメント)。

(参考)O*NET(アメリカ)による自己理解

O*NETは、アメリカの労働省が開発した、コンピュータを利用した職業選択の総合情報データベースです。個人の特性として、能力、興味・価値観、ワークスタイル、技能、知識を見ます。日本にも同種のシステム(キャリアマトリックス)がありましたが、仕分けの対象となり廃止されました。

(2)面接法

面接し、語りを直接的に解釈する方法です。キャリアカウンセリングまたは人事などの評価に利用されます。

(※)量的分析、質的分析 … 面接法では、YES-NO形式の質問による量的分析、開かれた質問に対しては質的分析を行います。この量的分析、質的分析は、観察法、検査法にも当てはまる概念です。

(3)観察法

日常生活の観察により、自己理解を促す方法です。注意点は以下の通り。

  • ハロー効果(第1印象) … ハローは後光という意味
  • 包装効果(論理的過誤)  … 自身の主観で他人を決めつけてしまうこと
  • 寛容効果  … 嫌われたくないなど
  • 先入観(ステレオタイプ) …  例  普段遅刻しがち
  • 科学的、論理的に観察すること

職業理解の意義と内容

職業の理解は、クライアントが自ら行うものですが、キャリコンは、できるだけ多くの職業やキャリア情報を提供することが、重要です。

職業関連の基本3情報

  1. 職業理解  …  職業(= 人に注目した概念 )、産業(=事業所内の一連の経済活動そのもの。モノ目線)、事業所、雇用、経済、社会全般に渡って理解すること。厚生労働省編職業分類によると1万7千の職業(大分類は11)。
  2. 産業の理解  …  統計を目的とした日本標準産業分類(JSCO)に一覧。
  3. 事業所の理解  … 求人票が根拠

基本3情報のほか、各種援助・助成金、職場適応の情報も重要です。

職業情報のための分析方法

  • 職務分析 …  職務に含まれている仕事内容と責任を詳細に調査、記述すること。
  • 職務調査  … その企業で期待される人間像の把握。
  • 職業調査  … 入離職、労働条件を含めた職業全体の調査。
  • 職務行動分析  … 数値、職業移動の分析。
  • 企業分析

キャリコンによる職業調査の例

副業としてのサイト運営[職業情報]

分類(厚生労働省)
21 著述家、記者、編集者>212 記者>212-99 他に分類されない記者
どんな職業か
なかにはインターネットメディアに属して、テーマに沿ったウェブ記事執筆を行う職業もあるが、ここでは副業として、自宅等を使用しインターネットサイトを運営する職業を扱う。
各自の専門分野や趣味的な分野を生かし、主にスマートフォン検索者に向けて記事の執筆を行う。記事の執筆に先立ち、取材や調査、インタビュー等を行うことも多い。
人によるが、例えばワードプレスと呼ばれる、世界共通のサイト構築ソフトを使用し、執筆する文章はパソコンで入力する。同時に、写真、図解、イラスト等を添付することが多い。
就くには(添付図は下を参照)
大学在学中または就職後20代のうちに、趣味または副業としてサイト運営を手がける人が多いが、中高年からのスタートも可能。単価制のライターの仕事で経験を積む人も多い。
学歴や資格は問われないが、一定の教養が必要。
①長い文章を大量に書くことが苦手ではない。
②自身や他人の具体的な経験を法則化する能力に長け、それを自身の活動に落とし込む能力。
③プログラミング等の知識はあれば心強い。最低の収入確保にもつながる。
④成果に関わらず長期に渡り持続する能力。
なお、現在のインターネットでは、質の良い書き手が飽和状態となりつつあるため、専門性や独自性が強く求められている。
労働条件の特色
サイト運営では、広告収入、記事自体の有料販売などが収益の手段となる。在庫リスクがなく、原材料費がさほどかからないというメリットもあるが、収益化は困難な部分がある。2019年6月、特定非営利活動法人アフィリエイトマーケティング協会のプレスリリースによると、1カ月の収入が1000円に満たない人が45.3%に上り、収入が10万円を超えたのは35.6%に過ぎない。
大量に時間をかけても、ほとんど成果が出ない人が半数近くに上るという点に注意が必要である。その反面、軌道に乗った場合は、裁量権が強く仕事場を問われないなどのメリットもある。
参考情報
関連団体:特定非営利活動法人 アフィリエイトマーケティング協会
      http://affiliate-marketing.jp/
(注意)サイト運営に関する情報商材や学びの場等を介した詐欺的事例が多く報告されている。
就くには(添付図)

最近の職業能力観

エンプロイアビリティは雇われる能力

エンプロイアビリティは、経団連(当時は日経連)の定義によると、労働移動(転職)が可能+継続的に雇用されることを可能にする能力。

厚労省が定義したエンプロイアビリティ(労働者個人の基本的能力)は、円柱の表で表されることがあります。

円柱型で表現する特性
A 顕在化された知識、技能(OJT、Off-JT)見える
B 協調性、積極性等の思考、行動特性(自己啓発的に身につく)見える
C 人柄、性格、価値観など潜在的な個人的特性(認知行動的、生得的)見えない

キャリア形成には、希望する職種が求める知識、技能や思考、行動特性との差分を認識し、埋め合わせることが必要。

コンピテンシーは、類型化された行動様式

コンピテンシーとは、高い業績をもたらす、類型化された行動様式をさします。簡単に言えば、職業的に成功している人に共通する行動様式です。

コンピテンシーの例:率先行動力、顧客志向性、達成指向性、多様性尊重、財務感覚、監視、問題解決力

活用の場面:採用、任用、人事考査、教育の重要な個人情報として

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