クランボルツのキャリア意思決定・偶発性と、シャインのキャリアコーン|キャリコン基礎理論対策 #07

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ジョン・クランボルツ、エドガー・シャイン、ナンシィ・シュロスバーグらは、変化の激しい現代に合った、新しいキャリア理論です。

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変化の少ない職業が安定した時代のスーパー、ホランドに対し、クランボルツ、シャイン、シュロスバーグは、変動の時代の理論家です。

15ページで分かるキャリアコンサルタント筆者プロフィール

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キャリコンの学習サイトは、分量が多過ぎたり、単純な暗記を促したりするものが多いようです。受験ネットでは、過不足のない、具体的でわかりやすい内容をめざしています。

①キャリコンの概要#01(準備中)
キャリアコンサルタントの倫理とあるべき姿|キャリコン対策#02
ロジャーズとは?(来談者中心療法、内的準拠枠)|キャリコン対策#03
認知行動療法をわかりやすく|キャリコン対策#04
システマティックアプローチとは?|キャリコン対策#05
スーパー(職業的適合性・アーチモデル)、ホランド|キャリコン対策#06
クランボルツの意思決定・偶発性と、シャイン|キャリコン対策 #07
ホールと、サビカスのキャリアアダプタビリティ|キャリコン基礎理論対策 #08

コンサルティング全体の流れ#09労働経済白書と職業訓練、教育訓練給付金#10人事労務管理、社会人基礎力#11学校のキャリア理論#12労働関係の法律#13社会保障制度・メンタルヘルス#14学科試験・実技試験(論述・面接)対策#15

キャリアコンサルタント 参考書・問題集の選び方

ジョン・クランボルツ

出典:https://ed.stanford.edu/
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カルフォルニアのスタンフォード大学教授だったジョン・クランボルツは、〇〇(キーワードは、自己効力感やモデリング)を重視した理論(社会的学習理論=SLTCDM)を展開しました。

後年は、キャリアの〇〇性(=プランド・ハップンスタンス理論)を重視したのも特徴です。

👉学習、キャリアの偶然性

ジョン・クランボルツは、学科試験でもっとも頻出の理論家の1人です! 狙われるのは、学習理論と偶然性と分かっていますから、攻略しやすいです。また、「興味がある職業がない」というキャリア教育の落とし穴を埋める、とても重要な理論です。

クランボルツの社会的学習理論

キャリア上の成功には、自己効力感が重要(もとはバンデューラの理論)

資料シリーズNo.165 労働政策研究・研修機構(JILPT)
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クランボルツは、バンデューラの理論を借用し、自己効力感が高いほど、学習は成功しやすくなると考えました。自己効力感は、自身の成功体験(遂行行動の達成)だけでなく、他者の影響が大きくなります。そのため、クランボルツは、社会学習理論に分類されます。

用語説明事例
遂行行動の達成成功体験 高校受験で成功体験を積む
代理経験(モデリング)他者の成功を見る兄の大学受験の成功を目にする
言語的説得指導者の説得 高校や塾の先生のほめ言葉
情動喚起経験に基づき、あるできごとから起きる自身の感情の動きを知っていること。合格通知を目にしたときのうれしさを知っている

モデリングによる学習とは?(もとはバンデューラの理論)

クルンボルツは、バンデューラの「モデリングによる学習(観察学習)」の理論も借用しています。モデリングとは、①注意過程(注目する)、 ②保持過程(記憶する)、 ③運動再生過程 、④ 動機付け過程(実行の決定)の4段階の学習です。 オペラント条件付け(強化と罰)の考え方を取り入れています。

混同注意 レスポンデント条件付け

用語説明事例
注意過程観察対象に注意を向ける 兄の有名大合格に影響を受ける。
注意 親和性や信頼性を感じるモデルを採用すると効果が高まる。
保持過程対象の行動の内容を記憶する兄が有名大学に合格するプロセスを、イメージや言語で記憶する(言語化が重要)。
運動再生過程実際にその行動を模倣してみる合格通知を手にした自分の姿や、進学後の様子を想像する。
動機付け過程学習した行動を遂行するモチベーションを高める 本当にその有名大学を目指すかどうかは、兄が手にした報酬や、自分が得られる報酬の予測が影響する。(オペラント条件づけの理論が含まれる)

クランボルツの「キャリア意思決定に影響を与える4要因」

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バンデューラの理論(自己効力感、モデリング)を学んだクランボルツは、キャリアの決定には4つの要因が関係すると考えました。「キャリア意思決定に影響を与える4要因」は、頻出です。

ここでは、ユーチューバーのさきがけであるヒカキンさんが、なぜ今のキャリアを得たのかを考えてみます。

用語説明事例(ヒカキン)
〇〇的特性と特別な能力生まれつきまたは無意識のうちに獲得したもの。実際の人前で何かを話すことは大の苦手
環境的状況コントロールできない外的な条件ビートボックス(楽器の声まね)の流行とタイミングが重なっていた時期だった
学習経験・ 道具的学習(過去の経験を道具として)
・ 連合学習(偶然のつながり)
・テレビ番組でビートボックスを見て興味を持った(連合学習)。
・ビートボックスを、慣れ親しんできた動画で学習した(道具的学習)。
課題接近スキル課題を認識し、適応するスキル。会社を辞める決断をし、動画制作時間を増やした。

👉遺伝

(正誤問題)クランボルツは、遺伝的特性と特別な能力、文化的慣習、学習経験、社会的認知がキャリア開発と職業選択に影響を与える4要素であるとした。

ヒント:紛らわしい問題ですが、クランボルツは、職業の多様化や変化が起きつつある時代の人物です。環境的状況や課題接近スキルはキーワードになるでしょう。答え:誤り。

盲点クランボルツは、上の4要因の結果として、自分自身に関する信念(イラショナル・ビリーフ)と仕事に関する信念(同左)が生まれてくると考えています。また、クランボルツは、新しい学習経験の妨げとなっている信念を測定するために、Career Beliefs Inventory(CBI)を開発しています。近年出題され始めたばかりですが、知っていれば差がつきます。

クルンボルツによる、キャリアカウンセリングの目標

変化し続ける仕事環境において、クライエント自身が満足のいく人生を作り出していけるように、学習を促進することが目標。現在のクライエントに合った職業を発見することが、キャリアカウンセリングの目標なのではない。

クランルンボルツの計画された偶発性

ジョン・クランボルツは、研究過程の後半で、未決定であることの意義やキャリアの偶然性を強調しています。

  • 未決定(オープンマインド)なら、予期せぬ出来事に対応し学習が可能。
  • 偶然の出来事を積極的に活用。意識的にそれを作り出す努力が必要。
  • 重要必要な要素は、好奇心〇〇〇(失敗にめげない)、〇〇〇柔軟性冒険心(結果が見えなくても踏み出す)。
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覚え方は、偶然に、ゴジラ(好奇心、持続性と柔軟性、楽観性)冒険。試験で問われやすいところです。

👉持続性、楽観性

高校現場に弊害を生む、浅い理解のキャリア理論

高校教育に携わる人のなかで、「自分に合った仕事を知り、それにつくための学校を選ぶ」というように、キャリア選択を単純化している人が多く見られます。

自己理解の検査をさせられて、何となく腑に落ちないまま、それを前提に職業を選ぶ流れになってしまいました。その後の進路行事が、自分のことに感じられません。

高校生の段階では、自己概念はまだ発達過程ですし、知っている職業が少な過ぎます。そのため、腑に落ちないまま進路行事に参加している生徒も多くいます。

一方で、学力の低い生徒ほど、生活や経験の範囲内から興味がある仕事を探し出し、声優・アニメーション希望などと、決めてしまうことがあります。これによって、高校が、趣味系の専門学校の草刈り場となっている実情もあります。

キャリコンの父ドナルド・E・スーパーは、自分にあった職業があると主張しているだけでなく、社会で役割を経験するについれて自己概念が変化してゆくことを指摘しています。また、 ジョン・クランボルツは、未決定の意義を述べたうえで、進路をイメージできないから何もしないと投げ出すことがないように、計画された偶発性を訴えています。この辺りの内容を学ばないまま、高校教育に携わっている人もいるのが実情です。

バンデューラの理論

バンデューラの自己効力感観察学習(モデリング)は、クルンボルツがそれを取り込んでいるため誤解されやすいですが、バンデューラが開発したものです。

自己効力感は、①達成経験(遂行行動の達成)、②代理体験、③言語的説得、④情動喚起が要素となり形成されています。

例えば、ある高校生が英検2級への挑戦に乗り出せるかどうかは、①去年、英検準2級の取得に成功した、②ライバルの友人が2級を取った、③英語の先生に可能性は十分だと言われた、④英語圏が紹介されるテレビ番組に背中を押された、のような要素があります。

偶然性も実はバンデューラの理論

また、クルンボルツの後年の理論である、計画された偶然性も、実はバンデューラが創始したものです。機会遭遇理論と呼ばれ、出題歴もあります。

バンデューラは、「偶然は予測されずに起こるが、いったん起こると予定されていたことと同じように、通常の連鎖の中に組み込まれて、人間の選択行動に影響を与える」としています。また、結果期待(この努力は報われる)、効力期待(自分はできる)の2つがないと、人は努力を継続できない、とも述べています。

ハリィ・ジェラット|合理的な「意思決定」から、非合理的な「不確実性」へ

ハリィ・ジェラットは、キャリア発達における意思決定をテーマに研究を続け、連続的意思決定プロセスを提唱しています。連続的意思決定プロセスとは、「左脳」を使った合理的なキャリアの決定方法です。これは、職業が安定した時代背景が背景にあります。

しかし、時代が移り変わり不安定さがますと、ジェラットは、積極的不確実性を提唱します。これは、「右脳」による、直感などを取り入れても良いというものです。

安定 スーパー、ホランド過渡期
クランボルツ 学習→偶然
ジェラット 左脳→右脳 
シャイン 外的⇔内的
衰退期 ホール、サビカス、ハンセン

「左脳」による、連続的意思決定プロセス

とりたてて得意のない僕だけど、安定した職に就ける大学に進みたい。

  • 安定した仕事をいくつか探し、データ収集をしてみましょう。
  • それぞれの仕事の将来像を〇〇し、自分の〇〇観と合うか考え、決定しましょう。
  • 決めた1つについて、行動を起こしてみましょう。

👉予測 価値

段階詳細
目的・目標安定した職に就きたい
データ(情報)収集安定した職をいくつか探し出し、調査する。
ストラテジー
重要
予測システム(選択肢ごとに結果を予測)
価値システム(結果を自身の価値観で評価)
決定基準
・地方公務員、教員、薬剤師
・得意がなくても、まんべんなく努力できる資質を生かせ、安定感もあるのはどの職業か。
・大学の費用も考慮して決定。
特徴 探索的(試験的)決定(→データへのフィードバック)最初は教員をめざし、大学見学に行ったが、得意科目がないことがネックと感じた。(再度データ収集)
最終的決定高3進級時に地方公務員に決定した。

ハリィ・ジュエラットは、上のように客観的なキャリア決定を重視しました。

アニメが好きだから声優になるの。将来を予測してみたけど、日本のアニメは世界的な評価高いから有望なんですよ!

ジェラットは、キャリア決定は自分の興味に関連しているからこそ望ましいものに思えてくるという主観的可能性が採用されやすいとし、(晩年より以前は)合理的なデータを重んじることを強調しています。

積極的不確実性

ハリィ・ジュエラットは、後期には積極的不確実性を提唱し、発展的に訂正を行っています。これは、突然の変化や不確実性を受け入れる、非合理的な思考(想像力、直感、柔軟性)も必要だとするものです。

(正誤問題)ジェラットは「左脳」を使った合理的な意思決定の理論を提唱したが、社会情勢や雇用の状況の変化から、「右脳」を使った積極的不確実性へと、理論転換を迫られた。

ヒント:合理的なデータを全否定しているかどうか、考えます。答え:誤り。

エドガー・シャイン|組織・社員シャインの「外的キャリア」だけでなく、「内的キャリア」も提唱

安定 スーパー、ホランド過渡期
クランボルツ 学習→偶然
ジェラット 左脳→右脳 
シャイン 外的⇔内的
現代 ホール、サビカス、ハンセン
Amazon|エドガー・シャイン一覧

エドガー・シャインは、陸軍の研究所で洗脳研究を行ったあと、マサチューセッツ工科大学に移った独自の経歴を持っています。シャインの理論の特徴は、個人だけでなく、組織も成長するという考え方です。

視点説明
発達的視点キャリアは、固定的なマッチングではなく、〇〇と人の相互作用で、組織も人も成長し続けることが前提にあるべきという視点。
ヒント 陸軍という組織の出身であることをイメージすると、覚えやすい。
臨床的視点組織以外の領域でも、個人の状況を考えるという視点。シャイン=組織心理学と捉えると見落としがちな点で、職業状況の過渡期の理論家の特徴を持っています。

👉組織

臨床的視点に関連し、エドガー・シャインは、キャリアは仕事以外の領域も持つと主張しています。これは、スーパーのライフスペース理論に影響を受けています。

  • 仕事・キャリアサイクル
  • 生物学的・社会的サイクル
  • 家族関係サイクル

例えば、DINKS(2収入、子どもなし)というキャリアは、夫婦ともに仕事でのキャリアを育てつつ、「生物学的」には結婚をするものの、従来の「社会的」な家族のイメージとは少し異なるあり方を選び、「家族関係」は夫婦間に絞られるという生き方です。

(正誤問題)シャインは、臨床的視点として、個人が持つ領域には、仕事のほか家族、環境のサイクル存在することを指摘し、個人のキャリアは相互の制約や支援によって醸成されると主張した。

ヒント:仕事ではなく、仕事・キャリア、家族でなく家族関係、環境ではなく、生物学的・社会的です。類似の概念が多く、まぎらわしくなっています。答え:誤り。

エドガー・シャインの仕事・キャリアサイクル(キャリアコーン)

出典:渡辺 三枝子 新版キャリアの心理学(Amazon

シャインは、仕事・キャリアサイクルについて、組織へのエントリー → 正社員(主要な働き手)→ 非指導者→指導者 → 引退というサイクルを提唱しました。

  1. 新入社員は、与えられた職能の周縁部から取り組みます(例:営業部のスタッフ)。
  2. 経験を積み(例:独立した営業マン)、
  3. 階層が上がるにつれ、ほかの職能を経験し(例:総務部など)、
  4. 中心的、統合的な地位を経験します(例:課長)。
  5. 最上位の階層では、全体を見渡す役割となります(例:会社役員)。

水平の移動から、垂直への移動へと編成しますが、全てが関連づけられてキャリアが形成されます。

内的キャリアと外的キャリア

キャリアコーンに示されたのは、職務経歴、実績、地位といった客観的なものからなる外的キャリアです。

これとは別に、個人が心の中に持つ主観的な内的キャリアが存在します。内的キャリアとは、キャリアサイクルと呼ばれる年齢ごとの段階を指します。発達的視点やキャリアアンカーとも結びつけて覚えておくと、整理しやすいです。

  • 外的キャリア = キャリアコーン
  • 内的キャリア = キャリアサイクル … 発達的視点 … キャリアアンカー

キャリアサイクル

①成長、空想、探索(~21歳)
②仕事の世界へのエントリー(16~25歳)
出題歴あり 基本訓練(16~25歳)仕事およびメンバー(=社員)の現実を知って受けるショックに対処など。注意 リアリティショックと呼ばれ、有名なもの。
④キャリア初期(17~30歳)効果的に職務を遂行し、物事がどのように行われるか学び、向上する。助言者、支援者を見つけるなど。
⑤キャリア中期(25歳~)自分自身の意思決定に自信を持つようになる。家庭・自己・仕事へのそれぞれの関心を適切に調整するなど。
重要 キャリア中期の危機(35~45歳)自分の注意 キャリア・アンカーを知り、評価する。現在を受け入れるか、別の未来を選ぶか明確な選択を行う、など。
⑦キャリア後期
⑧衰えと離脱(40歳~引退)配偶者とより親密に暮らす方法を学ぶ。キャリア全体を評価し引退に備える、など。
⑨引退

エドガーシャインのキャリアアンカー

組織内の異動や解雇に出会ったとしても、変わらない軸になるものを、シャインはキャリアアンカーと呼んでいます。何があっても譲れない部分で、船のいかり(アンカー)に例えられます。

  • 〇〇分野(正確には、特定専門分野・職能別コンピタンス)
  • 全般管理(正確には、全般管理コンピタンス)
  • 〇〇・独立 … 組織内にいても、干渉されない自己完結性。
  • 保障・安定
  • 起業家的創造性 … 発明や創造性を重視し、管理や運営は人に任せることがあります。
  • 奉仕、社会献身
  • 純粋な挑戦 … 困難の達成に喜びを感じるため、異業種を渡り歩く場合もある。
  • 生活様式 … ワークライフバランス重視。

👉専門分野、自律・独立

落とし穴 純粋な挑戦とは、日々のひとつひとつの小さな課題に、純粋な気持ちで挑戦すること、ではありません。前人未到の大きなことへの挑戦をさします。ひっかけ問題に注意。

上の項目を、対比的に整理してみます。筆者独自の整理ですので、各種テキストに掲載されているものではありません。

焦点専門分野〇〇管理
分担起業家的創造性自律・独立
安定〇〇〇挑戦保障・安定
人生《私的》生活様式《公的》奉仕・社会貢献

起業家的創造性とは、新しいアイデアを実現するためには、組織内のネットワークを最大限に活用することをいとわないという点で、自律・独立とは異なります。

👉全般、純粋な

(正誤問題)シャインによれば、自身のキャリア・アンカーを現実に理解するのは、一定の職業経験を積んだ、中年期の段階を待つこととなる。

ヒント:シャインは、会社員としてのキャリアを中心に置いていますので、中年期ではなく、「キャリア初期、キャリア中期、キャリア中期の危機、キャリア後期」の用語が使われています。評価する時期は、キャリア中期の危機です。答え:、誤り。

キャリコ
キャリコ

エドガーシャインのキャリアアンカーには、「自律・独立」があります。そのため、ホランドのRIASECのIをIndependence:独立と誤解する場合があります。RIASECのIは何でしたか?

ナンシィ・シュロスバーグと人生上の転機

ナンシィ・シュロスバーグは、人生上の転機(トランジション)への対処法を研究しました。転機の理論は、年齢的な発達段階の移行期に注目することが多いですが、シュロスバーグは、「できごと」に注目したのが特徴です。

(例)就職、昇進、転職、失業、引越、結婚、出産、子の進学、病気、親族の介護、親族の死、希望した会社に就職できない、昇進できない、結婚できない、子どもができない。

  • みなに共通するのが、中年の危機(昇進した、昇進できない、子の進学、親の介護など)
  • 人生途上の共通した発達課題や危機(就職など)

ナンシィ・シュロスバーグの成人の発達を考える際の視点

  • 文脈的、文化的(例:新卒一括採用)
  • 発達的(例:中年の危機)
  • ライフ・スパン
  • 転機(トランジション)

ストレスコーピング(ストレスへの対処)

  • ストレスそのものの解決(問題中心の対処)
  • ストレスによる心のゆがみを解決(情動中心の対処)

トランジション(転機)へのアプローチ

転機の3種類と影響

転機の3種類・予期していた(イベント) 
・予期していなかった (イベント) 
・期待したが起きなかった(ノンイベント)
(注)影響の大きさには個人差があり、①転機の種類や大きさ、②体験能力、③リソースに左右される。
影響・役割がなくなる 
・人間関係の変化 
・日常生活の変化 
・考え方の変化

転機のプロセス

転機の最初の段階は、始まりか終わりである。

終わり
(始まり)
ニュートラルゾーン
・自ら責任を持ち管理(捨てるもの、終わったもの、継続できるものを考える)
・感情体験は捨てなくて良い
・大きな決断には時間をかけて良い 
始まり
(終わり)

頻出 対処のための資源(4つのS)

  • Situation(状況)状況の客観的評価
  • Self(自己)自己の特性や価値観を評価
  • Support 周囲の援助
  • Strategies(戦略)

(正誤問題)シュロスバーグは、転機を乗り越えるためには、Situation(状況)、Self(自己)、Suggestion(仲間からの提案)、Safe(安全)の4Sの点検が必要であるとした。

ヒント:すぐ上を参照。答え:誤り。

キャリコンの筆記試験の選択肢では、シュロスバーグの4Sについて、Supply、Safetyなど無関係なものが引っかけとして使われます。同様に、ハンセンの4Lでも、Learningなど無関係なものが引っかけとして使われます。

キャリコ
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転機の理論者でよく出るのは、シュロスバーグ、ブリッジズ、レビンソンです。「天気しぶれ」と覚えてみてはどうかしら?

  • 天気:転機
  • し:シュロスバーグ → できごと・4S
  • ぶ:ブリッジズ → 3段階
  • れ:レビンソン
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レビンソンは、「ピップエレキバン貼ったらスーパー社員」にも出てきますね。発達理論です。

  • ピップ:ピアジェ → 子ども
  • エ:エリクソン → アイデンティティ・8段階
  • レ:レヴィンソン → 中年
  • キ:キンズバーグ → 青年
  • バン:ハヴィーガスト → 6段階(壮年期)
  • 貼った:発達
  • スーパー → 5段階のライフステージ(確立段階)
  • シャイン → 9段階(基本訓練、キャリア中期)

(  )内は、覚えにくい、またはよく出るもの。レヴィンソンの段階数は複雑、キンズバーグは成年期のみの3段階で覚えなくて良いでしょう。

段階数はよく問われますが、「危機」を含むシャイン(キャリア中期の危機)とエリクソン(中年の危機)は多め。危機を含まない、ハヴィーガスト、スーパーは少な目です。

(注)ブリッジスのトランジション … 「終焉」→「中立圏」→「開始」の3段階。「中立圏」は混乱や苦悩の時期であり、深刻な虚無感を感じるが、重要な空白もしくは休養期間。「何かの終わり」→「ニュートラルゾーン」→「何かの始まり」という表現もある。👉終焉、開始の間に橋(ブリッジ)がかかっているイメージで覚えてみては?

(注)盲点 ニコルソン(過去2回出題) … トランジション・サイクルは、「準備」「遭遇」「順応」「安定化」という4段階が繰り返される。👉ニコルソンは、準備と安定化の間に、橋が2個(ニコ)かかっているイメージで覚えてみては?

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