高校でSNSをテーマに小論文(作文)を書くことになりました。どのように書いて良いか分からないのですが、例文を含めて教えてもらえますか?
動画もありますので、好みに応じてご覧ください。登録で参考書にはない裏ワザをお届けします!
SNSをテーマにした小論文の書き方
SNSをテーマにした小論文の書き方は、難しくはありません。高校などでは、おもに5種類のテーマが出題されます。
- SNSの利用で気をつけたいこと、付き合い方、利用の仕方、自分が簡単に情報源になることができる時代に必要なこと(作文)
- SNSの功罪、メリット・デメリット、自由と規制
- SNSの問題点、トラブル
- 高校生のSNS利用について
- SNSと特定のテーマ(誹謗中傷、承認欲求、人間関係)
400字の字数制限の場合、段落構成は、下の3段落がおすすめです。
例えば「SNSの利用について、気をつけたいことを書きなさい」の場合、作文に分類され、自分がどうしたいのかという観点で書きましょう。
- 要点 SNSを利用するときには、私は人を傷つけず、自分の勉強時間を減らさないような利用が大切だと思う。
- くわしく 「人を傷つけてしまった体験談」「その改善策」「勉強時間を減らさないための工夫」
- 要点 以上のように、私は人を傷つけず、自分の学力が上がるような利用を心がけたい。
上のようなメモをまず書き、次に文章化します。メモは、要点は簡単に文章化しておき、くわしくはか条書きがおすすめです。
SNSの利用について、気をつけること、注意点
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を利用するときには、私は人を傷つけず、自分の勉強時間を減らさないような利用が大切だと思う。
私はSNSの1つであるLINEを利用している。先日、仲の良い友達を、いつものようにふざけてからかったのだが、しばらく仲がこじれてしまったことがある。直接のやり取りなら表情などで気持ちが伝わるのだが、文字の場合、冷たく感じたり悪い意味に伝わったりしてしまう。それ以来、私はSNSでは無難な表現を心がけ、顔文字も使うようにしている。また、SNSには、LINEのほか、X(旧Twitter)やインスタグラムなどがあり、1日に何時間も費やすことがある。時間制限を設け、とくに勉強時間となる夜は触らないようにすることも必要だ。
以上のように、SNSについては、私は人を傷つけず、自分の学力が上がるような利用を心がけたい。
(371字)
SNSの利用で気をつけたいこと、付き合い方、利用の仕方、自分が簡単に情報源になることができる時代に必要なことの各テーマは、作文に近いため、自分がどうしたいのかという視点で書きます。
- 作文 …自分がどうしたいのか、どう感じるのかを書く。です・ます調でも良いが、担当の先生の指示に従う。
- 小論文 …客観的な意見を書く。
実際に書いたものを見て欲しい、書く前に相談したいという場合、上の方の吹き出しマークからコメントしてください。無料で、ニックネームでもOKです。
[600~800字]SNSの功罪、メリット・デメリット、自由と規制
SNSの功罪、メリット・デメリット、自由と規制を書く場合、「功(良い影響)」と「罪(悪い影響)」のような2項対立となり字数がふくらみます。そのため、600~800字を指定されることが多く、4段落がおすすめです。
400字しか与えられなかった場合、くわしくの段落は1つとして、途中で「一方、」「しかし、」などで話題を変えるとよいです。
SNSのメリット・デメリット
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のメリット・デメリットには、どのようなものがあるのだろうか。日常生活に関係が深い内容を説明してみたい。
まず、メリットとして、電話や面と向かっての会話と比べ、家族や友人間の連絡を円滑にできることが挙げられる。例えば図書館で勉強中に家族と連絡したい場合、電話だと1度屋外に出なければならないが、LINEならその必要はない。友人間でも、電話や会話に比べまめに連絡を取ることができるし、面と向かっては照れ臭いことも伝えられ、人間関係を深める部分もある。
一方、デメリットとして、顔文字やスタンプなどが利用できるものの、直接の会話に比べると、声の大きさ、トーン、顔の表情といった表現の幅が狭く、豊かな感情は伝えるのが難しいし、誤解を生んでしまうこともある。先日、私は親友とLINEでやりとりしており、特に他意なく「分かった」と返信したことがある。親友は、話を聞く気がないと思ったと、あとから報告してくれた。
以上が、高校生の日常生活から見たSNSのメリット・デメリットである。SNSは、良い点、悪い点があるが、連絡やコミュニケーションの手段として欠かせないものとなっている。そのため、デメリットを常に意識しながら、注意して利用することが必要だと考える。
(543字)
メリット・デメリットを聞かれた場合、具体的に便利な点、不便な点を書きます。功罪の場合は、社会的な良い影響、悪い影響という視点で書きます(下に具体例)。
- 功 …住む世界が異なる人同士に接点ができ、世の中が良い方向に変わる可能性。
- 罪 …使い方を誤ると、自分と同じ意見の人同士で肯定し合う傾向(エコーチェンバー現象)も。
メリット・デメリットはSNS利用者としての身近な視点、功罪は社会全体を分析する視点で書いてみましょう。なおいずれの場合も、最終段落(要点を書きまとめる段落)では、どちらを上に取るかをある程度はっきりさせてください(小論文は意見を述べる場ですので、「功罪を見極める目を養いたい」のような中立的な結論は好ましくないとされます)。
SNSの自由と規制については、自由にすべきか、規制をすべきかという意見を求められています。初めにどちらを支持するか決めてから、その根拠を書く方式が良いでしょう。
SNSの自由と規制
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)での多種多様な表現は、自由に任せるべきであろうか。私は規制を課した方がよいという立場である。
例えば、特定の人物に対する批判を、街頭で宣伝カーのマイクを通じて行う、書籍や雑誌で表現する、新聞に投書する。いずれも、憲法第21条の表現の自由に保障された内容である。この背景には、宣伝カーを準備するにせよ出版や投書をするにせよ、一定のコスト(費用や時間)がかかり、準備段階で複数の人の目に触れ、ある程度の客観性が出てくるという特徴がある。簡単に言えば、宣伝カーや書籍、雑誌、投書などは、手間暇がかかり人の目も介すことから、ある程度社会的な意味がある批判しか世に出ないだろうという前提があるように考えられる。
他方、SNSでの批判を考えてみる。例えばXなら利用料は無料だし、思いついたら即座に、誰のチェックを受けることもなく意見を発信できる。そのため、社会的に必要だと思われる批判だけではなく、単なる悪口の部類が広範囲に広がってしまう可能性がある。手間ひまというハードルや、人の目といったフィルターが薄いのがSNSであり、例えるなら不味いインスタントコーヒーが無数に出回ってしまうのだ。古いメディアは、何らかの意図があり、時間とコストをかけた喫茶店のコーヒーのようなもので、存在意義が見いだせることが多いのではないか。
以上から、私はSNSでの表現に対しては、何らかの規制を加えることが必要だと考える。
(616字)
人気 800字小論文 | 「自由に論じなさい」 | 採点基準 |
600字小論文 | 課題文要約 | 参考書 |
400字小論文 | テーマ型、課題文型 | グラフ・図表型 |
1600字小論文 | 小論文予想テーマ | 原稿用紙のルール |
問題提起 | 結論 | だ・である調 |
作文 | SNSについて | 教員向け(教え方) |
起承転結 |
高校生のSNS利用について
高校生のSNS利用についてというテーマは、賛否を求めているとも、課題分析と解決策を求めているとも取れます。書きやすい方で書いてみましょう。
SNSと特定のテーマ(誹謗中傷、承認欲求、人間関係)
誹謗中傷、承認欲求、人間関係がテーマの場合、賛否では書けませんので、課題分析ー解決策という少し難しい流れとなります。第2段落で課題分析(問題点と原因を分析)、第3段落で解決策を書いてみましょう。
SNSと誹謗中傷
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、匿名かつ顔が見えないコミュニケーションが特徴であり、誹謗中傷が問題になることがある。
まずは私自身が、SNSによる誹謗中傷に手を染めてしまったときのことを考えてみたい。記憶に残る範囲では、小学校高学年の頃、級友の悪口をLINEグループで言い始めたのが最初だったと思う。今考えると悪口の相手は、私と似てリーダーシップを取るタイプの子だった。恐らく自分の役目を奪われてしまうと思い、悪口を言い始めたのだと思う。この経験を見ると、SNSでの誹謗中傷、相手に問題があるというよりも、自身のアイデンティティに何らかのアンバランスが生じたときに、そうしたくなるものと言えないだろうか。人が生きてゆくうえで、自分の存在意義や価値観が揺らいでしまうことは少なくない。その時には、不安や恐怖の気持ちが顔をのぞかせると考える。
この不安と恐怖の解消の道具として、SNSは手軽に使用しやすい特徴がある。しかし、自分自身の問題が解決することはない。そこで私は、スクールカウンセラーの活用を提唱したい。中学や高校には、週に1回はスクールカウンセラーが来校する場合が多い。SNSで否定的な発信をしてしまう場合、本人が自分では分からないトラブルを抱えていることが多いはずだ。臨床心理士などの資格を持つスクールカウンセラーであれば、その辺りの解決は決して難しくないと考える。
SNSでの誹謗中傷が本格的なトラブルとなる前に、ネガティブなワードを発信してしまった時点で相談ができる体制を作れば、少なくとも中学や高校では誹謗中傷によるトラブルが減り、円滑な人間関係が生まれてくるものと考える。
(699字)
小論文でSNSという略語を用いてもよい? 原稿用紙にはどう書く?
小論文でSNSという略語を書いてもいいの?
はい。小論文では、SNS、スマホ、コンビニ、中学等の略語は禁止です。しかし、毎回「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」と書くと、字数稼ぎによる減点にもなります。
そのため1回目は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」または、「ソーシャル・ネット・ワーキング・サービス(以下SNSと略す)」と書き、それ以降は「SNS」と書くのがおすすめです。
縦書き原稿用紙の場合、SNSを英語と考えるなら、横に倒し1マス1文字です。一方、日本語化した言葉と考えるなら、ほかの日本語同様たてに書きます。このあたりは、例え大学入試でも点数への影響は少ないですので、あまり気にしなくても構いません。
実際に書いたものを見て欲しい、書く前に相談したいという場合、上の方の吹き出しマークからコメントしてください。無料で、ニックネームでもOKです。
コメント
①東京歯科大学歯学部歯学科
③「スマートフォンの功罪について四百字以内で自由に書け」
スマートフォンの便利な点は、電波の届く場所であればどこでも、インターネットや様々なアプリが利用できる点だ。分からないことや、気になることがあるとき、その場ですぐに調べることが出来る。また、道に迷ってしまった時や、知らない土地での移動の時、道案内をしてもらうことも可能である。他にも、暇な時には、SNSやゲームアプリ等で時間を潰すこともできる。一方、悪い点としては、スマートフォンは、ブルーライトを発する装置であり、長時間の使用によって、視力が低下する可能性がある。また、SNSやゲームアプリを使用する際にも、暇潰しにとどめることができずに、時間を浪費してしまったり、やりすぎによって、依存してしまう可能性もある。スマートフォンは非常に便利であり、現代社会には欠かせないものとなっている。その一方で、人に悪影響を及ぼしてもいる。スマートフォンは、利用者自身が付き合い方について考える必要があるだろう。
ご投稿ありがとうございます。
良い点
・全体の流れがしっかり整えられています。紙幅に余裕があれば、「スマートフォンは非常に便利であり、」の前で改行すると、読みやすくなり、印象が良くなります。なお、よく書かれる内容が多く、本格的な入試小論文の場合、体験談や希少な観点で差別化を図る必要がありますが、基本的な文章力や社会的な視野を見るのが目的であれば、問題はありません。オープンキャンパス等で説明された、試験の目的を確認してみてください。
改善点
・「暇な時には、SNSやゲームアプリ等で時間を潰すこともできる。」とありますが、話し言葉に近くなっています。新聞か雑誌AERAをしばらく読み、書き言葉の感覚を養ってみてください。
改善例「余裕があるときには、SNSやゲームアプリ等で時間を潰すこともできる。」
・「時間を浪費してしまったり、やりすぎによって、依存してしまう可能性もある。」とありますが、「たり」は2つ以上を組み合わせることになっています。「時間を浪費してしまったり、やりすぎによって、依存したりしてしまう可能性もある。」