小論文の語尾は、論文にならい「だ・である調」が基本(ほぼ絶対)です。一方、志望理由書や自己PR、エントリーシートは、「です・ます調」で提出する人が8割を超えますが、「だ・である調」でも間違いではありません。
小論文の語尾・文体は「だ・である調」、志望理由書は「です・ます調」が基本
筆者は、元予備校講師で、現在高校内講義を担当しています。その情報から、下のように考えて頂いて、間違いありません。
種別 | 語尾・文体 | 根拠 |
---|---|---|
小論文 | だ・である調 (です・ます調は、減点もありえる) | 客観性を重んじるのが小論文。読み手との距離を縮める丁寧語(です・ます調)は不自然と考えられます。 |
志望理由書・自己PR・エントリーシート等 | です・ます調が主流 (だ・である調での提出も2割程度見られる) | です・ます調での提出が8割程度を締めます。 |
例外① 小論文でも、「大学生になって取り組みたいこと」(東京農業大)、「本学工学部情報システム創成学科に入学して、特に学びたいと思っていることは何か」(神奈川大) のように、実質的な作文が、小論文として出題されることがあります。この場合、です・ます調は許容範囲です。
例外② 志望理由書等の、だ・である調は、難関大受験者を中心にときどき見られますが、やや上から目線に感じられるリスクがあります。自分のこととはいえ、客観的に書けるタイプの受験生なら、しっくりくることがあります。
迷う場合は、コメント欄からご相談ください。
「だ・である調」とは?
だ・である調の例を示します。敬語(です・ます)を用いないのがだ・である調であり、全ての文末の語尾がだ・であるになる訳ではありません。
【設問】あなたの住む地域について、自由に論じなさい
私は、富士山の麓、三島市に住んでいる。寒い時期には富士山がよく見え、その冨士山からの雪溶け水が湧き、きれいな水が豊富であることは有名だ。その水を利用した、美しい公園やうなぎ料理のほか、染め物も発達してきた。しかし、うなぎを食べに来てくれる観光客はいても、染め物を目当てに訪ねたり、通販で購入したりしてくれる観光客はほとんどいない。
(例文の全体は、【超かんたん】800字小論文 例文と構成、書き出しにあります)
試験で、です・ます調の小論文を提出したら不合格?
大学入試の採点基準は、非公表となっており判断は難しいところです。即不合格となることはないと思いますが、多少でも問題を練習すれば「だ・である調が普通」と気づくはずであり、多少の減点や、印象を落とすことは避けられません。
高校入試では、中学校では作文の学習が中心のため、大学入試よりは寛容である可能性があります。入社試験では、採点者は国語の専門家ではないため、基本的に減点はないと予想できます。
志望理由書等では敬語は最小限に
志望理由書等では、敬語の1種である「です・ます」を使うことが普通です。しかし、あくまで書類ですので、「です・ます」や貴学・貴校を除く過度な敬語は避けるようにしてください。
過度な敬語の例 | 修正後 |
オープンキャンパスでは、貴学入試課のスタッフの方から丁寧にご説明頂き…… | オープンキャンパスでは、貴学入試課スタッフのからの丁寧な説明があり…… |
将来は美容師となり、お客様が笑顔となるような…… | 将来は美容師となり、お客が笑顔となるような…… |
今回出願させて頂いた理由は… | 今回出願した理由は… |
小論文の書き方は以下の記事にあります。
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