認知行動療法(カウンセリング理論)をわかりやすく|キャリコン基礎理論対策#04


カウンセリング理論は、4つに分類されます。このページでは、行動的アプローチ、認知的アプローチを説明し、両者を統合した、認知行動療法を説明します。

前回今回次回
【来談者中心療法】ロジャースとフロイトのアプローチ|キャリコン基礎理論対策#03認知行動療法(カウンセリング理論)をわかりやすく|キャリコン基礎理論対策#04システマティックアプローチ、発達理論、諸理論(アサーション、ナラティブセラピー、現実療法、実存療法)|キャリコン基礎理論対策#05
キャリコ
キャリコ
  • 古典的条件付けをもとにした、系統的〇〇〇は、伝統的な行動療法の1つです。もし歯医者が苦手なら、段階を経て、最後に歯を削る音を聞いてリラックスさせます。
  • CL:「上司が会議でパワハラ発言を繰り返すため、会議に出たくないんです。社内でもパワハラ部長として有名なんです」|認知療法のABCDEモデルを使って、どのようにカウンセリングを進めますか? (回答例

認知行動療法は、B(認知)を、発生する自動思考とそれを生む〇〇〇〇に分け、例えば、恣意的推論(先回りのしすぎ)、分極化思考(all or noneの思考)などがあります。

👉系統的脱感作、スキーマ

カウンセリングのいくつかのアプローチ

  • 感情的アプローチ …  感情重視 (ロジャース、フロイト)
  • 認知的アプローチ …  固定観念(イラショナルビリーフ)と認知を重視
  • 行動的アプローチ …  行動を変えてゆくアプローチ
  • 包括的アプローチ …  各種を折衷する体系で、キャリコンの実際の道具。

行動的アプローチ(行動療法)とは

行動療法は、例えば、あがり症のクライエントに相談を受け、望ましくない行動を変えてゆこうとするものです。

行動療法のベースは、パブロフの犬の実験で知られる、学習過程に注目した理論です。不適応行動、問題行動は、いちばん始めにはなかったもので、学習によって身についた以上、学習によって取り外せると考えます。

理論家には、パブロフ、ウォルビ、スキナーの3人がいます。古典的条件付け(レスポンデント条件付け)、オペラント条件づけ、観察学習の3つの学習理論を持っています。

行動療法の基本

行動療法は、刺激→反応の連鎖は、学習の上書きが可能だと考えます。例えば、あるできごとから、問題行動、悩み、症状が出てしまうクライエントを改善に導くことができます。刺激をスティミュラス(S)、反応をレスポンス(R)と呼ぶことがあります。

現在の行動療法

認知行動療法への進化行動療法、認知療法、論理療法を統合したもの。
現在の行動療法①新行動S-R理論、②応用行動分析、③社会学習論、④認知行動療法理論の4つに分類される。

伝統的な行動療法

伝統的な行動療法・古典的条件付け(レスポンデント条件付け)
・オペラント条件づけ
・観察学習

もし歯医者の歯を削る機械の音だけで震えてしまう人がいたとしたら、どのような対処方法などがあるでしょうか?

古典的条件付け(レスポンデント条件付け)

古典的条件付けは、パブロフの犬の実験で知られます。

  • 肉(無条件刺激)が、よだれ(無条件反応)を引き起こすのは、自然。
  • しかし、毎回肉を出すときにメトロノームを鳴らすと、中性刺激だったメトロノームの音が、条件刺激にすり替わる。
  • メトロノームでよだれを出す犬を治すには、メトロノームが鳴るのに肉が出ないという、それまでと逆のできごとをくり返す(系統的脱感作)。
・例えば、歯医者が苦手な人に、苦手な要素を順に並べてもらいます。まずは、軽度な要素(例えば並べられた道具)を見てリラックスする訓練をします。最後に、重度な要素、例えば歯を削る音を聞いたあと、リラックスする訓練をします。これが、系統的脱感作です。
・一方、例えば、歯を削る音を虫歯菌が逃げて行くアニメとともに見せることをくり返せば、問題は解決します。これを、拮抗条件付けと呼びます。
・このほか、歯を削る音と映像を何度も見て慣れてもらう、エクスポジャー(暴露法)も存在します。
・例えば、苦手な人の映像を見てリラックスする訓練は、拮抗条件づけです。人間関係を改善するという観点から、アサーショントレーニング(自分も相手も大切にする自己表現)にも取り入れられています。

(参考)系統的脱感作を取り入れたキャリアコンサルティング

  1. ラポール(信頼関係)の形成
  2. 問題把握(恐怖・不安を聞く)
  3. 階層表作成(恐怖・不安の刺激レベルを点数化)
  4. リラクゼーショントレーニング
  5. リラックス状態で恐怖・不安の場面提示(階層表に従い徐々に強く)
  6. 刺激を得るとリラックスできるようになる

オペラント条件付け

オペラント条件付けは、スキナーのネズミ(スイッチを押すとエサが出る)の実験で知られる、◯◯(快楽)と(不快)を用いたものです。この方法を、トークンエコノミーと呼びます。刺激、反応、結果(三項随伴性)がキーワードです。

例えば、子どもに勉強時間を増やしてもらったらり、深夜のスマホをやめさせるには、どのような方法があるでしょうか?

👉強化、罰

強化勉強したら、お小遣いを与える。勉強したら、皿洗いを免除する。
深夜のスマホを見かけたら、庭の草むしりをさせる。深夜のスマホを見かけたら、スマホをしばらく取り上げる。

上の方法をトークンエコノミーと呼びます。アルコール依存性の治療として、お酒を飲むと不快に感じる薬を投薬する方法もあります(賛否あり)。これは、庭の草むしりと同じで、正の罰に分類されます。

・例えば、勉強をしないのは、深夜にスマホを使っており、寝不足から学校の授業への興味が薄れているという仮説を立て、対処することを応用行動分析と呼びます。
・まず、勉強机に座らせて絵を描かせるなど、だんだんと目標に近づける方法を、シェイピングと呼びます。

(正誤問題)行動療法のシェイピング法は、レスポンデント条件付けに基づき、逆制止の原理により、不安などを引き起こす条件刺激に対する過剰な感受性を段階的に弱めていくものである。

ヒント:上の記述は、系統的脱感作。シェイピング法は、オペラント条件付けに基づき、目標を達成するために下位の目標を定め、段階的に達成させる手法。答え:誤り。

観察学習

難なく歯医者で治療を受けている、子どもや女性の動画を見せるように、他人の行動を映像で見せることを、観察学習と呼びます。ボボ人形実験が有名です。

認知的アプローチとは

認知的アプローチ・論理療法
・認知療法
・認知行動療法
・ゲシュタルト療法

論理療法

論理療法は、人の悩みは、価値観・人生観・固定観念(ビリーフ)に原因があるという考え方です。ABCモデル、ABCDモデルがあります。

論理療法(欧米ではREBT、Rational emotive behavior therapy )は、アルバート・エリスによるもので、日本では、日本人生哲学感情心理学会が扱います。

基本形出来事  → 信念(ビリーフ、認知)→(感情=行動=身体)

※=は相互作用を表す。身体と感情の相互作用もある。

ABCモデル

A(出来事)→B(信念)→C(結果)|Bを修正することで改善

クライエントの訴えCL:同僚にどうしても虫が好かない人物がいる。
自問自答CL:そういえば彼女は、自由奔放なところがあって、自分はそれを抑えているのにという思いが少しあったかも知れません。
カウンセリングの結果CL:同僚は、実は自分と似たところがあって、色メガネで見ていたのでしょう。少し見方が変わりそうです。

Bは、RB(正しい)とIB(正しくない)があり、IB(irrational beliefs)が問題となる。例えば、ねばならぬという人間観、悲観的、非難、卑下など。

ABCDEモデル

A(出来事)→B(信念)→C(結果)|B(信念)に対し、クライエント自身がD(論駁)することで、E(元気)が生まれる。

  • 英語が得意な人の覚え方:Activating event→Belief→Consequence
  • 語呂合わせ:弟子(出来事信念)入れた結果論駁されて元気失う。
クライエントの訴えCL:部長が会議でパワハラ発言を繰り返すため、会議に出たくなく憂鬱なんです。社内でもパワハラ部長として有名なんです。
CC:部長がパワハラをくり返し、会議の前に憂鬱になってしまうんですね。(中略)
自問自答CC:毎回の会議ですか?
CL:そう言えば、朝の会議だけですね。部長は自宅が近いので、不機嫌なまま出てくるのかも知れません。夜に仕事も持ち帰りますし。とにかく苦手意識が強いので、そこは見落としていました。
カウンセリングの結果CC:誰にでも苦手な人はいますし、苦労されたんですね。改めて部長さんの発言を振り返ると、どのように見えますか?
CL:睡眠不足から来る、八つ当たりと言えるかも知れませんね。まるで子どものようです。少し気が楽になりました。

※無理に変えるのではなく、その信念の成り立ちに注意する。

  • 論理療法といえば、BC(D)モデルです。両すみのアルファベットに、アルバート・エリスが隠れています。DEの並びから、下で説明の「弟子(出来事信念)入れた結果、論駁されて元気失う」をイメージします。
  • ABの並びから、アーロン・ベックを思い出せると便利です。「信念」は、自動思考とスキーマに入れ代わります。

認知療法

認知療法は、アーロン・ベック(うつ病が専門)が発案したものです。実証データに基づく。うつの発症直前に注目し、できごとよりも認知に問題があるとした。

認知(B)を、 〇〇〇〇 (表層)と 〇〇〇〇 (深層)に分ける。

出来事A〇〇〇〇(B)=その時の思考・イメージ結果(C)
〇〇〇〇(B)=個人特有の枠組み

👉自動思考、スキーマ

認知の歪み(スキーマ)の例

  • 恣意的推論 … 先回りのしすぎ
  • 分極化思考 …  all or noneの思考。完璧主義と説明されることもある。
  • マイナス化思考
  • 感情的決めつけ
  • レッテル貼り … ネガティブな自己イメージ
  • 過大視・微小視
  • 過度の一般化
  • 自己関連づけ
  • 選択的抽象化 … 悪いことばかり取り上げて考える
  • すべき思考

7つのコラム法(認知行動療法の1つ)

厚労省|うつ病の資料より
7つのコラム法(カウンセリングの例
状況CC:どんなできごとが起きましたか?
CL:飲み会に強制参加になりました。
気分CC:どんな気持ちのバランスでしたか?
CL:憂鬱70%、怒り30%です。
自動思考CC:そのとき浮かんだ考えをいくつか挙げると?
CL:行きたくない!(30%)時間の無駄!!(50%) 金返せ(20%)
(注)自動思考は1番強いものに注目します。
根拠(事実)CC:なぜ時間の無駄だと考えましたか? 事実だけを挙げると?
CL:実際、2時間以上かかりますし。
反証(事実)CC:その2時間、何に使ってましたか?
CL:家帰って、スマホとかゲームですかね。
CC:それと比べて飲み会の意味は?
CL:めんどくさいけど、人間関係が少しスムーズになるかも。
(注)分極化思考(all or none)のスキーマが働いていた可能性がある。
適応的思考CL:まあ、どうせスマホしてたわけだし、仕事を進めやすくなれば、そこまで悪くはないかな。
その後の気分CL:まあどっちもどっちかな(50%)、無駄な部分もある(30%)、役立つ部分もある(20%)。

参考になる文献『心が晴れるノート』

(正誤問題)認知療法を提唱したのは、アルバート・エリスである。

ヒント:同時に学ぶ専門家は、混同に注意します。BCDから連想できるアルバート・エリスは、論理療法。一方、第1次安倍内閣の末期に、安倍首相はうつ病になっていたという見方があります(精神科医の和田秀樹氏)。ーロン・ックは、うつ病の専門家であり、認知療法を開発しました。答え:誤り。

認知行動療法

1950~60年代に発展した行動療法や認知療法は、1970年代に、認知行動療法として一体的に取り組まれるようになりました。

認知行動療法の基本モデル( ⇄ は相互作用)

環境(状況・他者) ⇄ 個人認知 ⇄ 感情 ⇄ 行動 ⇄ 身体)

認知のあり方を変えることで、行動を変動させることを含む、広がりのあるモデルです。フロイト心理学と異なり、過去の経験よりも、現在の問題を重視します。

認知行動療法では、ソクラテス式問答法(単なる傾聴、説得、議論と異なり、開かれた質問を重ね、相手に変化や気づきを促すもの)を使用し、積極的にコミュニケーションを取ります。

ゲシュタルト療法

1つ1つの認知、あるいは人の心と体は、バラバラなものではなく、ゲシュタルト(全体、まとまり、形)を作るという考え方です。パールズによる。

ルビンの壺は、ゲシュタルト療法の説明によく用いられます。例えば、新入社員の頃は尊敬の対象だった上司A(=壺)が、ある時期からパワハラ上司(=2人の向かい合う人物の絵)に見えることがあります。クライエントに、ゲシュタルトが作られていることに気づかせるのが、ゲシュタルト療法です。

ゲシュタルト療法の流れ無意識(地)→ カウンセリング→ 意識(図)
  • 用語:見えていない絵柄=地。意識している絵柄=図。
  • クライエントの気づきに始まり、気づきに終わる。
  • カウンセラーは、解釈をせず、内省を手助けする。カウンセラーは、今ここにある、自明な現象だけを取り上げる。

ほかのカウンセリングが過去のトラウマなどをたどる傾向があるのに対し、ゲシュタルト両方は、現在に着目します。頻出 「今、ここ」での「気づき」はキーワードとして、キャリコンの試験で問われる可能性があります。

技法
・エンプティチェア … 想像上の他者を座らせる
・ファンタジートリップ
・夢のワーク
・ボディーワーク …  (例)胃になってみる

交流分析(TA) 

交流分析は、構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析の領域を持ちます。 提唱は、エリック・バーン

  • 構造分析
  • 交流パターン分析 … エゴグラム
  • ゲーム分析 … 非生産的なやり方で相手を支配していることに気づかせる
  • 脚本分析 … 脚本を書きかえ、自分の人生をコントロール下に置く。4つの手法のなかでは、最後に行うもの。

エゴグラムとは?

エゴグラムの主要概念自我状態  … P(親)A(大人)C(子供)

人は〇〇〇〇〇(触れあい)を求めて生きているとします。

  • タッチストローク
  • 認知的(心理的)ストローク … 肯定的、否定的に分類されます。

ストロークは、交流分析のキーワードとして、キャリコンの試験で問われる可能性があります。人は、肯定的なストローク(ほめるなど)が得られなければ、否定的なストロークでも良いと考えます。子どもが親の関心を引くために、いたずらや反抗をするのが、これにあたります。

👉ストローク

自我状態の分類

当サイト筆者のエゴグラム
CP(支配的な親)
担任の先生
↔︎NP(養育的な親)
ドラえもん
A(成人)
出木杉君
FC(自由な子供)
のび太
↔︎AC(適応した子ども)
スネ夫

交流パターン分析(対話分析)

  • 上司(CP主導)なぜ期限に間に合わなかった?
  • 部下(AC主導)ごめんなさい。やらかしました。
  • 上司(CP主導)なぜ期限に間に合わなかった?
  • 部下(A主導)理由がありデータがそろいませんでした。

その他の概念

  • ゲーム分析 … 隠された動機によるやり取り
  • 脚本分析
前回今回次回
【来談者中心療法】ロジャースとフロイトのアプローチ|キャリコン基礎理論対策#03認知行動療法(カウンセリング理論)をわかりやすく|キャリコン基礎理論対策#04システマティックアプローチ、発達理論、諸理論(アサーション、ナラティブセラピー、現実療法、実存療法)|キャリコン基礎理論対策#05

【実体験】キャリアコンサルタント 参考書・問題集の選び方

【実体験】キャリアコンサルタントの学校の選び方


関連コンテンツとスポンサーリンク


受験ネットから進呈

コメント

タイトルとURLをコピーしました