古文文法 頻出ベスト40(助動詞等)【標準編】

      2016/11/23

古典文法を約2割の時間でマスターできる、「古文文法重要度ベスト40」の前半です。高校カリキュラムに比べ、解くため読むために必要な要素に絞り込み、さらに体系化し素早く頭に入るように工夫されています。


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もくじ

「古文文法ベスト40 前半・標準編」を学ぶには

① 古文文法の基礎 … 下二段型活用、連用形、ク活用。このような【基本】に不安があるかたは、以下の記事を先にお読みください。古文の勉強法が、ガラリと変化します。

古文、古文文法の勉強法 たった5つのポイント!~入門編~

② 古文文法ベスト40のうち、標準レベルの「頻出度1~20位」は、いまお読みの記事にまとまっています。

文法1~20位

↓この記事の、助動詞部分(4~12位)の暗記をサポートする「特別講座」です。

③ 古文常識 … 最初は、身分、場所(建物)、和歌に絞る

↓記事は今後作りますが、参考書ならマドンナが良いです。

④ 古文単語 … 200語程度

記事は今後作ります。高校でもらった単語集を使ってください。

⑤ 読解演習 … 平安期物語10題

当面、自分にあったものを探してください。間もなく当サイトでも問題をアップします。

※センター試験、国公立、MARCH以上、関関同立以上、その他でも文学部受験なら、下の応用編が合否を分けます。非常によく出て、かつ苦手な受験生が多い部分です。

こちらをクリックしてください(11月22日夜にアップ)

「古文文法ベスト40 前半・標準編」短期攻略のポイント

(1)かなり基礎に自信がある方以外は、基礎編(5ポイントのみ)の記事に目を通してみてください。その方が近道です。

(2)古文文法ベスト40は、1位から20位が標準レベルです。そのうち、1位から12位は重要度が著しく高くなります。まず12位までマスターしてみましょう。苦手だった古文の授業や参考書の、見え方が変わってくるはずです。


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古文文法第1位 下二段型・四段動詞の活用

下二段型、四段型の活用表

① 下二段型(あいうえお の中心「う」から下2つを使う)

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
下二段型 うる うれ えよ

② 四段型(あいうえお の四段を使う)

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
四段型

動詞とは、待つ、会ふ(=アウ)など、原則として、言い切るとウ段で終わるものです。高校では、上一段、上二段、下一段も同時に習いますが、頻出度や助動詞学習との関係から、下二段、四段活用にまずは絞ってください。どうせ後から覚えるなら一緒に覚えたいという人もいますが、大学受験レベルの知識は、そのような網羅型の暗記では通用しません。原則を強固に硬め、応用を軽めに覚えていくのが最大のコツです。

下二段活用は、まず「あいうえお」と書き、中心から下二つの「う・え」を使うということを覚えていると忘れたときに思い出しやすくなります。四段は「あ・い・う・え」の四段を使います。

古文文法第2位 サカナ変・ラ変の活用

サ・カ・ナ変の活用表

① サ変 … まず下二段(せ・・す・する・すれ・せよ)にあてはめて、未然・連用に注意し変形。

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
サ変 する すれ せよ

② カ変 … まず下二段(・く・くる・くれ・けよ)にあてはめて、未然・連用に注意し変形。

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
カ変 くる くれ こ・こよ

③ ナ変 … まず下二段(ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ)にあてはめて、未然・連用に注意し変形。

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
ナ変 ぬる ぬれ

サ変などの変格活用は、英語のgo、come、tellなど、不規則変化動詞と同じ位置づけです。英語の不規則変化動詞は、実は日常生活で活用する頻度が高いため、特別な変化になっています。古文の変格活用も、確実に覚えれば非常に得をすると言えます。

サカナ変は、(文法学上は多少異なりますが)下二段の変化形と考えるとスムーズです。特に未然・連用が変化しやすくなります。例えば「サ変」を聞かれたら、まず下二段で「せ・せ・す・する・すれ・せよ」と言ってみて、次に連用を「し」と言いなおすのが忘れにくいコツです。

ラ変の活用表

① ラ変 … 四段(ら・り・る・る・れ・れ)の終止形を変形。

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
ラ変

ラ変は、強いて言えば四段活用が終止形のみ変形したものですが、シンプルですので丸暗記も可能でしょう。終止形が「ウ段」でないのはラ変だけということを覚えておくと後から便利になります。

古文文法 助動詞 覚え方 

古文文法重要度1位の下二段、四段は、最終的に4種の動詞、15種の助動詞の活用表の基礎となります。第1位、第2位を、瞬時に口をついて出るレベルにマスターすれば、覚えるべき助動詞の活用表が15も減り、しかも絶対に忘れないようになります。従来の丸暗記型の古文学習法は、かなりの無駄を含んでいると言えます。

古文文法第3位  形容詞型の活用

形容詞の活用表

① 形容詞 … ク活用の本活用(縦書きで右の列)に絞ることで、暗記地獄から解放される

活用形 未然 連用 終止 連体 已然 命令
形容詞 けれ

形容詞とは、うつくし、白しなど、終止形(言い切り)が「し」で終わるものです。

辞書や教科書では、縦書きの場合、左側に補助活用(から、かり、〇、かる、〇、かれ)が出てきますが、これは実は「ラ変型」です。第2位の知識を応用できるので、すぐに覚えなくても大丈夫です。なお形容詞には「シク活用」もありますが、右の「ク活用」に「し」を乗せるだけなのでこれも後回しで構いません。

※なお、ク活用・シク活用の判別方法は、「て」をつけて「しく」が出てきたらシク活用です。例えば「うつくし」(→うつくしくて)はシク活用です。

4~12位は、重要度が高いものの、暗記がやや面倒なエリアです。しかし、覚えることに成功した場合の見返りも相当なものになります。まず、授業がわかる、参考書がわかるようになり、飛躍への準備が整います。この重要でありながら、やや面倒なエリアを光速でクリアするための、独自の暗記ノウハウを準備しました。以下の記事もあわせてご利用ください。


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古文文法第4位  未然形接続の助動詞

未然形接続の助動詞

む・ず・むず・じ・しむ・まし・まほし

る・らる・す・さす・り・り・り

未然形接続とは、上に来る語が未然形ということです。例えば、助動詞「じ」は未然形接続ですので、「待つ」(四段動詞)なら、未然形に変え「待たじ」となります。

上の一覧は「もしもしカメよ~」の歌に乗せられるようになっています。1行目が覚えづらいという人が多いですが、「ムズムズ痔がしみる、ましになってほしい」のイメージです。詳しくは「古文助動詞の覚え方~意味・接続を歌で即日暗記~」をご覧ください。

※完了の助動詞「り」は、正しくはサ変の未然形、四段の已然系につき、サ未四已から、「さみしいり」「さみしいりかちゃん」が暗記法です。

古文文法第5位 連用形接続の助動詞

連用形接続の助動詞

つ・ぬ・たり・けり・たし・たし・き・けむ

 

連用形接続とは、上に来る語が連用形ということです。例えば助動詞「けり」は、連用形接続ですので、「待つ」(四段動詞)なら連用形にして「待ちけり」になります。上の一覧は「もしもしカメよ~」の歌の、「歩みののろい者はない」に乗せられるようになっています。詳しくは「古文助動詞の覚え方~意味・接続を歌で即日暗記~」をご覧ください。

※「たし」は音符が余るため繰り返しています。

古文文法第6位 終止形接続の助動詞

終止形接続の助動詞

らむ・べし・まじ・らし・なり・めり

終止形接続とは、上に来る語が終止形ということです。例えば助動詞「べし」は、終止形接続ですので、「待つ」(四段動詞)ならそのまま「待つべし」になります。終止形は、本来は文が終わるときの形ですが、終止形の後に続く助動詞が存在するのは、少し不思議ですね。

終止形接続の助動詞に出てくる「なり」は、断定なのか伝聞・推定なのかが、ののちのち重要になります。答えは簡単で、終止形接続の他の助動詞を見ると「べし」「らむ」など推量系ばかりです。よって「なり」は伝聞・推定になります。

※なお、高校カリキュラムでは、連体形接続も覚えますが、断定「なり」以外は、入試で問われることがほとんどありません。よって、後回しにしても構いません。断定の「なり」は識別の知識で必ず触れられますのでそこで覚えれば大丈夫です。

古文文法第7位 助動詞「ず」「き」の活用表

助動詞「ず」「き」の活用表

打消の助動詞「ず」の活用表 … ず・ず・ず・ぬ・ね・○

過去の助動詞「き」の活用表 … せ・○・き・し・しか・○

例えば、入試や定期テストの古文中の「しか」に傍線を引かれた場合、活用表を完全に暗記していないと、過去の「き」の変形だと分かる可能性は全くゼロ。よって最重要です。「たれ」に線を引かれれば、何となく「たり」がイメージできるのと、大きな違いです。また、古文文法第2位でも触れたように、特殊型(不規則変化)の言葉は、文中での出現度が非常に高いため、覚えると非常に得をします。

文科省のカリキュラムでは、助動詞活用表を同時に全て暗記させますが、上手くいっていません。しかし、この記事にあるように、重要な箇所に絞り、要領を押さえれば、30分から1時間程度で暗記できます。無理な丸暗記を繰り返すことで、1学期程度を助動詞に費やしても、多くの人が忘れてしまい、結果的に成績優秀者ですらで古文嫌いが7割という統計結果につながっています。

助動詞の覚え方 暗記法

古文文法第8位 下二段型に活用する助動詞

下二段型に活用する助動詞

る・らる・す・さす・しむ・つ  は下二段。

下二段型に活用する助動詞は、頻出度が極めて高く、ベスト8入りです。できるかぎり、今ここで覚えてしまってください。例えば、完了の助動詞「つ」は下二段型です。そのため、第1位(下二段型の活用)の知識を応用して、「て・て・つ・つる・つれ・てよ」と書ければOKです。

実際の入試問題では、「待たすれど」のように傍線が引かれます。このとき、「(下二段)え・え・う・うる・うれ・えよ」のイメージが瞬時にわき、終止形は「す」、つまり使役・尊敬の助動詞だと、1秒以内に理解する必要があります。第1位の下二段型が、いかに重要かが理解できます。上一段、上二段、下一段と平等に覚え、どちらもうろ覚えという状態では古文は、いつまでたっても解けません(読めません)。四段・下二段は、瞬時に脳裏に出現する程度まで徹底した暗記が必要なのです。

古文文法第9位 語尾が「む」「り」「し(じ)」の助動詞

語尾が「む」「り」「し(じ)」の助動詞

語尾が「む」「り」「し(じ)」の助動詞はそれぞれ四段・ラ変・形容詞型

※例外は、断定なり と じ・らし・まし

むりしは、銀行の利子がないことを示す、無利子と覚えてください。例えば、10万円を銀行に10年間預けて、やはり10万円しか戻ってこなかったら、しらけますよね?無利子、しらけ……がポイントです。

む・り・し → し(四段型)ら(ラ変型)け(形容詞型)

例えば、「らむ」は、語尾が「む」で終わるため、四段型です。

四段型 … あ・い・う・う・え・え
らむ(仮) … らま・らみ・らむ・らむ・らめ・らめ
らむ(正式) … ○・○・らむ・らむ・らめ・○

助動詞らむ の活用表は、正式には未然形、連用形、已然形が存在しませんが、大学受験で活用表を書かせる問題は、まず出題されません。四段活用であることを抑えておけば、十分対応できます。

(例題)正しい形に直せ。

雪とのみこそ花は散る(らむ)

(正解)こそ の結びは已然形(=古文文法第13位)のため、らむ は已然形。らむ は、「む」で終わるため、【無利子しらけ】と覚えていれば、四段。四段活用は、古文文法第1位より あ・い・う・う・え・え。よって、「らめ」が正解とわかります。

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古文文法第4~6位は接続を覚えるためだけでなく、助動詞のリストアップの機能もあります。

(未然形接続) ・ず・むず・じ・しむ・まし・まほし
る・らる・す・さす・り・り・り
(連用形接続) つ・ぬ・たり・けり・たし・たし・き・けむ
(終止形接続) らむ・べし・まじ・らし・なり・めり

このなかで「む」で終わるものを抜き出すと「む・しむ・けむ・らむ」の4つです。このうち8位(る・らる・す・さす・しむ・つ は下二段)で取り上げた「しむ」以外は、全て四段型になります(順位が高いほうを優先)。高校の定期試験では「ま・み・む・む・め・め」では、△か×となりますが、入試上は〇の位置は問われません。正式には、「○・○・む・む・め・○」です。

※例外は断定「なり」と「じ」「らし」「まし」です。「なり」については、なりの識別で学びますし、じ・らし・ましの出題頻度はそれほど高くありません。後回しでも構いません。

古文文法第10位 過去の助動詞

過去の助動詞

き・けり

過去の助動詞には、き・けり があります。文科省のカリキュラムでは、助動詞「き」「けり」とほぼ同時に、助動詞「る」「らる」「す」「さす」を教えます。しかし「る」「らる」「す」「さす」は、ほとんど現代語に残っているので、後回しで構いません。例えば早稲田大は、「京極殿も居まうけられたりけり」の「らる」に関して「尊敬」の選択肢を選ばせたことがありますが、これは現代語の感覚でも対応可能です。

すると、助動詞の意味は時制関係に絞られます。つまり、過去の助動詞、完了の助動詞、未来(推量系)の助動詞の3本柱をマスターするだけで助動詞の意味の単元は得意になります

文科省カリキュラムでは、はじめから「る」「らる」「す」「さす」をあわせて覚えさせ、さらに「き」「けり」の意味合いの違い、「けり」に詠嘆があることまでも覚えさせます。この複雑すぎるカリキュラムの結果、上位層でも7割以上の生徒が古文嫌いになってしまう状況があります。

古文文法第11位 完了の助動詞

完了の助動詞

つ・ぬ・たり・り

完了の助動詞には、つ・ぬ・たり・り があります。強意(確述)や存続の意味は、後回しで構いません。完了の助動詞は、活用表(活用の種類)がバラエティに富んでいますので、しっかり押さえます。

つ … 「る・らる・す・さす・しむ・つ は下二段」(第8位)より、て・て・つ・つる・つれ・てよ と変化します。

ぬ … 完了「ぬ」はナ変型です。見れば何となくわかるため、古文文法のランキングから省いています。知らなかった方は、押さえてください。ナ変型は、下二段型に似ています(第2位)。まず「ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ」と下二段を作り、「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・」と変形させると忘れにくくなります(正確な文法学上は異なります)。

たり … 「語尾が「む」「り」「し(じ)」の助動詞はそれぞれ四段・ラ変・形容詞型」(第9位)よりラ変型です。たら・らり・たり・らる・たれ・たれ と変化させます。

り … これも、ラ変型です。

いかがですか?つ・ぬ・たり・り は、活用表を新たに暗記しなくても、基礎を応用すれば十分です。

古文文法第12位 推量系の助動詞(英語の未来形)

推量系の助動詞(英語の未来形)

頻出度A む・べし・まし
頻出度B なり・めり
頻出度C けむ・らむ

第12位は推量系です。助動詞の要は、時制関連です。10位で過去、11位で完了を挙げましたので、12位は「未来」と考えると、英語に似て、抑えやすいかも知れません。

推量系の助動詞の頻出は、Aランクの3語です。慣れるまで、「む」=will、「べし」=should、「まし」=wouldと考えるのがコツです。平安時代に天気予報があったとしたら、次の言いまわしは、どのくらいの降水確率だと感じますか?

・雨降ら
・雨降る べし

雨降らむは60~70%くらい、雨降るべしは80~90%ぐらいではないでしょうか。

(応用)もしアナウンサーが「あめ(=天の神)のこころ変わらば、雨ふら まし」と言った場合には、英語の仮定法と同様「もし天の神の心が変われば、雨が降るのに。実際には神の心は簡単には変わらないから、雨は降らないだろう」という意味になり、確率は10%以下と考えてよいでしょう。古文ではこの用法を仮定法でなく、反実仮想と呼びます。

Bランクです。「なり」は有名ですが、「音(ね)」「あり」から来ていて、音・音声・噂話を根拠とした推量を示し、特に「伝聞・推定」と呼ばれます。伝聞・推定は、広い意味で推量に含みますが、入試では、伝聞・推定と答えます。「めり」は、目ありではなく見ありから来ていて、見たことを根拠とした推量です。

次の順番で深めていくとよいでしょう。

推量系の助動詞の攻め方

① む・べし・まし・なり・めり は推量系(英語の未来形)だと覚える。

②「む」=will、「べし」=should、「まし」=wouldと、ざっくり押さえる。

③「む」は正確には、スイカカエだと覚える(第15位)。

④「なり」=伝聞推定を覚える。音・音声・噂話が根拠。

⑤「べし」は正確には、スイカトメテだと覚える(第15位)。

4~12位は助動詞の3台要素(意味、活用表、接続)と呼ばれ、非常に重要です。次の記事に、暗記法をまとめてあります。

古文助動詞の覚え方~意味・接続を歌で即日暗記~

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古文文法第13位 係り結びの基本

係り結びの基本

① 係助詞は ぞ・なむ・や・か・こそ

② 結びは基本は連体形。「こそ」はこっそり已然系。

③ ぞ・なむ・こそ は「!」のイメージ(強意)。や・か は「?」(疑問)と「!」(反語)のイメージ。

高校入試でも出題され、おなじみの「係り結びの法則」です。例えば、「山里は冬さびしさまさりける」の場合、係り結びの効果で過去の助動詞「けり」は連体形に変わっています。

①ぞ・なむ・こそ のうち、「ぞ・こそ」は現代語にも残っているので、簡単です。「ここというとき」「今こそ勝負だ」のように、普通に、強意の意味で使われています。なむ は死語になりましたので新たに覚えます。

②や・か のうち「か」は現代でも疑問の意味です。「食べるか?」と言えば、誘うニュアンスの疑問形です。しかし「食べるか!」と大声で言った場合はどうでしょうか。食べるか、そんなわけはない!というニュアンスとなり、これを反語と言います。

(空が暗くなってきている状況で)雨降るか … 雨降るか? … 雨が降るのだろうか。
(快晴なのに傘を持って行けと言われ)雨降るか … 雨降るか! … 雨が降るだろうか。それはない。

※難関大学受験レベルでは「は」「も」も係助詞(かかりじょし・けいじょし)と覚えます。

係り結びは、古文をつまらないと思わせる要因?

ぞ・なむ・や・か・こそ は、覚えやすい語感ですが、なぜ覚えるのかがいまひとつはっきりせず、中3の段階で、古文嫌いの芽を作っているような気がします。なぜ、結びが連体形なのでしょうか?

英語の強調構文:It was her that Hiromi met yesterday. (ヒロミが昨日会ったのは、なんと彼女だよ!)
元に戻すと Hiromi met her yesterday.

強調構文?:山里は冬さびしさまさりける
元に戻すと 冬ぞさびしさまさりける(もの)は山里(なり)

このような仕組みから、「ぞ」は倒置の合図であり、連体形になるのだいう説もあります。

古文文法第14位 形容動詞の活用表

形容動詞の活用表

① 形容動詞の活用表は なら・なり/・なり・なる・なれ・なれ

② 断定の助動詞「なり」は形容動詞型の活用。

形容動詞とは、あはれなり(=趣深い)のような語で、「あはれなる雪の雫(しずく)」のように使います。これは「をかしき雪の雫」と似た用法で、形容動詞=形容詞と考えて構いません。学者のなかにも、形容動詞の分類を否定する人も多く、紛らわしい分類ですが、受験では、形容動詞を区別することになっています。

形容動詞は「あはれにゐたり」(=かわいらしく座っていた)のように、動詞に連なる連用形「に」に原点があります。したがって「に」の存在は忘れてはいけません。その後、用法が広がってきましたが、これは「ラ変」ですので覚えるのは簡単です。

断定の助動詞「なり」は形容動詞型の活用です。伝聞推定の助動詞「なり」は「り」で終わるため原則通りラ変型です(第9位)。

古文文法第15位 助動詞「む」「べし」の判別

助動詞「む」「べし」の判別

① む の意味はスイカカエ

② べし の意味はスイカトメテ

1番目の段階では、む=will、べし=shouldと覚えておけば問題ありません。またスピードを要する読解のときは、実際の入試を含め常にこの区別で構いません。

(例)まつとし聞かば今帰り来 … I will comeというニュアンスです。あなたが待つと聞けば今すぐ帰るつもりだ、という意味です。

文法問題や口語訳の問題の場合、定番の覚え方が上の黄色い四角内に挙げたものです。「む の意味はスイカカエ」「べし の意味はスイカトメテ」 この似たもの同士が、混ざらないようにするのが2番目の段階です。詳しい解説は、次の記事をご覧ください。

【簡単古文】推量の助動詞む・べしの意味判別(識別)法

さらに3番目の段階では、意味の詳細を覚えます。「カ」が3つあるのが最大の難関ですが、弱めの意味は「む」、強めの意味は「べし」に分類されます。

む  の意味 … ス(推量)イ(意志)カ(勧誘)カ(仮定)エ(婉曲)
べし の意味 … ス(推量)イ(意志)カ(可能)ト(当然)メ(命令)テ(適当)

基本は以上です。より詳しい解説は、リンクした記事をご覧ください。

覚える順番に気をつけると、記憶が抜けにくくなります。

1番目 … 推量系は む・べし・まし(12位)/む=will、べし=should

2番目 … 「む の意味はスイカカエ」「べし の意味はスイカトメテ」をしっかり区別。

3番目 … 以下を記憶。

む  の意味 … ス(推量)イ(意志)カ(勧誘)カ(仮定)エ(婉曲)
べし の意味 … ス(推量)イ(意志)カ(可能)ト(当然)メ(命令)テ(適当)

古文文法第16位 「なり」の判別

「なり」の判別

① 終止形+なり は伝聞・推定

② 連体形+なり は断定

第6位の「終止形接続 … らむ・べし・まじ・らし・なり・めり」を知っていれば「なり」の判別は簡単です。ここに含まれる「なり」は、推量系の代表的な助動詞「べし」があることからも、推量系(伝聞・推定)であるとわかります。

これとは別に、断定の助動詞「なり」が連体形接続であることはいま覚えてください。

 

(例)音には聞けども、いまだ見ぬなり。… 「なり」の直前の「ぬ」は、文脈から打消と分かります。すると第7位(ず の活用表)より「ぬ」は連体形となります。この「なり」は断定の助動詞です。

(例)夜明けぬなりと、思さるるほどに … 「なり」の直前の「ぬ」は、文脈から完了と分かります。完了の助動詞「ぬ」はナ変型ですので、終止形となります。この「なり」は伝聞・推定の助動詞です。

※上記をマスターした後「状態+なり は形容動詞」も押さえてください。あはれなり、きよげなり、つれづれなり などがあります。

※このほか動詞「なる」の連用形もときどき聞かれますが、通常の日本語の感覚で区別できることが多いです。例えば 子となり給ふべき人なめり。

詳しい解説はこちら。

【簡単古文】 助動詞「なり」意味の識別と活用

古文文法第17位 「にき・にけり」と「に・・・あり」

「にき・にけり」と「に・・・あり」

① にき・にけり の「に」は完了

②に……あり の「に」は断定

にき・にけり の「に」は完了。知っているだけで、これほど頻出する古文文法のルールは珍しいでしょう。例えば「花の色は 移りけりな いたずらに わが身世にふる ながめせし間に」。移りにけりな の「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形です。

一方、ややつかみにくいのは に……あり の「に」は断定 のルールです。これは「に」の直後または少し後に「あり」がある形です。例えば「これはもし鬼あらむ」。この「に」は断定の助動詞「なり」の連用形と即決可能です。

※「あり」の代わりに、同じ意味を持つ「おはす」「侍り」「候ふ(さうらふ・さぶらふ)」があっても同じです。
※「あり」や同じ意味を持つ各語は省略されることが多く、この場合、頻出です。例えば「まことにやと御心とまりて」。

さらに応用として 状態+「に」は形容動詞の一部 も覚えていきます。「移りにけりな いたずら」の、後の方の「に」は形容動詞の連用形の一部です。最後に、通常の日本語の感覚で区別できることが多いですが、英語の前置詞に似た格助詞の場合もあります。「わが身世ふる ながめせし間」。

詳しい解説はこちら。

【簡単古文】「にき・にけり」と「に・・・あり」の文法的意味

古文文法第18位 つべし、ぬべし、てむ、なむ

つべし、ぬべし、てむ、なむ

① 完了の助動詞(つ・ぬ)+推量系の助動詞(主にむ・べし) は強意+推量系

② きっと~だろう が基本の意味

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「潮満ちぬ。風も吹きぬべし」

「べし」は終止形接続ですので、すぐ上の「ぬ」は完了と分かります。しかし「風も吹いてしまったはずだ」と訳すと不自然です。「風もきっと吹くだろう」が良さそうです。

考え方はシンプルで 完了の助動詞(つ・ぬ)と推量系の助動詞(主にむ・べし)が連続した場合、推量系の助動詞の方が意味が勝ち、「つ」「ぬ」は強意(確述)の意味に変化することになります。きっと、と訳せばよいのです。

完了の助動詞(つ・ぬ)+推量系の助動詞(主にむ・べし) は強意+推量系

このように覚えるのが王道ですが、推量系の助動詞はむ・べしが頻出するため、次のように覚えてもよいでしょう。

ぬべし、つべし、なむ、てむ は強意+推量系。

※ときには「てまし」など難しめの出題もありますが、まし は第12位より推量系と分かっていますので、応用すれば解くことができます。

古文文法第19位 e段+らりるれ

e段+らりるれ

エ段+らりるれ の「ら」「り」「る」「れ」は 完了

エ段+らりるれ の法則は、高校の文法ではあまり教えないかも知れませんが、入試に臨むためには不可欠です。例えば、「富士の山を見れば、五月(さつき)のつごもりに、雪いと白う降れ」の「り」は完了(存続)です。

古文文法第4位の注釈で、完了の助動詞「り」は、正しくはサ変の未然形、四段の已然形につく、としました。頻出第19位まで学ばれたなら、そろそろ覚えても良いでしょう。サ変の未然形は「せ」、四段の已然形は「え・け・せ・て・ね……(エ段)」ですので、実質的にエ段と覚えると、即効性が高くなります。完了の「り」は、語尾からラ変となります(古文文法第9位)。したがって、ら・り・り・る・れ・れ ですので、「ら」「り」「る」「れ」と整理できるわけです。

なお、つ・ぬ・たり・り ははじめは完了と覚えます(古文文法第11位)。しかし18位で、つ・ぬ には強意(確述)の用法を付加しました。19位では、たり・り に存続の用法もあることを知っておいてください。

11位(基本) つ・ぬ・たり・り … 完了
18位(応用) つ・ぬ … 完了・強意(きっと~)
19位(応用) たり・り … 完了・存続(~している)

知識はこのように、基礎を強固にした後、応用を積み重ねることで、絶対に忘れない体系になります。

古文文法第20位 ば…まし は仮定法

ば…まし は仮定法

ば…まし は英語の仮定法と同じ

英語の仮定法の知識を使うと、難解な古文助動詞「まし」は攻略が容易です。

If I were a bird, I would fly to.(私が鳥だったら、空を飛ぶのに。実際はそうでないから、飛べない)

古文では「鳥なら、飛ばまし」となります。

「ば」が英語のifに対応し、「まし」がwouldに対応しています。

「逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし」 この百人一首は少し応用になりますが、「なくは」は「なくば」の代わりです。そのため「もし会うことが全くなくなったら、あなたのことも自分のことも恨まないのに。実際には会うことがあるため、あなたのことも自分自身のことも恨めしく思うのですよ」という意味になります。

※なお単独で用いられる場合、主に~しようかしらという「ためらいの意志」となります。ためらいの意志まで押さえているのは、難関大希望者ぐらいでしょう。

【まとめ】古文文法ベスト20

第1位

(下二) え・え・う・うる・うれ・えよ
(四段) あ・い・う・う・え・え

第2位

(サ変)せ・し・す・する・すれ・せよ
(カ変)こ・き・く・くる・くれ・こよ(こ)
(ナ変)な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね

(ラ変)ら・り・り・る・れ・れ

第3位 (形容詞) く・く・し・き・けれ・○

第4位 (未然形接続)

む・ず・むず・じ・しむ・まし・まほし
る・らる・す・さす・り・り・り

第5位 (連用形接続) つ・ぬ・たり・けり・たし・たし・き・けむ

第6位 (終止形接続) らむ・【べし】・まじ・らし・なり・めり

第7位 特殊型の助動詞

(ず)ず・ず・ず・ぬ・ね・○
(き)せ・○・き・し・しか・○

第8位 る・らる・す・さす・しむ・つ は下二段。

第9位 語尾が「む」「り」「し(じ)」の助動詞はそれぞれ 四段・ラ変・形容詞型

第10位 過去の助動詞は き・けり

第11位 完了の助動詞は つ・ぬ・たり・り

第12位 推量系の助動詞

頻出度A む・べし・まし
頻出度B なり・めり
頻出度C けむ・らむ

第13位

係助詞は ぞ・なむ・や・か・こそ
結びは基本は連体形。「こそ」はこっそり已然系。
ぞ・なむ・こそ は「!」のイメージ(強意)。や・か は「?」(疑問)と「!」(反語)のイメージ。

第14位

形容動詞の活用表は なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ
断定の助動詞「なり」は形容動詞型の活用。

第15位

む  の意味はスイカカエ
べし の意味はスイカトメテ

第16位

終止形+なり は伝聞・推定
連体形+なり は断定

第17位

にき・にけり の「に」は完了
に……あり  の「に」は断定

第18位 ぬべし、つべし、なむ、てむ は 強意+推量系

第19位 エ段+らりるれ の「ら」「り」「る」「れ」は 完了

第20位 ば…まし は英語の仮定法と同じ

古文文法20位までを暗記したあなたはこうなる

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① 授業や参考書が分かってくる。文法問題の大半に手が出せる。

② 古文読解がスムーズになる。

③ だんだん古文が分かるようになる。

今後の学習の進め方

この記事のあとは、古文常識または古文文法21位~40位へ進みます。

① 古文文法の基礎

古文、古文文法の勉強法 たった5つのポイント!~入門編~

② 古文文法ベスト40のうち、標準レベルの「頻出度1~20位」は、いまお読みの記事にまとまっています。

文法1~20位

↓この記事の、助動詞部分(4~12位)の暗記をサポートする「特別講座」です。


③ 古文常識 … 最初は、身分、場所(建物)、和歌に絞る

↓記事は今後作りますが、参考書ならマドンナが良いです。

④ 古文単語 … 200語程度

記事は今後作ります。高校でもらった単語集を使ってください。

⑤ 読解演習 … 平安期物語10題

当面、自分にあったものを探してください。間もなく当サイトでも問題をアップします。

※センター試験、国公立、MARCH以上、関関同立以上、その他でも文学部受験なら、下の応用編が合否を分けます。非常によく出て、かつ苦手な受験生が多い部分です。

古文文法21位~40位

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