日本一わかりやすい 文系・理系のための学部選び〜就職、診断、決め手〜

      2016/04/27

学部選びの失敗は、中退や就職の失敗に直結します。学部選びに失敗→大学の成績が降下→中退や就職の失敗→フリーター→底辺……。この図式は多くの先輩が経験しています。この記事では、独自の角度であなたを成功に導きます。


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【参考】従来型のよくある学部分類

大学・短大の学部は一般的には文系・理系に分類されます。もう少し丁寧に言えば5系統ほどに分類されます。この昔ながらの分類は、就職を重視する受験生が増えた現状には合いませんが、好きな科目から学部を決定する際には役立ちます。

①国語、地歴、英語が好き → 人文科学系統(文系)
・文学 ・哲学 ・心理学 ・歴史学 ・考古学 ・文化人類学 ・外国語学

②公民、英語が好き → 社会科学系統(文系)
・法学 ・政治学 ・国際関係学 ・経済学 ・経営学 ・商学 ・情報(文系)・地域

③理科、数学が好き → 自然科学系統(理系)
・理学 ・農学 ・工学(電気、機械、材料化学、情報等)・薬学 ・医学

④興味が分散している → 総合科学系統(文理融合)
・総合政策 ・キャリアデザイン ・文化総合政策 ・教育学(※1)

⑤体育、芸術科目が好き → 体育・芸術系統
・体育 ・スポーツ科学 ・健康科学 ・芸術

⑥その他の目標がある → 看護医療・家政・福祉系統 
・看護 ・医療(※2) ・幼児教育 ・栄養 ・福祉

※1 … 教育学は、小学校教諭または広く浅く教養を学ぶ。
※2 … ・看護 ・理学療法 ・作業療法 ・臨床検査 ・診療放射線 ・臨床工学 ・歯科衛生 ・視能訓練 ・言語聴覚

この記事では従来の分類方法ではなく、学部をたったの2つに分けて考えます。

【1】学問型の学部

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✔ 「学問型の学部」とは古い歴史を持った学部で、文学部が分かりやすい例です。

✔ 文学部では源氏物語から現代小説まで幅広く学びますが、将来作家になるのは100人に1人以下。出版業界を含めても少数派です。このように「学問系の学部」は、様々なことを勉強するが就職に直接生かすわけではない、または間接的に生かすのが特徴です。

※間接的に生かすとは、理学部で学んだ学生が、製薬会社の営業職に就くようなケースです。

学問型の学部リスト

① 人文科学系統の全て ・文学 ・哲学 ・心理学 ・歴史学 ・考古学 ・文化人類学 ・外国語学 ・教育学(理系含む)

② 社会科学系統の全て ・法学 ・政治学 ・国際関係学 ・経済学 ・経営学 ・商学 ・情報(文系)・地域

③ 自然科系統の一部 ・理学(院進学者を除く) ・農学(院進学者を除く)

例えば「歴史学」を学び博物館に勤める人はごく少数。「法学」を学んで弁護士や司法書士になる人も結果的には少数になります。また「理学」のなかの物理学を学び、将来も研究を仕事にできる人はごく少数です。

※理学、農学の分野で、学んだことを直接的に仕事にする研究者に就くには、大学院進学が必要です。ただし大学卒業(学部卒)であっても、文系よりは需要・供給のバランスが良く、就職状況はやや良いと言えます。

学問型の学部のメリット

文学、歴史学、法学、理学といった「学問系の学部」のメリットは以下の通りです。

✔ カリキュラムに縛られず好きなことを学べる。

✔ 幅広く学ぶなかで、自分の可能性に気づいたり、関心のある職業が広がったりする。

✔ 高校時代に将来の仕事を決めなくても、大まかな興味があれば進学は可能。

学問型の学部のデメリット

文学、歴史学、法学、理学といった学問系の学部のデメリットは以下の通りです。

✔ たとえ同学部生でも進路はバラバラ。1年生の段階から将来の職業を考え、英語、情報処理、簿記、公務員の資格を取得するなど、武器を身につける必要がある。

✔ 大学の難易度が就職活動の幅に比例しやすく、なるべく難度の高い大学を目指す必要がある。

✔ 就職は成功者とそうでない人の落差がある(安定企業からフリーターまで)。

法学部とは 経済・経営・商学部の違いは? 理学部とは 農学部とは 教育学部とは

【2】専門型の学部

大学

✔ 伝統のある学問型の学部に対し、専門型の学部は戦後様々な専門的職業の確立にあわせてできたものも多く「看護学部」が分かりやすい例です。看護学部は看護師(保健師・助産師)の国家資格を取るための勉強をします。幅広く自由に学ぶ学問型の学部に対し、目標資格があるため学ぶことの融通が利かず生徒間、学校間の差が少ないのが特徴です。

✔ 学問型の文学部では、作家になる人は100人に1人程度。一方、看護学部では将来100人中100人が看護師または保健師になります。看護師、保健師以外の職業を選ぶのは、脱落したり意志が代わったりした人などごく少数となります。

専門型の学部リスト

① 自然科学系の一部 ・工学(電子、電気、機械、材料化学、建設、建築、情報等) ・医学 ・薬学 ・歯学

② 看護・医療系統(※1)

③ 家政・福祉系統(※2)

※1 … ・看護 ・理学療法 ・作業療法 ・臨床検査 ・診療放射線 ・臨床工学 ・歯科衛生 ・視能訓練 ・言語聴覚
※2 … ・保育  ・幼児教育 ・栄養 ・福祉

理学部で物理学を学び研究者になるのは狭き門ですが、工学部で機械を学び機械関係の仕事に就く人は多数います。看護、医療、保育、幼児教育、栄養、福祉なども就職率は良好です。

専門型の学部のメリット

専門型の学部のメリットは以下の通りです。

✔ 同学科生なら目標はほぼ同じです。将来の職業を調べたり、国家資格選びに時間を費やしたりすることなく、共通の目標(看護師、管理栄養士、幼稚園教諭等)に的を絞った学習ができます。

✔ 就職は成功者とそうでない人の差が少なくなります。第1希望の施設や会社へ就職できない人は多くいますが、全く関係ない分野の仕事に就かざるをえないことは少なくなります。

専門型の学部のデメリット

専門型の学部のデメリットは以下の通りです。

✔ 国家資格取得や専門の研究に縛られ時間を取られるため、特に上級学年では興味があることを幅広く学ぶのは時間的に困難。

✔ 授業(講義・実習)を受けてみて自分に合わない、好きではないと気づいても、退学するしか選択肢がない。また、学生生活を送るなかで自分の新しい可能性に気づいたり、関心のある職業が広がったりしても進路変更は極めて困難。

✔ 高校時代に将来の仕事を決めなくてはならない。

工学部とは 理学との違い 情報系の学部とは

学部選びの決め手 まとめ

文学部のような「学問型の学部」なのか、看護学部のような「専門型の学部」なのか。それぞれ長所と短所がありますので迷うかもしれません。しかし決める手順はシンプルです。まず第1に専門型の学部についてひとつひとつ調べ、興味のあるなしをはっきりさせていきます。

例えば文学部に進んだあと、友人の話などがきっかけとなり看護師に興味がわいた場合、一度中退し再受験となってしまいます。言いかえれば、専門型の学部からつながる職業は、高校在学中に希望していないと間に合わなくなります。

そのため、大学に進学してからでは間に合わない専門型の学部については常に情報のアンテナを立てるように意識し、将来なりたいと思うことは絶対にないと確信するまで情報に注意する必要があります。

【専門型の学部リスト】

自然科学系の一部

・工学(電子、電気、機械、材料化学、建設、建築、情報等) ・医学 ・歯学 ・薬学

電子、電気、機械、材料化学(応用化学)等は就職状況が良好。震災復興や景気の関係で、建設、建築分野の就職率も上昇しています。情報は、勤務環境の良し悪しに格差があり就職活動に工夫が必要ですが、将来の独立が容易な分野です。薬学は6年制ですが、就職状況は極めて良好です。例えば、理科、ものづくり、コンピュータに少しでも興味があるなら、学ぶ内容や職業について調べてみる必要があります。

教育学部(小学校教諭)

教育学部は内容が多岐にわたります。小学校教諭を取得する学科を中心に、幼稚園教諭や中高教員をめざすコースもあります。なかには、幅広い教養を身につけ必ずしも教員をめざさない学科もあります。そのためこの記事では「学問型」に分類しましたが、特定の職業を目指す学科もあるため注目が必要です。

小学校の先生の試験倍率は以前よりも下がっています。知識、人格、体力のバランスが必要で大変な仕事ですが待遇は安定しています。中高教諭は様々な学部で免許取得できるため大学進学後に興味を持ちめざすことも可能です。しかし、小学校教員の免許を手にできる学部は限られていますので、高校時代に強く意識しておくことが必要です。

看護・医療系 

・看護 ・理学療法 ・作業療法 ・臨床検査 ・診療放射線 ・臨床工学 ・歯科衛生 ・視能訓練 ・言語聴覚

看護・医療系は、どの資格も就職状況が安定し大変な部分もありますが人の役に立つ仕事です。お金儲けのために工夫したり駆けまわったりすることなく、しっかりと構えてすべきことをして生計が成り立つ仕事です。看護医療系は高校在学中に意識をしないと就くことが難しい職業です。なお上記の資格のなかでは看護師は図抜けて激務(精神、体力面の両方)ですので、覚悟が必要です。

家政・福祉系統  

・保育  ・幼児教育  ・栄養  ・福祉

看護医療系と比較すれば、家政・福祉系統の資格は勉強が多少苦手でも取得は可能と言えます(管理栄養士を除く)。その反面、就職後の環境は体力面や精神面でハードなことが多く、看護医療系より離職率はやや高いでしょう。しかし新卒就職率そのものは高いので、フリーターになるリスクは小さくなります。

最後に

「専門型」の学部とつながる職業について、常にアンテナを立て意識をしていくなかで、興味がわいてくるものが存在しない場合は「学問型」に向いていることがあります。また全体像としては専門型が有利に見えるかもしれませんが、実際にトップクラスの企業に就職したり、大きな成功をつかむ人は学問系の学部出身者が目立つことも事実です。

高校を出て専門型の学部に進み、目的を絞って勝負に出るのも一つの生き方です。一方で、大学を充電の場と考え、社会に出てから目的を絞り勝負に出るのもまたひとつの生き方です。

いずれを選ぶにしても「好き」、少なくとも「苦にならない」ものしか長続きしません。就職活動で楽をしたいと考え、看護などの専門型を打算で選ぶと必ず実習や学習で挫折します。病気の人を助けたいという熱意がなければ続かないのです。

以上を参考に失敗しない学部選びをされてください。



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