【随想】無料で学ぶ古文文法&読解問題

   

古文問題演習シリーズの随想です。受験勉強のほか、定期試験対策にもご利用ください。

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【随想】古文文法&読解問題 収録内容

仏教

古文の随想は、エッセイとも呼ばれ、現在ではアメーバブログなどでよく見かける、日常生活で感じたことを、素直に書き記したものです。芸能人や女性の筆者が目立ちます。もし、平安時代にアメーバブログがあったとしたら、ちょっと覗いてみたいと思いませんか?千年ほど前の人が感じたことを、いますぐ簡単に読むことができるのが、随想の特徴です。

※なお、時代は平安期とは限りません。

徒然草・仁和寺にある法師
徒然草・をりふしの移り変はるこそ
徒然草・九月二十日のころ
徒然草・心なしと見ゆる者も
徒然草・さしたることなくて
徒然草・世に語り伝ふること
方丈記・ゆく河の流れ
方丈記・安元の大火
枕草子・二月つごもりごろに
枕草子・雪のいと高う降りたるを
枕草子・中納言参り給ひて
枕草子・村上の先帝の御時に
枕草子・すさまじきもの

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受験ネットから進呈

古文文法について

古文文法が難しく感じる場合、以下の記事をお読みください。

古文文法の勉強法 たった5つのポイント!~入門編~

解答について

無料で学ぶ古文文法&読解問題の正解は、以下のページからご請求ください。

http://xn--uor874n.net/ochinai-report-1711

徒然草・仁和寺にある法師

十五 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・仁和寺にある法師)

仁和寺にある法師、年寄るまで、石(いは)清水(しみず)を拝ま【 A 】ければ、ア心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、ただひとり、B徒歩よりまうでけり。極楽寺・高良(かうら)などを拝みて、イかばかりと心得て帰り①にけり。さて、ウかたへの人にあひて、「エ年頃思ひ②つること、果し侍り③ぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そもオ参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かあり④けんカゆかしかりしかど、神へ参るこそC本意なれと思ひて、山までは見ず」とぞ言ひける。

すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり。

 

設問

問一 傍線部①~④の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問二 空欄Aに、助動詞「ず」を活用させて入れなさい。

問三 傍線部B、Cの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。

問四 二重傍線部ア、ウ、エ、カを現代語に訳しなさい。

問五 二重傍線部イとあるが、何が「かばかり」なのか説明しなさい。

問六 二重傍線部オとあるが、なぜ皆山に登っていたのか、説明しなさい。

徒然草・をりふしの移り変はるこそ

十六 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・をりふしの移り変はるこそ)

折節の移りかはるこそ、ものごとにあはれⅠなれ

「もののあはれは秋こそまされ」と、人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、今ひときは心も浮きたつものは、α春の気色にこそあめれ。鳥の声などもことの外に春めきて、のどやかⅡなる日影に、垣根の草もえいづるころより、やや春ふかく( A )わたりて、花もやうやうけしきだつほどこそあれ、折しも雨風うちつづきて、心あわただしく散り過ぎぬ。青葉になり行くまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます。花橘は名にこそおへれ、なほ、梅の匂ひにぞ、いにしへの事も立ちかへり恋しう思ひいで①らるる。山吹の清げに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひすてがたきこと多し。

A灌仏の頃、祭の頃、若葉のこずゑ涼しげに茂りゆくほどこそ、世のあはれも、人の恋しさもまされ」と、人の仰せられ②しこそ、げにさるものなれ。五月、( B )ふく頃、早苗とるころ、B水鶏のたたくなど、心ぼそから③ぬかは。C六月の頃、あやしき家に夕顔の白く見えて、D蚊遣火ふすぶるもあはれなり。六月祓へまたをかし。

七夕まつるこそなまめかしけれ。やうやう夜寒になるほど、( C )なきてくるころ、萩の下葉色づくほど、早稲田刈り干すなど、とりあつめたる事は秋のみぞ多かる。また( D )E朝こそをかしけれ。

言ひつづくれば、みな源氏物語・枕草子などにことふり④にたれど、同じ事、また、今さらに言は⑤じとにもあらず。おぼしき事言はぬは腹ふくるるわざⅢなれば、筆にまかせつつ、あぢきなきすさびにて、かつ破りすつ⑥べきものなれば、人の見るべき⑦にもあらず。

 

設問

問一 傍線部①~⑦の助動詞について、終止形と、ここでの活用形および文法的意味を答えなさい。

問二 点線部Ⅰ~Ⅲのうち、文法的に異なるものを一つ選びなさい。

問三 波線部αを音便形のない形に直しなさい。

問四 空欄A~Dに入る語句を、次の中から一つずつ選びなさい。

ア 野分   イ 霞   ウ 雁   エ あやめ

問五 二重傍線部A~Eの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。

徒然草・九月二十日のころ

十八 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・九月二十日のころ)

ア九月二十日①のころ、ある人に誘はれ1たてまつりて、明くるまで月見ありくこと2はべりしに、3おぼし出づる所ありて、イ案内せさせて入り4たまひぬ。荒れたる庭②の露しげきに、わざとならぬにほひ、しめやかにうちかをりて、しのびたるけはひ、いとものあはれなり。

よきほどにて出で5たまひぬれど、なほ事ざま③の優におぼえて、物④のかくれよりしばし見ゐたるに、A妻戸をいま少し押し開けて、月見るけしきなりBやがてかけこもらましかば、くちをしからまし。あとまで見る人ありとは、いかでか知らん。Cかやうのことは、ただ朝夕の心づかひによるべし。その人、ほどなく失せにけりと聞き6はべりし。

 

設問

問一 傍線部1~6の敬語について、敬語の種類と、誰から誰への敬意かを答えなさい。 問二 傍線部①~④の「の」の用法をそれぞれ答えなさい。

問三 波線部ア、イの読みを答えなさい。

問四 二重傍線部Aを、誰の動作かがわかるように現代語に訳しなさい。 問五 二重傍線部Bを現代語訳しなさい。

問六 二重傍線部Cについて、

(1)「かやうのこと」の具体的な内容を答えなさい。

(2)この人に「朝夕の心づかひ」があると筆者が判断した理由を答えなさい。

徒然草・心なしと見ゆる者も

十九 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・心なしと見ゆる者も)

心なしと見ゆる者も、よき一言いふものなり。ある荒夷1の恐しげなるが、アかたへにあひて、「御子はおはすや」と問ひしに、「一人も持ち侍らず」と答へ①しかば、「さては、もののあはれは知り給は②じイ情なき御心にぞものし給ふ③らんと、いと恐し。子故にこそ、万のあはれは思ひ知ら④るれ」と言ひたりし、Aさもあり⑤ぬべき事なり。恩愛の道ならでは、かかる者の心に慈悲あり⑥なんや。ウ孝養の心なき者も、子持ちてこそ、親の志は思ひ知るなれ

世をすてたる人2の、万にするすみなるが、なべてほだし多かる人3の、万にへつらひ、望ふかきを見て、無下に思ひくたすはB僻事なり。その人の心に成りて思へば、誠にエかなしから⑦ん親のため、妻子のためには、恥をも忘れ、盗みもし⑧つべき事なり。Cされば、盗人を縛め、僻事をのみ罪せ⑨んよりは、世の人4の飢ゑず、寒からぬやうに、オ世をば行はまほしきなり。人、恒の産なき時は、恒の心なし。人、きはまりて盗みす。世治まらずして、凍餒の苦しみあらば、とがの者絶ゆべからず。人を苦しめ、法を犯さ⑩しめて、それを罪なはん事、D不便のわざなり。  さて、いかがして人を恵むべきとならば、上の奢り費す所をやめ、民を撫で農を勧めば、下に利あらん事、疑ひあるべからず。衣食世の常なる上に僻事せん人をぞ、まことの盗人とはいふべき。

 

設問

問一 傍線部1~4の「の」のうち、他と用法の異なるものを一つ選べ。

問二 傍線部①~⑩の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問三 二重傍線部ア~オを現代語に訳しなさい。

問四 波線部Aの指示内容を答えなさい。

問五 波線部Bについて、

(1)読みを答えなさい。

(2)何が「僻事」なのか、簡潔に答えなさい。

問六 波線部C「されば」の内容を答えなさい。

問七 波線部Dについて、

(1)何が「不便のわざ」なのか、答えなさい。

(2)(1)で答えたものが、なぜ「不便のわざ」なのか、答えなさい。

徒然草・さしたることなくて

二十 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・さしたることなくて)

さしたることなくてア人のがり行くは、よからぬ事なり。用ありて行きたりとも、その事果て①なば、イとく帰る②べし。久しく居たる、ウいとむつかし。人と向ひたれば、ことば多く、身もくたびれ、心も静かならず、よろづのこと障りて時を移す、互ひのため益なし。厭はしげに言は②んもわろし。心づきなき事あらん折は、エなかなかその由をも言ひてん

同じ心に向は③まほしく思はん人の、つれづれにて、「今しばし。今日は心静かに」など言は④んは、オこの限りにはあらざるべし。※阮籍が青きまなこ、誰にもある⑤べきことなり。 そのこととなきに、人の来(きた)りて、のどかに物語して帰りぬる、いとよし。また、文も、「久しく聞えさせ⑥ねば」などばかり言ひおこせたる、いとうれし。

※注 阮籍が好ましい人物には青眼(普通の目つき)で接し、好ましくない客には白眼で接したという故事。

 

設問

問一 傍線部①~⑥の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問二 二重傍線部ア~エを現代語に訳しなさい。

問三 二重傍線部オとあるが、それはなぜか、簡潔に説明しなさい。

徒然草・世に語り伝ふること

二一 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(徒然草・世に語り伝ふること)

世に語り伝ふること、アまことはあいなきにや、多くは皆虚言(そらごと)なり。あるにも過ぎて人は物を言ひなすに、まして、年月過ぎ、境も隔たりぬれば、言ひたきままに語りなして、筆にも書きとどめぬれば、イやがて又定まりぬ

道々の物の上手のいみじき事など、かたくななる人①の、その道知らぬは、そぞろに神のごとくに言へども、道知れ②る人はウさらに信もおこさずエ音に聞くと見る時とは、何事もかはるものなり。

かつあらはるるをも顧みず、口にまがせて言ひ散らすは、やがて浮きたることと聞ゆ。又、我も誠しからずは思ひながら、人の言ひしままに、鼻のほどおごめきて言ふは、その人のそらごとにはあらず。げにげにしく、ところどころうちおぼめき、よく知らぬよしして、さりながら、つまづまあはせて語る虚言は、オおそろしき事なり

我がため面目あるやうに言は③れぬる虚言は、人カいたくあらがはず。皆人の興ずる虚言は、ひとり、「さもなかりしものを」と言は④んも詮なくて、聞きゐたるほどに、証人にさへなされて、いとど定まり⑤ぬべし。

とにもかくにも、虚言多き世なり。ただ、常にある、めづらしからぬ事のままに心得たらん、よろづ違ふべからず。下ざまの人の物語は、耳おどろく事のみあり。よき人は怪しき事を語らず。

かくはいへど、仏神の奇特、権者の伝記、さのみ信ぜざるべきにもあらず。これは、キ世俗の虚言をねんごろに信じたるもをこがましく、「クよもあらじ」など言ふも詮なければ、大方はまことしくあひしらひて、ひとへに信ぜず、また疑ひ嘲るべからず。

 

設問

問一 傍線部①の「の」の用法を答えなさい。

問二 傍線部②~⑤の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問三 二重傍線部ア、ウ、エ、カ、キ、クを現代語に訳しなさい。

問四 二重傍線部イについて、

(1)現代語に訳しなさい。

(2)なぜそうなるのか、答えなさい。

問五 二重傍線部オとあるが、なぜ恐ろしいのか、簡潔に説明しなさい。

方丈記・ゆく河の流れ

二二 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(方丈記・ゆく河の流れ)

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある、人と住みかと、またアかくのごとし。たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へ1る、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔あり2し家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中にわづか一人、二人なり。朝に死に、夕に生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ば3しむる。その、イ主と住みかと無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れ4り。残るといへども朝日に枯れ5ぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕を待つことなし。

 

設問

問一 傍線部1~5の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問二 二重傍線部アの「かく」とはどういうことか説明しなさい。

問三 二重傍線部イとはどういうことか、その後の比喩を参考にしつつ、簡潔に説明しなさい。

 

次の文章を読んで、後の設問に答えよ。(方丈記・安元の大火)

予、アものの心1知れりしより、四十あまりのイ春秋を送れるあひだに、世の不思議を見ること、ややたびたびになりぬ。2いにし安元三年四月二十八日かとよ。風激しく吹きて、3静かならざりし夜、ウ戌の時ばかり、都の東南より火いできて、西北に至る。果てには朱雀門、大極殿、大学寮、民部省などまで移りて、一夜のうちに塵灰と4なりにき。火もとは、樋口富小路とかや。舞人を宿せる仮屋よりいできたりけるとなん。吹き迷ふ風に、エとかく移りゆくほどに、扇を広げたるがごとく末広になりぬ。遠き家は煙にむせび、近きあたりはひたすら炎を地に吹きつけたり。空には灰を吹きたてたれば、火の光に映じて、あまねく紅なる中に、風に堪へず、吹き切られたる炎、飛ぶがごとくして、一、二町を越えつつ移りゆく。その中の人、オうつし心あらんや。あるいは煙にむせびて倒れ臥し、あるいは炎にまぐれてたちまちに死ぬ。あるいは身一つ辛うじてのがるるも、資財を取りいづるに及ばず。七珍万宝カさながら灰燼となりにき。そのキ費え 、いくそばくぞ。そのたび、公卿の家十六焼けたり。まして、そのほか数へ知るに及ばず。すべて都のうち三分が一に及べりとぞ。男女死ぬるもの数十人。馬牛のたぐひ辺際を知らず。人の営み、みな愚かなる中に、さしも危ふき京中の家を作るとて、財を費やし、心を悩ますことは、すぐれてクあぢきなくぞはべる。

 

設問

問一 傍線部1~4を文法的に説明しなさい。

問二 二重傍線部ア~クの意味を答えなさい。

方丈記・養和の飢饉

二三 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(方丈記・養和の飢饉)

前の年かくのごとくからうじて暮れ1ぬ。明くる年は立ち直る2べきかと思ふほどに、Aあまりさへ疫癘うちそひてBまさざまにあとかたなし

世の人みなけいしぬれば、日を経つつきはまりゆくさま、ア少水の魚のたとへにかなへ3り。はてには笠うち着足引き包み、よろしき姿したるもの、ひたすらに家ごとに乞ひありく。イかくわびしれたるものどものありくかと見れば、すなはち倒れ伏しぬ。築地のつら道のほとりに飢え死ぬるもののたぐひ、数も知らず。取り捨つるわざも知ら4ねばウくさき香世界に満ち満ちて、変はりゆくかたちありさま、目も当てられぬこと多かり。Cいはむや河原などには馬、車の行きかふ道だになし。あやしき賤山がつも力尽きて、薪さへ乏しくなりゆけば、頼むかたなき人はエみづからが家をこぼちて、市に出でて売るD一人が持ちて出でたる価、一日が命にだに及ばずとぞオあやしきことは、薪の中に、赤き丹着き、箔など所々に見ゆる木あひまじはりけるを尋ぬれば、すべきかたなきもの、古寺に至りて仏を盗み、堂の物の具を破り取りて、割り砕けるなりけり。E濁悪の世にしも生まれ合ひて、かかる心憂きわざをなん見はべり5し

 

設問

問一 傍線部1~5の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問二 二重傍線部A~Eを現代語訳しなさい。

問三 波線部アは何をたとえたものか、簡潔に答えなさい。

問四 波線部イと対比して用いられている語句と、本文中から十字以内で書き抜きなさい。

問五 波線部ウについて、なぜ「くさき香」が満ちているのか答えなさい。

問六 波線部エについて、なぜそうしなければならないのか答えなさい。

問七 波線部オについて、

(1) なにが「あやしきこと」なのか、答えなさい。

(2)真相はどうであったのか、答えなさい。

枕草子・二月つごもりごろに

二四 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(枕草子・二月つごもりごろに)

a二月つごもりごろに、風いたう吹きて空いみじう黒きに、雪少しうち散りたるほど、黒戸にb主殿司来て、「かうてさぶらふ」と言へば、寄りたるに、「これ、公任の宰相殿の」とてあるを見れば、懐紙に、

少し春あるここちこそすれ

とあるは、げにけふのけしきにいとよう合ひたるも、アこれが本はいかでかつくべからむ、と思ひわづらひぬ。「たれたれか」と問へば、「それそれ」と言ふ。イ皆いと恥づかしき中に、宰相の御いらへを、いかで事なしびに言ひいでむ、と心一つに苦しきを、御前に御覧ぜさせむとすれど、上のおはしまして大殿ごもりたり。主殿司は、「ウとくとく」と言ふ。げにおそうさへあらむは、いと取り所なければ、さはれとて、

エ空寒み花にまがへて散る雪に

と、わななくわななく書きて取らせて、いかに思ふらむとわびし。これがことをオ聞かばやと思ふに、カそしられたらば聞かじと覚ゆるを、「俊賢の宰相など、『なほc内侍①奏してなさむ』となむ定め②たまひし」とばかりぞ、キ左兵衛の督の中将におはせし、語り③たまひし。

 

設問

問一 二重傍線部ア~キを現代語訳しなさい。

問二 波線部a~cの漢字の読みを、平仮名、現代仮名遣いで答えなさい。

問三 傍線部①~③の敬語について、誰から誰への敬意を表わしているか答えなさい。

枕草子・雪のいと高う降りたるを

二五 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(枕草子・雪のいと高う降りたるを)

雪のいと高う降り1たるを、例ならずア御格子参りて、イ炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、「少納言よ、香炉峰の雪いかなら2む。」と①仰せらるれば、御格子上げさせて、ウ御簾を高く②上げたれば、③笑はせ給ふ

人々も、「αさることは知り、歌などにさへうたへど、思ひこそよら3ざりつれ。なほ、この宮の人には、4さべきなめり。」と言ふ。

 

設問

問一 傍線部1~3の助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問二 傍線部4を文法的に説明しなさい。

問三 二重傍線部ア~ウの読み平仮名、現代仮名遣いでを答えなさい。

問四 傍線部①~③の動作の主体を答えなさい。

問五 二重傍線部αの具体的な内容を答えなさい。

枕草子・中納言参り給ひて

二八 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(枕草子・中納言参り給ひて)

中納言①参り②給ひて、御扇奉らせ給ふに、「隆家こそいみじき骨は得て③侍れアそれを張らせて参らせむとするにイおぼろけの紙はえ張るまじければ、もとめ侍るなり」と申し給ふ。

「いかやうaにかある」と問ひ④きこえさせ⑤給へば、「すべていみじう侍り。『さらにまだ見ぬ骨のさまなり』となむ人々申す。まことにかばかりのは見えざりつ」と、言高く⑥のたまへば、「さては、扇のにはあらで、海月のbなcなり」と⑦きこゆれば、「ウこれ隆家が言にしてむ」とて、笑ひ給ふ。

エかやうの事こそは、かたはらいたきことのうちに入れつべけれど、「一つな落としそ」と言へば、いかがはせむ。

 

設問

問一 傍線部①~⑥の敬語について、敬語の種類と、誰から誰への敬意を表すかを答えなさい。

問二 傍線部⑦の主語を答えなさい。

問三 傍線部a~cの助動詞について、終止形と、ここでの活用形及び文法的意味を答えなさい。

問四 二重傍線部ア~ウを現代語に訳しなさい。

問五 二重傍線部エの内容を、簡潔に答えなさい。

枕草子・村上の先帝の御時に

二九 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(枕草子・村上の先帝の御時に)

次の文章を読んで、後の設問に答えよ。(枕草子・村上の先帝の御時に)
村上の先帝の御時に、雪のいみじう降りたりけるを、様器に盛ら( A )給ひて、梅の花をさして、月のいと明かきに、「これに歌よめ。いかが言ふべき。」と、兵衛の蔵人に①給はせたりければ、「雪・月・花の時」と②奏したりけるをこそ、いみじうめで( B )給ひけれ。「歌などよむは世の常なり。かく、折に合ひたることなむ、言ひがたき。」とぞ仰せられける。
同じ人を御供にて、ア殿上に人候はざりけるほど、たたずま( C )給ひけるに、火櫃にけぶりの立ちければ、「イかれは何ぞと見よ。」と③仰せられければ、見て帰り参りて、  X わたつ海のおきにこがるる物見ればあまの釣りしてかへるなりけり
と奏しけるこそをかしけれ。蛙の飛び入りて焼くるなりけり。

設問

問一 傍線部①~③の敬語について、敬語の種類と、誰から誰への敬意を表すかを答えなさい。

問二 空欄A~Cに、助動詞「す」または「さす」を活用させて入れなさい。

問三 傍線部アを現代語に訳しなさい。

問四 傍線部イについて、

(1)「かれ」が何を指すのか、

(2)実際は何であったのかをそれぞれ答えなさい。

問五 Xの和歌から掛詞を二つ指摘し、何と何が掛けられているのか説明しなさい。

枕草子・すさまじきもの

三十 次の古文を読んで、文法及び読解に関する設問に答えよ。(枕草子・すさまじきもの)

すさまじきもの。昼ほゆる犬、春の①網代。三、四月の紅梅の衣。牛死にたる牛飼。乳児亡くなりたる産屋。火おこさぬ②炭櫃③地火炉。博士のうちつづき女子生ませたる。ア方違へに行きたるに、あるじせぬ所。まいて節分などは、いとすさまじ。

人の国よりおこせたる文aの物なき。イ京のをも、さこそ思ふらめ。されどそれは、ゆかしき事どもをも書き集め、世にある事などをも聞けば、いとよし。人のもとに、わざと清げに書きてやりつる文の返事、「今は持て④来ぬらむかし。あやしう遅き」と待つ程に、ありつる文、立文をも結びたるをも、いと汚げに取りなし、ふくだめて、上に引きたりつる墨など消えて、「おはしまさざりけり」もしは、「御物忌とて取り入れず」と言ひて持て帰りたる、いとわびしく、すさまじ。また、必ず⑤来べき人のもとに、車をやりて待つに、来る音すれば、「さななり」と、人々出でて見るに、車宿にさらに引き入れて、轅ほうとうち下ろすを、「いかにぞ」と問へば、「今日は、外へおはしますとて、わたり給はず」など、うち言ひて、牛の限り引き出でていぬる。また、家の内なる男君の、来ずなりぬる、いとすさまじ。さるべき人の、ウ宮仕へするがりやりて、いつしかと思ひゐたるも、いとあいなし。

児の乳母bのエただあからさまにとて出でぬるほど、とかく慰めて、「とく⑥来」と言ひやりたるに、「今宵は、オえ参るまじ」とて返しおこせたるは、すさまじきのみならず、いとにくくわりなし。女迎ふる男、カまいていかならむ。待つ人ある所に夜すこし更けて忍びやかに門たたけば、胸すこしつぶれて、人出だして問はするに、あらぬよしなき者の、名のりして来たるも、返す返すもすさまじとキ言ふはおろかなり

験者cの、物の怪調ずとて、いみじうしたり顔に、独鈷や数珠など持たせ、蝉の声しぼり出だして読みゐたれど、いささかクさりげもなく、護法もつかねば、集りゐ念じたるに、男も女もあやしと思ふに、時のかはるまで読み困じて、「ケさらにつかず。立ちね」とて、数珠取り返して、「あな、いと⑦験なしや」とうち言ひて、額より上ざまにさくり上げ、欠伸おのれよりうちして、寄り臥しぬる。

いみじうねぶたしと思ふに、コいとしもおぼえぬ人の、押し起こして、せめてもの言ふこそ、いみじうすさまじけれ。

 

設問

問一 傍線部①~⑦の漢字の読みを答えなさい。

問二 傍線部a~cの「の」のうち、他と用法が異なるものを一つ選びなさい。

問三 二重傍線部アを現代語訳しなさい。

問四 二重傍線部イについて、

(1)具体的な内容がわかるように、現代語訳しなさい。

(2)そのことに対して筆者はどう考えているか、説明しなさい。

問五 二重傍線部ウ~オを現代語訳しなさい。

問六 二重傍線部カは、どういうことについて言っているのか、説明しなさい。

問七 二重傍線部キの意味を答えなさい。

問八 二重傍線部ク~コを、具体的な内容がわかるように現代語訳しなさい。


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