1問で5問分の価値があるのが、予備校でいう「良問」。このページでは、助動詞の基本(意味・接続・活用表)を20問、おなじみの百人一首から採用。さらに、識別の良問7問も公開します!
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- まず接続・意味・活用を覚えてから問題を解け!!
- 練習問題【1】助動詞の意味を答える3問
- 練習問題【2】助動詞の意味を答える3問
- 練習問題【3】助動詞の活用形を答える3問
- 練習問題【4】助動詞の活用形を答える3問
- 練習問題【5】助動詞の接続を答える3問
- 練習問題【6】助動詞の接続を答える3問
- 練習問題【7】助動詞の基本をまとめる総合問題2問
- 助動詞の基本20問 全リスト
- 応用問題【1】「なり」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【2】「む」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【3】「に」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【4】「る」「れ」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【5】「ぬ」「ね」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【6】「らむ」の識別 すごい問題1発!
- 応用問題【7】「なむ」の識別 すごい問題1発!
まず接続・意味・活用を覚えてから問題を解け!!
古文文法に自信がない方は、下のページをちらっと見てからがおすすめですよ。
ページは、古文のページのあとに続きます。
練習問題【1】助動詞の意味を答える3問
助動詞の意味の問題は、わずか6問です。百人一首は、学べる要素が推いので、音読したり、疑問を持ったところを研究すると力がつきます!
赤字の助動詞の意味を答えなさい。
①みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ
②陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし我ならなくに
③山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
【正解】(最初は左側でもOK。入試までに「…」の右側の答え方をめざそう)
①過去 …直接体験の過去
②過去 …直接体験の過去
ヒント 「ず・き」の活用だけは丸暗記が必要です。「き」は、「せ・○・き・し・しか・○」です。
③完了
ヒント と・とての前は終止形ですので、完了の助動詞です。完了の助動詞は「つ・ぬ・たり・り」です。
練習問題【2】助動詞の意味を答える3問
赤字の助動詞の意味を答えなさい。
①瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
②逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし
③難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
【正解】(最初は左側でもOK。入試までに「…」の右側の答え方をめざそう)
①推量 …意志
ヒント 推量の助動詞の基本は3つ。最初は、む=will、べし=should、まし=wouldと押さえれば十分です。慣れてきたら、む=「スイカデカエ」=推量・意志・勧誘・適当・仮定・婉曲、を覚えます。
②打消
ヒント 「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」が事本法則ですが、助動詞が後に続く場合のみ「ラ変型」となります。
③完了 …強意(確述)
ヒント 「る・らる・す・さす・しむ・つ は下二段」の法則から「て・て・つ・つる・つれ・てよ」を引き出します。終止形が「つ」になることから、完了の助動詞は「つ・ぬ・たり・り」を思い出します。
練習問題【3】助動詞の活用形を答える3問
助動詞の活用形の問題は、わずか6問です。百人一首は、学べる要素が推いので、音読したり、疑問を持ったところを研究すると力がつきます!
赤字の助動詞の活用形(例:連用形)を答えなさい。
①花の色は移りにけりないたずらに わが身世にふるながめせし間に
②これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関
③住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ
【正解】
①連体形
ヒント 「ず・き」の活用表だけは丸暗記が必要です。「き」は「せ・○・き・し・しか・○」。丸暗記していないと、「し」や「しか」を見て、「き」を思いつくことは難しいです。
②連体形
ヒント 「ず」は「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」ですので、連体形です。また、「知る人も知らない人も」の意味となり、知らぬ(人)と補えます。「人」は、名詞(体言の一種)ですので連体形です。
③終止形
ヒント 文末は基本的には終止形です(係り結びを除く)。「と、とて」の前も文末となることを覚えておくと、得点力がつきます。
練習問題【4】助動詞の活用形を答える3問
赤字の助動詞の活用形(例:連用形)を答えなさい。
①難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
②山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
③あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
【正解】
①命令形
ヒント 「てよ」をア行に直すと「えよ」。下二段型(え・え・う・うる・うれ・えよ)が怪しいと気づけるかが勝負。この助動詞は完了の「つ」です。ただし、入試までには「強意(確述)」と判断できることが必要です。
②連体形
ヒント ラ変型(ら・り・り・る・れ・れ)が怪しいと気づけるかが勝負。この助動詞は過去の「けり」です。ただし、入試までには「詠嘆」と判断できることが必要です。
③連体形
ヒント 語尾が「む」の助動詞は、四段型(あ・い・う・う・え・え)。この法則から「む」は終止形か連体形と分かります。あらざらむ→世、この→世 のように、名詞(体言の1種)にかかっているため連体形と決まります。
練習問題【5】助動詞の接続を答える3問
助動詞の接続の問題は、わずか6問です。百人一首はとにかく得るものが多め。1首の研究で、10問分くらいの力がつきます。
後続の助動詞の接続をヒントに、赤字の助動詞の活用形(例:連用形)を答えなさい。
①花の色は移りにけりないたずらに わが身世にふるながめせし間に
②山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
③恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
【正解】
①連用形
ヒント 連用形接続の助動詞「つ・ぬ・たり・けり・たし・たし・き・けむ」は、歌で覚えることができます。
②連用形
ヒント 文末やと・とての前は終止形です。「ぬ」は終止形ですので、打消でなく完了の助動詞となり、連用形接続とわかります。
③連用形
ヒント 「けり」は連用形接続なので、「に」は連用形です。「ナ変 … な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」より、完了の助動詞と分かります。よって、直前は連用形です。
練習問題【6】助動詞の接続を答える3問
後続の助動詞の接続をヒントに、赤字の助動詞の活用形(例:連用形)を答えなさい。
①心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
②大江山いく野の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立
③みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ
【正解】
①未然形
ヒント 「る」はラ変型(ら・り・り・る・れ・れ)の活用をしているのではないかと予想します。すると「る」は連体形となり、白菊(名詞=体言の一種)の前にあることは、つじつまが合います。「る」の正体は、完了の助動詞「り」と分かります。「り」は、このサイトでは「未然形接続」として処理していますが、正確には、サ変未然・四段命令形に接続詞します(「さみしめリカちゃん」と暗記)。「まどはす」はサ変ですので、未然形です。
②未然形
ヒント 「ず」は未然形接続です。
③連用形
ヒント 連用形接続は「つ・ぬ・たり・けり・たし・たし・き・けむ」。上のボタンで、歌による覚え方を確認してみましょう。
練習問題【7】助動詞の基本をまとめる総合問題2問
「来」の読み方を答え、なぜそうなるのか説明しなさい。
①来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
【正解】
助動詞「ぬ」は、体言「人」に接続するため連体形である。「ぬ」が連体形になるのは、完了の助動詞でなく、「ず・ず・ず・ぬ・ね・〇」と活用する打消の助動詞「ず」である。つぎに「ず」の接続は未然形である。「来」はカ変動詞であるため、未然形の読みは「こ」となる。よって「こ」と読む。
活用表や接続を組み合わせることで、どんな問題でも解けますね!
助動詞をすべて抜き出し、文法的に説明しなさい。文法的説明とは、例えば「打消の助動詞『ず』の終止形」のように、「[意味]の助動詞[その助動詞の終止形]の[活用形]」という説明のことです。
②恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
この問題は、無料添削しますので、いちばん下のコメント欄にお書きください。匿名(イニシャル)で構いません。(2021年1月から期間限定)
書き方(例)
・ぬ … 打消の助動詞「ず」の連体形
・けり … 過去の助動詞「けり」の終止形
助動詞の基本20問 全リスト
基本20問は、実は百人一首から文法的重要なベスト20です。百人一首は、すべてを暗記するのが古文上達の近道ですが、100首では多いという方のためのベスト20でもあります。毎日音読するだけで、脳に古文の基礎ができますので、ぜひ挑戦してみてください。
助動詞の意味を答える6問
①みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ
②陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし我ならなくに
③山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
④瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ
⑤逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし
⑥難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
助動詞の活用形を答える6問
①花の色は移りにけりないたずらに わが身世にふるながめせし間に
②これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬもあふ坂の関
③住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ
④難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや
⑤山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
⑥あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな
助動詞の接続をヒントに活用形を答える6問
①花の色は移りにけりないたずらに わが身世にふるながめせし間に
②山里は冬ぞさびしさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
③恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
④心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
⑤大江山いく野の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立
⑥みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ
総合問題2問
①来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
②恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか
応用問題【1】「なり」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
笛吹きすまし過ぎぬなるは、いとをかしげなり。すずろに過ぎぬるなりけりとて、みな人寝ずなりぬ。
[口語訳](姿は見えないが男が)笛を澄んだ音色で吹き、過ぎ去ったようなのは、とても趣深い。「期待もむなしく、過ぎ去ってしまったことだなあ」と、みな眠れなくなってしまった。
過ぎぬなる … 伝聞・推定(👉推定)。完了の助動詞「ぬ」の終止形につくため伝聞・推定の助動詞。
をかしげなり … 形容動詞(👉形容動詞の活用語尾)。「状態・性質+なり」のため形容動詞。
過ぎぬるなり … 断定。完了の助動詞「ぬ」の連体形につくため断定の助動詞。
寝ずなりぬ … 動詞(👉ラ行四段動詞)寝なくなるの意味から、動詞。ず+なる は、やや引っかかりやすい。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
応用問題【2】「む」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
犬こそ飼はめと言ひしかど、「犬飼はむはうきに、猫こそ飼はめ」とて飼はむ猫求めむ。
(口語訳)犬を飼ったらどうかと言ったのだが、「もし犬を飼うと(なついて)わずらわしいので、猫を飼うつもりだ」と言って、(言った相手は)飼うような猫を探すようだ。
犬こそ飼はめ … 勧誘(または適当)。「しか」は直接体験の過去ですので、筆者の体験談となります。筆者が相手に言った内容ですので、飼うのは相手。つまり「あなた」が主語ですので、勧誘か適当です。勧誘「~したらどうか」適当「~するのがよい」は、訳が出にくいので暗記がおすすめ。
犬飼はむ … 仮定。文中にあるためカエ(仮定・婉曲)です。文脈から「もし犬を飼うとしたら」と取れますので、仮定です。
猫こそ飼はめ … 意志。主語が自分自身ですので、意志です。
飼はむ猫 … 婉曲。文中にあるためカエ(仮定・婉曲)です。文脈から仮定とは取れませんので、婉曲。婉曲=「ような」と訳すか「訳さない」は覚えておくと便利。
求めむ … 推量。3人称(=私、あなた以外)が主語ですので、推量です。
応用問題【3】「に」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
あるやしろにすずろにゆきいたりにけり。霊験たしかなるにこそ、神仏にいのるに、まさに死にゆかむ。
(口語訳)ある神社にあてもなく行きついたのだった。ご利益は確かなようであるが、神様に祈るのものの、いまにも死にそうである。
あるやしろに … 格助詞。「やしろに行く」(go to やしろ)のように前置詞のイメージのため格助詞です。
すずろに … 形容動詞(👉形容動詞の活用語尾)。すずろは「制御外・想定外」という状態を表します。形容動詞の活用語尾です。
ゆきいたりにけり。… 完了。にき・にけりの「に」は完了より、完了の助動詞です。
霊験たしかなるにこそ、… 断定。にこそあらめの省略。にありの「に」は断定より、断定の助動詞です。
神仏に … 格助詞。「神仏に」(pray to 神仏)のように前置詞のイメージのため格助詞です。
いのるに、… 接続助詞。読点の前であることをヒントに、接続助詞と判断します。
まさに … 副詞(👉副詞の一部)。副詞であることを知らなくても、まさなり、まさに……は変ですので副詞の一部です。
死にゆかむ。… 動詞(👉ナ変型活用動詞)死ぬ・往ぬ・去ぬはナ変ですので、ナ変動詞の活用語尾です。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
応用問題【4】「る」「れ」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
いと思ひのほかなる人のいへれば、人々あやしがるに、みな都しのばる。
(口語訳)まったく思いがけない人が(船旅の終わりを喜ぶ上手な和歌を)言ったので、人々は不思議がるが、みな自然と都が思い出される。
ほかなる人 … 断定(👉存在)。体言のあとのため、断定の助動詞「なり」の連体形が候補ですが、ここでは存在の意味となります。
いへれば … 完了。e段+らりるれ に当てはまるため、完了の助動詞「り」の已然形です。
人々あやしがるに … 動詞(👉ラ行四段動詞の活用語尾)。動詞「あやしがる」の一部です。
都しのばる … 自発・可能・受身・尊敬(👉自発)。e段+らりるれ に当てはまらない助動詞のため、自発・可能・受身・尊敬の「る」ですが、ここでは自発です。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
応用問題【5】「ぬ」「ね」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
波やまねば、同じ所にあるも、あしたは風も吹きぬべし。いまはいぬべし。
[口語訳]もし波が止まなければ、舟は同じところから動かないのだが、翌朝にはきっとよい風も吹くに違いない。いまは寝ていなさい。
波やまねば … 打消。四段動詞の未然形につくため、打消の助動詞。
風も吹きぬべし … 完了(👉強意または確述)。四段動詞の連用形につくため、完了の助動詞。正確には、強意または確述。
いまはいね … 動詞(👉ナ行下二段動詞)動詞「寝ぬ」の終止形。なお、ナ変動詞「往ぬ・去ぬ」では、文脈的な意味が合わない(船から立ち去ったら、溺れてしまう)。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
応用問題【6】「らむ」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
「憶良らは今は罷らむ子泣くらむ」といらへらむはそらごとならむ。
[口語訳]「憶良めは、そろそろおいとまするつもりだ。(我が家で)子が泣いているだろう」と答えたようなことは、噓であるようだ。
今は罷らむ … 動詞+意志(👉ラ行四段動詞の活用語尾+意志)。「罷る」は1語の動詞のため、四段動詞「罷る」の活用語尾+意志の助動詞「む」の終止形。推量「む」は、主語が1人称の場合、意志が原則。
子泣くらむ … 現在推量。終止形接続のため、現在推量の助動詞「らむ」の終止形。子は目の前にいないので、現在推量でよい。
いらへらむは … 完了+婉曲。「いらへ」は連用形のため、完了の助動詞「り」の未然形+婉曲の助動詞「む」の連体形。推量「む」は、文中にある場合、仮定か婉曲が原則。文脈判断で婉曲(~ようなと訳すか訳さない)。
そらごとならむ … 断定+推量。「なり」は1語の助動詞のため、断定の助動詞「なり」の一部+推量の助動詞「む」の終止形。推量「む」は、主語が3人称(私、あなた以外)の場合、推量が原則。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
応用問題【7】「なむ」の識別 すごい問題1発!
「すごい問題」は、助動詞の識別のポイントが全て盛り込まれた、まさにすごい問題です。1問で10問分の価値があります!
赤字について、助動詞なら意味を答え、そうでないなら品詞名を答えなさい。
法師の「髪長くならなむと念せば、長くなりなむ」となむ。
[口語訳]法師は「髪が長くなってほしいと祈れば、きっと長くなるだろう」と言うのだ。
髪長くならなむ … 終助詞。「なら(成ら)」は、四段動詞の未然形ですので、他者への願望の終助詞となります。
長くなりなむ … 完了+推量(👉強意or確述+推量)「なり(成り)」は、四段動詞の連用形ですので「な」は、完了ですが、推量系とセット(連語)になっているため、強意(確述)で決まり。「む」は、髪が主語で3人称(=私、あなた以外)ですので、推量で決まりです。
法師の「……」となむ。 … 係助詞。「なむ」で唐突に終わっているため、係り結びの結びの省略と考えられ、強意の係助詞「なむ」となります。省略語は、言ふ・言ひけるなど、文脈判断。
※入試までには、👉の内容を答えられることをめざす。
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