教育問題

スーパー(レインボー)、ホーランド(六角形モデル)のキャリア理論を分かりやすく #06

更新日:


キャリア理論は、心理的なカウンセリング理論をベースに、アメリカでスーパー、ホランド、パーソンズらが創始しました。それぞれ、キャリアレインボー、6角形モデル、特性因子理論が有名です。

前回今回次回
#05 包括的アプローチ(マイクロ、発達理論、ナラティブ、アサーション)を分かりやすく#06 スーパー(キャリアレインボー)、ホーランド(六角形)のキャリア理論を分かりやすく クルンボルツ、シャイン、シュロスバーグら現代的キャリア理論を分かりやすく #07

キャリアカウンセリングの歴史

キャリアカウンセリングの3大潮流は、職業指導運動、教育測定運動(IQテストなど各種テスト)、精神衛生運動(メンタルヘルス)の3つに分類されます。

アメリカのボストンで、恵まれない若者に対し、工場などへの就職指導を行っていたパーソンズが、職業指導運動の元祖です。「丸い釘は丸い穴へ」を提唱し、マッチングを重視する特性因子論の原型となりました。


【動画】人気ユーチューバーからの受験生応援メッセージ



受験ネットから進呈

パーソンズは、合う仕事に就くという流れの原点

家族がそうだった、たまたまそうなったが当たり前だった就業に、ふさわしい仕事に就くという理論(特性因子論)を提唱しました。

自己理解、仕事理解、推論(自己理解とふさわしい仕事の組み合わせ)の3つの要素が提唱されています。

スーパーは、キャリアカウンセリングの祖(父)

スーパー … キャリアカウンセリングの祖(父)。空軍でのカウンセリング経験がある。1つの理論では不十分が持論で、差異-発達-社会-現象心理学と自らの理論を説明。自己概念、特性因子論(各自が持っている因子)の統合が特徴。

キャリア発達の理論的アプローチの14の命題(知っておくべき事実)

  • ①パーソナリティ、能力に個人差がある。
  • ②ある1人は、多くの職業への適合性を持つ。
  • ③個々の職業は、求めるパーソナリティ、能力に独自のパターンを持つ。
  • ④自己概念は、生活や仕事で変化してゆく。
  • ⑤自己概念は、成長から解放までのマキシサイクル(ライフステージ)に沿って変化する。
  • (⑥~⑨ほか割愛)
  • キャリア発達とは、職業的な自己概念の発達と実現のプロセスである。
  • ⑬仕事の満足度は、自己概念を具現化できた程度に比例する。

キャリア自己概念(職業的自己概念)

自己概念とは、主観的な自己イメージに、客観的な自己イメージを統合したものです。自己概念は、キャリア発達を通じて形成されます。

スーパーは、職業適合性は、能力とパーソナリティを要素に持つと考えました。

能力・適性 … 潜在的なもの。知能(言葉、数、抽象概念)など。
・技量 … 顕在的なもの。学力と熟練度。
パーソナリティ・適応 … 欲求と人格特性
・価値観
・興味
・態度

例えば、高校の国語の先生の職業適合性は、言葉に関する知能、国語の学力(教員免許)、生徒の年代と対等に接する人格、協調性などです。

役割があると人生が豊かになる(キャリアレインボー)

mindtools.com

スーパーは、人生のライフスパン(時間)とライフスペース(役割)を虹のような図で示し、役割が充実するほど人生が豊かになると説明しています。

図では、子どもの役割が0歳から70歳近くまで続いています。これは、両親が亡くなるまでは、成人しても子の役割が続くことを示します。一方、学生の役割は25歳までには終えますが、定年付近で復学する人が多いことを示しています。

ライフスペース

ライフスペース(役割)には、子ども、学生、労働者、余暇人、家庭人(独身、家族問わず)などがあります。家庭、学校、地域社会、働く場にそれらの役割が存在します。

ライフスパン

  • 成長期 0歳~ 家族や憧れの人物との同一視で発達。
  • 探索期 15歳~ さまざまな役割や自己探求をしつつ、職業を探す。
  • 確立期 25歳~ 職業での自立をめざして努力。
  • 維持期 45歳~ 職業で得た地位を守ることが主眼。
  • 解放期 65歳~ 職業活動は縮小し、ほかの役割を探す。

上の一連の流れをマキシサイクルと呼び、次の期へ移るときの行きつ戻りつのループ状の動きをミニサイクルと呼びます。

アーチモデル

スーパーは、自身の主張の要約として、旅先のアーチ橋をヒントに、アーチモデルを作り上げています。アーチモデルは、生まれや家計が職業を決めていた状況を打破するために、スーパーが自己を要石として、キャリア開拓の道筋を誰にでも分かるように示したものです。

アーチモデルの概要

発達と役割自己概念自己発達と役割自己概念
パーソナリティ社会的要素
興味関心|特殊な才能同僚|労働市場
価値観|才能資質家族|学校|社会
欲求|知性コミュニティ|経済

ホランドの理論

ジョン・ホランドは、日本でもVPI職業適性検査(ピンク色の紙の検査用紙)で知られています。自身で類型論的‐交互作用理論と説明し、個人と環境の交互作用(=PE理論)に重きを置いたことが特徴です。

ホランドは、人と環境の交互作用の結果を6つのパーソナリティに分け、六角形モデルを作りました。

Theorizing the Labour Market

RIASECの順に配置された6角形は、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的と訳すことができ、隣同士は関連性があることが特色です。3つの要素の組み合わせで示すことが普通で、3レターコードと言います。当記事の筆者の場合、IASと表されます。

I(研究的)独自研究で、受験ネットなどいくつかのブログを運営しています。
A(芸術的)会社に属さず独立し、自己裁量の形で仕事をしています。
S(社会的)高等学校などでの講演を、年間を通じて引き受けています。

六角形モデルには、次のような考え方があります。

  • 一貫性  … 3レターコードが隣り合っている場合は、適した環境との適合性が高い。
  • 分化・未分化 … パーソナリティごとの数値にメリハリがある場合は分化と呼ぶ。全て低い、全て高いは未分化。
  • 同一性 … 自己理解との一致。
  • 一致度 … 環境との一致。
  • 凝集性 … 隣り合わせのものは近く、遠ければ遠い。

パーソナリティタイプの発達

パーソナリティタイプは、環境との交互作用や人間の成長により、変化してゆくことが普通です。

人間環境
(生得的な資質)
諸活動
諸興味
諸能力
諸傾向(生活傾向)

ウィリアムソン

ウィリアムソンの特性因子理論は、人の持っている特性・特徴は正確に測定でき、環境との組み合わせや合致度を検討できるとするものです。人と環境のマッチングを重視します。

  • 特性因子 … 知性、性格、興味、価値観。時間や場所に関わりないもの。

因子、環境のいずれか、または両方を変えることが解決策となるとします。

カウンセリングの5つのステップ

  1. 分析 … 主観的、客観的にクライエントの情報を集める。
  2. 統合 … 情報を整理し、問題を明確にする。
  3. 診断 … 問題の原因を特定する。
  4. カウンセリング … 選択可能な行動や対応を示す。
  5. フォロー … 結果の確認とサポート。

キンズバーグ

職業発達理論(職業選択理論)

  • 訂正前 試行期・青年期(11~17歳)を中心にキャリアは決まってゆく。
  • 訂正後 生涯を通じて変わる(アメリカ社会の変化が背景)
前回今回次回
#05 包括的アプローチ(マイクロ、発達理論、ナラティブ、アサーション)を分かりやすく#06 スーパー(キャリアレインボー)、ホーランド(六角形)のキャリア理論を分かりやすく クルンボルツ、シャイン、シュロスバーグら現代的キャリア理論を分かりやすく #07

【実体験】キャリアコンサルタント 参考書・問題集の選び方

【実体験】キャリアコンサルタントの学校の選び方


関連コンテンツとスポンサーリンク


受験ネットから進呈

-教育問題

Copyright© 受験ネット , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.