【経済・経営・商学部】小論文の例文・書き方・対策

      2018/04/07

この記事では、経済・経営・商学部の小論文について例文・書き方・対策を公開しています。

広告

【動画】人気ユーチューバーからの受験生応援メッセージ

経済・経営・商学部の小論文の過去問と対策

過去問例

  • 電子メディアが台頭する現在、書籍の意義はどこにあるのか、論じなさい。(首都大・改)
  • 現在、ワーキングプアや派遣労働者・パートタイマー・アルバイトなどの非正規労働者の増加と貧困が話題となっている。このような背景を受けて、最低賃金の引き上げが議論されている。最低賃金の引き上げを行った場合の、企業、労働者への影響を踏まえ、あなたは最低賃金制度引き上げに賛成か、反対か、主張を論じよ。(東洋大・改)
  • 日本の若年失業率がOECD加盟国平均をかなり下回る水準である理由について、考えを述べよ。(横浜市立大)
  • 教育格差と所得格差について、その関係に注意しながら、自由に論じなさい。(北海道大・改)
  • 『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果)を踏まえ、特定の食品を摂れば健康になれると思い込む流行「フード・ファディズム」に対するあなたの意見を述べよ。(立命館大・改)

対策

経済・経営・商学部では、主にお金が関わる重要な時事問題が題材となります。法・政治学分野に比べると、出題された課題文で知識が得られる場合が多いですが、政経の経済分野の知識は得ておきましょう。

賛否を問う出題、本質を考えさせる問題の2方向性があります。賛否が別れる問題(例えばTPP)については、メリット・デメリットを整理しておきます。本質を考えさせる問題については、新聞・AERAなどを読み、評論調・分析型の文章を読み慣れておくことが必要です。

教科書内容の理解は、実況中継シリーズなどの参考書が役立ちます。

広告


受験ネットから進呈

経済・経営・商学部の小論文 例文と書き方

小論文の段落構成は、下の記事にあります。

【注意】例文は、生徒作品に最小限の添削を加えたものです。講師による論文レベル手本でなく、高校生に手が届く例文という位置づけです。

例文1 最低賃金制度引き上げ

「現在、ワーキングプアや派遣労働者・パートタイマー・アルバイトなどの非正規労働者の増加と貧困が話題となっている。このような背景を受けて、最低賃金の引き上げが議論されている。最低賃金の引き上げを行った場合の、企業、労働者への影響を踏まえ、あなたは最低賃金制度引き上げに賛成か、反対か、主張を論じよ。(東洋大・改)」

概要:現在、最低賃金制度引き上げが議論されている。私は、これに賛成である。

具体的説明(理由):最低賃金の引き上げによって、中小企業の経営が苦しくなることが予想される。しかし、コストが増加することは、経営の見直しや必要な自動化の契機となり、必ずしも悪いことではない。また、今後は少子化が進み、求人環境の変化から、賃金の引き上げは免れないのだから、いまから対応を進めてゆくことも必要だ。

具体的説明(理由):最低賃金の引き上げによって、労働者の生活は大きく変わる。現状の賃金では、最低限の休みで働き続けても、生活を成り立たせるのが精一杯で、自己投資の時間もお金もないのが現状と聞く。現在、副業志向が広がっているように、個人が自己投資し、成長してゆく土台は整いつつある。最低賃金の引き上げが、経済的に自立した労働者を増やし、社会全体の生産基盤を安定させることにつながると考える。

結論:以上から、私は、最低賃金制度引き上げに賛成である。最低賃金の引き上げにより、企業も個人も、「経営改革」を実現でき、日本全体としての国力が増してゆくはずである。(441字[400字前後]/生徒作品を最小限添削)

書き方のポイント

経済・経営・商学部において、賛否が別れる問題では、メリット・デメリットを説明し、片方を論理的に否定することで、もう片方を成り立たせてゆく書き方が、比較的好まれます。もちろんこれ以外の書き方でも問題はありませんが、経済学部の研究論文は、比較衡量と呼び、メリット・デメリットの比較を中心に展開することが多いことが背景です。

否定したいメリット・デメリットに対しては、次のような批判のし方があります。

  • 証拠がない(感覚的な内容であり、統計や数値の根拠がないことを批判します)
  • 理屈が通らない(因果関係や話の流れに、不十分な点があることを批判します)
  • むしろ逆である(メリットなら、そこから派生するデメリットを指摘します)
  • どちらにしても避けられない(将来どのみち発生するデメリット・メリットであり、議論しているテーマと無関係という批判)

上の例文では、2段落目で、最低賃金制度引き上げによるデメリットを批判しています。逆であるという批判のほかに、どちらにしても避けられないという、批判方法も用いています。

例文2 地元の産業の振興(高3生の例文)

「地元の産業の振興に関して、あなたが考えるところを書きなさい。(練習問題)」

地元の産業の振興に、何が必要なのであろうか。私は、伝統的な工芸品等を新しい形で観光客にアピールすることで産業振興をしていくべきだと考える。

私の住んでいる町は、山からの雪溶け水が湧き、きれいな水があることが有名だ。そのきれいな水を利用して、染め物産業が発達してきた。しかし、染め物自体の知名度は低く、地元の人でさえ知らない人がいる。

その対策として、染め物の体験講座を開き、学校単位で社会科見学として訪れてもらう。すると、地元の人たちが、この町は染め物が自慢だと自覚できる。そして、それを他の地域の人に伝えれば、より観光客を呼び込むことができる。具体的には、染め物を利用したアジアンテイストな小物や、多くの人が使用し話題になりやすいスマートフォンアクセサリーなどが望ましいだろう。

こうして、伝統産業を地元の人にも知ってもらい、観光客に新しい形でアピールすることで、産業を活性化させていくことが可能である。(400字/生徒作品を最小限添削)

書き方のポイント

この高3生の例文では、2段落目に、問題(=染め物の知名度が低いこと)と、それが発生している原因(=そもそも地元の人が知らない)の分析があります。経済、経営、商学部の小論文では、課題をはっきりさせ、その原因を分析する小論文が求められることが多くあります。

経済・経営・商学部では、つぎの書き方を知っておく必要があります。

  • 【基本の書き方】概要ー具体的説明ー具体的説明ー結論。
  • [賛否が問われるテーマの書き方]概要ーデメリット(またはメリット)の分析ーデメリット(またはメリット)の分析ー結論
  • [問題解決を求められるテーマの書き方]概要ー課題と原因の分析ー解決策ー結論

下の2つの書き方は、経済、経営、商学部におけるパターンですが、パターンだけ覚えていても、対応できない出題に慌てることとなり、また本質的には文章力は身につきません。あくまでも、【基本の書き方】の発展形として捉えておきましょう。

第3段落は、具体性が高く、小論文全体の印象を強めています。染め物を観光客等にアピールすべきだと書く受験生は多いですが、スマートフォンアクセサリーのように、具体的に提案する小論文は、多くは見かけません。第2段落で、雪溶け水が湧くことによるきれいな水と、具体性が強いイメージを読み手に与えていることもあわせ、読み手が想像しやすい展開となっています。ただし、慶應義塾など、難関大の小論文では、具体性に傾き過ぎず、ある程度抽象的な内容を重視してゆきます。

下の記事に、小論文対策の方法や、経済・経営・商学部で出題に注意が必要なテーマを掲載しています。

小論文の学部別頻出テーマ

学部を問わず、初心者から上級者向けまで、例文をセレクトし解説した人気記事です。

添削についてお困りの場合、以下をご覧ください(先着順です)。


広告


プレゼント

 - 小論文