教育問題

認知行動療法(カウンセリング理論)を分かりやすく #04

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カウンセリング理論は、4つに分類されます(木村2016)。このページでは、行動的アプローチ、認知的アプローチを説明し、両者を統合した、認知行動療法を説明します。

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来談者中心主義・精神分析的カウンセリング (感情的アプローチ)を分かりやすく #03認知行動療法(カウンセリング理論)を分かりやすく #04包括的アプローチ(マイクロ、発達理論、ナラティブ、アサーション)を分かりやすく #05

カウンセリングのいくつかのアプローチ

  1. 感情的アプローチ …  感情重視
  2. 行動的アプローチ …  行動を変えて行く
  3. 認知的アプローチ …  概念や信念(ビリーフ)に注視し認知を重視
  4. 行包括的アプローチ …  各種折衷

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行動的アプローチ(行動療法)とは

行動療法は、例えば、あがり症のクライエントに相談を受け、行動を変えて行こうとするものです。行動療法のベースは、パブロフの犬で知られる、人(など)の学習過程に注目した学習理論です。

行動療法の基本

行動療法は、刺激→反応の連鎖は、学習の上書きが可能だと考えます。例えば、あるできごとから、問題行動、悩み、症状が出てしまうクライエントを改善に導くことができます。刺激をスティミュラス(S)、反応をレスポンス(R)と呼ぶことがあります。

近年、行動療法、認知療法、論理療法を統合した、認知行動療法 に発展していっています。

現在の行動療法

現在の行動療法は、①新行動S-R理論、②応用行動分析、③社会学習論、④認知行動療法理論の4つに分類されます。

[行動療法]人の行動に関する悩みを解決させる3つの方法

行動療法・古典的条件付け
・オペラント条件づけ
・観察学習

もし歯医者の歯を削る機械の音だけで震えてしまう人がいたとしたら、どのような対処方法などがあるでしょうか?

①歯を削る音を虫歯菌が逃げて行くアニメとともに見せる、②歯の治療を避け抜くことになった時の動画を見せる、③難なく治療を受けている子どもや女性の動画を見せるなどがあります。

①古典的条件付け(レスポンデント条件付け)に基づく方法

古典的条件付けとは?

古典的条件付けは、パブロフの犬の実験で知られます。無条件刺激(肉)が、無条件反応(よだれ)を引き起こすのは、自然な反応です。しかし、毎回肉を出すときにメトロノームを鳴らすと、中性刺激だったメトロノームの音が、条件刺激にすり替わっています。

行動を改善する方法

メトロノームでよだれを出す犬を治すには、メトロノームが鳴るのに肉が出ないというできごとを繰り返せば良いのです(系統的脱感作)。

歯を削る機械の音だけで震えるのは、パブロフの犬と同じ状態です。歯を削る音を虫歯菌が逃げて行くアニメとともに見せることをくり返せば、問題は解決します。これを、拮抗条件付けと呼びます。

関連して、歯を削る音と映像を何度も見て慣れてもらう、エクスポジャー(暴露法)も存在します。

②オペラント条件付けに基づく方法

オペラント条件付けとは?

オペラント条件付けは、スキナーのネズミ(スイッチを押すとエサが出る)の実験で知られる、強化(快楽の方向)、罰(不快の方向)を用いたものです。

トークンエコノミー

例えば、子どもに勉強時間を増やしてもらったらり、深夜のスマホをやめさせるには、どのような方法があるでしょうか?

強化勉強したら、お小遣いを与える。勉強したら、皿洗いを免除する。
深夜のスマホを見かけたら、庭の草むしりをさせる。深夜のスマホを見かけたら、スマホをしばらく取り上げる。

上の方法をトークンエコノミーと呼びます。アルコール依存性の治療として、お酒を飲むと不快に感じる薬を投薬する方法もあります(賛否あり)。これは、庭の草むしりと同じで、正の罰に分類されます。

応用行動分析

例えば、勉強をしないのは、深夜にスマホを使っており、寝不足から学校の授業への興味が薄れているという仮説を立て、対処することを応用行動分析と呼びます。

シェイピング

まず、勉強机に座らせて絵を描かせるなど、だんだんと目標に近づける方法を、シェイピングと呼びます。

③ 観察学習

難なく歯医者で治療を受けている、子どもや女性の動画を見せるように、他人の行動を映像で見せることを、観察学習と呼びます。ボボ人形実験が有名です。

認知的アプローチとは

認知的アプローチ・論理療法
・認知療法
・認知行動療法
・ゲシュタルト療法

論理療法

論理療法(欧米ではREBT、Rational emotive behavior therapy )は、アルバート・エリスによる。日本では、日本人生哲学感情心理学会が扱う。

特徴は、人の悩みは、価値観・人生観・固定観念(ビリーフと呼ぶ)に原因があるという考え方。ABCモデル、ABCDモデルがある。

出来事 → 信念(ビリーフ、認知)→(感情=行動=身体)

※=は相互作用を表す。身体と感情の相互作用もある。

クライエントの訴え上司Aが会議でパワハラ発言を繰り返すため、会議に出たくない。
カウンセリング上司Aは、社員の間でも強権的という評価が大半で、一部正当な指摘であってもパワハラに見えるということはありませんか?

ABCモデル

A(出来事)→B(信念)→C(結果)

B=RB(正しい)/IB(正しくない)。IBが問題となる。例:ねばならぬ(人間観など)、悲観的、非難(卑下)、欲求不満低耐性。

ABCDEモデル

  • A(出来事)→B(信念)→C(結果)
  • B(信念)に対するD(論駁)により、新しい結果E(効果)が生まれる。
クライエントの訴え上司Aが会議でパワハラ発言を繰り返すため、会議に出たくない。
カウンセリング上司Aは、社員の間でも強権的という評価が大半で、一部正当な指摘であってもパワハラに見えるということはありませんか?
カウンセリング上司Aは、強権的とも取れるが、単に古いタイプの人間なのではありませんか? ご自身の家族にそういう人はいませんでしたか?

※無理に変えるのではなく、その信念の成り立ちに注意する。

認知療法

アーロン・ベッグ(うつ病が専門)による。実証データに基づく。うつの発症直前に注目し、できごとよりも認知に問題があるとした。

特徴:認知を、自動思考(表層)|スキーマ(深層)に分ける。

出来事A自動思考(B)=その時の思考・イメージ結果(C)
スキーマ(B)=個人特有の枠組み

認知の歪み(スキーマ)の例

  • 恣意的推論 … 先回りのしすぎ
  • 分極化思考 …  all or noneの思考
  • マイナス化思考
  • 感情的決めつけ
  • レッテル貼り … ネガティブな自己イメージ
  • 過大視・微小視
  • 過度の一般化
  • 自己関連づけ
  • 選択的抽象化 … 悪いことばかり取り上げて考える
  • すべき思考

7つのコラム法(認知療法で主力の方法)

事例
状況上司Aが会議でパワハラ発言を繰り返すため、会議に出たくない。
気分・憂鬱 70%
・怒り 30%
自動思考今日も部下を一人一人否定する、パワハラ発言があるはず。
根拠(事実)会議のなかの1割程度は、パワハラ発言。
反証(事実)パワハラ発言のなかには、普通に事実を指摘したものも含まれる。会議の9割は、妥当な内容。
適応的思考人には欠点はあるもので、ごく一部の悪口(パワハラ発言)は許容しても良い。むしろこちらの器の大きさが問われている。
その後の気分・諦め 30%
・達観 70%

参考になる文献『心が晴れるノート』

認知行動療法

認知心理学の発展にともない、1970年代、行動療法もそれを取り入れ始めた。エビデンスベイストが大きな特徴。

基本モデル

環境(状況・他者)⇄個人(認知=感情=行動=身体)

※=は相互作用を表す。

ゲシュタルト療法

パールズによる。個別の認知、心と体は、バラバラなものではなく、ゲシュタルト(全体、まとまり、形)を作るという考え方。

ルビンの壺は、ゲシュタルト療法の説明によく用いられる。新入社員の頃は尊敬の対象だった上司A(=壺の絵)が、ある時期からパワハラ上司(=2人の向かい合う人物の絵)に見えることがある。クライエントに、ゲシュタルトが作られていることに気づかせるのが、ゲシュタルト療法。

  • 用語:意識している絵柄=図、見えていない絵柄=地。
  • 特徴:クライエントの気づきに始まり気づきに終わる(分析や解釈は主力ではない)

無意識(地)  →  (カウンセラーのコンタクト)→   図

カウンセラーは、解釈をせず、気づきを促す。内省を手助けする。カウンセラーは、今ここにある、自明な現象だけを取り上げる。

技法

  • エンプティチェア … 想像上の他者を座らせる
  • ファンタジートリップ
  • 夢のワーク
  • ボディーワーク …  例:胃になってみる

交流分析(TA) 

交流分析は、人間関係のカウンセリングを得意とし、管理職研修などで用いられる。

主要概念

自我状態  … P(親)A(大人)C(子供)

人はストローク(触れあい)を求めて生きている |タッチストロークと認知的(心理的)ストロークがある。認知的ストロークは、肯定的、否定的に分類される。

自我状態の分類

P(支配的な親、CP)|ジャイアンP(養育的な親、NP)|しずかちゃん、ドラえもん
A(成人)|出木杉君
C(自由な子供、FC)|のび太C(適応した子ども、AC)|スネ夫

交流パターン分析(対話分析)

上司 P>A・Cなぜ期限に間に合わなかった?
部下 C>P・Aごめんなさい。やらかしました。
上司 P>A・Cなぜ期限に間に合わなかった?
部下 A>P・C理由がありデータがそろいませんでした。

その他の概念

  • ゲーム分析 … 隠された動機によるやり取り
  • 脚本分析
  • エゴグラム
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