教育問題

スーパー、ホランドは自分に合う仕事を提唱も、自己発達を強調|キャリコン基礎理論対策#06

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跡継ぎやたまたまが普通だった職業選択。それを大きく変革し、今では当たり前になった自分に合ったキャリア選択を提唱したのが、アメリカのパーソンズ、スーパー、ホランドたちです。それぞれ、特性因子理論、キャリアレインボー、6角形モデル・VPI職業適性検査が有名です。

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このページのまとめ
  • スーパーは、個人にも職業にも因子があり、合致が重要としました。その特定因子論の原型を作った学者は誰ですか?
  • スーパーは、自己概念は、環境からのフィードバックをもとに変化成長し続けるとします。キャリアとは、職業的な自己概念の〇〇と〇〇のプロセスなのです。
  • スーパーは、ライフスパン(時間)とライフスペース(役割)を組み合わせ、キャリアの典型モデルを作りました。何と呼びますか?
  • ホランドの RIASEC の六角形。順に現実(Realistic)、研究(Investigative)、芸術(Artistic)ですが、残りは何ですか?
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丸い釘は丸い穴へ|パーソンズ

ボストン

アメリカ東部の町・ボストンで、恵まれない若者に対し、工場などへの就職指導を行っていたパーソンズが、職業指導運動の元祖です。「丸い釘は丸い穴へ」を提唱し、マッチングを重視する特性因子論の原型となりました。

キャリアカウンセリングの3大潮流は、①職業指導運動、②教育測定運動(IQテストなど各種テスト)、③精神衛生運動(メンタルヘルス)の3つに分類されます。

パーソンズは、合う仕事に就くという流れの原点

家族がそうだった、たまたまそうなったが当たり前だった就業イメージ。パーソンズは、ふさわしい仕事に就くという理論(特性因子論)を提唱しました。

自己理解、仕事理解、推論(自己理解とふさわしい仕事の組み合わせ)の3つの要素が提唱されています。

【パーソンズの功罪】親のあとつぎ、たまたまの紹介。ミスマッチも考えうる就業に風穴を開けたのがパーソンズでした。しかし、現在、高校のキャリア教育では、発達や社会経験が不十分なまま自己理解、職業理解を強いられ、違和感を持つ高校生もいます。

キャリアカウンセリングの祖(父)|スーパー

出典:http://psychologyessence.blogspot.com/

1910年にハワイ州生まれ、ドナルド・E・スーパー(=スーパー)は、キャリアカウンセリングの祖(父)と呼ばれます。YMCAで働き始め、空軍でのカウンセリング経験も持ちます。

1つの理論では不十分が持論で、「差異-発達-社会-現象心理学」と自らの理論を説明しています。自己概念、特性因子論(各自が持っている因子)の統合が、スーパーの理論の特徴です。

キャリア発達の理論的アプローチの14の命題

ドナルド・E・スーパーの理論は、14の命題にまとめられています。

命題要旨当ページ筆者の覚え書き
①パーソナリティ、能力に個人差がある。クライエントの価値観、興味、自己概念、能力に応じたカウンセリングが必要。
②ある1人は、多くの職業への適合性を持つ。クライエントの現職にこだわらず、可能性を探る。
③個々の職業は、求めるパーソナリティ、能力に独自のパターンを持つ。②を裏から述べた内容。一見異なるが似た職業を知る。
④自己概念は、生活や仕事で変化してゆく。重要。筆者は人前で話すのが苦手だったが、予備校講師になった。
⑤自己概念は、成長から解放までのマキシサイクル(ライフステージ)に沿って変化する。
⑥キャリアパターンとは、到達した職業レベルである。親の経済力、本人の能力、教育、性格、機会の有無によって決まる。
⑦ライフステージごとに課される要求への対処はレディネス(準備)で決まる。例えば、アルバイト経験もない状態では、職業に関心を持ち、選ぶことは難しい。
⑧キャリアの成熟は、心理社会的構成概念であり、成長から解放までのライフステージの程度を意味する。
⑨ライフステージの階段を上がるには、能力、興味、対処行動、現実吟味、自己概念などが関わる。
キャリア発達とは、職業的な自己概念の発達と実現のプロセスである。
⑪個人(自己)⇔社会(現実)の統合と妥協は、役割を演じフィードバックを受けるなかで学習される。筆者は、大学生のころサークルの副部長を希望しましたが、かないませんでした。これを通じて、協調性不足を学び、のちに部長職となりました。
⑫満足度は、価値観、欲求、能力、自己概念などを適切に表現する場をどの程度見つけるかで決まる。筆者は、人の役に立つという価値観、組織に縛られたくないという欲求、説明が分かりやすいと言われる能力を生かせる講演講師が、満足度の高い仕事です。
⑬仕事の満足度は、自己概念を具現化できた程度に比例する。(⑫に近い内容)
⑭仕事はたいていの人にとってパーソナリティ構成の焦点となるが、学生、余暇人、家庭人、市民が中心になる人もいる。

アーチモデル

スーパーは、自身の主張の要約として、旅先のアーチ橋をヒントに、アーチモデルを作り上げました。アーチモデルは、生まれや家計が職業を決めていた状況を打破するために、スーパーが自己を要石として、キャリア開拓の道筋を誰にでも分かるように示したものです。

発達と役割自己概念の形成自己★発達と役割自己概念の形成
【達成】【就業】
パーソナリティ社会的要素
興味関心・特殊な才能同僚・労働市場
価値観・才能資質家族・学校・社会
欲求・知性コミュニティ・経済

キャリア自己概念と職業的適合性

ドナルド・E・スーパー(=スーパー)によると、自己概念とは、主観的な自己イメージに、フィードバックをもとにした客観的な自己イメージを統合したものです。自己概念は、キャリア発達を通じて形成されます。

スーパーは、職業的適合性は、能力とパーソナリティを要素に持つと考えました。

能力・適性 … 潜在的なもの。知能(言葉、数、抽象概念)など。
・技量 … 顕在的なもの。学力と熟練度。
パーソナリティ・適応 … 生活環境に適応するための行動傾向(欲求、人格特性)
・価値観
・興味
・態度

例えば、高校の先生の職業適合性は、以下のようになります。

  • ①能力 … 教科に関する技量(=教員免許)
  • ②パーソナリティ … 適応(人格特性)の面では、面倒見や協調性

スーパーのライフキャリアレインボー|役割があると人生が豊かになる

写真左写真右
労働者家庭人
それとも散歩中の趣味人?、集会へ向かう地域人?

ライフスペース(役割)

ライフスペース(役割)は、家庭、学校、働く場、地域社会に存在する役割です。スペースとありますが場所ではなく、占める役割を意味します。

  • 子ども
  • 学生
  • 労働者
  • 余暇人
  • 家庭人(独身、家族問わず)

ライフスパン(時間)

ライフスパンは人生の階段のようなものです。階段を上る一連の流れを、マキシサイクルと呼びます。次の期へ移るときの行きつ戻りつのループ状の動きを、ミニサイクルと呼びます。階段を上るのがマキシサイクル、踊り場での逡巡がミニサイクルと例えられます。

  • 成長期 0歳~ 家族や憧れの人物との同一視で発達。
  • 探索期 15歳~ さまざまな役割や自己探求をしつつ、職業を探す。
  • 確立期 25歳~ 職業での自立をめざして努力。
  • 維持期 45歳~ 職業で得た地位を守ることが主眼。
  • 解放期 65歳~ 職業活動は縮小し、ほかの役割を探す。

ライフキャリアレインボー

mindtools.com

スーパーは、人生のライフスパン(時間)とライフスペース(役割)を虹のような図で示し、役割が充実するほど人生が豊かになると説明しています。

図では、子どもの役割が0歳から70歳近くまで続いています。これは、両親が亡くなるまでは、成人しても子の役割が続くことを示します。一方、学生の役割は25歳までには終えますが、定年付近で復学する人が多いことを示しています。

ホランドの RIASEC の六角形

出典:http://www.koyoerc.or.jp/assets/files/349/07.pdf

アメリカの心理学者、ジョン・L・ホランド(=ホランド)は、個人と環境の交互作用(=PE理論)に重きを置いたことが特徴です。

VPI職業適性検査

日本でもVPI職業適性検査(ピンク色の紙の検査用紙)で知られています。ホランドは、人と環境の交互作用の結果を6つのパーソナリティに分け、六角形モデルを作りました。

Theorizing the Labour Market

RIASECの順に配置された6角形は、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的と訳すことができ、隣同士は関連性があることが特色です。3つの要素の組み合わせで示すことが普通で、スリーレターコードと言います。

R(現実的)機械や物を対象とする実際的な仕事(例:大工、調理師)
I(研究的)研究や調査などの仕事(例:大学教授、製薬会社の研究員)
A(芸術的)音楽、美術、文芸などのほか創意工夫を要する仕事。
S(社会的)人に接したり奉仕したりする仕事(例:教育、医療、福祉)
E(企業的)企画、組織運営、経営(例:企画職、フリーランス)
C(慣習的)定まった方式や規則(例:銀行員、医療事務)

筆者は自己診断ではSIA(社会・研究・芸術)型でしたが、実際にVPI職業適性検査を行ったところ、SEA(社会・企業・芸術)型でした。このことから自己認識では、研究というよりは、企画・経営に適性があることがわかりました。

六角形モデルには、次のような考え方があります。

  • 一貫性 … 3レターコードが隣り合っている場合は、適した環境との適合性が高い。
  • 分化・未分化 … パーソナリティごとの数値にメリハリがある場合は分化と呼ぶ。全て低い、全て高いは未分化。
  • 同一性 … 自己理解との一致。
  • 一致度 … 環境との一致。
  • 凝集性 … 隣り合わせのものは近く、遠ければ遠い。

パーソナリティタイプの発達

6つのパーソナリティ(RIASEC)は、環境との交互作用や人間の成長により、変化してゆくことが普通です。

人間環境
(生得的な資質)
諸活動
諸興味
諸能力
諸傾向(生活傾向)

ウィリアムソン

ウィリアムソンの特性因子理論は、人の持っている特性、特徴は正確に測定でき、環境との組み合わせや合致度を検討できるとするものです。人と環境のマッチングを重視します。

  • 特性因子 … 知性、性格、興味、価値観。時間や場所に関わりないもの。

因子、環境のいずれか、または両方を変えることが解決策となるとします。

カウンセリングの5つのステップ

  1. 分析 … 主観的、客観的にクライエントの情報を集める。
  2. 統合 … 情報を整理し、問題を明確にする。
  3. 診断 … 問題の原因を特定する。
  4. カウンセリング … 選択可能な行動や対応を示す。
  5. フォロー … 結果の確認とサポート。

キンズバーグ

職業発達理論(職業選択理論)

  • 訂正前 試行期・青年期(11~17歳)を中心にキャリアは決まってゆく。
  • 訂正後 生涯を通じて変わる(アメリカ社会の変化が背景)
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