社会学部と法学部で迷っている方や、違いを知りたい方のためのページです。学ぶ内容、就職先などから比較します。
・
学ぶ内容 社会学部と法学部
大学のパンフレットやWebサイトの「学部概要説明」は、内容が難しいことが多いです。学部を知るためには、ゼミ(研究室)、卒論を調べます。
Google検索で、「社会学部 ゼミ」「社会学部 卒論」のように調べます。志望校が決まっている方は、大学名もつけてみてください。
ゼミは、大学のグループ学習(高校でいう、総合的な探究のようなもの)で、学部の教授等が主催するため、学部の内容が具体的に、表現されています。卒論(ゼミ生の論文)も同様です。
法学部のゼミの例(法政大学)
・民法最新判例研究
・刑法の現代的諸問題
・労働法の主要問題に関する検討
・戦争の問題を軸にジェンダー、クラス、エスニシティなどを考える
・日ロ関係論
法学部生は、六法全書が必須アイテム。『六法全書』が学びの中心。長い歴史があり、学問として完成しているため、自由な発想を生かしたい方には向きません。一方で。社会問題に関心があり、法という確かな尺度で考えてみたいという方には向きます。
法学部の中には、政治学科や、国際政治学科などが含まれていることがあります。テレビのニュースや、ニュース週刊誌に関心が高い方に合っています。
社会部のゼミの例(明治学院大学社会学部社会学科)
・テレビ広告とSNS広告における購買効果と役割の比較
・地下アイドル文化論 ー 男女ファンの差異に注目して ー
・地方創生におけるゲストハウスの有用性 ー 長野県長野市善光寺門前エリアの分析 ー
・ピアノ業界の未来像
社会学部は、法学部と正反対の自由度が高い学部です。法学部や経済学部が扱わない、学際的(学問のすきま的)テーマを扱ったり、両方の視点を総合して扱ったりも可能です。
社会学部が合うのは、学部や将来像が決まらず、困っている人です。特定の領域を強いられることはないため、ミスマッチが発生しにくいのが特徴です。強いて言えば、学問としての歴史や研究手法にやや不安定な面はあるかも知れません。
(ゼミ一覧や卒論例を掲載していない大学もあります)
ゼミや卒論調べで、学部の具体像が分かってきたあとに、概要説明を読むと、分かりやすいです。
法学部とは?
・法学は生活全般に関わる法律の成り立ちや解釈を学び、社会の問題に対する合理的な解決策を探る学問。
・六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)、行政法、労働法、国際法などの条文の解釈や、その法律がどのように運用されているのかを学ぶ。
社会学部とは?
・社会のなかでの個人の行為、集団の持つ特性、他者とのコミュニケーションなどに一定の法則性を見出して、社会の仕組みや働きを解明する学問。
・研究対象は広く、社会学的な視点で研究できるものであれば何でも対象とすることができる。
・家族社会学、芸術社会学、法社会学、都市社会学、宗教社会学、教育社会学、スポーツ社会学など、テーマの自由度は高い。
就職先 社会学部と法学部
学部を調べるさいに、就職先を見るのは、決して間違いではありません。
青山学院大学法学部のおもな就職先
全日本空輸
日本航空
三井住友信託銀行
みずほフィナンシャルグループ
大塚商会
東京都庁
野村証券
三井住友海上火災保健
しかし、例えば全日空やみずほ銀行は、青山学院大学の場合、経済学部、経営学部などからも就職は可能です。つまり、文系学部を選ぶ際に、就職先一覧を見ることは、必ずしも正しいとは言えません。
※福祉、情報、観光など、専門領域の狭い文系を除く。
文系学部に進学すれば分かりますが、幅広い民間企業を視野に入れている学生が大半です。
同時に、資格によっては、特定の学部と相性が良い場合もありますが、公務員や教員など、国家資格や公的な採用試験を目指すなら、必ずしも学部の問題ではありません。なかには、法学部で知的財産権に絞って学び、知的財産権関係の会社へというような学生もいますが、やや少数派と言えます。
このように、学部別の就職先は、学部決定の決定打とはなりづらいことも多いのです。
※ただし、弁護士なら法学部での履修が基本です。司法書士、行政書士は、大学の講義の全てが資格に関係している訳ではないですが、専門科目やゼミ選びで関連づけることも可能で、仲間が得やすいという点で法学部のメリットもあるでしょう。公務員については、法学部の講義内容は、資格対策ではないため注意が必要ですが、日々法に触れるため、モチベーションにはなるでしょう。
結論としては、学部に密接に結びついた国家資格をめざす場合や、特定領域の企業をめざす場合は、学部生の就職先は重要です。それ以外の場合は、学ぶ内容を重視して決めても良いでしょう。
困ったら、コメント欄でご相談ください。後半、「大学のブランドイメージや愛着度も加味」に続きます。
とくに高3生の場合 大学のブランドイメージや愛着度も加味
高3生の場合、学部での学習内容だけなく、大学のブランドや、自分自身の愛着度も考慮します。
例えば、A大学の経営学部と、B大学の商学部で迷い、後からふりかえると商学部の方が良かったというケースでも、A大学への愛着が深ければ、モチベーションや就活の成功度は変わりません。
大学で選ぶ場合には、もともと持っているイメージも重要ですが、必ず現地を見て、周囲の環境、キャンパスの規模感、活気、学生像を調べておくのがおすすめです。
困ったら、コメント欄でご相談ください。
コメント