グラフ図表型の小論文の書き方・段落構成【応用編④】

      2016/02/06

グラフ、図表が示される小論文が出題される方のための記事です。グラフ図表型は一見難しい印象を持ちますが、課題文(文章)がグラフ図表に変わっただけです。コツをつかめば十分に対応可能です。この記事は全国の高校で年に120回小論文等の講演を行っている元予備校講師が担当しています。


広告


※以下の記事を先にご覧になった方が理解度が上がります。

小論文の書き方・段落構成→「たった1つの簡単な方法」で高得点が可能

グラフ図表型の小論文の書き方・段落構成【応用編④】

 

3つの応用グラフ・図表がある小論文の書き方・段落構成

グラフ

✔ 小論文にはテーマのみ示される場合のほか、課題文(現代文のような文章)またはグラフ・図表が参考に付け加えられる場合もあります。

✔ 書き方は小論文で頻出する「課題文型」と同じです。経済・経営系、国際系、総合系、看護医療系など一部の学部ではグラフ・図表が付されることがあります。グラフ・図表に苦手意識を持っている方は、先に下の記事を見ておくとすっきりします。

小論文の書き方・段落構成【応用編①】課題文型は要約が必要

本の写真

✔ グラフ・図表が示される形式には2パターンあります。

【A】1題が出題される場合

グラフを参考に、今後求められる地域社会のあり方について論じなさい(800字以内)

【B】2題が出題される場合

(1)グラフから読み取れることをそれぞれ200字以内で説明しなさい。
(2)(1)を参考に、今後求められる地域社会のあり方について論じなさい(400字以内)

ポイントになるのは、①の形式の場合特に指示がなくても全体の4分の1~3分の1程度の分量でグラフ・図表から読み取った内容を入れなければならないということです。設問に「グラフを参考に」の指示がありますが、その指示に読み取り問題も含まれていると考えましょう。【A】の場合の書き方(段落構成、展開)は原則として下のような5段落構成になります。

 小論文(作文等も全く同じ)のたったひとつの書き方・段落構成

0 グラフ・図表の読み取り(全体の4分の1~3分の1程度)
1 結論
2(1) 具体的な 例、体験、理由、内容
2(2) 具体的な 例、体験、理由、内容
3 結論

 

例題 グラフを参考に、あなたの意見を自由に論じなさい(800字以内)

出典:http://www.hagukumu.net/index.html

✔ 上に示した「たったひとつの書き方」で段落構成メモを作成します。

0 グラフ・図表の読み取り(全体の4分の1~3分の1程度)
男女問わず十五から二十歳の若者の運動能力が平成期に入り大きく落ち込んでいる。以上がグラフから読み取れる事実である。

1 結論
十五から二十歳の若者の運動能力の低下はどこに要因があるのだろうか。私は小学生の頃の生活習慣の変化が原因であり、改善すべき点があると考える。

2(1) 具体的な 例、体験、理由、内容
父親や母親の頃と異なり、私が小学生の頃は外で遊ぶ機会は週に一度程度であった。これは特別な例ではなく、小学生の遊びはゲームなど魅力的な室内遊びに移りつつある。

2(2) 具体的な 、体験、理由、内容
都会では空き地や小川などが非常に少なくなっている。

3 結論
若者の運動能力の低下は大人になってからの健康にも影響するはずだ。ゲーム以上の魅力を感じる小学生向けのスポーツを開発し、そのための競技場を各地に作ることが必要だと思う。

「グラフ・図表の読み取り」のポイント

グラフ

ポイント① グラフや図表が示している事実のみを読み取り、感想や意見を勢いで書かないように注意します。

✔ どの学問でも「事実」と「考え」を分けて論じることが強く要求されますので、混ざってしまうと学問を学ぶことに向いていないと判断されてしまいます。例えば「A君はモテる」というのは誰から見ても成り立つ事実(客観)ですが、「A君は優しい」というのは考え(主観)に近いものです。

ポイント② グラフや図表が示している事実は次のようにまとめます。特に例2が失敗しにくい書き方です

(例1)グラフ(図表)から以下の事実を読み取ることができる。……。……。……。
(例2)……。……。……。以上がグラフ(図表)から読み取ることができる事実である。

ポイント③ グラフや図表は、全体の傾向や大きな変化に注目します

✔ グラフや図表は、全体の傾向や大きな変化に注目します。今回のグラフからは様々なことが読み取れますが「男女問わず十五から二十歳の若者の運動能力が平成期に入り大きく落ち込んでいる」ことは外せない大きな傾向、変化です。

✔ 大きな傾向、変化を踏まえたうえで、気付きにくい意外な変化に目をつけて独創的な文章を書くというテクニックもあります。

ポイント④ グラフや図表は必ず具体的な数値を交えて説明し、可能なら計算結果を入れます。

悪い例 男女問わず若者の運動能力が最近大きく落ち込んでいる。
良い例 男女問わず十五から二十歳の若者の運動能力が平成期に入り大きく落ち込んでいる。

✔ グラフや図表を通じ、出題者が数値・統計への親しみの度合いを測ろうとしていると考えて間違いありません。おおざっぱに読み取るのでなく、必ず数値(何%、何割程度、何年など)を入れましょう。また、足し算、引き算、割り算などを駆使して計算結果を示すことも評価につながります。

グラフ・図表問題や理系の小論文に適した特別な段落構成(問題解決型)

なお、グラフ図表型や理工系の小論文に限っては次の形式が書きやすい場合があります。

グラフ図表型や理工系向けの小論文の段落構成

0 グラフ・図表の読み取り(全体の4分の1~3分の1程度)
1 問題提起(可能ならば重大性を示す)
2(1) 具体的な原因
2(2) 具体的な原因
3 結論(解決策)

(例)

0 男女問わず十五から二十歳の若者の運動能力が平成期に入り大きく落ち込んでいる。以上がグラフから読み取れる事実である。

1 この青年層の運動能力低下にはどのような背景があるのだろうか。青年層の運動能力の低下は、将来の健康に悪影響をもたらすはずだ。

2(1) 運動能力低下のひとつめの原因は、ゲームなど室内遊びの魅力の向上である。「鬼ごっこ」「ドッヂボール」など昔と大差がない外遊びに対し、ゲームの進化は目を見張るほどだ。

2(2) 運動能力低下のふたつめの原因は、都市開発による遊び場の減少である。

3 このように見てくると、魅力ある室外遊びの創出が非常に重要である。例えば、安全管理などの課題はあるものの小学生向けの「ボルダリング」(人口岩登り)の施設建設なども一案である。

✔ この書き方は、運動不足のように皆が問題だと思うテーマには適用できますが、「集団安全保障」のように意見が分かれる問題には適用できません。まずは下の記事で示した「基本形」をマスターすることをおすすめします。

小論文の書き方・段落構成→「たった1つの簡単な方法」で高得点が可能

✔ そのうえで、経済・経営・商、国際などの社会科学系、総合系、理工系の学部受験者は、過去問の傾向を見つつ「問題解決型」の書き方をマスターしておくと安心です。「基本形」も「問題解決型」も、2(1)~2(2)の段落でしっかりと具体化(狭く、リアルに、見える化)していくことには変わりがありません。


広告

関連記事(基礎編)

小論文   文章が苦手でどうしても書けない人はコレ【超基礎編】

小論文の書き方 たった1つの簡単な方法を実践しよう【基礎編】

関連記事(応用編)

課題文型の小論文の書き方・段落構成【応用編①】

対比、譲歩を使った小論文の書き方・段落構成【応用編②】

漠然としたテーマ型や2語型の小論文の書き方・段落構成【応用編③】

グラフ図表型の小論文の書き方・段落構成【応用編④】

 - 小論文