入試面接 塾と学校で指導内容が違ったらどうすればいい?

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大学入試の面接について、塾と学校、あるいは先生同士で言うことが違うのだけど、どれが正しいの?

受験ネット代表 加藤詳細
早大卒、予備校講師を経て国家資格キャリアコンサルタント(登録番号20022587登録証)。高校内講演歴10年670回。
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面接指導 先生によって言うことが違う場合、基本的な考え方

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大学入試の面接について、塾と学校、あるいは先生同士で言うことが違うのだけど、どれが正しいのですか

はい。面接は、答えがあるテストではありません。そのため、塾・高校、あるいは先生によって考え方が異なることは、珍しくありません。

例えばノックの回数は、2回と3回という考え方が、あります。しかし、大学や専門学校の入試担当者は、そのような細かい違いで合否を決めることはありません。安心して臨んでください。

ただし、面接での志望理由については、先生によって、指導の経験が異なり、合否に結びつくことも、あるように感じます。そのため、志望理由関係は、先生によって指導内容が異なった場合、よく調べてみることが必要です。

ノックの回数は2回、3回?

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ノックの回数は、2回、それとも3回? 先生によって、違うのですが?

はい、どちらでも構いません。高校では、以前は2回と教える学校が多数派でしたが、現在は大卒の就職活動で3回と教える傾向を、若手の先生が持ち込み、3回が急増しています。

しかし、入試担当者は、2回なのか3回なのかで点差をつけることは、ありません。また、「2回はトイレのノック」という説もありますが、明確な根拠はありません。

ただ、俗説を信じてしまっている人も増えており、「2回を失礼に思う人が一部いる」「3回を失礼に思う人はいない」という実情から、迷ったら3回がおすすめです。

面接で荷物は、持ったままでいいの?

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面接会場に入ってあいさつをするとき、荷物は床に置きなさいという先生と、持ったままで構わないという先生がいるのですか?

はい、それも合否には直接関わらないため、どちらでも構いません。ただ1つだけ絶対にやってはいけないのは、リュックを背負いながらのあいさつです。これだけは、不自然に見えますので、リュックは、手で持つか床に置いてください。

筆者は、「複数の動作の併行はマナー違反」という面接の大原則から、荷物を持ちながらのあいさつは、やめるように指導しています。しかしこれも、気にしない人もおり、絶対的なものではありません。ただ、もし迷ったら、原則を守り、荷物は床に置きましょう。

実際の入試では、室内に荷物置き場の机等が置かれ、指示があることが多いです。

「失礼します」のあいさつは、ドアを開けたままでいいの?

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高校では、教室のドアを開けた状態で、あいさつをしていたのですが、高校に来た面接指導講師は、よくないと言うのですが?

はい。「複数の動作の併行はマナー違反」という大原則からすると、ドアは開け閉めを済ませ、部屋に入ってから挨拶をするのが、ベストだと感じます。しかし、これも、入試で大学や専門学校側が問いたいことの中心ではありません。

仮に開けたまま、あいさつをしても、点数が下がる可能性は、ほとんどありません。

ただ、高校ではなく、外部の講師は、ドアを閉めたあとのあいさつを推すのが通例です。大学や専門学校は、高校のように「開けっ放しにできるドア」ばかりではない、という事情もありますし、「複数の動作の併行はマナー違反」という大原則を守るという意味もあります。

迷ったら、ドアの開け閉めを済ませたあと、あいさつをしてください。ただし、集団面接で、後ろにも人がいる場合は、開けておきます。

「失礼します」「失礼いたします」はどちらがよいの?

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担任は「失礼します」派なのですが、ほかの先生には、「そこは、失礼いたしますだろ(笑)」と言われてしまいました。

はい。「失礼します」「失礼いたします」も、入試で大学や専門学校側が問いたいことの中心ではありませんので、どちらでも構いません。

強いていえば、失礼しますは丁寧語、失礼いたしますは謙譲語(へりくだる表現)のため、迷うようなら「失礼いたします」で覚えておけば、先々も安心です。

「失礼しました」「失礼いたしました」はダメなの?

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退室時に「失礼しました」と、言ったら、面接担当の先生に、君は何か私に失礼なことをしたの?と笑われたのですが。

はい。それは、先生が正しいです。「失礼しました」「失礼いたしました」は、文字通り失礼なことをしたときに使う言葉です。これだけで入試に落ちることはないですが、1つのミスにはなるかなという印象です。

筆者はある高校で面接官を担当したとき、とても大きな声で「失礼しました」と言って退室した生徒がいました。この生徒は、スポーツ系の部活動の経験が売りでしたので、このミスもほほえましいと思った記憶があります。このように、面接には、本筋と副次要素があり、大きな声・元気・聞き取りやすい声といった「本筋」が整えば、副次要素は打ち消されることもあります。

強いてまとめれば、「失礼」系は、次のようになるでしょう。

  • 〇 失礼いたします
  • 〇 失礼します
  • × 失礼いたしました、失礼しました

面接の椅子は左側に立つの?下座に立つの?

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面接の椅子は左側に立つの?下座に立つの? 高校の先生と塾の先生で、やり方が違うのですが。

はい。面接で問いたいことの中心ではなく、どちらでも大丈夫です。

椅子の左側に立つというのは、ヨーロッパの騎士のマナーに原点があります。椅子の左側に立つと、腰に差したサーベルの先がじゃまにならないからです。一方、席順のマナーの考え方を発展させ、下座(入口に近い方)に立つという意見も一定の支持があります。

迷ったら、筆者個人としては(面接官は年齢が高く、古くからのマナーを知っている可能性もあり)左側をおすすめします。なお、集団面接では、前の人が立った側に合わせてください。

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女子は、左右の手を組んだ方がよいの?

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女子は、左右の手を組んだ方がよいのですか?

はい。女子の場合は、着席しているあいだは、必ず手を組んでください。右手が下、両手の親指と人差し指の間が触れ合う形が理想です。

おじぎのときは、組んでも組まなくても構いません。組む場合、直立しているときは手は真横、おじぎの最中だけ組むようにすると混乱しません。高校で面接指導をしていると、両手を組むタイミングを決めておらず、立っているときに手先に迷いがある生徒が見られ、やや気になります。

なお、専門学校を中心に、接客・サービス業分野(ホテル、ブライダル、フライトアテンダントなど)は、おじぎのときも手を組んだ方がよいでしょう。専門学校側に、業界出身者が多く、手を組むことが当たり前だと考えている方もいます。その際、組んだ手をおへその上まで引き上げるのは、過剰なマナーとして嫌う人もいます。手を組むのは、おへそのあたりか、おへその下です。

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志望理由について

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志望理由については、先生によってさまざまな見方があるみたい。

はい。志望理由については、大学や専門学校側でも、学校や担当者によって評価基準は多少異なるはずです。

大学、短大については、「学びたいことの具体性」「他大と異なる特色を挙げているか」「アドミッションポリシー(または受験する入試における、求める受験生の記述)と合致しているか」は、3本柱です。

専門学校については、看護医療系を除けば、「希望分野への熱意や将来像」「他の専門学校と異なる特色を挙げているか」が大きいでしょう。

以下、志望理由についてのアドバイスの正しさを分類してみます。

アドバイスの内容正しさ説明
学びたいことを具体的に言いなさい大学・短大希望なら、不可欠な要素です。講義名、資格名、教授名、ゼミ(研究室)名、具体的な研究テーマを挙げます。
他校と異なる特色を挙げてなければダメどの学校を受験する場合でも、正しい指摘です。パンフやWebサイトで、似た学校を比較して見つけ出します。
答えが短すぎる志望理由、自己PR、高校生活の質問は、45秒程度の長さがないと、準備不足と判断されます。
あいまいで抽象的
(=具体性がない)
「幅広く学ぶ」「さまざまな」「実践的な学習」など、それらしいものの、あいまいに濁す回答は、印象が悪くなります。
暗記していることが伝わる大学や専門学校受験の面接では、丸暗記したことを読み上げるのではなく、その場で浮かんだ自分の言葉を大切に、相手の反応を見て言葉を選ぶ、通常のコミュニケーション力を求めています。ただ、アドリブが苦手という方は、暗記しても構いません。
授業、先生など、高校の用語を用いている大学・短大では、講義、教授などの用語が普通ですので、志望校のパンフレッやWebサイトで確認します。なお、教授、准教授、講師をあわせて、教員と呼ぶ大学もあります。
貴校ではダメ大学、短期大学は「貴学」が正解です。就活では、書く時は貴社、面接では御社となりますが、入試ではいずれも貴学で構いません。専門学校は、書く時は貴校、面接では「御校」が標準です。
きっかけが長過ぎるきっかけは、自己紹介代わりに手短に、が鉄則です。学びたいこと、学校の特色など、中心の内容に時間をかけます。
強みの分析が甘い自己分析をし、自分の強みと会社の強みの重なりを訴えるのは、大学生の就活の考え方であり、受験では必須とは言えません。まずは、①学部(分野)やその学校を目指したきっかけを語ることで人柄を伝え、②学びたいこと(専門学校なら熱意や将来像)をしっかりと訴えることを優先してください。

内容に自信が出てきた段階で、高校生活で得た強みや関心と、大学などの持ち味の合致を探ってみて、付け足してゆくとよい志望理由になります。
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