経営難の私大112法人 大学名を読売新聞は公表?


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読売新聞は、私大・短大660法人のうち17%にあたる112法人が経営難にあると報じました。112法人の大学名が公表されているようにも受け取れますが、どうなのでしょうか?


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著者(加藤)は、早大法学部卒。予備校講師を経て国家資格・キャリアコンサルタント(登録番号20022587 登録ページ)。高校での出張講義・講演に年80回出講。プロフィール詳細




私大・短大21法人、23年度末までに破綻の恐れ、読売が報道

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2021年4月6日読売新聞は、私大・短大21法人が、2023年度末までに破綻の恐れがあると報じました。

私立大、短大などを運営する全国658の学校法人のうち、21法人は自力での再建が困難で、2023年度末までに破綻する恐れのあることが、日本私立学校振興・共済事業団の調査でわかった。全体の18・4%に当たる121法人は将来、破綻が懸念され、統合や再編が加速する可能性がある。

読売新聞オンライン

このページでは、ヒントとなる2017年の読売新聞の報道をもとに、どの大学・短大に破綻の恐れがあるのかを考えてゆきます。


経営難の私大112法人 読売新聞は大学名までは明かさず(2017年)

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2017年の読売新聞の大学112法人経営難報道。112法人の大学名が公表されていたのでしょうか?

結論から言えば、660法人のうち、「21法人が2019年末までに破綻の可能性、91法人がそれ以降に破綻の可能性がある」という事実だけが公表されており、法人名は開示されていませんでした(読売新聞オンライン)。読売新聞本紙上にも、そう書かれていました(赤枠内)。

しかし、センター試験(現在の共通テスト)直前のこの時期(2017年12月)の公表は、影響が絶大。当サイトでは、読売新聞の記事に基づき、具体的にどの大学・短大が経営難なのかを検討してみます。

私大112法人が経営難 公表されたデータ

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私大112法人が経営難と読売新聞が報じました。もとになる公表されたデータは、以下の通りです。

  • 2019年度末に破綻する恐れがある大学短大が21法人(3.2%)。
  • 2020年度以降に破綻する恐れがある大学短大が91法人(13.8%)。
  • 上記112法人ほどではないが、経営悪化の兆候が見られる大学短大が175法人(26・5%)。
  • 経営が正常な大学短大が373法人(56.5%)。

日本私立学校振興・共済事業団の調査による。事業団作成の指標により、過去3年間の財務データに基づく。公表されたのは、2016年度時点の経営状況。基準は①収入(授業料等)-支出(人件費)が、2年以上マイナス(赤字)、②資産額-負債額がマイナスとなる、③資金ショートが起きうる時期など。


以上が公表された内容です。直後に控えた入試への影響から、大学短大名は伏せられましたが、日本私立学校振興・共済事業団は、「地方の中小規模大学」「都市部の小規模大学」が特に厳しい、という部分は明らかにしています。

追記 2020年以降の新型コロナの流行により、地方で地元回帰現象が起きています。また、難関大の定員厳格化の影響で、都市部の中堅大学の人気上昇の傾向が見られます。

私大112法人が経営難 大学名を探る

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「地方の中小規模大学」「都市部の小規模大学」の経営が特に厳しいことが、今回改めてクローズアップされた形です。

大規模大学、中規模大学、小規模大学の定義については、調査した範囲でははっきりしませんでしたが、旺文社が次のような定義を用いています。


  • 小規模大学 … 入学定員800人未満
  • 中規模大学 … 入学定員800人以上3000人未満
  • 大規模大学 … 入学定員3000人以上

すると、最も早ければ2019年、あるいは2020年以降に、経営破綻の可能性がある大学は、以下のように絞られます。

  • 都市部で入学定員800人未満の大学。
  • 地方で入学定員3000人未満の大学。

都市部で入学定員800未満の大学には、例えば、聖路加国際大学(入学定員100名)があります。しかし、同大学は、看護系の大学では慶應義塾に次ぐ人気を誇っており、経営破綻の可能性は少ないでしょう。聖路国際大学の偏差値は、60~62.5(河合塾)と決して低くなく、偏差値も1つの指標になりそうです。

入学定員と偏差値の調べ方

大まかな経営状態を推し量るのに必要な、入学定員と偏差値は、旺文社のパスナビというサイトで調べると便利です。例えばGoogle検索で、「聖路加国際看護大学 パスナビ」と調べると、次のようなデータが掲示されます。


出典 旺文社パスナビ公式サイト

聖路加国際大学は、経営破綻の可能性があるとされた、「都市部で入学定員800人未満の大学」に当てはまります(正確な定員は130名)。しかし、偏差値(=人気)が60~62.5と高く、看護業界での評価が極めて高いことから、経営破綻の可能性なしと推察できます。

念のため、パスナビの聖路加国際大学の「入試結果(倍率)」を調べると、全入試合計で7.2倍もの志願倍率があります。このことからも、人気=経営の安定度が推し量れます。大学経営には授業料も重要ですが、受験料も大きな収入源です。聖路加国際大では、35,000円の受験料を定めています。

都市部で入学定員800人未満 偏差値42なら倒産確実?

東京都八王子市にある日本文化大は、偏差値は42.5と低めに表示されます。入学者総数を見ると270人です(正確な定員は、入試倍率の欄から確認でき200人と分かります)。

都市部で入学定員800人未満の大学に当てはまるだけでなく、偏差値も低めで、心配する向きもあるかも知れません。

出典:日本文化大公式サイト

しかし、日本文化大は、東京都心から離れた多摩地区にある単科大学。以前から人気が落ちる可能性は予見しており、すでに手は打っています。その結果として現在では、公務員である警察官に合格しやすい大学として、高校教員のなかでは有名です。実際に過去6年間は、200人の入学者定員(募集人数)に対し、以下の人数の出願がありました(パスナビで分かります)。

  • 2020年 620人
  • 2019年 731人
  • 2018年 418人
  • 2017年 269名
  • 2016年 238名
  • 2015年 249名

日本文化大は、定員を大きく上回る出願者を得ています。2017年には新校舎も立ち、客観的には経営破綻の兆候は少ないと、考えられます。

『危ない大学 消える大学』によれば

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現在、プレミアつきの書籍となっている『危ない大学 消える大学』は、偏差値や定員充足率から、危ない大学・消える大学の候補校として以下を挙げているようです。

(この章はインターネットからの転載です。恐れ入りますが正規のデータは、必ず書籍をご覧ください)。

札幌大学、札幌大谷大学、札幌学院大学、札幌国際大学、星槎道都大学、苫小牧駒澤大学、函館大学、稚内北星学園大学、青森大学、八戸工業大学、弘前学院大学、富士大学、石巻専修大学、東北生活文化大学、東北文化学園大学、ノースアジア大学、郡山女子大学、東日本国際大学、福島学院大学、筑波学院大学、足利大学、宇都宮共和大学、関東学園大学、浦和大学、武蔵野学院大学、愛国学園大学、川村学園女子大学、聖徳大学、千葉科学大学、嘉悦大学、恵泉女学園大学、杉野服飾大学、東京純心大学、東京富士大学、松蔭大学、新潟経営大学、新潟工科大学、高岡法科大学、北陸大学、山梨英和大学、清泉女学院大学、岐阜女子大学、東海学院大学、静岡英和学院大学、浜松学院大学、愛知学泉大学、愛知工科大学、愛知文教大学、岡崎女子大学、星城大学、名古屋産業大学、人間環境大学、京都ノートルダム女子大学、平安女学院大学、大阪観光大学、大阪人間科学大学、帝塚山学院大学、東大阪大学、甲子園大学、神戸医療福祉大学、神戸山手大学、姫路獨協大学、兵庫大学、岡山学院大学、吉備国際大学、山陽学園大学、中国学園大学、広島都市学園大学、広島文教大学、至誠館大学、東亜大学、徳島文理大学、四国学院大学、九州情報大学、日本経済大学、長崎ウエスレヤン大学、九州保健福祉大学、宮崎国際大学、第一工業大学

上に挙がった大学でも、例えば東京富士大学は、近年の難関大の定員厳格化による玉突き現象から、人気が回復したとよく話題になります。また、過去に名前が挙がっていた新潟産業大学は、公立化に向け努力を続けています。公立化に成功した場合、出願者は大幅に増えることが見込まれます。例えば2017年に公立化に成功した長野大学では、かつて1倍台も目立った志願倍率が、2~3倍に上昇しています。

上記は1つのデータに過ぎませんので、そのまま信じ込むことはせず、「大学の今後の見通し チェックポイント」も参考にして頂き、データや評判をチェックしてみてください。大学の満足度は、その高校生がその大学を生かし、優良な企業や組織への就職を成功させることで決まります。

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上に名前が挙がった大学も、状況の変化で人気を回復した大学もあり、就活に成功した卒業生も多くいます。決めつけずに、多面的に判断することが重要です。

《まとめ》大学の今後の見通し チェックポイント

チェック1 パスナビの入試結果(倍率)で以下に当てはまっていたらチェック(2017年当時の基準)。

  • 都市部で入学定員800人未満の大学。
  • 地方で入学定員3000人未満の大学。

追記 2020年以降の新型コロナの流行により、地方で地元回帰現象が起きています。また、難関大の定員厳格化の影響で、都市部の中堅大学の人気上昇の傾向が見られます。

チェック2 偏差値、倍率、新入生総数の3項目もあわせてチェックし、入学者の学力は低すぎないか、定員割れを起こしていないかをチェック。

  • 偏差値が低い(=入学者の学力が低い)… 就職状況が悪化し、社会的評価が下がる可能性。
  • 定員割れ … 受験料、入学金、授業料収入の低迷を招き、経営に影響する可能性。

チェック3 高校生人気の土台となる要素をチェック

  • 都心部でも、東京23区と、多摩・近県には人気に格差。
  • 都市部の定義はあいまいだが、1都3県、愛知、近畿2府1県(=兵庫)が挙がることが多い。地方は全体的に苦しいが、四国・中国地方の定員充足率は特に低くなっている。
  • 就職につながる国家資格を付与する大学、短大は志願者数が安定し、経営しやすい。

※その他、付属中学高校の経営や、特に都心部に資産(土地、建物)を持っているかも参考になります。




専門学校の経営状況は?

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受験する大学の経営に不安がある場合、専門学校と比べたいという方もいるかも知れません。

専門学校は、大学・短大に比べ、国のバックアップは限られますが、学科やコースの新設や改編が容易で、社会の変化に対応しやすいという利点もあります。入試の状況(志願倍率)が公表されておらず、大学・短大に比べ経営状況は推し量りにくいですが、次の要素をチェックしてい見てください。

安心できる専門学校の目安

就職率が100%に近い分野を中心に運営している … 看護、理学・作業療法、介護福祉、自動車整備、保育・幼稚園教諭など、就職率が100%に近い分野の専門学校は、比較的安心できます。一定の高校生人気を維持しやすいからです。

校舎の設備更新がひんぱんである … 就職率が100%に近い分野以外の学校は、専門学校間で経営力に差が出ます。入試の状況(志願倍率、入学締め切り時期)が非公表のため、実態はつかみにくいですが、人気がある専門学校は、校舎の設備更新がひんぱんであることが多いです。校舎のエントランスや教室が適度に新しく清潔で、機材がよく更新されている学校(例 日本工学院専門学校など)は、経営状態が良いと推察できます。

在籍(卒業)高校の進路指導室に尋ねる

高校の進路指導部では、専門学校の経営状況を把握していることがあります。高校の進路室を訪ね、担当の先生に尋ねてみることも有効です。

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