
小論文の語尾は、論文にならい「だ・である調」が絶対です。志望理由書や自己PR、エントリーシートは、「です・ます調」で提出する人が8割を超えますが、「だ・である調」でも間違いではありません。
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小論文の語尾・文体は「だ・である調」。志望理由書は「です・ます調」。

筆者は、元予備校講師で、現在は高校内講義を担当しています。その情報網から、下が結論です。
種別 | 語尾・文体 | 根拠 |
---|---|---|
小論文 | だ・である調 (です・ます調は、減点もありえる) | 客観性を重んじるのが小論文。読み手との距離を縮める丁寧語(です・ます調)は不自然です。 |
志望理由書・自己PR・エントリーシート等 | です・ます調が主流 (だ・である調での提出も2割程度見られる) | です・ます調での提出が8割程度を締めます。ただし、難関大では、だ・である調がやや増え、書き方によっては、だ・である調が合う場合もあります。(後半で説明) |
※大学生になって取り組みたいこと(東京農業大)、本学工学部情報システム創成学科に入学して、特に学びたいと思っていることは何か。(神奈川大) のように、実質的な作文が、小論文として出題されることがあります。この場合、小論文遠いう区分ですので「だ・である調」を推奨します。
小論文の「だ・である調」を例文で見る
だ・である調で書かれた、小論文の例文を示します。
【設問】選択的夫婦別姓制度に関して、自由に論じなさい(神戸大・改)
選択的夫婦別姓制度とは、夫婦の同意があれば、夫婦とも元からの姓を名乗ることができるしくみである。私は、この制度の採用に賛成である。
(例文の全体は、小論文の例文 400字・600字・800字の例文を一挙紹介にあります)
上の小論文は、「だ・である調」で書かれています。です・ます調の語尾を比較してみます。
- だ・である調(言い切り) … 選択的夫婦別姓制度とは、夫婦の同意があれば、夫婦とも元からの姓を名乗ることができるしくみだ。私は、この制度の採用に賛成である。
- です・ます調(敬語、丁寧語) … 選択的夫婦別姓制度とは、夫婦の同意があれば、夫婦とも元からの姓を名乗ることができるしくみと言えます。私は、この制度の採用に賛成です。
なぜ、小論文の文末は、「だ・である調」(言い切り)が望ましいのでしょうか?
「だ・である調」とです・ます調を比べると、です・ます調は親しみを感じさせます。しかし、小論文は、書き手と読み手の間の人間関係を抜きに、客観的な立場で読んでも説得力を感じることが必要です。そのため、「だ・である調」が適切で、です・ます調は不適切です。
試験で、です・ます調の小論文を提出したら不合格?
大学入試では、不合格につながる大幅な減点はないと予想します。ただし、違和感や練習不足のイメージから、多少採点官の印象に響く可能性はあります。なお、大学生の論文の場合、教授の考え方次第ですが、再提出となる場合もあります。
です・ます調が許される小論文は、実質作文(=人柄を知るための出題)に区別できるもの。
NEW です・ます調が許される小論文もわずかにあります。大学によっては、小論文の試験名称で、実質的な作文(自己PRの要素が強いもの)を出題する場合があるからです。また、大学生が就活で課される小論文も、実際には作文(自己PRの要素が強いもの)であることが目立ちます。
例えば、東京農業大では、一部の学科で、小論文として実質的な作文が出題されます。この場合、です・ます調でも構いません。
醸造科学科 | 醸造科学科で学ぶ意義と卒業後の将来計画について述べなさい。 |
国際農業開発学科 | あなたが目指す海外農業開発について述べなさい。 |
就活の場合、以下のような例があります。ただし、就活の場合、大人が書く文章という位置づけのため、どちらかと言えば、「だ・である調」をおすすめします。
就活 | ・10年後、どのような人材になりたいですか? ・あなたが今まで最も努力してきたことを教えてください。 ・今気になっている社会問題について、自分の考えをまとめなさい。 |
志望理由書・自己PR・ES(エントリーシート)・作文は「です・ます調」が主流。活動報告書、学修計画書は「だ・である調」が自然。
種別 | 語尾・文体 | 根拠 |
---|---|---|
小論文 | だ・である調 (です・ます調は、減点もありえる) | 客観性を重んじるのが小論文。読み手との距離を縮める丁寧語(です・ます調)は不自然です。 |
志望理由書・自己PR・エントリーシート等 | です・ます調が主流 (だ・である調での提出も2割程度見られる) | です・ます調での提出が8割程度を締めます。ただし、難関大では、だ・である調がやや増え、書き方によっては、だ・である調が合う場合もあります。(後半で説明) |
志望理由書・自己PR・エントリーシート等は、です・ます調にすべきなのでしょうか? 傾向として大学入試ではほとんど全ての人がです・ます調を利用しています。
しかし、小論文がだ・である調が絶対の原則であるのとは異なり、志望理由書・自己PR・エントリーシート等ではどちらにもメリットがあります。
- です・ます調 …採点者への敬意が伝わる。
- だ・である調 …内容に自信があるように感じさせる(権威性)。
以上から、志望理由書・自己PR・エントリーシート等では、とくに自信があり差をつけたい場合を除き、です・ます調が無難です。ただし、内容が平凡にも関わらず、だ・である調を使用すると、上からの目線を感じさせますので注意します。
小論文の書き方は以下の記事にあります。
Qまずどれを見たらいいですか?
A「【簡単に書ける】小論文例文と構成の裏ワザへ」がおすすめです。
Qとくに苦手なのですが?
A 【図解一発】小論文の書き出しや「考えを述べよ」の書き方を知るを見てください。
Q例文集はありますか?
A【簡単に書ける】小論文例文と構成の裏ワザ
書き方のルール | 課題文要約法 | テーマ型 | グラフ・図表型 | 作文
Qよく出るテーマを知りたいのですが?
A小論文 2023年度予想テーマ・例題一覧(学部別)がおすすめです。
Q参考書や勉強法を調べています。
A参考書と勉強・対策法
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