小論文

【教育学部・幼児教育学部】小論文の例文・書き方・対策

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この記事では、 教育学部・幼児教育学部 の小論文について、例文、書き方や対策方法をわかりやすく説明しています!

  • 管理者(加藤)は、早大法学部卒。高校生のキャリア支援企業を経て、予備校国語科講師(歴7年)。現在、高校主催の生徒・保護者向け講演会に年80回出講(歴5年)。

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教育学部・幼児教育学部の小論文の過去問の傾向

教育学部の小論文の代表的な出題例です。時間がない場合、太字だけ読んでください!

番号出題概要
多くの幼稚園や保育園では、動物の飼育をしたり、植物を栽培したりしている。これはどのような意義があると考えるか。(秋草学園短期大学)
ある児童(生徒)が、「先生、今まで読んだ本の中でおもしろかったものを教えて」と言うので、本を一冊紹介してあげることにした。具体的な書名をあげ、その本の魅力を紹介する文章を作成せよ。(東京学芸大)
教育を取り巻くいじめ不登校、学習意欲低下の問題のなかから1つを指定し、自身の考えと対応策、および大学入学後に自身が取り組む学習について述べなさい。(東海学園大学)
学校教育における競争についてあなたはどう考えるかを述べて、それを踏まえて、小学生または中学生に対して授業を行うとしたら、どのような授業を展開していくかを述べよ。その際に、あなたが設定した授業のテーマ、想定した児童・生徒の学年、及び大まかな授業の流れが分かるように述べよ。(広島大)
わかったつもりで実はわからないということについて、具体例をあげながら、自分自身の考えを述べよ。(大阪府立大)
学習指導要領をはじめ、教育において「生きる力」が強調されている。あなたの地域における地域特性を生かし、「生きる力」を伸ばすにはどのような方法が考えられるだろうか。「生きる力」についての自分の考え、およびそれを伸ばす方法を論じよ。(静岡大)
【社会専攻者向け】用語をすべて用いて答えよ。問1.勘合貿易について述べよ。用語:守護大名、朝貢、銅銭、倭寇。問2.大正時代における教育の普及について述べよ。用語:自由教育運動、就学率、大学令、羽仁もと子。問3.19世紀以降の樺太(サハリン)について述べよ。用語:サンフランシスコ平和条約、千島(千島列島)、間宮林蔵、和親条約。(茨城大)
【理科専攻】高校で学んだ「自然のしくみ(自然法則)」の中から特に印象に残ったものを1つ選んで,その法則の詳細を説明せよ。また,その法則が適用される具体例を1つあげて論述せよ。(愛知教育大)

教育問題、教授法、教科の知識に絞られる

教育学部(幼児教育含む)の小論文は、他学部と異なり、出題範囲が教育系にほぼ絞られます。以下の出題がメインです。数字は、上の過去問番号です。

  • 教育問題 … 3、4
  • 教授法 … 1、2、4、5、6
  • 教科の知識 … 7、8

受験する大学が、指導教科別の募集をしている場合、教科の知識が問われる可能性もあります。難関大学では、細かい知識(勘合貿易、大正時代における教育のように、知らなければ答えられない問題)が出題される傾向です。一方、中堅大学では、「大きな社会変革をもたらした日本史上の事件」のように、少し幅を持たせて聞いてくれます。

教育学部ではハイレベルな小論文が求められる

教科の知識を聞かない大学では、教育問題や教授法がメインとなります。出題範囲が狭く、多くの受験生が対策を行ってきますので、ややハイレベルな内容を記述することが求められます。出題内容が分かっている以上、高得点の小論文が多くなるということです。

(注)生涯教育など、幅広い教育をテーマにした学部では、上の3分野以外の、文化、社会、科学への関心を求める場合があります。

幼児教育系の短期大学では書きやすいテーマも出題

小学生以上の教員免許をめざす大学に比べると、保育士・幼稚園教諭をめざす短期大学の小論文は、やや答えやすいテーマが目立ちます(上の過去問番号6)。短大をめざす場合、まずは、的確な段落構成、適切な漢字の使用、話し言葉を避ける、一文を短めにといった点で差がつきます。ただし、入試倍率が高い人気短大では、内容の質が問われますので、答えやすいテーマであっても、準備を十分に行わないと、不合格になる恐れがあります。

教育学部・幼児教育学部 小論文の対策

教育学部・幼児教育学部の小論文の対策は、大きく4つに分かれます。

テーマ対策
基本的な教育問題(短期大学)短大は書きやすいテーマが多いですが、競争倍率がある場合、準備不足は不合格につながります。おすすめは先輩が教えてくれる!新人保育士のきほん(楽天ブックス)です。保育園、幼稚園の仕事の流れや知っておきたい基本が分かりやすく説明されています。
教育問題大学では教育問題が頻出で、学習範囲が絞れるうえに、受験生は高校の先生とタッグを組みますので、十分な準備が必要です。参考書はどれも古くなっていますが、一応小論文・面接の時事ネタ本―教育・教員養成系編(Amazon)を読んでおき、近年の教育改革と比較しておきます。また、子どもと学校 (楽天ブックス)は分かりやすい名著で、読むと差がつきます。
教授法教授法については、参考書が高度なため、高校や塾の先生に過去問を見せて相談し、アドバイスを受けるのがおすすめです。アクティブラーニングや文科省が最近定めた新学力観(知識・技能のほか、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性の尊重・協同性が含まれる)を知っておくことが必須です。
教科の知識センター試験レベルの学習をしておきます。私大で出題されるような難問よりは、基礎を徹底的に把握しておきます。ただし、記述式になりますので、記述主体の問題集の併用がおすすめです。

過去問を見て、上記以外の広いテーマ(文化、社会、科学)が出題されている場合、新聞やAERAを読んだり、現代用語の基礎知識学習版(楽天ブックス)を読んだりが必要です。

教育学部・幼児教育学部の小論文 例文と書き方

小論文の段落構成は、600~800字の場合、上の4段落が標準です。くわしくは、次の記事で説明してあります。

小論文の例文【わかったつもり】

わかったつもりで実はわからないということについて、具体例をあげながら、自分自身の考えを述べよ。(大阪府立大)

 わかったつもりで実はわからないをまず定義したい。学習のあと、本人が理解したと判断したにも関わらず、習熟度テストの点数が悪い。このような状況と私は考える。学力低下につながる大きな問題であり、教育現場での対処が必要だ
 私は、ある予備校の夏期講習で、英語の授業を受けた。講義はとても楽しくためになり、苦手な仮定法や話法をマスターできた気がした。しかし、自信を持って臨んだ高校での実力テストで、仮定法や話法の問題をほとんど間違えてしまった。今思い返すと、するすると頭に入る講義を聞いただけで、ノート作りや問題練習を疎かにしたのが要因だった。
 教える立場に立つとすると、1度の説明で分からせることが理想ではある。しかし、生徒との対話や、生徒に説明させるという場面なくしては、本当のの理解を与えることができないと考える。結局のところ、「消化不良」を避けるために、いま話題となっているアクティブラーニングの手法は不可欠だ。同時に、消化の前段階として、まず食べ物を手に取らせなければならない。授業では、生徒は食べているふり、つまり聞いているふりができるので厄介だ。本当の理解を導くためには、生徒に空腹感を覚えさえることが必要だ。その単元への興味を喚起したり、その単元を疎かにした場合のリスクを知らせるなどの手段があろう。
 このように見てくると、わかったつもりで実はわからない状況を避け、学力低下を防ぐには、一部の授業を少人数にし、生徒自らが事前にテーマを考え、アクティブラーニングで進めるのが1番良いと考える。(644字)

書き方のポイント

教育学部で、教育問題や教授法が問われた場合、知識がなく全く書けないというタイプの出題は限られます。自らの体験を思い返し、それを組み込んで書いてゆけるテーマが目立ちます。しかし、教育学部の推薦入試は、その高校のエース級の生徒が受験することが多く、高校の先生が全面的にバックアップするのが普通です。丁寧に対策をしておかないと、不合格になるリスクがあります。

上の小論文では、分かったつもりというテーマに対し、学力低下につながるとまず指摘し、教育問題への広い視野を見せています。さらに、近年のキーボードとなっているアクティブラーニングに触れたうえで、空腹感という独自の概念にも言及できています。教育問題への理解、近年の時事問題への理解、独自の視点という3点で高めの評価を取る可能性がある小論文です。

なお、上の小論文では、序論(第1段落)では結論を述べず、結論の方向性だけを示してます。このような書き方も許容されます。

小論文の例文【生きる力】

学習指導要領をはじめ、教育において「生きる力」が強調されている。あなたの地域における地域特性を生かし、「生きる力」を伸ばすにはどのような方法が考えられるだろうか。「生きる力」についての自分の考え、およびそれを伸ばす方法を論じよ。(静岡大)

 文部科学省によれば、生きる力とは、知・徳・体のバランスのとれた力のことを指す。知識、技能とその活用、協調性、健康のバランスが、生きる力である。今後の変化の激しい社会を生き抜くために必要だというのには、うなづける。地元静岡の地域特性を生かし、生きる力を伸ばすにはどのようにしたら良いのだろうか。高校での教育にテーマを絞って考えてみたい。
 私の住む静岡県の東部・伊豆地方は、観光業が盛んである。しかし、近年は少子化と景気の後退で旅行客が減り、廃業した旅館やホテルもある。私の家族は、毎年稲取温泉に海水浴に出かけるのだが、閉鎖された旅館や、さびれた商店街が目につくようになってしまった。高校生にできることは限られるが、少しでも活性化につながるような取り組みを行うことで、同時に生きる力を身に付けられるのではないか。
 高校生にできることは、まず地元にはどんな産業があるかを調査することだ。伊豆半島では、金目鯛や果実が有名だが、さらに新しい可能性を掘り起こせるかも知れない。それを生かして、いまの観光客に求められるような商品やイベントを考える。このとき、各種の統計や実地調査で集めた地元の人の声をデータ化することで、統計・データなどを扱う知識が身に付き、活用する力も身につく。グループ学習とすれば、協調性が身につく。さらに、農家や漁業協同組合に出向いて実地調査したり、旅館・ホテルなどに取材することで、実践的なコミュニケーション力が身につくと考える。
 以上が、静岡の地域特性を生かした、生きる力を身に付け、伸ばす方法の一例である。(657字)

書き方のポイント

この小論文の設問では、「生きる力」についての自分の考えも聞かれています。つまり、生きる力について全く知らなかったり、その背景を知らないと非常に書きづらくなります。課題文にヒントが示されることもありますが、教育関係の時事問題を学習していた生徒が有利なタイプの設問です。

また、あなたの地域における地域特性を生かしという条件が付くのもおもしろいところです。普段から、社会、文化、科学に対して幅広い視野を持っていれば、当然地域の課題も見えてきます。この設問は、教育をテーマにして自由に考えさせる設問に見えますが、同時に視野の広さを問う難問です。

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